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カテキズム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
要理書から転送)

カテキズム (英語: catechism [ˈkætəˌkizəm])は、キリスト教教理をわかりやすく説明した要約ないし解説の事で、伝統的には洗礼や堅信礼といったサクラメントの前に行われる入門教育(catechesis)で用いられる[1][2]。文体は問答形式をとることが多い。

カテキズムは歴史的にはもともとギリシャ・ローマの秘教会(英語版)、とくにミトラ教において秘密の教えを授ける為に用いられていたが[3]、キリスト教においても類似の体裁のものを用いるようになった。

古代ギリシア語: κατηχισμός カテーキズモス は、動詞 κατηχέω カテーケオー に由来する。κατηχέωκατά カタ(下へ)と ηχέω エーケオー(音がする・響く)から構成される語で、文字通りには「下へ向かって鳴る」だが、 「(口頭で)教える・知らせる」という意味になる[1]

問答形式をとる事が多いため「教理問答」「信仰問答」などが日本語の定訳となっているが、語義的には問答体である必要はなく、実際に問答体ではない例も存在する。今日の問答体によるカテキズムは西方教会カトリック教会のカテキズム)で成立し、近代以降おもにロシア正教会を中心として東方教会でも用いられた。

なお、日本のカトリック教会では、第2バチカン公会議以前は「公教要理」の訳語が用いられていた。一方、日本正教会では「正教要理」、日本聖公会では「教会問答」と呼ばれる。

歴史

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初期のキリスト教会は洗礼志願者に基礎教理を教えることを「カテーケーシス」、そのための指導要項を「カテーキズモス」と呼んだ。これが、カテキズムの原型である。4世紀以降のギリシア教父の著述などに、洗礼志願者のための指導の書が現存する。

中世初期には教会の体裁が整い、幼児洗礼が慣例的に行われ住民全員がキリスト教徒であることが自明となった。堅信洗礼と別個に行われた西方教会においては、堅信を迎える少年少女に教理教育を施すため、また宗教改革以降に多くの様々な教派が成立して後は、各々の教派ごとの教えを確定・教育するために、カテキズムが用いられた。特に万人祭司の思想を掲げ、一般信徒への宗教教育を重視したプロテスタントは、その初期から優れたカテキズムを生んだ。その効果は対抗改革を推進中のカトリック教会の目にも留まり、カトリックもまたカテキズムを再発見し、今日に到るまで、多くの教派で様々なレベルのカテキズムが作成されつづけている。

歴史的に著名なカテキズム

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日本語のカテキズム

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脚注

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  1. ^ a b Greek word #2727 in Strong's
  2. ^ コトバンク「カテキズム」
  3. ^ Brashear, William (1992). A Mithraic Catechism from Egypt. Verlag Adolf Holzhausens. p. 5. ISBN 3900518076 
  4. ^ 正教訓蒙』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  5. ^ 『公教要理』
  6. ^ 『公教要理』みこころネット
  7. ^ 『正教要理問答』
  8. ^ 『シリア正教カテキズム』

参考文献

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外部リンク

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