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「ウォシュレット」の版間の差分

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[[ファイル:TOTO1665963.JPG|thumb|220px|初代ウォシュレット]]
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* [[1983年]]
* [[1983年]]
** 7月 - ウォシュレットGII、SIIを発売 セルフクリーニング(ノズル洗浄)機能(GII)、水量調節(SII)
** 7月 - ウォシュレットGII、SIIを発売 セルフクリーニング(ノズル洗浄)機能(GII)、水量調節(SII)
** 11月 - ビデ機能追加(ウォシュレットGII)
* [[1984年]]
* [[1984年]]
** 3月 - '''商標「ウォシュレット」が登録となる'''
** 3月 - '''商標「ウォシュレット」が登録となる'''
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* [[1991年]]
* [[1991年]]
** 6月 - ウォシュレット(パブリック、オフィス向け)を発売
** 6月 - ウォシュレット(パブリック、オフィス向け)を発売
** 12月 - ウォシュレット一体形便器ZGシリーズ(初代)を発売 オゾン脱臭を初搭載
** 12月 - ウォシュレット一体形便器ZGシリーズを発売 オゾン脱臭を初搭載
* [[1992年]]
* [[1992年]]
** 2月 - ウォシュレットGαI・II、SαI・IIを発売 オゾン脱臭(Gシリーズ)、ムーブ機能・着座センサーを追加(Sシリーズ)
** 2月 - ウォシュレットGαI・II、SαI・IIを発売 オゾン脱臭(Gシリーズ)、ムーブ機能・着座センサーを追加(Sシリーズ)
* [[1993年]]
* [[1993年]]
** 3月 - コンパクトシリーズとして、ウォシュレットCαI・IIを発売
** 3月 - コンパクトシリーズとして、ウォシュレットCαI・IIを発売
** 4月 -'''日本初のタンクレスウォシュレット一体形便器、ネオレストを発売'''
** 4月 - '''日本初のタンクレスウォシュレット一体形便器、ネオレストを発売'''
* [[1994年]]
* [[1994年]]
** 2月 - ウォシュレットZS発売
** 2月 - ZG(初代)に防露便器(結露を防ぐための断熱層を設けた便器)搭載機種追加、ZS(初代)発売
* [[1995年]]
* [[1995年]]
** 3月 - ウォシュレットGN・I・II、SI・II・IIIを発売 ワンタッチ脱着など清掃機能の充実
** 3月 - ウォシュレットGN・I・II、SI・II・IIIを発売 ワンタッチ脱着など清掃機能の充実
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* [[1996年]]
* [[1996年]]
** 7月 - 和式便器用ウォシュレットWを発売
** 7月 - 和式便器用ウォシュレットWを発売
** 9月 - ウォシュレット一体形便器ZG・ZS(2代目)発売
* [[1997年]]
* [[1997年]]
** 11月 - ウォシュレットGA・GBを発売 やわらか洗浄を追加
** 11月 - ウォシュレットGA・GBを発売 やわらか洗浄を追加
* [[1998年]]
* [[1998年]]
** 1月 - ウォシュレットSA・SB・SCを発売 便座の座面を拡大 パブリック用のPもこの機種をベースにモデルチェンジ
** 1月 - ウォシュレットSA・SB・SCを発売 便座の座面を拡大
** 9月 - ウォシュレットSSを発売 袖部分がなくなる リモコンなしのウォシュレットGPも追加
** 9月 - ウォシュレットSSを発売 袖部分がなくなる リモコンなしのウォシュレットGPも追加
** 7月 - '''累計販売台数1000万台を突破'''<ref name="TOTO_20190403"/>
** 7月 - '''累計販売台数1000万台を突破'''<ref name="TOTO_20190403"/>
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** 10月 - '''ウォシュレットアプリコットC1・C2・C3を発売 ワンダーウェーブ洗浄を導入、節水を実現'''
** 10月 - '''ウォシュレットアプリコットC1・C2・C3を発売 ワンダーウェーブ洗浄を導入、節水を実現'''
* [[2000年]]
* [[2000年]]
** 8月 - ウォシュレット一体形便器ZG・ZS(3代目)を発売
** 9月 - ウォシュレットアプリコットC4を発売 室内暖房機能を装備
** 9月 - ウォシュレットアプリコットC4を発売 室内暖房機能を装備
* [[2001年]]
** 11月 - ウォシュレットSA・SB・SCをモデルチェンジ、節電機能を装備
* [[2002年]]
* [[2002年]]
** 7月 - ウォシュレット一体形便器ネオレストEXを発売 便器部にフチなしトルネード洗浄を装備
** 7月 - ウォシュレット一体形便器ネオレストEXを発売 便器部にフチなしトルネード洗浄を装備
** 9月 - ウォシュレットP(パブリック用)をモデルチェンジ 前年にモデルチェンジされたSシリーズがベース
** 9月17日 - ウォシュレット開発をとりあげた「[[プロジェクトX〜挑戦者たち〜]]『革命トイレ、市場を制す』」([[NHK総合]])放送
** 9月17日 - ウォシュレット開発をとりあげた「[[プロジェクトX〜挑戦者たち〜]]『革命トイレ、市場を制す』」([[NHK総合]])放送
* [[2003年]]
* [[2003年]]
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** 7月 - ウォシュレットアプリコットN1・N2・N3・N4を発売 便ふた自動開閉、自動便器洗浄機能を搭載
** 7月 - ウォシュレットアプリコットN1・N2・N3・N4を発売 便ふた自動開閉、自動便器洗浄機能を搭載
* [[2004年]]
* [[2004年]]
** 2月 - ウォシュレットS2・S1発売 ワンダースピン洗浄を導入(これにより従来のSAは製造停止)
** 2月 - ウォシュレットS2・S1発売 ワンダースピン洗浄を導入
* [[2005年]]
* [[2005年]]
** 2月 - NEWネオレストシリーズを発売 上位機種に音楽機能、芳香機能を搭載
** 2月 - NEWネオレストシリーズを発売 上位機種に音楽機能、芳香機能を搭載
** 3月 - ウォシュレットアプリコットN5を発売 ネオレスト同様シートタイプに初めて音楽機能を搭載 同時にクリーンコート便座仕様を発売(大形サイズのみ) 同じ時期にパブリック用のPをマイナーチェンジ 下面施工(ボルト固定)タイプを追加
** 3月 - ウォシュレットアプリコットN5を発売 ネオレスト同様シートタイプに初めて音楽機能を搭載 同時にクリーンコート便座仕様を発売(大形サイズのみ)
** 4月 - ウォシュレット一体形便器Zシリーズを発売
** 4月 - ウォシュレット一体形便器Zシリーズを発売
** 6月 - '''累計販売台数2000万台を突破'''<ref name="TOTO_20190403"/>
** 6月 - '''累計販売台数2000万台を突破'''<ref name="TOTO_20190403"/>
* [[2006年]]
** 2月 - ウォシュレットSB・SCをモデルチェンジ
** 8月 - ネオレストシリーズをモデルチェンジ、A・X・Dの3シリーズ、洗浄水量を大6L・小5Lに変更
** 11月 - ウォシュレット一体形便器Zシリーズを仕様変更、洗浄水量を大6L・小5Lに
* [[2007年]]
* [[2007年]]
** 2月 - アプリコットシリーズをフルモデルチェンジ デザインを一新し、清掃性を改善 「Nシリーズ」から「Fシリーズ」に
** 5月 - '''創業90周年、東陶機器株式会社は「TOTO株式会社」に社名を変更'''
** 5月 - '''創業90周年、東陶機器株式会社は「TOTO株式会社」に社名を変更'''
** [[8月1日]] - 「ハイブリッドエコロジーシステム」を搭載したネオレストハイブリッドAHを発売
** [[8月1日]] - 「ハイブリッドエコロジーシステム」を搭載したネオレストハイブリッドAHを発売
* [[2009年]]
* [[2009年]]
**[[3月31日]] - Gシリーズの製造が停止される<ref>[http://catalog.toto.jp/cat09_10/book1/index.html TOTO住宅向け商品総合カタログ] 704ページ</ref>
**[[3月31日]] - Gシリーズの製造が停止される<ref>[http://catalog.toto.jp/cat09_10/book1/index.html TOTO住宅向け商品総合カタログ] 704ページ</ref>
** [[8月3日]] - ネオレストハイブリッドシリーズをマイナーチェンジ、新たにRHタイプを追加<ref>{{Wayback |url=http://www.toto.co.jp/company/press/2009/06/23.htm |title=国内最小の4.8L洗浄 新「ネオレスト ハイブリッドシリーズ」8月3日(月)発売 2009年6月23日 ニュースリリース:TOTO |date=20120809071743}}</ref>
* [[2010年]]
** 8月 - ウォシュレットS2・S1・SBをモデルチェンジ S2・S1はワンダースピン洗浄をデザイン便器用を除き廃止し、袖付タイプはSC(脱臭なし、温風乾燥付)も廃止 このモデルから本体形状が共通化された
* [[2011年]]
* [[2011年]]
** 1月 - '''累計販売台数3000万台を突破'''<ref name="TOTO_20190403"/>
** 1月 - '''累計販売台数3000万台を突破'''<ref name="TOTO_20190403"/>
** 2月 - パブリック用のウォシュレットPをモデルチェンジ 男性用を廃止し、女性用だった音姫付の機種に一本化 あわせてリモコン式のPS(A)を発売
* [[2012年]]
* [[2012年]]
** 2月 - アプリコットシリーズをフルモデルチェンジ 従来品よりさらに薄型になり、上位機種には瞬間暖房便座を採用
** 7月23日 - '''[[日本機械学会]]は初代のウォシュレットGを[[機械遺産]]に認定'''<ref name="shashin1">『昭和55年 写真生活』(2017年、ダイアプレス)p40</ref><ref>{{Cite news |和書|title=「機械遺産」にウォシュレット 学会、5件選定 |newspaper=[[日本経済新聞]] |date=2012-07-03 |url=https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG22013_S2A720C1CR8000/ |accessdate=2020-07-20}}</ref>。
** 7月23日 - '''[[日本機械学会]]は初代のウォシュレットGを[[機械遺産]]に認定'''<ref name="shashin1">『昭和55年 写真生活』(2017年、ダイアプレス)p40</ref><ref>{{Cite news |和書|title=「機械遺産」にウォシュレット 学会、5件選定 |newspaper=[[日本経済新聞]] |date=2012-07-03 |url=https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG22013_S2A720C1CR8000/ |accessdate=2020-07-20}}</ref>。
* [[2014年]]
** 10月 - ウォシュレットP・PSをモデルチェンジ PSにプレミスト、電池交換や配線工事が不要である「エコリモコン」を初採用<ref>{{Cite press release |title=乾電池、壁裏配線が不要な「エコリモコン」パブリック向け「ウォシュレット※PS」10月1日(水)発売利用者にも管理者・清掃担当者にも配慮した機能搭載 |publisher=TOTO株式会社 |date=2014-08-26 |url=https://jp.toto.com/company/press/2014/08/26_001942.htm |accessdate=2020-07-20}}</ref>
* [[2015年]]
* [[2015年]]
** 2月 - ウォシュレットS2・S1・SBをモデルチェンジしプレミストを搭載 ネオレストをマイナーチェンジ 前年のPSに続きパブリック向けウォシュレット一体形便器でもエコリモコンを採用<ref>{{Cite press release |title=好評の「エコリモコン」、「ノズルきれい」を搭載パブリック向けウォシュレット※一体形便器2月2日(月)発売 |publisher=TOTO株式会社 |date=2015-01-30 |url=https://jp.toto.com/company/press/2015/01/30_001883.htm |accessdate=2020-07-20}}</ref>
** 7月 - '''累計販売台数4000万台を突破'''<ref>{{Cite press release |title=1980年6月の発売開始から35年ウォシュレット※累計出荷台数4000万台突破 |publisher=TOTO株式会社 |date=2015-09-01 |url=https://jp.toto.com/company/press/2015/09/01_001827.htm |accessdate=2020-07-20}}</ref>
** 7月 - '''累計販売台数4000万台を突破'''<ref>{{Cite press release |title=1980年6月の発売開始から35年ウォシュレット※累計出荷台数4000万台突破 |publisher=TOTO株式会社 |date=2015-09-01 |url=https://jp.toto.com/company/press/2015/09/01_001827.htm |accessdate=2020-07-20}}</ref>
*[[2016年]]
** 8月 - Sにノズルきれいを追加、PSに温風乾燥機能付きモデルを追加 
*[[2017年]]
*[[2017年]]
** ネオレストNXを発売
** 8月 - アプリコットシリーズをフルモデルチェンジ ノイズレスデザイン、フチなしウォシュレットがさらに進化し、F3系ににおいきれい機能を搭載し、エアインワンダーウェーブ洗浄、継ぎ目のない便座(LIXILのキレイ便座に相当する)が新たに追加
** ネオレストNXを新発売、ネオレストAH·RH·DHをマイナーチェンジ、ノイズレスデザイン、フチなし形状、フチなしウォシュレットが進化し、エアインワンダーウェーブ洗浄、継ぎ目のない便座(LIXILのキレイ便座に相当する)が新たに追加された。
* [[2018年]]
* [[2018年]]
** 2月 - アプリコットシリーズでは初のパブリック向け商品となるウォシュレットアプリコットPを発売<ref>{{Cite press release |title=パブリック向けウォシュレットに瞬間式を品揃え。清潔機能も充実 「ウォシュレット※ アプリコットP」 2018年2月1日(木)発売 |publisher=TOTO株式会社 |date=2018-01-11 |url=https://jp.toto.com/company/press/2018/01/11_004446.htm |accessdate=2020-07-20}}</ref> GG·GG-800にノズルきれいを追加
** 2月 - アプリコットシリーズでは初のパブリック向け商品となるウォシュレットアプリコットPを発売<ref>{{Cite press release |title=パブリック向けウォシュレットに瞬間式を品揃え。清潔機能も充実 「ウォシュレット※ アプリコットP」 2018年2月1日(木)発売 |publisher=TOTO株式会社 |date=2018-01-11 |url=https://jp.toto.com/company/press/2018/01/11_004446.htm |accessdate=2020-07-20}}</ref>
** 8月 - S・SBにノズルきれいを標準搭載<ref>{{Cite web |url=https://jp.toto.com/company/press/product/toilet/20180613004712/ |title=ノズル除菌機能「ノズルきれい」を、お値段そのままに標準搭載 新「ウォシュレット※S」/新「ウォシュレット※SB」 8月1日(水)発売 |publisher = |accessdate=2022-05-02}}</ref>
* [[2019年]]
** 2月 - ウォシュレットアプリコットシリーズ、ネオレストNX、ネオレストAH、ネオレストRH、ネオレストDHで、つぎ目なし便座を全グレードに標準搭載、においきれいカートリッジのお手入れお知らせ機能の追加、コンセントプラグ形状が小型化改良<ref>{{Cite web|url=https://qa.toto.jp/faq_detail.htm?id=162152&category=1720&page=1|title=2019年2月発売アプリコットFと、従来機種との違いは何ですか?|accessdate=2019年7月22日月曜日|publisher=}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://qa.toto.jp/faq_detail.htm?id=162017|title=2019年2月発売NX/ネオレストAH・RH・DHと、従来機種との違いは何ですか?|accessdate=2019年7月22日月曜日|publisher=}}</ref>
* [[2020年]]
** 2月 - GG・GG-800をモデルチェンジ<ref>{{Cite web |url=https://jp.toto.com/company/press/product/toilet/2019_12_05_009237/ |title=お掃除しやすい清潔機能とデザインが進化 ウォシュレット※1一体形便器 新「GG」/「GG-800」2月3日(月)発売 |publisher = |accessdate=2022-05-02}}</ref>
* [[2021年]]
** 2月 - S・SBをモデルチェンジ<ref>{{Cite web |url=https://jp.toto.com/company/press/product/toilet/2020_12_03_010965/ |title=お掃除しやすい清潔機能とデザインが進化 新「ウォシュレット※1S」/新「ウォシュレットSB」 2月1日(月)発売 |publisher = |accessdate=2022-05-02}}</ref>
** 4月 - P・PS、パブリック向けウォシュレット一体形便器、ホテル向けウォシュレット一体形便器をモデルチェンジ<ref>{{Cite web |url=https://jp.toto.com/company/press/product/toilet/2021_02_12_011108/ |title=お掃除しやすいデザインと清潔機能が進化 パブリック向け 「ウォシュレット※1PS」/「ウォシュレットP」 4月1日(木)発売 |publisher = |accessdate=2022-05-02}}</ref> <ref>{{Cite web |url=https://jp.toto.com/company/press/product/toilet/2021_02_09_011102/ |title=お掃除しやすい清潔機能とデザインが進化 パブリック向けウォシュレット※1一体形便器 ホテル向けウォシュレット一体形便器 4月1日(木)発売 |publisher = |accessdate=2022-05-02}}</ref>
**8月 - 従来のオート開閉・オート便器洗浄機能付きのレストルーム商品、ウォシュレット一体形便器 『ネオレスト』、『GG・GG-800』、ウォシュレット『アプリコット』に便ふた閉止後に便器洗浄する『便ふた閉止後洗浄モード』を追加搭載し、発売<ref>{{Cite web|url=https://jp.toto.com/company/press/2021/07/02_011462.htm|title=お客様ニーズに対応、新機能追加
『便ふた閉止後洗浄モード』 8月2日(月)発売|accessdate=2021年10月8日}}</ref>

== 現在の製造機種 ==
=== シートタイプ ===
* ウォシュレットアプリコット(瞬間式)
** グレード
*** F1A・F2A・F3A・'''F3AW'''(オート便器洗浄・リモコン便器洗浄機能付き)
*** F1・F2・F3・'''F3W'''(オート便器洗浄・リモコン便器洗浄機能なし)(F4系・F5系は[[2012年]][[1月]]末で製造停止。これによってシートタイプから音楽再生機能付リモコン・室内暖房機能付き機種は消滅した。)
*** AP1・AP1A・AP1K・AP1AK・AP2・AP2A・AP2K・AP2AK(パブリック向け、A付きはオート便器洗浄タイプ、K付きは擬音([[音姫]])機能なし、温風乾燥機能・洗浄位置調節機能を搭載・便ふたなし仕様のみ)
ワンダーウェーブ洗浄を売りに現行品は2012年2月に発売。初代(1999年発売)はCαの後継品であったが、2代目のN(2003年発売)からはシートタイプの上級機種(N1を除く)として2007年発売のFに至る。先代のFは途中、マイナーチェンジを2回行っており、2009年発売品は断熱材を入れたダブル保温便座を採用。2011年2月発売品には電解除菌水ノズル洗浄を追加して2012年2月にモデルチェンジを行い、また、2017年8月には5年半ぶりにモデルチェンジを行い、従来型からややデザインが変わり、フチなしウォシュレットの部分の形状は2007年~2011年発売モデルのFシリーズに近い形状となる。機能面ではF1、F2系は特に追加はないが、F3系にはネオレストハイブリッドAH、RHの一部グレードに採用されているにおいきれいが追加され、F3W系にはにおいきれいに加えて、便座のサイドラインを排しており、これは2011年以降に発売したLIXIL(INAX)のシャワートイレではごく一部を除いて採用されているキレイ便座と同じ構造である。N以降の製品からバリアフリー(AC100Vリモコン)仕様(N2・F2のみ)も発売され、主に多目的トイレなどを中心に採用されている。なお2012年1月まではレギュラーサイズも用意されていた(現行品は大形・普通共用便座。2004年下期発売のN以降も大形サイズは共用便座になった)。

2018年2月よりパブリック向けにアプリコットPを発売。別売のウォシュレット管理清掃用リモコンにも対応する<ref>{{Cite news |和書|title=TOTO、瞬間式ウォシュレット「アプリコットP」を発売 |newspaper=日本経済新聞 |date=2018-1-11 |url=https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP468086_R10C18A1000000/ |accessdate=2020-2-16 }}</ref>。また、この機種をベースとし、リモコンを異なる仕様としたウォシュレットがRESTROOM ITEM 01用にラインナップされている<ref>リモコン以外はアプリコットPと同一だが、アプリコットの名称は与えられていない。</ref>。
* ウォシュレットS2・S1(貯湯式)
** グレード
*** S2A・S1A(リモコン便器洗浄機能・ノズルきれい機能付き)
*** S2・S1(リモコン便器洗浄なし・ノズルきれい機能付き)
アプリコットとSBの中間に位置する。Sシリーズは袖スイッチ式が基本だが本製品はリモコン式でかつて1998年に発売されたSS以来のリモコン式Sシリーズである。現在の製品は2021年2月発売の4代目で、先代は2015年2月発売、2代目は2010年8月発売、初代は2004年に発売された。現行モデルから「プレミスト」機能が搭載された。2016年8月には「ノズルきれい」を搭載したモデルが追加され、グレードはS2AJ·S1AJ·S2J·S1Jとなり、同時にリモコン洗浄タイプは「ノズルきれい」搭載タイプのみとなった。その後2018年8月発売品ではリモコン洗浄なしタイプにも「ノズルきれい」が搭載された。また、初代はおしり洗浄にスピン型のワンダースピン洗浄を採用していた。なお、バリアフリー(AC100Vリモコン)仕様(S2のみ)も先代まで発売されていたが先代は特殊品対応になった(S1は初代から特殊品対応)。
また、初代の途中からデザイン便器専用(エバジオン・ロマンシア(同仕様ベースのC840PV便器を含む)・デリシアシリーズ)の商品を発売した。ただしGシリーズで発売されていた製品と異なり若干形状が異なる。
なおデザイン便器用は初代のタイプを継続販売されていたが2017年7月に生産終了した<ref>{{Cite web |url=https://qa.toto.jp/faq_detail.htm?id=161787 |title=デリシア・ロマンシア・エバジオン便器(デザイン便器)に取付けできる便座はありますか? |publisher = |accessdate=2022-05-02}}</ref>。
*ウォシュレットSB(貯湯式)
**グレード SB  初代Sシリーズからの系譜を受け継いでいる本体スイッチ式。現行品は4代目S同様2021年2月に発売され、脱臭付で先代同様デザインはS2・S1と共通。かつては、温風乾燥・脱臭付きの製品(SA)や温風乾燥付き・脱臭無し(SC)の製品も発売されていた(海外向けでは発売されている)。 また、多目的トイレ向けのバリアフリー仕様も用意され、固定部分が金属製に変更されている(アプリコット・S2・S1、ホテル向けのHX、後述のP・PSにも用意されている。なおTOTOではアプリコットを推奨している)。2018年8月発売品からノズルきれい機能が追加された。
* ウォシュレットG(2009年3月末で製造停止。後継品はアプリコット)
** グレード GA・GB・GP(GPのみ本体スイッチ式、他はリモコン式)
アプリコットが登場するまでウォシュレットシートタイプ高級機種を長年支えてきたシリーズで大きい貯湯タンクを搭載しているのが特徴だった。最終モデルは1997年に発売され、この間アプリコットとSはモデルチェンジしている中で最後までデザインを変えずに発売されていた(ただしTOTOの社名変更時にウォシュレットのロゴ表記や注意表記の変更は行われている)。また通常品の他、デザイン便器専用品も存在した。なお、この製品は最後まで大形・普通共用便座は採用されなかった。
* ウォシュレットAR - ミドルシルエット便器([[2005年]]10月発売)専用(機能はアプリコットNとほぼ共通。2009年頃製造停止。同じ時期に発売されたレストパルSXの初期タイプはこの機種がベースだった。)
* ウォシュレットP/PS(パブリック向け) - 2021年4月にモデルチェンジ。PSでは現行モデルから、プレミストと「エコリモコン」(PS2・PS2n)が設定された(先代に設定されていたAC100Vバリアフリーリモコン仕様は特殊品対応となった)。過去には男性用と女性用があった。男性用はおしり洗浄と脱臭機能、女性用はこれにビデと擬音装置(商品名「音姫」)が追加される。先代より男女兼用となった(イオン向け特殊品でビデ洗浄・擬音装置がない仕様が用意されている<ref>設置例として、[[イオンモール幕張新都心]]や[[イオンモール長久手]]など[[イオンモール]]の男子トイレにある。</ref>)。また先代のPが2011年2月にモデルチェンジした際、リモコンタイプのPSが追加された。デザインはそれぞれウォシュレットS1・S2・SBに準じる。オート洗浄タイプ、バリアフリー金属固定仕様も用意されている。いたずら防止のため、温度設定などは管理者以外の操作ができないようになっている。2016年8月から温風乾燥・洗浄位置調節機能付き・擬音装置なしのPS2Kタイプが追加発売された。このタイプは便ふたなし・エコリモコン仕様のみの設定となっている。
2021年4月発売のPはノズルきれい・プレミスト・暖房便座オフモードが追加されたモデルもある。
* ホテル用ウォシュレット(HX・U・UD) - HXは貯湯式、U・UDはホテル全体の給湯設備から温水の供給を受けるセントラル給湯式となっている。HX・UはAC100V電源、UDは専用リチウム電池で動作する。HX・Uは2016年2月29日にモデルチェンジした。
* トラベルウォシュレット・プチウォシュレット - 携帯用のウォシュレット。プチウォシュレットは女性用
* リテール向け製品 - 量販店で販売し取り付けはユーザーが自ら出来るよう、工具や接続用フレキホースを添付。賃貸住宅などでの設置にも対応する。なお上記の一般商品は総合カタログに掲載されるが、これら量販店用は掲載されない。また、専用カタログも別個に用意されている。
**KFシリーズ(形状はアプリコットFの現行品に類似するがリモコン等一部機能が異なる。)
**KMシリーズ(量販店用のオリジナルだが、デザインはネオレストDHに類似する。KVの後継品だが温風乾燥付商品はない。上位機種はKFと機能がほぼ共通する。)
***2007年のアプリコットシリーズのモデルチェンジ以前は、現行KF・KMシリーズに相当するクラスの量販店向け機種にも「アプリコット」のシリーズ名が付されていた。
**KSシリーズ(2018年10月に発売されたリモコン式。かつて発売されたシリーズであるが瞬間式になった。デザインは2007年発売のアプリコットFや2010年8月発売のSに類似する。)
**Kシリーズ(発売当初の形状はSBと共通で機能が異なる。途中からスイッチ形状が小型化されデザイン形状が2010年発売のSBに類似している。またデペロッパー向けのBV・Jシリーズも形状が共通している。)
***上記の他にも家電量販店・ホームセンターのオリジナル商品や、ハウスメーカー等特定法人向けの機種も存在し、専用カタログが用意されている。

=== ウォシュレット一体形便器 ===

[[File:NCM 0396.JPG|220px|thumb|ウォシュレット一体形便器 『ネオレストシリーズ』
]]
ウォシュレットが一体となった便器。従来は機能部の老朽化による取り替え時には便器も含めた取り替えが必要であったが、機能部のみの取り替えも可能になった。●印の機種はフチなし形状・トルネード洗浄を採用している。
; ●ネオレストハイブリッドNX
:2017年8月に発売された新たなデザイン便器で、フラッグシップモデル<ref>{{Cite web |url=https://jp.toto.com/campaign/neorest_nx/index.htm |title=TOTOのトイレ:ネオレストNX「未来は、ここからはじまる。」 |accessdate=2020-07-20}}</ref>とされている。壁排水仕様やリモデルタイプは設定されていない。
; ●ネオレストハイブリッドAH
: ネオレストAシリーズをベースに水道直圧式(ボール内洗浄用)に小型タンク(ゼット穴洗浄用)を組み合わせ新開発のポンプで加圧して低水圧でも対応可能にし、更に洗浄水量を大3.8L・小3.3L(2012年2月までは大4.8L・小4L、2009年8月までは大5.5L・小4.5L)に引き下げた「ハイブリッドエコロジーシステム」を搭載した機種(機種名に「ハイブリッド」が付いているものはこのシステムが搭載されていることを示す)。現行モデルは2017年8月にモデルチェンジした。AH1・AH2Wの2機種。AH2Wは室内暖房・オートフレグランスを搭載。
: なお、ワイヤレスリモコンに音楽再生機能を搭載したAH3は[[2012年]][[1月]]いっぱいで製造停止。
; ●ネオレストハイブリッドRH
: ネオレストハイブリッドAHシリーズをベースに丸みを帯びた形状とし、2009年2月モデル以降のアプリコットと同様に便座の蓋を断熱仕様としている。現行モデルはAHとともに2017年8月にモデルチェンジ。基本的にAHと同じ機能。RH1・RH2Wの2機種。
: こちらも、AHと同じくRH3は[[2012年]][[1月]]いっぱいで、RH0は2015年1月いっぱいで製造停止。
; ●ネオレストハイブリッドDH
: 先代のネオレストRH0とネオレストDシリーズを統合した後継機種。当モデルからハイブリッド仕様になった。リモコン・機能はAH・RHと異なる。当モデルからプレミスト、ノズルきれいが搭載された。また、ネオレストDシリーズで設定があったオート開閉機能が廃止された。DH1・2の2機種。
: 2015年2月から発売開始。
:2017年8月 新「トルネード洗浄」と新「フチなし形状」を採用し、便器フチの“返し”が無くなった。<ref>{{Cite press release |title=「TOTO 独自の「トルネード洗浄」「フチなし形状」進化、新「ネオレスト AH/RH/DH」8月1日(火)発売 |publisher=TOTO株式会社 |date=2017-06-29 |url=https://jp.toto.com/company/press/2017/06/pdf/2017062901.pdf}}</ref>
:2019年2月 それまでRHなどの上位機種にしかなかった「つぎ目なし便座」が採用された。<ref>{{Cite web |title=「2019年2月発売のネオレストNX・AH・RH・DHシリーズの違いを教えてください。 |publisher=TOTO株式会社 |url=https://qa.toto.jp/faq_detail.htm?id=161403&category=4279&page=1 |accessdate=2021-01-30}}</ref>
; ●レストパル/レストパルF
: 住宅用システムトイレ。タンク式洗浄。レストパルFは壁掛け式。ウォシュレットはアプリコットFシリーズを使用する。
; ウォシュレット一体形取替機能部
: 旧型ウォシュレット一体形便器機能部の取り替えに対応(2005年8月29日発売)。
; ●GG/GG‐800
: Zシリーズの後継機種、初代GGは[[2010年]]4月発売、初代GG-800は[[2010年]]8月発売。[[2014年]]5月にそれぞれ2代目にモデルチェンジし、2018年2月にノズルきれいが搭載された。先代モデルから、ネオレストにも搭載されている「お掃除リフト」、「プレミスト」「ノズルきれい」が搭載された。基本機能はGG1・2はウォシュレットS1A・S2Aに準じ、GG3はS2Aにオート開閉とオート小洗浄がプラスされる。派生機種としてGG-800もあり、GGとの違いは、ローシルエット(タンク式)ではなく、手洗い付きのタンク式であること。
2020年2月にモデルチェンジされ、デザインが変わった。
; ●パブリック向けウォシュレット一体形便器
: 2021年4月に現行モデルにモデルチェンジし。基本仕様はGGに準じるため、タンク式である。ウォシュレット機能はPSAに準じ標準リモコンとエコリモコンが選べる、初代にあったバリアフリーリモコン(AC100V電源)は先代では特殊品対応となった。
; ●ホテル向けウォシュレット一体形便器
: [[2016年]][[8月]]より発売されている、ホテル等のバスルーム内の設置に対応したウォシュレット一体形便器。ホテルリモコンタイプと乾電池リモコンタイプがある。定格消費電力が通常の貯湯式の約半分である他、乾電池リモコンタイプでは、一つのリモコンで複数のウォシュレットの温度設定が変更できる「連続設定」や、一定温度以上で自動的に暖房便座をオフにする「暖房便座オフモード」といった機能があるなど、ホテルでの使用に特化した仕様となっている<ref>{{Cite press release |title=「ホテル向けウォシュレット※1一体形便器」2016年8月1日(月)発売 |publisher=TOTO株式会社 |date=2016-07-25 |url=https://jp.toto.com/company/press/2016/07/25_002937.htm |accessdate=2020-07-20}}</ref>。
2021年4月にモデルチェンジ。


なお、競合他社製品については[[温水洗浄便座#各社の温水洗浄便座]]を参照。


== 普及率 ==
== 普及率 ==

2022年5月30日 (月) 23:43時点における版

初代ウォシュレット
TOTOウォシュレット(ユニットバス用モデル)
ウォシュレット一体形便器ネオレストDタイプ
ウォシュレットのボタン
38個ものボタンがあるウォシュレット操作パネル

ウォシュレットは、TOTOが販売する温水洗浄便座の商品名である。

1980年6月に発売以来、2011年1月には累計販売台数が3000万台を突破した。温水洗浄便座では高いシェアを誇り、INAX(現・LIXIL。同社の名称はシャワートイレ)や他社製の同種類のものも含め「ウォシュレット」と呼ばれるほど定着しているが、ウォシュレットの名称はTOTOの登録商標(日本第1665963号など)である。

概要

TOTOは1960年代に米国からの輸入によって温水洗浄便座(ウォッシュエアシート)の販売を行っていた。主に病院向けに医療用や福祉施設用に導入されていたものである[1]1969年にはこれを国産化したが当時は販売価格も高く、且つ温水の温度が安定しないために火傷を負う利用者もいた。作家の遠藤周作からも「一度しか使わない」という論評を書かれるなどしており、1970年代には便器の広告など以ての外と、雑誌や新聞での広告掲載を拒否されたというエピソードも残っている[1]。だが、1970年台後半からはウォシュエアシートの便利さが浸透し、販売が急伸した。

TOTOは独自に研究開発を進め、清潔好きな土壌を持つ日本での普及が見込めることなどから、1980年に2機種の設定によって発売を開始した。特に肛門位置などの数値データは存在していなかったので、社員などの協力を得て社員男女300人以上のデータを収集し、噴出位置を設計するという工夫をこらした。

温水貯蔵式でおしり洗浄の他、乾燥と「ウォームレット」の機能である暖房便座機能を持つ「Gシリーズ」(Gはゴージャスの意)と水を瞬間式で温水にし、おしり洗浄と暖房便座機能に絞った「Sシリーズ」(Sはスタンダードの意)の2種類があり[1]。基本モデルは「Gシリーズ」(2009年4月以降は「アプリコットシリーズ」)・「Sシリーズ」の2種類でこれにコンパクトシリーズ(Cαシリーズ等)が1993年以降追加されるようになった。また便器の大きさによってレギュラー(普通)サイズとエロンゲート(大形)が用意されていたが、2012年2月以降はホテル用など一部商品を除き大形普通共用便座になった(暖房便座の2012年以降に発売されたウォームレットも含む。共用便座は旧公団用のC417便器には取り付け不可(C417R便器は取付可能)。(いずれも普通サイズは取付可能だった。) また、アプリコットFの2012年2月以後モデル・袖付きタイプはCS510BM便器には取付不可となっている[2]

1982年には当時話題を集めていた戸川純を起用したCMで、仲畑貴志による「おしりだって、洗ってほしい。」のキャッチコピー(第2弾コピーは「人の、おしりを洗いたい。」)、そして、その独特のCM中の歌によって一気に知名度を高めた[1]。CMについては初回の放映時間がゴールデンタイムであったことより視聴者から「今は食事の時間だ。飯を食っている時に便器の宣伝とは何だ!」などとクレームが入り[3]、おしりという言葉を使用したことなどについても批判されたがそれを乗り越えるだけのインパクトがあった。

以後、全てのラインナップで着座センサーを導入した(それまでは着座していなくても温水が噴出した)。ふたの自動開閉や便器洗浄、さらには消臭脱臭芳香の機能の搭載にも成功した。ウォシュレットを装備した一体形便器(「ネオレスト」や「GG」など)の登場、また住宅用に限らず公共施設やオフィス、ホテル用のラインナップも整備された。

抗菌・防汚にも配慮がなされノズル部分は、肛門から跳ね返ってきた温水が周囲に掛からないような角度(43度、ビデは53度)に設定されており、格納時やおしり洗浄前にノズルを温水で洗浄する機能も付属している。また、おしり洗浄とビデ洗浄では吐水する配管も変えられている。他にも、省エネルギーにも配慮して節電機能を設けたほか、操作部も一部機種では壁付けの別体リモコンの採用で使いやすくするなどの改良が加えられている。また2005年10月には音楽のMP3再生機能が備わったウォシュレットが発売されるなど、多機能化が進んでいる。このようなトイレの多機能化は日本独特のものであり日本の水の安全性の高さや日本の水は軟水であるためなどの理由で世界的にはこのような便座はまだ普及しているとは言えない。マドンナが2005年に来日した時、「日本の暖かい便座が懐かしかった」とコメントしている。中国香港台湾韓国ベトナムシンガポールインドアラブ首長国連邦などの中東地域・アメリカカナダでも販売されている[4]

また、顧客の要望により変種として1996年3月に和式便器用の機種「ウォシュレットW」(Wは和式のわ、を意味する)も発売されていた[5]。しかし、和風便器では温水が命中しないなどで使用しにくいことや洋風便器への移行が進んだことから普及せずに2003年3月に生産が終わった[5]。一方で、旅行先などで使用できる携帯タイプは現在も発売されている。

1998年には累計販売台数1000万台を突破した[6]がこの頃から多くの便器で装備するようになり、以後7年で倍の2000万台に達した。他社製品も含めれば、普及率は6割程度まで伸び、新規に建設されるオフィスビルでも標準的に取り付けられるようになっている。

ウォームレットとウォシュレットでは説明書や便座の開閉ふたに便座や乾燥使用中は火傷への注意が記載されている。一部機種では清掃時の利便性を向上するために便ふた・便座または本体ごと外れる機能が搭載されているものもある。

由来

ウォシュレットの名の由来は、おしりを拭くから洗うに変えるということから「Let's!Wash」(さあ!洗いましょう)を逆にしてウォシュレットと命名したといわれている。 伸縮ノズルはタクシーの伸びるラジオアンテナを参考にして開発されたという。

歴史

  • 1964年 - 東洋陶器(現・TOTO)が、米国から温水洗浄便座「ウォッシュエアシート」を輸入、販売を開始
  • 1969年 - 「ウォッシュエアシート」を国産化
  • 1980年
    • 2月 - 商標「ウォシュレット」を商標登録出願する
    • 6月 - 初代ウォシュレット(G、S)を発売
  • 1982年 - CMキャラクターに当時若手だった女優戸川純を起用。「おしりだって洗ってほしい」のキャッチコピーを使ったCMが話題に
  • 1983年
    • 7月 - ウォシュレットGII、SIIを発売 セルフクリーニング(ノズル洗浄)機能(GII)、水量調節(SII)
  • 1984年
    • 3月 - 商標「ウォシュレット」が登録となる
  • 1985年
    • 4月 - ウォシュレットGIII、SIIIを発売 カラーバリエーションの追加、乾燥機能の追加(SIII)
  • 1987年
    • 11月 - 累計販売台数100万台を突破[6] 初のウォシュレット一体形便器ウォシュレットQUEEN、ホテル向け商品を発売
  • 1988年
    • 9月 - ウォシュレットGXI・II、SXI・IIを発売 ビデ標準装備(Sシリーズ)、消臭機能、着座センサー、便座ソフト閉止、リモコンなどを追加(Gシリーズ)
  • 1991年
    • 6月 - ウォシュレット(パブリック、オフィス向け)を発売
    • 12月 - ウォシュレット一体形便器ZGシリーズを発売 オゾン脱臭を初搭載
  • 1992年
    • 2月 - ウォシュレットGαI・II、SαI・IIを発売 オゾン脱臭(Gシリーズ)、ムーブ機能・着座センサーを追加(Sシリーズ)
  • 1993年
    • 3月 - コンパクトシリーズとして、ウォシュレットCαI・IIを発売
    • 4月 - 日本初のタンクレスウォシュレット一体形便器、ネオレストを発売
  • 1994年
    • 2月 - ウォシュレットZS発売
  • 1995年
    • 3月 - ウォシュレットGN・I・II、SI・II・IIIを発売 ワンタッチ脱着など清掃機能の充実
    • 11月 - 13年間にわたり初代CMキャラクターを務めた戸川純が緊急降板。
  • 1996年
    • 7月 - 和式便器用ウォシュレットWを発売
  • 1997年
    • 11月 - ウォシュレットGA・GBを発売 やわらか洗浄を追加
  • 1998年
    • 1月 - ウォシュレットSA・SB・SCを発売 便座の座面を拡大
    • 9月 - ウォシュレットSSを発売 袖部分がなくなる リモコンなしのウォシュレットGPも追加
    • 7月 - 累計販売台数1000万台を突破[6]
  • 1999年
    • 10月 - ウォシュレットアプリコットC1・C2・C3を発売 ワンダーウェーブ洗浄を導入、節水を実現
  • 2000年
    • 9月 - ウォシュレットアプリコットC4を発売 室内暖房機能を装備
  • 2002年
    • 7月 - ウォシュレット一体形便器ネオレストEXを発売 便器部にフチなしトルネード洗浄を装備
    • 9月17日 - ウォシュレット開発をとりあげた「プロジェクトX〜挑戦者たち〜『革命トイレ、市場を制す』」(NHK総合)放送
  • 2003年
    • 2月 - ウォシュレット一体形便器ネオレストSDを発売
    • 7月 - ウォシュレットアプリコットN1・N2・N3・N4を発売 便ふた自動開閉、自動便器洗浄機能を搭載
  • 2004年
    • 2月 - ウォシュレットS2・S1発売 ワンダースピン洗浄を導入
  • 2005年
    • 2月 - NEWネオレストシリーズを発売 上位機種に音楽機能、芳香機能を搭載
    • 3月 - ウォシュレットアプリコットN5を発売 ネオレスト同様シートタイプに初めて音楽機能を搭載 同時にクリーンコート便座仕様を発売(大形サイズのみ)
    • 4月 - ウォシュレット一体形便器Zシリーズを発売
    • 6月 - 累計販売台数2000万台を突破[6]
  • 2007年
    • 5月 - 創業90周年、東陶機器株式会社は「TOTO株式会社」に社名を変更
    • 8月1日 - 「ハイブリッドエコロジーシステム」を搭載したネオレストハイブリッドAHを発売
  • 2009年
  • 2011年
    • 1月 - 累計販売台数3000万台を突破[6]
  • 2012年
  • 2015年
    • 7月 - 累計販売台数4000万台を突破[9]
  • 2017年
    • ネオレストNXを発売
  • 2018年
    • 2月 - アプリコットシリーズでは初のパブリック向け商品となるウォシュレットアプリコットPを発売[10]

普及率

1980年に発売され、18年後の1998年に国内・海外市場合わせて1000万台突破[6]。その7年後の2005年に2000万台突破[6]。さらに2011年には3000万台[6]、2015年には4000万台[11]、2019年には5000万台[6]を突破した。なお、ウォシュレットに限らず国内温水洗浄便座市場全体での家庭での普及率は総世帯で73%、二人以上の世帯で80.2%(2020年3月時点)[12]

脚注

  1. ^ a b c d e 『昭和55年 写真生活』(2017年、ダイアプレス)p40
  2. ^ CS510BM+SS511BABFS(コンパクトリモデル便器・コーナータイプ)に、設置可能なウォシュレットの品番をおしえてください。”. 2022年5月2日閲覧。
  3. ^ 2002年9月17日放送 NHK総合テレビプロジェクトX〜挑戦者たち〜』第97回「革命トイレ・市場を制す」
  4. ^ 荻上直子監督の『トイレット (映画)』は北米が舞台で全編英語だが、ウォシュレットがテーマになっている。
  5. ^ a b フジテレビトリビア普及委員会『トリビアの泉〜へぇの本〜 6』講談社、2004年。 
  6. ^ a b c d e f g h i "1980年6月の販売開始から38年8ヵ月ウォシュレット※1累計出荷台数5000万台突破" (Press release). TOTO株式会社. 3 April 2019. 2020年7月20日閲覧
  7. ^ TOTO住宅向け商品総合カタログ 704ページ
  8. ^ 「機械遺産」にウォシュレット 学会、5件選定」『日本経済新聞』2012年7月3日。2020年7月20日閲覧。
  9. ^ "1980年6月の発売開始から35年ウォシュレット※累計出荷台数4000万台突破" (Press release). TOTO株式会社. 1 September 2015. 2020年7月20日閲覧
  10. ^ "パブリック向けウォシュレットに瞬間式を品揃え。清潔機能も充実 「ウォシュレット※ アプリコットP」 2018年2月1日(木)発売" (Press release). TOTO株式会社. 11 January 2018. 2020年7月20日閲覧
  11. ^ "1980年6月の発売開始から35年ウォシュレット※累計出荷台数4000万台突破" (Press release). TOTO株式会社. 1 September 2015. 2020年7月20日閲覧
  12. ^ 内閣府「消費動向調査」(令和2年3月調査)

関連項目

外部リンク