石林
座標: 北緯24度49分31秒 東経103度19分25秒 / 北緯24.82528度 東経103.32361度
石林(せきりん)は、中華人民共和国雲南省石林イ族自治県にあるカルスト地形であり、名前の通りに高さ20~50 mの柱状または剣状、キノコ状、塔状の石灰岩の石が林のように立ち並ぶ地域である[1]。路南石林(ろなんせきりん)[2]、雲南石林(うんなんせきりん)[3]とも呼ばれる。
概要
[編集]石林は2004年に世界ジオパークネットワーク(2015年以降はユネスコ世界ジオパーク)に登録され[1]、2007年に登録されたユネスコの世界遺産「中国南方カルスト」の一部でもある[4]。また、中国国内では1982年に中華人民共和国国家級風景名勝区[5][6]、2007年に中国の5A級観光地にそれぞれ認定された[7]。
石林は大石林と小石林の2つの区域からなり、入り口にある「石林」の二文字は1931年に雲南省政府主席を務めていた竜雲が書いたものである[8]。所在地の路南イ族自治県もこの景勝地に因んで、1998年に石林イ族自治県に改称した[9]。
形成
[編集]石林は現地の古生代後期以降の地質変化を示す代表的な地域であり、面積はおおよそ350 km2である[1]。石林を含む雲貴高原一帯はデボン紀の時に海底であり、数千メートルの石灰質の貝殻が堆積し石灰岩と苦灰岩が形成した。石炭紀とペルム紀になると一帯は隆起し、その後の浸食作用・風化作用により現在の石林が形成した[1][8]。また、過去に海底であったため、石林には大量のサンゴ、腕足類、頭足類、紡錘虫類の化石がある[10]。
文化
[編集]石林県はイ族の支族・サニ人が長く暮らす土地で、サニ語の口承文学『阿詩瑪』(アシマ)という叙事詩の主人公、アシマの故郷である[11][12][13]。石林にはアシマが変化したと言われる石もある[8]。
脚注
[編集]- ^ a b c d “SHILIN UNESCO GLOBAL GEOPARK (China)” (英語). UNESCO (2021年7月27日). 2023年2月4日閲覧。
- ^ “路南石林(中国語)の日本語訳、読み方は - コトバンク 中日辞典”. コトバンク. 2023年2月4日閲覧。
- ^ “走进世界自然遗产地云南石林”. www.news.cn. 新华网 (2022年8月22日). 2023年2月4日閲覧。
- ^ ““中国南方喀斯特”被列入《世界遗产名录》 | | 1联合国新闻” (中国語). news.un.org. 国際連合 (2007年6月27日). 2023年2月4日閲覧。
- ^ 严国泰 (2022年12月23日). “路南石林风景名胜区” (中国語). www.zgbk.com. 中国大百科全書オンライン版. 2023年2月4日閲覧。
- ^ 中華人民共和国国務院 (1982年11月8日). “国务院批转城乡建设环境保护部等部门关于审定第一批国家重点风景名胜区的请示的通知” (中国語). 北京法院法規検索. 2023年2月5日閲覧。
- ^ “昆明市石林风景区” (中国語). www.mct.gov.cn. 中華人民共和国文化観光部 (2021年7月22日). 2023年2月4日閲覧。
- ^ a b c 李国文 (2005年11月). “石林:阿诗玛的故乡” (中国語). www.chinatoday.com.cn. 今日中国. 2023年2月4日閲覧。
- ^ “云南石林彝族自治县县庆60年” (中国語). www.xinhuanet.com. 新华网 (2016年12月19日). 2023年2月4日閲覧。
- ^ “石林中的海洋生命 - 石林地质公园”. shilingeopark.com. 云南石林风景名胜区管理局. 2023年2月4日閲覧。
- ^ “5A級風景区紹介 1、石林風景名勝区--人民網日本語版--人民日報”. j.people.com.cn (2013年9月). 2023年2月4日閲覧。
- ^ 人民日報 (2006年3月2日). “撒尼叙事长诗《阿诗玛》” (中国語). www.cctv.com. 中国中央テレビ. 2023年2月4日閲覧。
- ^ “国家级非物质文化遗产:撒尼叙事长诗《阿诗玛》” (中国語). www.shilin.com.cn. 石林旅游网 (2022年1月25日). 2023年2月4日閲覧。