ルネ・ラルー
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(猿の歯から転送)
ルネ・ラルー(フランス語:René Laloux、男性、1929年7月13日 - 2004年3月14日)は、フランス・パリ生まれのアニメーション作家・映像作家、映画監督。主にシュールで幻想的なSF作品で知られる。
経歴
[編集]絵画の学校で絵を学んだ後、広告業にていくつかの職を経験する。
1955年から4年間、クール・シュヴェルニーの精神科病院で芸術療法に取り組み、1960年には患者たちの描いた絵を元に「猿の牙」を制作する[1][2]。1961年に公開されると高く評価され、フランスのエミール・コール賞を受賞する[3]。賞の審査員の一人であったミシェル・フォロンから画家のローラン・トポールを紹介され、彼と組んで「死んだ時間」(1964年)、「かたつむり」(1965年)の二つの短編アニメーションを制作[4]、1973年にはステファン・ウルのSF小説『オム族がいっぱい』を原作に最初の長編アニメーション『ファンタスティック・プラネット』を制作する[5]。『ファンタスティック・プラネット』はアニメーション作品として初めて第26回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞する[6]。
1982年にはフランスのバンド・デシネ作家のメビウスと組んで『時の支配者』を制作[7]。 その後フィリップ・カザと組み、長編『ガンダーラ』(1987年)、短編「ワン・フォはいかにして助けられたか」(1988年)を制作する[5]。
1996年から国立コミック映像センターのデジタルイメージ研究所のディレクターを務める[8]。1998年の広島国際アニメーションフェスティバルでは国際審査委員を務めた[9]。
2004年3月14日に心臓発作で死去。
作品
[編集]短編アニメーション
[編集]- 猿の牙(Les Dents du Singe, 1960年)
- 死んだ時間 (Les Temps Morts, 1964年)
- かたつむり(Les Escargots, 1965年)
- ワン・フォはいかにして助けられたか(Comment Wang-Fo fut sauvé, 1988年)
長編アニメーション
[編集]- ファンタスティック・プラネット(La Planète Sauvage, 1973年)
- 時の支配者(Les Maîtres du temps, 1982年)
- ガンダーラ(Gandahar, 1987年)
映像ソフト
[編集]DVD
[編集]- 『ファンタスティック・プラネット』パイオニアLDC、2001年
- 『ガンダーラ』パイオニアLDC、2001年
- 『時の支配者』アット エンタテインメント、2001年
- 『ファンタスティック・プラネット』発売:IMAGICA、販売:ジェネオン エンタテインメント、2005年
- 『時の支配者』発売:IMAGICA、販売:ジェネオン エンタテインメント、2005年
- 『ガンダーラ』発売:IMAGICA、販売:ジェネオン エンタテインメント、2005年
- 『ルネ・ラルー傑作短編集』発売:IMAGICA、販売:ジェネオン エンタテインメント、2005年
- 「かたつむり」「ワン・フォはいかにして助けられたか」を収録。
- 『ルネ・ラルー コンプリートDVD‐BOX』発売:IMAGICA、販売:ジェネオン エンタテインメント、2005年
- 『ファンタスティック・プラネット』『時の支配者』『ガンダーラ』『ルネ・ラルー傑作短編集』を収録。
- 『ファンタスティック・プラネット』KADOKAWA、2016年
- 「かたつむり」を併録。
BD
[編集]- 『ファンタスティック・プラネット』角川書店、2013年
- 「かたつむり」を併録。
脚注
[編集]- ^ ユーロ・アニメーション 2002, p. 50.
- ^ 小野耕世 2006, p. 74.
- ^ 小野耕世 2006, p. 93.
- ^ 小野耕世 2006, p. 74-75.
- ^ a b 小野耕世 2006, p. 94.
- ^ 『ファンタスティック・プラネット』公式サイト. 2022年2月18日閲覧
- ^ ユーロ・アニメーション 2002, p. 53.
- ^ ユーロ・アニメーション 2002, p. 55.
- ^ 第7回大会(1998)|広島国際アニメーションフェスティバル. 2022年2月17日閲覧
参考文献
[編集]- 昼間行雄、権藤俊司、編集部編『ユーロ・アニメーション』フィルムアート社、2002年7月21日。ISBN 4845902354。
- 小野耕世『世界のアニメーション作家たち』人文書院、2006年9月10日。ISBN 4409180037。