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「ゴーリー・ワウ」の版間の差分

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2023年3月29日 (水) 00:14時点における版

「ゴーリー・ワウ」
スタイリスティックス の シングル
初出アルバム『スタイリスティックス登場』
B面 エボニー・アイズ (Ebony Eyes)
リリース
規格 7インチ・レコード
ジャンル R&Bバラード、ソウル、フィラデルフィア・ソウル
時間
レーベル Avcoレコード（英語版）
作詞・作曲 トム・ベル、リンダ・クリード
プロデュース トム・ベル
ゴールドディスク
チャート最高順位
  • 3位（アメリカ・ビルボード・ホット100・シングルチャート）[2][3][4]
  • 2位（アメリカ・ビルボード・ホットR&B/ヒップホップ・シングルチャート）[2][4]
  • 13位（イギリス・UKシングルチャート）[5]
    • スタイリスティックス シングル 年表
    「ユー・アー・エヴィリシング」(You Are Everything)
    （1971年）    		「ゴーリー・ワウ」(Betcha by Golly, Wow)
    （1972年）    		「愛の世界」(People Make the World Go Round)
    （1972年）
    ミュージックビデオ
    The Stylistics - Betcha By Golly, Wow - YouTube
    テンプレートを表示

    「ゴーリー・ワウ」（Betcha by Golly, Wow）は、スタイリスティックスのシングル。デビュー・アルバム『スタイリスティックス登場』(The Stylistics)からの4枚目のシングルとして1972年2月17日に発売された[6][7]。

    トム・ベルとリンダ・クリードによって制作されたこの楽曲は、元々は「キープ・グローイング・ストロング」(Keep Growing Strong)という題名で、1970年1月に女優のコニー・スティーブンス（英語版）の歌唱で発売されたものであるが[8][9]、バラードにアレンジされラッセル・トンプキンス・ジュニア（英語版）のファルセット・ボーカルで歌われた1972年のこのヴァージョンで広く知られるようになり、スタイリスティックスの代表曲の一つとなった[6][7][2]。

    スタイリスティックスの「ゴーリー・ワウ」は、全米ビルボードシングルチャートで3位、R&Bチャートでは2位を記録する大ヒットとなり[2]。イギリスの全英シングルチャートでも13位となった[5]。

    スモーキー・ロビンソンやジョニー・マティスを筆頭に多数のアーティストにカバーされ[10][11]、1996年にはプリンスがカバーしシングル発売したことでも知られている[12][2]。

    トラック・リスト

    7インチ・シングル

    US・7インチレコード[13]
    #タイトル作詞作曲・編曲時間
    1.「ゴーリー・ワウ (Betcha by Golly, Wow)」  
    2.「エボニー・アイズ (Ebony Eyes)」  


    チャート記録

    週間

    チャート(1972) 最高位
    アメリカ「ホット100・シングルチャート」(Billboard Hot 100) 3[2][3][4]
    アメリカ「ホットR&B/ヒップホップ・シングルチャート」(Billboard Hot R&B/Hip-Hop Songs) 2[2][4]
    アメリカ「アダルト・コンテンポラリー・チャート」(Adult Contemporary) 7[14][4]
    イギリス「全英シングルチャート」(UK Singles Chart) 13[5]
    カナダ「RPM・シングルチャート」(RPM) 20[15]
    ニュージーランド「ニュージーランド・リスナー」(New Zealand Listener) 5[16]

    年間

    チャート(1972) 位
    アメリカ「年間ビルボード・ホット・チャート」(Billboard Hot 100) 18[17]
    カナダ「年間RPM・シングルチャート」(RPM) 48[18]

    プリンスによるカバー

    「ゴーリー・ワウ!」
    かつてプリンスと呼ばれたアーティスト（♂と♀を組み合わせたシンボルマーク）
    The Artist (Formerly Known As Prince)     の シングル
    初出アルバム『イマンシペイション』
    B面 ライト・バック・ヒア・イン・マイ・アームス (Right Back Here in My Arms)
    リリース
    規格 CDシングル、カセットシングル
    録音 ペイズリー・パーク・スタジオ（英語版）（ミネソタ州ミネアポリス、チャナッセン）
    1995年
    ジャンル R&Bバラード、ソウル
    時間
    レーベル NPGレコード（英語版）、EMI
    作詞・作曲 トム・ベル、リンダ・クリード
    プロデュース プリンス
    チャート最高順位
    プリンス シングル 年表
    「ゴールド」(Gold)
    （1995年）    		「ゴーリー・ワウ!」(Betcha by Golly, Wow!)
    （1996年）    		「ホーリー・リバー」(The Holy River)
    （1997年）
    ミュージックビデオ
    Prince - Betcha By Golly Wow! - YouTube
    テンプレートを表示

    「ゴーリー・ワウ!」（Betcha by Golly, Wow!）は、プリンス（当時は、♂と♀を組み合わせたシンボルマーク名義）のシングル。20thアルバム『イマンシペイション』(Emancipation)からの1枚目のシングルとして1996年11月13日に先行発売された[12]。

    プリンスは長年、スタイリスティックスの「ゴーリー・ワウ」のカバーをシングル発売したいと思っていたが、ワーナー・ブラザース・レコードがそれを許可しなかったため、ずっと実現されなかった[12]。

    プリンス主宰のペイズリー・パーク・レコード（英語版）が、プリンス以外のアーティストの売上不振のため1994年にワーナーによって閉鎖された後、妥協案として後継の独立レーベルのNPGレコード（英語版）[注釈 1]の設立が許可されるが、プリンス支持者らが退社した後のワーナーの後任者たちと、自由に作品を発表したいプリンスとの関係はこじれ続け、ついにプリンスは1996年にワーナーと決別した[21]。

    そして「解放」を意味する祝祭的な記念アルバム『イマンシペイション』を制作し、「ゴーリー・ワウ」のカバー実現の運びとなったが、当時のプリンスの妻であったマイテ・ガルシアの23歳の誕生日にほぼ合わせてのシングル発売となった[12]。プリンス初のカバー・ソングでもあるこの作品は、コーラスが多重録音されており、プリンスのボーカルの広い音域が存分に披露されている[22]。

    同年の2月14日にマイテと電撃結婚していたプリンスは、4月には彼女が妊娠していることを公表していた[23][22]。こうしたプライベートの幸福な状況下でアルバム収録の楽曲制作が行なわれていたが、10月16日に誕生した長男アミール (Amiir)が先天的な頭蓋骨と脳の障害のために生後数週間で死亡してしまう悲劇に見舞われた[23][22]。

    しかし、新作アルバムの宣伝のため来日した時もプリンスはその悲痛な出来事を語らずに、気丈にプロモーション活動を行なっていた[23][22]。産まれてくる子供のためにペイズリー・パークの一室を子供部屋用に改装していたというエピソードも後々に知られることなり[22]、関係者の話によると、プリンスは、アミールの命を救うために数千万円もする生命維持装置を購入したが、医師の助言により最終的にはその機器を止めることに同意したという[23][注釈 2]。

    トラック・リスト

    CDシングル[24]
    #タイトル作詞作曲・編曲時間
    1.「ゴーリー・ワウ! (Betcha by Golly, Wow!)」  
    2.「ライト・バック・ヒア・イン・マイ・アームス (Right Back Here In My Arms)」  

    レコーディング・ミュージシャン

    出典は[12]

    • プリンス - リード・ボーカル、バック・ボーカル、インストゥルメンション、レコーディング・エンジニア、ミキシング・エンジニア
    • マイケル・ブランド（英語版） – ドラムス
    • モリス・ヘイズ (Morris Hayes) – キーボード
    • トミー・バーバレラ（英語版） – キーボード
    • ソニー・T（英語版） – ベース
    • ヴラド・メラー（英語版） - マスタリング・エンジニア
    • カーク・ジョンソン (Kirk Johnson) - レコーディング・エンジニア、ミキシング・エンジニア
    • レイ・ハーンフェルト (Ray Hahnfeldt) – レコーディング・エンジニア、ミキシング・エンジニア
    • スティーブ・ダーキー (Steve Durkee) - レコーディング・エンジニア、ミキシング・エンジニア
    • HM・バフ (HM Buff) - レコーディング・エンジニア、ミキシング・エンジニア
    • シェーン・ケラー (Shane Keller) - レコーディング・エンジニア、ミキシング・エンジニア
    • トム・タッカー (Tom Tucker) - レコーディング・エンジニア、ミキシング・エンジニア

    ミュージック・ビデオ

    曲のイントロで、座っている幼児たちが回転している愛らしい姿が印象的なミュージック・ビデオは、プリンス自身が監督・脚本し、ダンサー・女優のジョアン・プスーシチ (Joanne Pesusich)と共演しいている[25]。振付けはティナ・ランドン（英語版）が担当し[25]、撮影はペイズリー・パーク・スタジオ（英語版）のサウンド・ステージで行われた[12]。

    チャート記録（週間）

    チャート(1996-1997) 最高位
    アメリカ「ビルボード・ホットR&B/ヒップホップ・エアプレイ」(R&B/Hip-Hop Airplay) 10[26]
    アメリカ「アダルトR&B・エアプレイ」(Adult R&B Airplay) 1[19]
    アメリカ「メインストリームR&B/ヒップホップ・エアプレイ」(Mainstream R&B/Hip-Hop Airplay) 8[27]
    アメリカ「リズミック・チャート」(Rhythmic (chart)) 10[28]
    アメリカ「メインストリーム・トップ40」(Mainstream Top 40) 23[29]
    アメリカ「アダルト・ポップ・エアプレイ」(R&B/Hip-Hop Airplay) 38[30]
    イギリス「全英シングルチャート」(UK Singles Chart) 11[20]
    イタリア「音楽ディスク・チャート」(Musica e dischi) 2[31]
    オーストラリア「ARIAチャート」(ARIA Charts) 18[32]
    オランダ「シングル・トップ100」(Dutch Single Top 100) 42[33]
    スイス「シュヴァイツァー・ヒットパラーデ」(Swiss Hitparade) 27[34]
    ドイツ「公式ドイツ・チャート」(Offizielle Deutsche Charts) 62[35]
    ベルギー「ウルトラトップ50」(Ultratop) 5[36]

    その他のカバー・アーティスト

    出典は[10][11]

    他の楽曲へのサンプリング

    出典は[37]

    他の楽曲へのインターポレイト（補間）

    出典は[38]

    脚注

    [脚注の使い方]

    注釈

    1. ^ NPGはプリンスの当時のバックバンドニュー・パワー・ジェネレーション（英語版））の略。
    2. ^ この決断にマイテは慟哭し、生後間もない子供の死をめぐる苦難がその後の2人の離婚にまで発展してしまう[23]。

    出典

    1. ^ THE STYLISTICS（RIAA）
    2. ^ a b c d e f g 【再掲】スタイリスティックス 来日記念特集～結成50周年を迎えたベテラン・グループの魅力と歩み（Billboard Japan）
    3. ^ a b The Stylistics Featuring Russell Thompkins,Jr.-Betcha By Golly, Wow（Billboard Database）
    4. ^ a b c d e The Stylistics-Biography by Stephen Thomas Erlewine-Awards（AllMusic）
    5. ^ a b c STYLISTICS「Singles」（UK Official Charts）
    6. ^ a b The Stylistics-Betcha By Golly, Wow（Genius）
    7. ^ a b The Very Best 2013
    8. ^ Connie Stevens-Keep Growing Strong（Genius）
    9. ^ 愛がすべて 2006
    10. ^ a b The Stylistics-Betcha By Golly, Wow「Betcha By Golly, Wow Covers」（Genius）
    11. ^ a b search results for Betcha By Golly, Wow（AllMusic）
    12. ^ a b c d e f Prince-Betcha By Golly Wow!（Genius）
    13. ^ The Stylistics Featuring Russell Thompkins, Jr. – Betcha By Golly, Wow / Ebony Eyes（7インチレコード）（discogs）
    14. ^ 「Adult Contemporary Music Charts」（Billborad）
    15. ^ 「RPM 100 Songles」（RPM）
    16. ^ 「NZ listener charts」（Flavour of New Zealand）
    17. ^ 「Top Pop 100 Singles」（Billborad Talent in Action）
    18. ^ 「Canadian TOP 100 singles of 1972」（RPM）
    19. ^ a b Prince「Adult R&B Airplay」（Billboard）
    20. ^ a b Prince ARTIST「Singles」（UK Official Charts）
    21. ^ 「第4章 かつてプリンスと呼ばれたアーティスト――破壊と再生」（西寺 2015, pp. 176–179）
    22. ^ a b c d e 「PART.1 ALBUMS BEFORE 2016――Emancipation」KID 2022, pp. 86–91
    23. ^ a b c d e 「第5章 解放と帰還 (Emancipation to Way Back Home)――《イマンシペイション(Emancipation)》(1996)」（西寺 2015, pp. 184–188）
    24. ^ The Artist (Formerly Known As Prince) – Betcha By Golly Wow! / Right Back Here In My Arms（CDシングル）（discogs）
    25. ^ a b Prince: Betcha by Golly Wow!（IMDb）
    26. ^ Prince「R&B/Hip-Hop Airplay」（Billboard）
    27. ^ Prince「Mainstream R&B/Hip-Hop Airplay」（Billboard）
    28. ^ Prince「Rhythmic Airplay」（Billboard）
    29. ^ Prince「Pop Airplay」（Billboard）
    30. ^ Prince「Adult Pop Airplay」（Billboard）
    31. ^ Prince-single（Musica e dischi）
    32. ^ THE SYMBOL - BETCHA BY GOLLY WOW! (SONG)（ARIA）
    33. ^ THE SYMBOL - BETCHA BY GOLLY WOW!（Dutch Single Top 100）
    34. ^ The Symbol – Betcha By Golly Wow!（Swiss Hitparade）
    35. ^ The Symbol – Betcha By Golly Wow!（Offizielle Deutsche Charts）
    36. ^ The Symbol – Betcha By Golly Wow!（Ultratop）
    37. ^ The Stylistics-Betcha By Golly, Wow「Songs That Sample Betcha By Golly, Wow」（Genius）
    38. ^ The Stylistics-Betcha By Golly, Wow「Songs That Interpolate Betcha By Golly, Wow」（Genius）

    参考資料

    • 『ベスト・コレクション』（ブックレット）ビクター音楽産業、1991年11月25日。VICP-5094。 
    • 『愛がすべて～ヴェリー・ベスト&モア』（ブックレット）ビクターエンタテインメント、2006年12月16日。VICP-63673。 
    • 『The Very Best Of The Stylistics』（ブックレット）Spectrum Audio・Universal Music、2013年2月18日。5342151。  輸入盤
    • 西寺郷太『プリンス論』新潮社〈新潮新書〉、2015年9月。ISBN 978-4106106347。 
    • KID『プリンス――オフィシャルディスク・コンプリートガイド』星海社・講談社〈星海社新書225〉、2022年6月。ISBN 978-4065284032。 

    関連項目

    外部リンク

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