アメリカ合衆国国際連合大使
アメリカ合衆国国際連合 大使 | |
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アメリカ合衆国国務省 | |
指名 | ジョー・バイデン |
初代就任 | エドワード・ステティニアス 特命全権大使 |
創設 | 1945年 |
ウェブサイト | 国連アメリカ代表部ホームページ |
アメリカ合衆国国際連合大使(アメリカがっしゅうこくこくさいれんごうたいし、英語: United States Ambassador to the United Nations)は、国際連合においてアメリカ合衆国政府代表部を代表する国連大使。
正式には「国際連合アメリカ合衆国政府代表部代表特命全権大使及び国際連合安全保障理事会アメリカ合衆国代表」であり、略してアメリカ国連代表とも呼ばれる。
アメリカ国連代表は国際連合安全保障理事会でアメリカ合衆国を代表する権限を持ち、国際連合総会に出席するが、より高位の代表者(アメリカ合衆国国務長官やアメリカ合衆国大統領)が出席した場合はその限りではない。また他のアメリカ合衆国大使と同様にアメリカ国連大使に就任する際も、大統領の指名を受けた上で上院の承認を得なければならない。
またヘンリー・カボット・ロッジ・ジュニア、アドレー・スティーブンソン、ジョージ・H・W・ブッシュ、ダニエル・パトリック・モイニハン、アンドリュー・ヤング、ジーン・カークパトリック、リチャード・ホルブルック、マデレーン・オルブライト、ビル・リチャードソン、ジョン・ダンフォースらアメリカの著名な政治家や外交官が当職を歴任している。
閣僚としての扱い
[編集]アメリカ国連大使は内閣の一員ではないが、閣僚級の扱いを受けることがある。フォード、カーター、レーガン大統領の時代に国連大使は閣僚級の扱いを受けたが、自身も国連大使を務めたジョージ・H・W・ブッシュ大統領は国連大使を閣僚級とはしなかった。その後クリントン政権下では再度閣僚として扱われるようになったが、ジョージ・W・ブッシュ大統領の時(2001年1月20日から2009年1月20日まで)は閣僚級とせず[1][2]、オバマ政権になって再度閣僚級の扱いとなった。25代目アメリカ合衆国国際連合大使ジョン・ボルトンは閣僚級と認めることに反対し、公に次の様に理由を述べている。「第一に、(国連大使を閣僚級とすることは)アメリカの外交における国連の役割と重要度の過大評価に他ならず、第二に、同じ部署(国務省)に2人の長官はいらないからだ。」
公邸
[編集]国際連合本部ビルがニューヨークに建設され始めた1947年に同じニューヨークの最高級ホテルであるウォルドルフ=アストリアの42階のスイートルームが国連大使の公邸として借り上げられた[3][4]。ジョージ・H・W・ブッシュなど歴代国連大使の自邸でもあった[5][6][7][8][9]。
1960年に新しい公邸としてニューヨークマンハッタン区サットンプレイス3番地にあるタウンハウス(3サットン・プレイス)が所有者によってアメリカ政府に寄贈されるも当時のアドレー・スティーブンソン国連大使は拒否したため、1972年に3サットン・プレイスは国際連合に寄贈されて国際連合事務総長の公邸となった[6][10][11][12]。
2014年10月に中華人民共和国の保険会社で鄧小平一族と繋がりを持つ政商の呉小暉が経営する安邦保険集団にウォルドルフ=アストリアが買収されたため、アメリカ合衆国国務省は2015年以降は防諜を理由に利用しないことを発表した[13]。2016年3月時点でも公邸だったが[14]、2017年1月に国連大使となったニッキー・ヘイリーがニューヨークの50 United Nations Plazaを借り上げたことが報じられた[15][16]。
歴代国連大使
[編集]歴代のアメリカ国連大使(代行を含む)・国際連合事務総長と1945年以降のアメリカ合衆国大統領は以下の通り。
代 | 画像 | 米国国連大使 | 在任期間 | 国連事務総長 | 米国大統領 |
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1 | エドワード・ステティニアス | 1945年–1946年 | グラッドウィン・ジェブ | ハリー・S・トルーマン | |
1946年 | トリグブ・リー | ||||
— | ハーシェル・ジョンソン(代行) | 1946年–1947年 | |||
2 | ウォーレン・オースティン | 1947年–1952年 | |||
1953年 | ダグ・ハマーショルド | ||||
3 | ヘンリー・カボット・ロッジ・ジュニア | 1953年–1960年 | ドワイト・D・アイゼンハワー | ||
4 | ジェームズ・ワズワース | 1960年–1961年 | |||
5 | アドレー・スティーブンソン | 1961年 | ジョン・F・ケネディ | ||
1961年-1963年 | ウ・タント | ||||
1963年-1965年 | リンドン・ジョンソン | ||||
6 | アーサー・ゴールドバーグ | 1965年–1968年 | |||
7 | ジョージ・ボール | 1968年 | |||
8 | ジェームズ・ラッセル・ウィギンズ | 1968年–1969年 | |||
9 | チャールズ・ヨスト | 1969年–1971年 | リチャード・ニクソン | ||
10 | ジョージ・H・W・ブッシュ | 1971年 | |||
1972年-1973年 | クルト・ヴァルトハイム | ||||
11 | ジョン・A・スカリー | 1973年–1974年 | |||
1974年-1975年 | ジェラルド・R・フォード | ||||
12 | ダニエル・パトリック・モイニハン | 1975年–1976年 | |||
13 | ウィリアム・スクラントン | 1976年–1977年 | |||
14 | アンドリュー・ヤング | 1977年–1979年 | ジミー・カーター | ||
15 | ドナルド・マクヘンリー | 1979年–1981年 | |||
16 | ジーン・カークパトリック | 1981年 | ロナルド・レーガン | ||
1982年-1985年 | ハビエル・ペレス・デ・クエヤル | ||||
17 | バーノン・ウォルターズ | 1985年–1989年 | |||
18 | トーマス・ピカリング | 1989年–1991年 | ジョージ・H・W・ブッシュ | ||
1992年 | ブトロス・ブトロス=ガーリ | ||||
19 | エドワード・パーキンス | 1992年–1993年 | |||
20 | マデレーン・オルブライト | 1993年–1996年 | ビル・クリントン | ||
1997年 | コフィー・アナン | ||||
21 | ビル・リチャードソン | 1997年–1998年 | |||
— | ピーター・バーレイ(代行) | 1998年–1999年 | |||
22 | リチャード・ホルブルック | 1999年–2001年 | |||
— | ジェームズ・カニンガム(代行) | 2001年 | ジョージ・W・ブッシュ | ||
23 | ジョン・ネグロポンテ | 2001年–2004年 | |||
24 | ジョン・ダンフォース | 2004年–2005年 | |||
— | アン・パターソン(代行) | 2005年 | |||
25 | ジョン・ボルトン | 2005年–2006年 | |||
— | アレハンドロ・ダニエル・ウルフ(代行) | 2006年 | |||
2007年 | 潘基文 | ||||
26 | ザルメイ・ハリルザド | 2007年–2009年 | |||
27 | スーザン・ライス | 2009年–2013年 | バラク・オバマ | ||
— | ローズマリー・ディカルロ(代行) | 2013年 | |||
28 | サマンサ・パワー | 2013年–2016年 | |||
2017年 | アントニオ・グテーレス | ||||
— | ミシェル・J・シソン(代行) | 2017年 | ドナルド・トランプ | ||
29 | ニッキー・ヘイリー | 2017年–2019年 | |||
— | ジョナサン・コーエン(代行) | 2019年 | |||
30 | ケリー・クラフト | 2019年-2021年 | |||
— | リチャード・M・ミルズ・ジュニア(代行) | 2021年 | ジョー・バイデン | ||
31 | リンダ・トマス=グリーンフィールド | 2021年-現職 |
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ Kelemen, Michele (December 1, 2008). “U.N. Envoy Nominee Rice Known As Smart, Tough”. National Public Radio. January 21, 2009閲覧。 “ワシントンに本部を置く国連の外郭団体・国連財団理事長は、ライス新国連大使と、同職をクリントン政権時代と同じく再度閣僚級のポストとしたオバマ大統領の決断を歓迎する声明を発表した。”
- ^ Cooper, Helene (2008年11月20日). “Clinton Decision Holding Up Other Obama Choices”. The New York Times 2009年2月9日閲覧. "ライスは合衆国国連大使に就任したがこれはクリントン大統領時代の様に閣僚級のポストである。ブッシュ大統領は就任時このポストを格下げし閣僚級とはしていなかった。"
- ^ Richardson, Bruce (2006). The Great Tea Rooms of America. Benjamin Press. p. 113. ISBN 0966347862
- ^ Wiedman, Reeves (October 2, 2015). "Midtown Shuffle". The New Yorker.
- ^ “The Bush Family's New York City Hangouts”. New York Magazine (2004年8月24日). 2019年10月16日閲覧。
- ^ a b Knoller, Mark (June 5, 2013). "New U.N. ambassador's perk: A NYC penthouse". CBS News.
- ^ "UN Ambassador Forgoes Waldorf Suite". Victoria Advocate. August 29, 1999.
- ^ Kettle, Martin (August 29, 1999). "Suite at the Waldorf for Holbrooke aide". The Guardian.
- ^ "George Bush Ran All the Way". Life. November 5, 1971.
- ^ Lynch, Colum (December 8, 2006). "U.N. to Renovate Secretary General's Residence". Washington Post.
- ^ Spark, Penny (2005). Elsie De Wolfe: The Birth of Modern Interior Decoration. Acanthus Press. pp. 346–348. ISBN 0926494279.
- ^ Flippin, Alexis Lipsitz (January 25, 2011). Frommer's New York City with Kids. John Wiley & Sons. ISBN 978-1-118-01949-8 – via Google Books.
- ^ "US Diplomats leave the New York Waldorf-Astoria". Hospitality Business News. June 18, 2015.
- ^ "Anbang ups bid for Starwood, making Marriott merger less likely". Baltimore Sun. March 28, 2016.
- ^ "Luxury Sales Spike as Buyers Rush to Avoid Higher Mansion Taxes". NY Times. July 8, 2019.
- ^ "New York Deed". New York City Department of Finance. May 27, 2019.