管弦楽のためのラプソディ
管弦楽のためのラプソディ(かんげんがくのためのラプソディ)は、外山雄三によって作曲された管弦楽曲である。
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管弦楽のためのラプソディー アンドレア・バッティストーニ指揮東京フィルハーモニー交響楽団の演奏、日本コロムビア提供のYouTubeアートトラック |
作曲の経緯
[編集]外山自身も指揮をしているNHK交響楽団が1960年に行った海外演奏旅行にあたり、作曲された。完成は同年7月で、同月に岩城宏之指揮のNHK交響楽団により東京都体育館にて初演された。日本の民謡が素材となっており、和太鼓、チャンチキ、ボンゴといった打楽器も多用されている。
演奏時間は約7分。完成当初は22分ほどの長さであったが、N響との練習の際に岩城によって大幅にカットされ、現在演奏される形になった。作曲者の外山としては不本意なはずであったが、岩城によるとだいぶ後になって外山から「今となってみるとあのカットのおかげで、この曲はある意味では大ヒット作品になった」と言われ、大変恐縮したとのことである[1]。2001年に改訂された。
楽器編成
[編集]フルート3(ピッコロ2持ち替え)、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット3、トロンボーン3、チューバ、ティンパニ、拍子木、鐘、うちわ太鼓、締太鼓、ウッドブロック、大太鼓、ボンゴ、チャンチキ、鈴、長太鼓、ハープ、弦五部
楽曲構成
[編集]「急-緩-急」の三部形式で、前奏 - A(Allegro vivo) - B(Adagio) - C(Allegro energico) - コーダの構造を取る。拍子木を主体とする前奏の後、『あんたがたどこさ』(Allegro vivo)をきっかけとして、同曲を主旋律にしながらも対旋律に『ソーラン節』が奏でられる。さらに『炭坑節』、『串本節』といった民謡の旋律が次々と現れて盛り上がると一旦静まり、鈴の音に続いてフルートによる『信濃追分』の静かなメロディーが奏でられる(Adagio)。鈴の弱奏の後、静寂を拍子木が打ち破って『八木節』の旋律が導かれ(Allegro energico)、再び盛り上がりをみせる。ハープのグリッサンドによってクライマックスを迎え、速いリズムによる総奏で終盤を迎えて曲を終える。
備考
[編集]藤田玄播による吹奏楽編曲版も存在する(音楽之友社から出版された)。
脚注
[編集]- ^ 「岩城宏之対談集 行動する作曲家たち」(新潮社、1986年) pp.180-181、林光との対談での岩城発言より。なお、同書に収録されている外山との対談によると、岩城によってカットされた部分は残っていないという(pp.156-157)。