遠山茂樹 (デザイナー)
遠山 茂樹(とおやま しげき、1959年(昭和34年)3月23日 - )は日本のゲームクリエイター、デザイナー。「遠山式立体表示法」の発明者。
ナムコ「プロップサイクル」の企画や「ゼビウス」のメカデザイナーとして知られる[1][2][3]。
バンダイナムコゲームス新規事業課を経て[4]、バンダイナムコスタジオ所属[5][6]。
来歴・人物
[編集]1981年に多摩芸術学園卒業し、ナムコに入社[7]。同期に遠藤雅伸がいる[2]。ゼビウスなどのデザインに参加し、プロップサイクルなどでは企画も担当した[1][2]。ロボットのデザインにも携わり、ソニー出向した際には、AIBOにも関与[2]。
遠山は2002年に「遠山式立体表示法」を発明し、社長賞で最優秀賞を取得[8][7]。実用化され、各方面に展開した(詳細は節#遠山式立体表示法を参照)。その後はバンダイナムコゲームスの新規事業課において、電通と連携した「SPECIAL FLAG」というゲームメソッドコンサルティングチームにも関っている[4][9]。
2015年よりバンダイナムコスタジオ AM第3開発本部 コンテンツデザイン3部 AM企画7課 エグゼクティブプランナーとなり[5][6]、2016年からは技術統括本部 技術本部 技術企画部 イノベーション課 遠山式立体表示法担当にも就任[6]。
受賞歴
[編集]- 1996年 - マルチメディアグランプリ・エンタテイメント賞[7]
- 1996年 - NOVASTAR1996 BEST INNOVATION AWARD[7]
- 2002年 - ナムコ社長賞・最優秀発明賞[7]
主な作品
[編集]ゲーム
[編集]主な担当ゲームに、
- ゼビウス(キャラクターデザイン)
- サンダーセプター(キャラクターデザイン)
- スターラスター(キャラクターデザイン)
- ファイナルラップ・ウイニングラン(ロゴ・筐体デザイン)
- ギャラクシアン3(コンセプト・キャラ・ロゴデザイン)
- スティールガンナー(筐体デザイン)
- ガンバレット(企画)
- プロップサイクル(企画)
- パニックパーク(企画)
がある[9]。
ロボット
[編集]書籍
[編集](遠山式立体表示法が用いられた書籍)
- 『絶叫3DポスターブックR.C.T』、双葉社、2003年11月、ISBN 4575296368。
- 遠山茂樹、遠山式開発チーム『Touch it! ―遠山式超立体写真集』、小学館、2004年11月、ISBN 4093855188。
- 白組、遠山式立体表示研究所『friends もののけ島のナキ ―とびだす立体映画絵本』、小学館、2011年11月、ISBN 978-4097264583。
(作品集)
- ぜくう 著、ぜくう・遠山茂樹 イラスト『遠山茂樹作品集・インタビュー 後編』、遠山茂樹・遠山式開発チーム・遠山式立体表示研究所 監修、ゲー夢エリア51 編集、密林社、2013年12月、ASIN B00D69K49E
- ぜくう 著、ぜくう・遠山茂樹 イラスト『遠山茂樹作品集・インタビュー 後編』、遠山茂樹・遠山式開発チーム・遠山式立体表示研究所 監修、ゲー夢エリア51 編集、密林社、2013年12月、ASIN B00JIO9DIO
- ぜくう 編著、遠山茂樹 イラスト『遠山茂樹作品集・アートワークス編』、遠山茂樹・遠山式開発チーム・遠山式立体表示研究所 監修、密林社、2014年12月、ASIN B00PXLIP12
遠山式立体表示法
[編集]赤・青のフィルムを用いたメガネによるアナグリフ式を基本とし、裸眼で立体視できるレンティキュラ方式[注釈 1]など様々な形式が開発された[10][11]。本立体表示法は、以下の特許を取得[11]。
- 特許第3579683号「立体視用印刷物の製造方法、立体視用印刷物」 - 特許権者:株式会社バンダイナムコエンターテインメント、発明者:遠山茂樹 、宮澤篤(2003年11月12日出願、2004年6月24日公開、2004年7月23日登録、2023年11月12日期限)
「AT21遠山式3D ピクチャー」として、福井コンピュータが開発する建築系のCADに導入された[12][13]。奥村印刷と連携して山崎真実や大久保麻梨子の等身大ポスターも制作した[14]。また、小学校と連携したプロジェクトも実施され、「遠山式立体表示研究所」というサイトが設けられた[11]。「3Dお風呂ポスター」といった応用も開発された[15]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b 勝田哲也 (2015年7月8日).“RCベルグ、レジンキット「ゼビウス3機セット」を発売 「ワンダーフェスティバル2015 夏」で50セットを先行販売” Game Watch. 2017年4月6日閲覧。
- ^ a b c d e “「ゼビウス」がなければ「ポケモン」は生まれなかった!? ―遠藤雅伸、田尻智、杉森健鼎談―”. ゲームの歴史を紐解く連載シリーズ「ゲームの企画書」第1回. (2016年2月8日) 2017年4月5日閲覧。
- ^ ゲームサイド 2011.
- ^ a b 根津禎 (2012年6月11日).“ゲームのチカラがエレクトロニクスを救う ゲームなら、つまらなければ平気でボツにする”. 日経テクノロジーonline. 2017年4月5日閲覧。 - 原典は『日経エレクトロニクス』2011年11月28日号
- ^ a b c d 村上万純 (2016年2月23日) “当時のレアな資料も大放出 ナムコ社長「受付はロボットにしろ」 30年前の無茶ぶりを伝説的クリエイター陣が語る”. ITmedia. pp.1-3. 2017年4月6日閲覧。
- ^ a b c “遠山茂樹 株式会社バンダイナムコスタジオ”. Eightプロフィール. 2017年4月6日閲覧。
- ^ a b c d e f “ゲームの力で社会を変える! ~ ゲームニクス×ゲームメソッドコンサルティング”. プログラム. CEDEC2012. 2017年4月5日閲覧。
- ^ 安達 2006.
- ^ a b c Engadget Japanese 編集部 (2015年8月6日). “バンダイナムコスタジオ x Engadget電子工作部 Day 0イベントリポート。遠藤雅伸氏ほかレジェンドな開発者トークセッション実施”. Engadget日本語版. 2017年4月5日閲覧。
- ^ a b 西坂 2004.
- ^ a b c “ゲーム開発ノウハウを産官学連携で活用 全国の小学校を対象に「遠山式3D立体画像プロジェクト」が始動”(PDF). (プレスリリース). バンダイナムコゲームス (2006年11月28日) 2017年4月6日閲覧。
- ^ “「飛び出す住宅プレゼンテーション」で他社と差別化! 福井コンピュータ、ナムコ開発の「遠山式立体表示法」を建築CADに応用”(PDF). (プレスリリース). 福井コンピュータ株式会社 (2004年11月1日) 2017年4月6日閲覧。
- ^ “新居のプランはナムコ「遠山式立体表示法」でチェック”. ITmedia. (2004年11月1日) 2017年4月6日閲覧。
- ^ “『山崎真実、大久保麻梨子の等身大立体ポスター』の記者発表会を開催”(プレスリリース). 奥村印刷株式会社. (2006年10月23日) 2017年4月5日閲覧。
- ^ “新たに『3Dお風呂ポスター』のサンプルを作成致しました。”. ユポ・コーポレーション. 2017年4月6日閲覧。
参考文献
[編集]- 西坂真人 (2004年2月4日). “すごく飛び出る”立体視や“すごい色”のCRT ―PAGE 2004”. ITmedia 2017年4月6日閲覧。
- 安達純子「10章 超リアルな3D技術が世界を変える!「遠山式立体表示法」バンダイナムコゲームス」『「社長賞」プロジェクト!―メガヒット商品の誕生』日本文芸社、2006年6月30日。ISBN 4537253967。
- ゲームサイド編集部 編著「ナムコ・アーケードSTG特集 ARRANGEMENT(インタビュー 川元義徳/Mr.ドットマン/遠山茂樹)」『シューティングゲームサイドVol.0』マイクロマガジン社〈GAMESIDE BOOKS)〉、2011年11月。ISBN 978-4896373783 。
外部リンク
[編集]- 遠山茂樹 株式会社バンダイナムコスタジオ - Eightプロフィール
- 遠山式立体表示法に関するサイト
- 作品集に関する編著者のサイト
- ぜくう “遠山茂樹作品集・インタビュー前編”
- ぜくう “遠山茂樹作品集・インタビュー後編”