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酸化イットリウム(III)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
酸化イットリウムから転送)
酸化イットリウム(III)
識別情報
CAS登録番号 1314-36-9 チェック
RTECS番号 ZG3850000
特性
化学式 Y2O3
モル質量 225.81 g/mol
外観 白色固体
密度 5.010 g/cm3, 固体
融点

2425 ℃

沸点

4300 ℃

への溶解度 難溶
アルコール
への溶解度
可溶
構造
結晶構造 蛍石型構造
空間群 Ia-3, No. 206
配位構造 八面体形
危険性
EU分類 なし
Rフレーズ なし
Sフレーズ S24/25
関連する物質
その他の陽イオン 酸化スカンジウム(III)
酸化ランタン(III)
関連物質 イットリウムバリウム銅酸化物
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

酸化イットリウム(さんかイットリウム、: yttrium oxide)は空気中で安定なイットリウム酸化物で、その組成式Y2O3 である。白色の固体で、無機化学物質科学において出発物質としてよく使われる。

天然にはイットリアアイトYttriaite)という希産鉱物として産出する(日本では未発見のため、和名は未定)。

用途

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物質科学

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イットリウム化合物の最も重要な用途は、YVO4 ユウロピウムY2O3 ユウロピウム蛍光体であり、これはブラウン管テレビの赤色を作るのに使われる。酸化イットリウム(III)はイットリウム・鉄・ガーネットを作るのにも使われ、これはマイクロ波フィルタとして役に立つ。

1-2-3 として知られる高温超伝導体 を作るのに使われ、金属の組成は次に示される。

この合成は800 ℃で起こりやすい。

酸化イットリウム(III)の熱伝導率は27 W/(m・K)である[1]

無機合成

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酸化イットリウム(III)は無機化合物合成の出発物質として重要である。例えば、これを濃塩酸塩化アンモニウムのもとで反応させると YCl3 になる。この化合物は有機金属化学で重要である。

レーザー

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Y2O3 セラミックスは将来性のある固体レーザー物質である。特に、イッテルビウムドープされているレーザーでは無変調連続波[2]やパルス状領域[3]の効率的な操作を可能にする。

出典

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  1. ^ P. H. Klein and W. J. Croft (1967). “Thermal conductivity , Diffusivity, and Expansion of Y2O3, Y3Al5O12, and LaF3 in the Range 77-300 K”. J. Appl. Phys. 38: 1603. doi:10.1063/1.1709730. 
  2. ^ J. Kong; D.Y.Tang, B. Zhao, J.Lu, K.Ueda, H.Yagi and T.Yanagitani (2005). “9.2-W diode-pumped Yb:Y2O3 ceramic laser”. Applied Physics Letters 86: 161116. doi:10.1063/1.1914958. 
  3. ^ M.Tokurakawa; K.Takaichi, A.Shirakawa, K.Ueda, H.Yagi, T.Yanagitani, and A.A. Kaminskii (2007). “Diode-pumped 188 fs mode-locked Yb3+:Y2O3 ceramic laser”. Appl.Phys.Lett. 90: 071101. doi:10.1063/1.2476385. 

外部リンク

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