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管弦楽のためのラプソディ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

管弦楽のためのラプソディ(かんげんがくのためのラプソディ)は、外山雄三によって作曲された管弦楽曲である。

音楽・音声外部リンク
全曲を試聴
管弦楽のためのラプソディー
アンドレア・バッティストーニ指揮東京フィルハーモニー交響楽団の演奏、日本コロムビア提供のYouTubeアートトラック

作曲の経緯

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外山自身も指揮をしているNHK交響楽団1960年に行った海外演奏旅行にあたり、作曲された。完成は同年7月で、同月に岩城宏之指揮のNHK交響楽団により東京都体育館にて初演された。日本の民謡が素材となっており、和太鼓チャンチキボンゴといった打楽器も多用されている。

演奏時間は約7分。完成当初は22分ほどの長さであったが、N響との練習の際に岩城によって大幅にカットされ、現在演奏される形になった。作曲者の外山としては不本意なはずであったが、岩城によるとだいぶ後になって外山から「今となってみるとあのカットのおかげで、この曲はある意味では大ヒット作品になった」と言われ、大変恐縮したとのことである[1]2001年に改訂された。

楽器編成

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フルート3(ピッコロ2持ち替え)、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット3、トロンボーン3、チューバティンパニ拍子木うちわ太鼓締太鼓ウッドブロック大太鼓ボンゴチャンチキ長太鼓ハープ弦五部

楽曲構成

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「急-緩-急」の三部形式で、前奏 - A(Allegro vivo) - B(Adagio) - C(Allegro energico) - コーダの構造を取る。拍子木を主体とする前奏の後、『あんたがたどこさ』(Allegro vivo)をきっかけとして、同曲を主旋律にしながらも対旋律に『ソーラン節』が奏でられる。さらに『炭坑節』、『串本節』といった民謡の旋律が次々と現れて盛り上がると一旦静まり、鈴の音に続いてフルートによる『信濃追分』の静かなメロディーが奏でられる(Adagio)。鈴の弱奏の後、静寂を拍子木が打ち破って『八木節』の旋律が導かれ(Allegro energico)、再び盛り上がりをみせる。ハープグリッサンドによってクライマックスを迎え、速いリズムによる総奏で終盤を迎えて曲を終える。

備考

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藤田玄播による吹奏楽編曲版も存在する(音楽之友社から出版された)。

脚注

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  1. ^ 「岩城宏之対談集 行動する作曲家たち」(新潮社、1986年) pp.180-181、林光との対談での岩城発言より。なお、同書に収録されている外山との対談によると、岩城によってカットされた部分は残っていないという(pp.156-157)。