コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

オーキドメーター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
睾丸測定器から転送)
オーキドメーターの概略図

オーキドメーター: Orchidometer)または睾丸測定器[1]は、精巣容積を測定するための医療器具である。

器具

[編集]
ファイル:Tanner scale-male.svg
男性のタナー段階と精巣容積の対応

オーキドメーターは1966年、スイスのチューリッヒ大学の小児内分泌学者アンドレア・プラダーによって発表された[2]。これは、1mLから25mLまでの大きさの、12個の番号のついた木製またはプラスチック製のビーズ数珠状に繋いだものである。

患者の睾丸とビーズとを比較し、最もサイズの近いビーズから体積を読み取る。思春期前男児のサイズは1~3mL、思春期男子のサイズは4mL以上、成人男性のサイズは15~25mLとされている[3]

オーキドメーターは精巣容積を正確に測定するために使用できる。精巣の大きさと他の成熟度パラメータとの不一致は、様々な疾患の重要な手掛かりとなる。精巣が小さい場合は、原発性または続発性の性腺機能低下症の可能性がある。精巣の大きさは、様々なタイプの思春期早発症を区別するのに有用である。精巣の成長は一般的に真の思春期の最初の身体的徴候であるため、思春期が遅れている男児において、思春期が始まっているか否かの確認に用いられる。大きな精巣(巨大精巣)は、遺伝性全般性学習障害の最も一般的な原因の一つである脆弱X症候群の手掛かりとなる。

獣医学分野では、オーキドメーターは雄羊の精巣容積の測定にもよく使われる。

関連概念

[編集]

キグレイ尺度[4]プラダー尺度[5]ファロメーターなど、性器を「正常」な男性または女性、または「異常」と定義するための多数の臨床スケールと測定システムが存在する。

出典

[編集]
  1. ^ 那須 誉人 他 (1 1979). “新しい睾丸測定器(Orchidometer)について”. 日本不妊学会雑誌 24 (1): 12-15. 
  2. ^ Stier, Bernhard; Weissenrieder, Nikolaus; Schwab, Karl Otfried (2018) (German). Jugendmedizin. Springer-Verlag. p. 16. ISBN 978-3-662-52782-5. https://books.google.com/books?id=k8RXDwAAQBAJ&pg=PA16 
  3. ^ Hindmarsh, Peter C.; Geertsma, Kathy (2017). Congenital Adrenal Hyperplasia: A Comprehensive Guide. Academic Press. p. 86. ISBN 978-0-12-811483-4. https://books.google.com/books?id=V5ExDQAAQBAJ&pg=PA86 
  4. ^ Quigley CA, De Bellis A, Marschke KB, el-Awady MK, Wilson EM, French FS (June 1995). "Androgen receptor defects: historical, clinical, and molecular perspectives". Endocr. Rev. 16 (3): 271–321. doi:10.1210/edrv-16-3-271. PMID 7671849.
  5. ^ Australia (2013). Involuntary or coerced sterilisation of intersex people in Australia. Canberra: Community Affairs References Committee. ISBN 978-1-74229-917-4

関連文献

[編集]
  • Prader, Andrea (1966). “Testicular size: Assessment and clinical importance”. Triangle; the Sandoz Journal of Medical Science 7 (6): 240–243. PMID 5920758. 
  • Taranger, J., Engström, I., Lichtensten, H., Svenberg-Redegren, I., "Somatic Pubertal Development", Acta Pediatr. Scand. Suppl. 1976, vol. 258, pp. 121–135