具格
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具格(ぐかく、英: instrumental case、羅: casus instrumentalis)は、名詞の格の一つで、道具・手段を表す。スラヴ語派では造格という。チェコ語では7格と呼ぶ場合もある。トルコ語では共同・手段格と呼ぶことがある[1]。グロスではINSと省略される。
サンスクリットにおいては独立の格形を保っているが、古典ギリシア語では与格に、ラテン語では奪格に吸収された。
英語の"throw stones"(石を投げる)に対応する表現は、多くの言語において具格を用いる。英語においては具格をとるわけではないが、他の言語で具格となるような目的語について、手段の目的語または道具目的語と呼ぶこともできる。[2][3]
インドヨーロッパ語族以外の言語でも、朝鮮語やトルコ語などに具格が存在する。
脚注
[編集]- ^ 宮下遼『世界の言語シリーズ16 トルコ語』大阪大学出版会、第12課 所有1 所有形、共同・手段格接尾辞
- ^ 安藤貞雄 『現代英文法講義』 第3章 「文の要素」 37頁
- ^ オットー・イェスペルセン 『文法の原理(中)』第十二章 「目的語、能動と受動」 84-85頁
参考文献
[編集]- 安藤貞雄 『現代英文法講義』開拓社、2005年。ISBN 9784758910217。
- オットー・イェスペルセン 『文法の原理(中)』、安藤貞夫訳 、岩波書店〈岩波文庫〉、2006年(原著1924年)。ISBN 4003365747