「ドリトライ」の版間の差分
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『'''ドリトライ'''』は、[[雲母坂盾]]による[[日本]]の[[漫画]]作品。『[[週刊少年ジャンプ]]』にて2023年23号から<ref name="natalie20230508">{{Cite news|url=https://natalie.mu/comic/news/523661|title=「ボーンコレクション」の雲母坂盾が昭和を舞台に描くボクシング譚がジャンプで|newspaper=コミックナタリー|publisher=ナターシャ|date=2023-05-08|accessdate=2023-09-18}}</ref>連載中。監修は[[成田龍一]]{{R|natalie20230508}}。昭和時代の日本を舞台とした作品{{R|natalie20230904}}。 |
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== 沿革 == |
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昭和21年(1546年)4月。戦争によって身寄りを失い、戦災孤児となった少年・'''大神青空'''は、瓦礫と化した戦後の東京で、食料すら満足に手に入らない中でも、妹・星と共に励まし合って生きていた。しかし、あるとき、星が結核を発症。妹の治療費を稼ぐため、青空は裏社会が開催する拳闘(ボクシング)大会に参加し、様々な拳闘家たちと鎬を削っていく。 |
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== 登場人物 == |
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: 本作の主人公{{R|prtimes20230711}}。1930年8月8日生まれ、現在の新宿区の出身。作中では初登場時は14歳(終戦後は15歳)。天鳴尋常小学校卒。第二次大戦がはじまると軍需工場に動員され、戦闘機の部品の製作に従事した。 |
: 本作の主人公{{R|prtimes20230711}}。1930年8月8日生まれ、現在の新宿区の出身。作中では初登場時は14歳(終戦後は15歳)。天鳴尋常小学校卒。第二次大戦がはじまると軍需工場に動員され、戦闘機の部品の製作に従事した。 |
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: 父・夕日は出征後に消息不明となり、母・朝美(ともみ)も[[東京大空襲]]で亡くなり、家も焼失して戦災孤児となる。終戦後の焼け野原の中で、青空は妹・星と共に、拳闘家だった父の教え「どんな時でも心を強く持て」を胸にたくましく生き延びるが、栄養失調のため衰弱していた星が結核を発症。彼女の治療費を稼ぐため、ヤクザ組織・虎威組(とらいぐみ)所属の拳闘家となり、[[連合国軍最高司令官総司令部|GHQ]]や日本の富裕層が運営する秘匿の拳闘大会「炎涛拳技會(えんとうけんぎかい)」に身を投じる。 |
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: その後、虎威組組長・優華が組を解散させてジムを開くと、青空は所属ボクサーとなり世界王者を目指す。[[白井義男|シライ]]という強豪に阻まれるなどして、王者になる夢は果たせなかったが、引退後は[[福井県]][[ |
: その後、虎威組組長・優華が組を解散させてジムを開くと、青空は所属ボクサーとなり世界王者を目指す。[[白井義男|シライ]]という強豪に阻まれるなどして、王者になる夢は果たせなかったが、引退後は[[福井県]][[越前市]]に居を移し、工場などを興して家族を支えた。2023年、心臓病のために永眠。 |
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: 必殺技は、父の残した本から習得したカウンター技「瀑受転巌(ばくじゅてんがん)」と、その発展形である「真 瀑受転巌」。 |
: 必殺技は、父の残した本から習得したカウンター技「瀑受転巌(ばくじゅてんがん)」と、その発展形である「真 瀑受転巌」。 |
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: 好きな食べ物はたくあん、しょうが。 |
: 好きな食べ物はたくあん、しょうが。 |
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: 好きな食べ物はだんご、うめぼし。 |
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; 和泉 生野(いずみ いくの) |
; 和泉 生野(いずみ いくの) |
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: 1930年7月12日生まれ。売春宿「夢洗(バブル)」の用心棒兼拳闘家。東京大空襲の際、妹・凛と共に防空壕に閉じ込められる。左腕を負傷していた生野は、右腕のみで七日間、土を必死に掻き出して脱出したが、気づいたときには右腕が異様な太さになっていた。炎涛拳技會の拳闘家としてはまだルーキーだが、デビュー以来、右ストレートのみで5戦5勝5KOという驚異的な戦績を叩き出し、「ウォーハンマー」とあだ名された。 |
: 1930年7月12日生まれ。売春宿「夢洗(バブル)」の用心棒兼拳闘家。東京大空襲の際、妹・凛と共に防空壕に閉じ込められる。左腕を負傷していた生野は、右腕のみで七日間、土を必死に掻き出して脱出したが、気づいたときには右腕が異様な太さになっていた。炎涛拳技會の拳闘家としてはまだルーキーだが、デビュー以来、右ストレートのみで5戦5勝5KOという驚異的な戦績を叩き出し、「ウォーハンマー」とあだ名された。青空との対戦後は、優華の計らいで虎威組に引き取られる。 |
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: 必殺技は、一時的に右腕の関節を外してリーチを伸ばす「伸びるストレイト」。 |
: 必殺技は、一時的に右腕の関節を外してリーチを伸ばす「伸びるストレイト」。 |
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: 好きな食べ物は豚肉。 |
: 好きな食べ物は豚肉。 |
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: 29歳。炎涛拳技會の拳闘家で、懸賞金は8万円。実験と称してあらゆる方法で相手を殴り弄ぶことから「狂実験の虹村」と呼ばれている。 |
: 29歳。炎涛拳技會の拳闘家で、懸賞金は8万円。実験と称してあらゆる方法で相手を殴り弄ぶことから「狂実験の虹村」と呼ばれている。 |
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: 油屋の長男として生まれ、本来であれば商人として家督を継ぐはずだったが、戦争がはじまると兵として召集され、終戦後に帰郷した際にはすべてを失っており、身を立てるために拳闘家となった。戦時中は、青空の父・夕日と同じ分隊に所属しており、拳闘の技術を教わったことから、「(夕日から)技術を全て受け継いだ正統後継者」と自称し、青空の前に立ちふさがる。 |
: 油屋の長男として生まれ、本来であれば商人として家督を継ぐはずだったが、戦争がはじまると兵として召集され、終戦後に帰郷した際にはすべてを失っており、身を立てるために拳闘家となった。戦時中は、青空の父・夕日と同じ分隊に所属しており、拳闘の技術を教わったことから、「(夕日から)技術を全て受け継いだ正統後継者」と自称し、青空の前に立ちふさがる。 |
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: 戦時中、夕日が |
: 戦時中、夕日が軍の仲間たちを素手で撲殺して全滅させたところを目撃してしまった虹村は、以来、そのトラウマから逃れるために[[メタンフェタミン|ヒロポン]]中毒になっている。 |
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: 必殺技は、青空と同じく「瀑受転巌」。 |
: 必殺技は、青空と同じく「瀑受転巌」。 |
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; 大神 夕日(おおかみ ゆうひ) |
; 大神 夕日(おおかみ ゆうひ) |
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: 声 - [[野澤英義]] |
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: 青空、星の父。元全日本ミドル級王者。戦時中、兵として出征。その強さと人格から、分隊内でも慕われていたが、あるとき、敵軍の奇襲を受けて退却中、疲弊・負傷し動けなくなる仲間たちに対し、夕日は心の強さで前に進むよう励ますが、その言葉が肉体的・精神的に限界だった彼らの不満を爆発させ、一人が錯乱して軍刀を振り回したことをきっかけに、全員がパニックに陥って殺し合いを始めてしまう。夕日自身もまた冷静さを失い、その場にいた戦友たちを素手でことごとく撲殺してしまった。夕日は自身が「心の強さがあれば必ず乗り越えられる」という美辞のもと、希望が見えないにもかかわらず、耐えることが美しいとして不満を封じ込め、 |
: 青空、星の父。元全日本ミドル級王者の拳闘家。戦時中、兵として出征。その強さと人格から、分隊内でも慕われていたが、あるとき、敵軍の奇襲を受けて退却中、疲弊・負傷し動けなくなる仲間たちに対し、夕日は心の強さで前に進むよう励ますが、その言葉が肉体的・精神的に限界だった彼らの不満を爆発させ、一人が錯乱して軍刀を振り回したことをきっかけに、全員がパニックに陥って殺し合いを始めてしまう。夕日自身もまた冷静さを失い、その場にいた戦友たちを素手でことごとく撲殺してしまった。夕日は自身が「心の強さがあれば必ず乗り越えられる」という美辞のもと、希望が見えないにもかかわらず、耐えることが美しいとして不満を封じ込め、周囲に忍耐を強要し続けたことが、このような事態を引き起こしたのだと後悔し、戦後は人との関わりを避け、[[下関市|下関]]の森の奥深くに籠っていた。 |
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: 再開した青空との試合を通じて心の強さを取り戻した夕日は、星の回復を見届けると、自分の罪を償うための旅に出た。 |
: 再開した青空との試合を通じて心の強さを取り戻した夕日は、星の回復を見届けると、自分の罪を償うための旅に出た。 |
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: 作中で名称が明言された技はないが、青空との試合では「拳圧で海を割る」「リングを一撃で破壊する」「地面を殴ることで巨大な衝撃波を発生させ、 |
: 作中で名称が明言された技はないが、青空との試合では「拳圧で海を割る」「リングを一撃で破壊する」「地面を殴ることで巨大な衝撃波を発生させ、十数人を吹き飛ばす」など、人間離れした力を見せつけた。ただし、青空は回想の中で、拳闘家時代の父は決して最強の選手ではなく、たくさん倒されもしたと評している。 |
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;大神 大河(おおかみ たいが) |
;大神 大河(おおかみ たいが) |
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: 23歳(2023年時点)。青空の孫。靴職人を目指していたが芽が出ず、都内のブラック企業に勤めて鬱屈 |
: 23歳(2023年時点)。青空の孫。靴職人を目指していたが芽が出ず、都内のブラック企業に勤めて鬱屈した日々を過ごしていた。青空の葬儀に立ち会った際に、かつて祖父から言われた「心の強さで前に進め」という言葉を思い出し、仕事を辞めて本気で靴職人を目指す。 |
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== 備考 == |
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* タイトルのドリトライは「ド級のリトライ」の意。 |
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* 時代設定やストーリーなどは異なるものの、「主人公の名前が大神青空」「ボクシングが題材」「主人公の武器が"心の強さ"」といった要素は、『少年ジャンプ+』に2022年2月19日に掲載された同作者の読み切り『心が強ぇんだ』と共通している。 |
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== 書誌情報 == |
== 書誌情報 == |
2023年9月18日 (月) 14:25時点における版
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ドリトライ | |
---|---|
ジャンル | ボクシング[1] |
漫画 | |
作者 | 雲母坂盾 |
出版社 | 集英社 |
掲載誌 | 週刊少年ジャンプ |
レーベル | ジャンプ コミックス |
発表号 | 2023年51号 - |
発表期間 | 2023年5月8日[2] - |
巻数 | 既刊1巻(2023年9月4日現在) |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画 |
ポータル | 漫画 |
『ドリトライ』は、雲母坂盾による日本の漫画作品。『週刊少年ジャンプ』にて2023年23号から[2]連載中。監修は成田龍一[2]。昭和時代の日本を舞台とした作品[1]。
沿革
2022年4月10日発売の『週刊少年ジャンプ』19号より開始された新連載4本の1作として告知され、その時点では本作は「戦後×ボクシング!!」と発表されていた[3]。同年5月8日発売の23号より連載を開始[2]。連載開始を記念して、本作のPVが公開されている[2]。前述の新連載4本のうち、後半2作品のボイスコミックがYouTubeジャンプチャンネルにて発表され、本作は同年7月11日より公開[4]。
あらすじ
昭和21年(1546年)4月。戦争によって身寄りを失い、戦災孤児となった少年・大神青空は、瓦礫と化した戦後の東京で、食料すら満足に手に入らない中でも、妹・星と共に励まし合って生きていた。しかし、あるとき、星が結核を発症。妹の治療費を稼ぐため、青空は裏社会が開催する拳闘(ボクシング)大会に参加し、様々な拳闘家たちと鎬を削っていく。
登場人物
- 声の項はボイスコミック版での声優。
- 大神 青空(おおかみ あおぞら)
- 声 - 三瓶由布子[4]
- 本作の主人公[4]。1930年8月8日生まれ、現在の新宿区の出身。作中では初登場時は14歳(終戦後は15歳)。天鳴尋常小学校卒。第二次大戦がはじまると軍需工場に動員され、戦闘機の部品の製作に従事した。
- 父・夕日は出征後に消息不明となり、母・朝美(ともみ)も東京大空襲で亡くなり、家も焼失して戦災孤児となる。終戦後の焼け野原の中で、青空は妹・星と共に、拳闘家だった父の教え「どんな時でも心を強く持て」を胸にたくましく生き延びるが、栄養失調のため衰弱していた星が結核を発症。彼女の治療費を稼ぐため、ヤクザ組織・虎威組(とらいぐみ)所属の拳闘家となり、GHQや日本の富裕層が運営する秘匿の拳闘大会「炎涛拳技會(えんとうけんぎかい)」に身を投じる。
- その後、虎威組組長・優華が組を解散させてジムを開くと、青空は所属ボクサーとなり世界王者を目指す。シライという強豪に阻まれるなどして、王者になる夢は果たせなかったが、引退後は福井県越前市に居を移し、工場などを興して家族を支えた。2023年、心臓病のために永眠。
- 必殺技は、父の残した本から習得したカウンター技「瀑受転巌(ばくじゅてんがん)」と、その発展形である「真 瀑受転巌」。
- 好きな食べ物はたくあん、しょうが。
- 大神 星(おおかみ あかり)
- 声 - 結川あさき
- 青空の2歳年下の妹。父譲りの腕力を持ち、身体も気性も強かったが、終戦後は結核に倒れる。一時は余命数週と言われるまで病態が悪化したが、父・夕日との再会が叶ったことなどから、心を励まされてわずかに持ち直し、翌年、アメリカで臨床効果が実証された特効薬・ストレプトマイシンによって回復した。
- 優華(ゆうか)
- 声 - 佐藤榛夏
- 右目に眼帯をした、和服姿のミステリアスな女性。虎威組の組長だが、薬物や女衒などの稼業には手を出さず、拳闘を主なシノギにしている。青空を拳闘家としてスカウトし、盃を交わす。正体は青空の父・大神夕日の義理の妹であり、本名は大神夕華。
- 黒岩 啓示(くろいわ けいじ)
- 声 - 日野聡[4]
- 1921年生まれ。虎威組所属の拳闘家で、組の稼ぎ頭。炎涛拳技會で懸賞金100万を超える5人の強豪選手「五光」の一人。組に入る以前はテキヤをしており、戦時中は一時、海軍にいたこともある。
- 必殺技は、空手の正拳突きを応用した強力なパンチ「松刺爆撃(しょうしばくげき)」。
- 好きな食べ物はだんご、うめぼし。
- 和泉 生野(いずみ いくの)
- 1930年7月12日生まれ。売春宿「夢洗(バブル)」の用心棒兼拳闘家。東京大空襲の際、妹・凛と共に防空壕に閉じ込められる。左腕を負傷していた生野は、右腕のみで七日間、土を必死に掻き出して脱出したが、気づいたときには右腕が異様な太さになっていた。炎涛拳技會の拳闘家としてはまだルーキーだが、デビュー以来、右ストレートのみで5戦5勝5KOという驚異的な戦績を叩き出し、「ウォーハンマー」とあだ名された。青空との対戦後は、優華の計らいで虎威組に引き取られる。
- 必殺技は、一時的に右腕の関節を外してリーチを伸ばす「伸びるストレイト」。
- 好きな食べ物は豚肉。
- 虹村 凶作(にじむら きょうさく)
- 29歳。炎涛拳技會の拳闘家で、懸賞金は8万円。実験と称してあらゆる方法で相手を殴り弄ぶことから「狂実験の虹村」と呼ばれている。
- 油屋の長男として生まれ、本来であれば商人として家督を継ぐはずだったが、戦争がはじまると兵として召集され、終戦後に帰郷した際にはすべてを失っており、身を立てるために拳闘家となった。戦時中は、青空の父・夕日と同じ分隊に所属しており、拳闘の技術を教わったことから、「(夕日から)技術を全て受け継いだ正統後継者」と自称し、青空の前に立ちふさがる。
- 戦時中、夕日が軍の仲間たちを素手で撲殺して全滅させたところを目撃してしまった虹村は、以来、そのトラウマから逃れるためにヒロポン中毒になっている。
- 必殺技は、青空と同じく「瀑受転巌」。
- 大神 夕日(おおかみ ゆうひ)
- 声 - 野澤英義
- 青空、星の父。元全日本ミドル級王者の拳闘家。戦時中、兵として出征。その強さと人格から、分隊内でも慕われていたが、あるとき、敵軍の奇襲を受けて退却中、疲弊・負傷し動けなくなる仲間たちに対し、夕日は心の強さで前に進むよう励ますが、その言葉が肉体的・精神的に限界だった彼らの不満を爆発させ、一人が錯乱して軍刀を振り回したことをきっかけに、全員がパニックに陥って殺し合いを始めてしまう。夕日自身もまた冷静さを失い、その場にいた戦友たちを素手でことごとく撲殺してしまった。夕日は自身が「心の強さがあれば必ず乗り越えられる」という美辞のもと、希望が見えないにもかかわらず、耐えることが美しいとして不満を封じ込め、周囲に忍耐を強要し続けたことが、このような事態を引き起こしたのだと後悔し、戦後は人との関わりを避け、下関の森の奥深くに籠っていた。
- 再開した青空との試合を通じて心の強さを取り戻した夕日は、星の回復を見届けると、自分の罪を償うための旅に出た。
- 作中で名称が明言された技はないが、青空との試合では「拳圧で海を割る」「リングを一撃で破壊する」「地面を殴ることで巨大な衝撃波を発生させ、十数人を吹き飛ばす」など、人間離れした力を見せつけた。ただし、青空は回想の中で、拳闘家時代の父は決して最強の選手ではなく、たくさん倒されもしたと評している。
- 大神 大河(おおかみ たいが)
- 23歳(2023年時点)。青空の孫。靴職人を目指していたが芽が出ず、都内のブラック企業に勤めて鬱屈した日々を過ごしていた。青空の葬儀に立ち会った際に、かつて祖父から言われた「心の強さで前に進め」という言葉を思い出し、仕事を辞めて本気で靴職人を目指す。
備考
- タイトルのドリトライは「ド級のリトライ」の意。
- 時代設定やストーリーなどは異なるものの、「主人公の名前が大神青空」「ボクシングが題材」「主人公の武器が"心の強さ"」といった要素は、『少年ジャンプ+』に2022年2月19日に掲載された同作者の読み切り『心が強ぇんだ』と共通している。
書誌情報
- 雲母坂盾『ドリトライ』集英社〈ジャンプ・コミックス〉、既刊1巻(2023年9月4日現在)
- 2023年9月4日発売[1][5]、ISBN 978-4-08-883709-3
脚注
- ^ a b c “昭和の日本を舞台に、雲母坂盾が描くボクシングストーリー「ドリトライ」1巻”. コミックナタリー (ナターシャ). (2023年9月4日) 2023年9月18日閲覧。
- ^ a b c d e “「ボーンコレクション」の雲母坂盾が昭和を舞台に描くボクシング譚がジャンプで”. コミックナタリー (ナターシャ). (2023年5月8日) 2023年9月18日閲覧。
- ^ “週刊少年ジャンプ春の新連載陣に、「食戟のソーマ」コンビや藤巻忠俊ら”. コミックナタリー (ナターシャ). (2023年4月6日) 2023年9月18日閲覧。
- ^ a b c d “週刊少年ジャンプ春の新連載4作品ボイスコミック化続報! 後半2作品のボイスコミックが7月に公開予定!”. 集英社 (2023年7月11日). 2023年9月18日閲覧。
- ^ “ドリトライ 1/雲母坂盾”. 集英社. 2023年9月18日閲覧。
外部リンク
- 『ドリトライ』 集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイト