脂漏性角化症
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脂漏性角化症 | |
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大腸がんによるレーザー-トレラー兆候が表われた人物の背部の多くの脂漏性角化腫。 | |
概要 | |
診療科 | 皮膚科学 |
分類および外部参照情報 | |
ICD-10 | L82 |
ICD-9-CM | 702.1 |
OMIM | 182000 |
DiseasesDB | 29386 |
MedlinePlus | 000884 |
eMedicine | derm/397 |
MeSH | D017492 |
脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう、英語: seborrheic keratosis)は、加齢によって生じる良性のイボで、80歳になるとほぼ全員に見られる[1]。老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい、老人性イボ、英:verruca senilis)ともいう[1]。
症状
[編集]黒く表面がガサガサの腫瘤(出来物)。放置すると盛り上がりが強くなることもある。
中年期以降、顔、体などに形成される[1]。手のひら、足の裏以外に生じ、50歳以上では80%以上の人々に生じる[2]。良性の腫瘍[2]。
鑑別
[編集]この中には、癌も含まれるため心配なら皮膚科を受診のこと。
治療
[編集]悪性でないので、通常は治療は行わない。しかし、美容目的で切除を希望する人もいる。
凍結療法では、液体窒素で細胞を壊死させるが痛みは強い[2]。凍結療法では一度で改善がある[3]。保険適応[2]。レーザー治療では、半年ほど紫外線防御が必要で保険適応外のため高額となる[2]。以上では、施術するのが医師となるため通院が必要となり傷跡、色素沈着のリスクもある[2]。
表皮の入れ替わりを促すためにレチノイドのタザロテン外用薬では、自宅で自分で外用薬を塗ることができる[2]。15人での調査では16週間で約半数に改善効果があった[3]。レチノイドのトレチノイン(オールトランスレチノイン酸)の外用薬では6週間後に改善効果が見られた[4]。そこでレチノイドのトレチノインの透過率を高めるため皮膚にそのまま溶けるマイクロニードルの技術を使った薬剤伝達が開発されている[2]。
出典
[編集]- ^ a b c d e f 清水宏「21章 皮膚の良性腫瘍 脂漏性角化症」『あたらしい皮膚科学』(PDF)(第3版)中山書店、2018年、406-407頁。ISBN 978-4-521-74581-7 。
- ^ a b c d e f g h 廣部祥子、岡田直貴「マイクロニードルを用いた皮膚疾患治療」『Drug delivery system』第33巻第4号、2018年9月、293-302頁、NAID 40021688591。
- ^ a b Herron MD, Bowen AR, Krueger GG (April 2004). “Seborrheic keratoses: a study comparing the standard cryosurgery with topical calcipotriene, topical tazarotene, and topical imiquimod”. Int. J. Dermatol. (4): 300–2. doi:10.1111/j.1365-4632.2004.02282.x. PMID 15090020.
- ^ Asawanonda P, Noppakun N, Huiprasert P (March 2005). “Seborrheic keratosis-like porokeratosis: a case report”. Dermatol. Online J. 11 (1): 18. PMID 15748559 .