甲山1号墳 (岡崎市)
甲山1号墳 | |
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墳丘入り口 | |
別名 | 甲山古墳/甲山第1号墳 |
所属 | 甲山古墳群 |
所在地 | 愛知県岡崎市六供町字甲越[1] |
位置 | 北緯34度57分47.09秒 東経137度9分58.86秒 / 北緯34.9630806度 東経137.1663500度座標: 北緯34度57分47.09秒 東経137度9分58.86秒 / 北緯34.9630806度 東経137.1663500度 |
形状 | 円墳または前方後円墳 |
規模 |
(円墳説)直径60m (前方後円墳説)墳丘長120m |
埋葬施設 | (推定)木炭槨 |
出土品 | 鉄刀・埴輪片 |
築造時期 | 4世紀末-5世紀初頭 |
史跡 | 岡崎市指定史跡「甲山第1号墳」 |
特記事項 | 三河地方第1位の規模か |
地図 |
甲山1号墳(かぶとやまいちごうふん、甲山古墳/甲山第1号墳)は、愛知県岡崎市六供町(ろっくちょう)にある古墳。形状は円墳または前方後円墳。甲山古墳群を構成する古墳の1つ。岡崎市指定史跡に指定されている(指定名称は「甲山第1号墳」)。
前方後円墳の場合には三河地方(愛知県中部・東部)で最大規模と推定される古墳で[注 1]、4世紀末-5世紀初頭頃(古墳時代中期)の築造と推定される。
概要
[編集]愛知県中部、矢作川中流左岸の独立丘陵の甲山(標高64.5メートル)上に築造された大型古墳である[3][4]。丘陵上では本古墳のほか2号墳(1号墳と同一か:後述)・3号墳(消滅)・三ツ岩古墳(消滅)の築造が認められ、甲山古墳群として認知される[1]。「甲山」の丘陵名は、当地のヤマトタケル伝説に基づくという[1]。
墳形は従来では円形とされ、直径60メートル・高さ8メートルの大型円墳とされてきた[4]。近年では前方後円形とする説があり、その説では2号墳(南側)または記念寺(西側)が前方部と見立てられる[5][1][6]。2号墳を前方部とする説では墳丘長120メートルの大型前方後円墳と復原推定され、三河地方(愛知県中部・東部)では最大規模の位置づけになる[1][注 1]。墳丘外表では埴輪片(円筒埴輪)が検出されている[4][1]。埋葬施設は明らかでないが、1944年(昭和19年)の防空監視所・防空壕設置の際に木炭が出土したことから、木炭槨と推定される[4][1]。出土品としては、前述の木炭と同時に鉄刀が発掘されたというが、いずれも戦災で焼失している[4][1]。以上より、築造年代は古墳時代中期の4世紀末-5世紀初頭頃[1](または5世紀初頭頃[4])と推定される。なお、本古墳の周辺に存在した古墳は陪塚であったとも推測される[1]。
古墳域は1972年(昭和47年)に岡崎市指定史跡に指定されている[7]。
遺跡歴
[編集]- 1944年(昭和19年)、墳頂部に防空監視所の設置、墳丘部に防空壕の掘削。それに伴う木炭・鉄刀の出土[4]。
- 1961年(昭和36年)1月、墳頂部にサイレン塔「たつきの鐘」を設置[8]。
- 1971年(昭和46年)1月、「たつきの鐘」の時報が音楽放送に変わった。朝6時に「草競馬」を、夕方6時に「七つの子」を、夜10時に「ウェストミンスターの鐘」を流した[9]。
- 1972年(昭和47年)7月5日、「甲山第1号墳」として岡崎市指定史跡に指定[7]。
- 岡崎市史編纂事業による墳丘測量(1989年(平成元年)に『岡崎市史 史料 考古下』刊行)[4]。
文化財
[編集]岡崎市指定文化財
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j 山田伸子 & 2017年.
- ^ “岡崎市議会 平成5年6月 定例会 06月08日-12号”. 岡崎市 会議録検索システム. 2020年7月23日閲覧。
- ^ 甲山一号墳(平凡社) & 1981年.
- ^ a b c d e f g h 甲山古墳(続古墳) & 2002年.
- ^ 『愛知県史 通史編1 原始・古代』 愛知県、2016年、pp. 185-187。
- ^ 荒井信貴「「岡崎」のなかった頃の岡崎学 -古墳時代~古代の西三河-」 (PDF) (「岡崎学 -岡崎を考える-」講座資料、2008年、リンクは岡崎商工会議所)。
- ^ a b c 岡崎市指定文化財目録(岡崎市ホームページ、2017年6月2日更新版)。
- ^ “市政だより おかざき No.483” (PDF). 岡崎市役所. p. 6 (1982年11月1日). 2020年3月5日閲覧。
- ^ “市政だより おかざき No.909” (PDF). 岡崎市役所. p. 13 (2000年8月1日). 2020年3月5日閲覧。
参考文献
[編集](記事執筆に使用した文献)
- 史跡説明板(岡崎市教育委員会設置)
- 「甲山一号墳」『日本歴史地名大系 23 愛知県の地名』平凡社、1981年。ISBN 4582490239。
- 赤塚次郎「甲山古墳」『続 日本古墳大辞典』東京堂出版、2002年。ISBN 4490105991。
- 山田伸子「甲山1号墳」『情報誌みどり 第98号(2017年夏号)』エムアイシーグループ、2017年、8-9頁。 - リンクはエムアイシーグループホームページ。
関連文献
[編集](記事執筆に使用していない関連文献)
- 北村和宏「甲山1号墳の再検討 -三河国最大級の前方後円境か」『三河考古』第20巻、三河考古刊行会、2009年5月、84-92頁。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 甲山1号墳 - 愛知県三河地方情報サイト「みかわこまち」