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『'''アメリカン・ゴシック'''』({{lang-en-short|''American Gothic''}})は、[[アメリカ合衆国]]の画家[[グラント・ウッド]]が1930年に描いた油絵である。[[シカゴ美術館]]が所蔵している。 |
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平屋の古風な家の前に三叉の[[ピッチフォーク]]を手にして立っている農夫と、その側に立つ農夫の娘(しばしば農夫の妻と間違われる)が描かれている<ref name=Slate>Fineman, Mia (June 8, 2005). "[http://www.slate.com/articles/arts/art/2005/06/the_most_famous_farm_couple_in_the_world.html The Most Famous Farm Couple in the World: Why American Gothic still fascinates]". ''[[Slate (magazine)|Slate]]''.</ref><ref name=ArtInstituteChicago>{{cite web | title=About This Artwork: American Gothic | url=http://www.artic.edu/aic/collections/artwork/6565 | publisher=The Art Institute of Chicago | access-date=June 20, 2010| archive-url= https://web.archive.org/web/20100528093948/http://www.artic.edu/aic/collections/artwork/6565| archive-date= 28 May 2010 | url-status= live}}</ref>。この家は[[アイオワ州]]{{仮リンク|エルドン (アイオワ州)|label=エルドン|en|Eldon, Iowa}}にある「ディブル邸」で、現在は「{{仮リンク|アメリカン・ゴシック・ハウス|en|American Gothic House}}」と呼ばれている。タイトルは、この家の[[建築様式]]である{{仮リンク|カーペンター・ゴシック|en|Carpenter Gothic}}にちなんだものである。 |
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アメリカ国内では有名な絵画であり、『[[ロッキー・ホラー・ショー]]』や『[[ナイトミュージアム2]]』等の映画作品などでパロディが挙げられている。 |
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この作品は20世紀のアメリカの絵画の中で最も有名なものの一つであり、アメリカの[[大衆文化]]において様々な[[パロディ]]化がなされている<ref name=Slate/><ref name=BBC>{{cite web|url=http://www.bbc.com/culture/story/20170208-how-american-gothic-became-an-icon|title=How American Gothic became an icon|first=Fisun|last=Güner|date=8 February 2017|work=BBC|access-date=2 March 2017}}</ref>。 |
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[[File:Grant Wood.jpg|thumb|right|upright|alt=A portrait of a man|『グラント・ウッド 自画像』(1932年、{{仮リンク|フィゲ美術館|en|Figge Art Museum}}蔵)]] |
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1930年8月、アイオワ州[[シーダーラピッズ]]に住むウッドは、地元の画家ジョン・シャープの案内でアイオワ州エルドンをドライブしていた。絵の題材を求めていたウッドは、「ディブル邸」と呼ばれるカーペンター・ゴシック様式の小さな白い家に目を留めた<ref name="AGHC" />。シャープの弟によれば、ウッドはこのドライブ中に封筒の裏にこの家をスケッチした。ダレル・ガーウッドによるウッドの伝記によれば、ウッドは「このような脆い骨組みの家に[[ゴシック建築|ゴシック様式]]の窓をつけるのは、取ってつけたような気取った形態だ」と思ったという<ref name="Garwood">[[#Garwood|Garwood]], p. 119</ref>。 |
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当時、ウッドはこの家を「アイオワ州の農場にあるボール紙のような骨組みの家」の一つとして分類し、「非常に絵に描きたくなる」と評していた<ref name="Hoving">Quoted in [[#Hoving|Hoving]], p. 36</ref>。当時のこの家の所有者であるセルマ・ジョーンズ=ジョンストンとその家族の了承を得て、ウッドは[[板紙]]に[[油彩]]で前庭からスケッチを描いた。スケッチでは、急勾配の屋根と長い窓が描かれ、これは最終的な作品にも特徴的に描かれているが、窓は実際のものよりも顕著に{{仮リンク|オジーブ|label=先が尖って|en|Ogive}}描かれていた。 |
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ウッドはこの家を、「その家にはこんな人たちが住んでいるはずだ」と考えた<ref name=Slate/>農夫とその娘と一緒に描くことにした。娘のモデルにはウッドの妹の{{仮リンク|ナン・ウッド・グラハム|en|Nan Wood Graham}}(1899年 - 1990年)を起用し、20世紀の[[アメリカーナ (文化)|アメリカーナ]]を想起させるようなコロニアル柄の[[エプロン]]を着せた。このエプロンは、ウッドがナンに作らせたものである。ウッドは、その時代を反映させて縁に{{仮リンク|リックラック|en|Rickrack}}を入れるよう求めたが、リックラックは既に店で買うことができなかったため、母の古いドレスから外してエプロンにつけた<ref>{{Cite book |last=Taylor |first=Sue |title=Grant Wood's Secrets |publisher=University of Delaware Press |year=2020 |isbn=9781644531655 |location=Newark, Delaware |pages=10 |language=English}}</ref>。農夫のモデルには、ウッド家の掛かりつけ歯科医<ref name=latimes>{{cite news|last=Semuels|first=Alana|title=At Home in a Piece of History|url=http://articles.latimes.com/2012/apr/30/business/la-fi-gothic-house-20120501|access-date=February 25, 2013|newspaper=Los Angeles Times|date=April 30, 2012}}</ref>でシーダーラピッズ出身のバイロン・マッキービィ(Dr. Byron McKeeby、1867年 - 1950年)を起用した<ref>"[https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15293719 Dr. Byron McKeeby's contribution to Grant Wood's 'American Gothic']"</ref><ref>{{Cite web |url=http://cdn.diply.com/img/d0ec114f-b159-49d6-b6d7-69b898759fcd.jpg |title=The models for ''American Gothic'' |access-date=2015-01-08 |archive-url=https://web.archive.org/web/20150106084821/http://cdn.diply.com/img/d0ec114f-b159-49d6-b6d7-69b898759fcd.jpg |archive-date=2015-01-06 |url-status=dead }}</ref>。マッキービィには[[オーバーオール]]の上にジャケットを羽織らせ、右手に[[ピッチフォーク]]を持たせた。ナンによれば、ウッドは2人を夫婦ではなく親子として想定しており、ウッドが1941年にネリー・サドゥース夫人に宛てた手紙でも「彼と一緒にいるすました女性は、成長した彼の娘です」と書かれている<ref name=Slate/><ref>{{cite web |url=http://www.campsilos.org/mod2/students/wood_letter.htm |title=Grant Wood's Letter Describing ''American Gothic'' |publisher=Campsilos.org |access-date=2010-04-12 |archive-date=November 15, 2018 |archive-url=https://web.archive.org/web/20181115021518/http://www.campsilos.org/mod2/students/wood_letter.htm |url-status=dead }}</ref>。 |
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ウッドがスケッチに人物を加えたのは、シーダーラピッズのアトリエに戻った後だった<ref name="Biel3">Quoted in [[#CITEREF2005|Biel]], p. 22</ref>。またウッドは、絵を描いている途中でこの家の写真を送ってもらっただけで、エルドンを再訪することはなかった<ref name="AGHC">{{cite web|url=http://www.wapellocounty.org/americangothic/index.htm |title=American Gothic House Center |publisher=[[Wapello County, Iowa|Wapello County]] Conservation Board |access-date=July 14, 2009 |archive-url=https://web.archive.org/web/20090618032007/http://www.wapellocounty.org/americangothic/index.htm |archive-date=June 18, 2009 |url-status=dead }}</ref>。 |
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この絵の構成要素は、ゴシック様式の家の垂直の線を強調している。農夫のオーバーオールのシャツの縫い目、家の屋根の下にある縦長の窓の枠、面長の農夫の輪郭などに、直立した三叉のピッチフォークと類似の意匠が現れている<ref name="smarth">{{cite web |title=Grant Wood's American Gothic|publisher=Smarthistory at Khan Academy |url=http://smarthistory.khanacademy.org/american-regionalism-grant-woods-american-gothic.html |access-date=December 18, 2012}}</ref>。 |
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家のポーチに置かれた植物は[[サンセベリア]]と[[ベゴニア]]であり、ウッドが1929年に描いた自身の母親の肖像画『植物と女』にも描かれている<ref>{{cite web |url=http://www.americangothichouse.net/about/the-painting/ |title=The Painting |author=<!--Staff writer(s); no by-line.--> |website=American Gothic House |access-date=2015-01-08 |archive-url=https://web.archive.org/web/20141129234925/http://www.americangothichouse.net/about/the-painting/ |archive-date=2014-11-29 |url-status=dead }}</ref>。 |
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==公開と反響== |
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ウッドはこの作品を[[シカゴ美術館]]の展覧会に出品した。ある審査員は「コミカルなバレンタイン」と酷評したが、美術館の後援者がその審査員を説得して、ウッドに銅メダルと賞金300ドルを授与した<ref>{{cite book|title=American Gothic: A Life of America's Most Famous Painting|author=Biel, Steven|year=2005|publisher=W. W. Norton & Company|page=[https://archive.org/details/americangothicli00biel/page/28 28]|isbn=978-0-393-05912-0|url-access=registration|url=https://archive.org/details/americangothicli00biel/page/28}}</ref>。この後援者は美術館に対してこの作品を購入するよう要請し、今もシカゴ美術館の所蔵品となっている<ref name=ArtInstituteChicago/>。 |
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この作品は、発表直後に『{{仮リンク|シカゴ・イブニング・ポスト|en|Chicago Evening Post}}』で紹介され、その後、[[ニューヨーク]]、[[ボストン]]、[[カンザスシティ都市圏|カンザスシティ]]、[[インディアナポリス]]の新聞にも掲載された。しかし、シーダーラピッズの新聞『[[:en:The Gazette (Cedar Rapids, Iowa)|ガゼット]]』で紹介されると、住民たちから、自分たちが「やつれて、険しい表情をした、清教徒的な聖書崇拝者」として描かれているとして反発が起こった<ref>{{cite web |author=Andréa Fernandes |url=http://www.mentalfloss.com/blogs/archives/22639 |title=mental_floss Blog » Iconic America: Grant Wood |publisher=Mentalfloss.com |access-date=2010-04-12 |url-status=dead |archive-url=https://web.archive.org/web/20090215132807/http://www.mentalfloss.com/blogs/archives/22639 |archive-date=2009-02-15 }}</ref>。ウッドは、これはアイオワ州の住民を[[風刺]]したものではないと反論し、アイオワ州に対する感謝の気持ちを描いたのだと述べた<ref name = latimes/>。1941年の手紙の中でウッドは、「一般的に、この絵に憤慨している人々は、自分がこの絵に似ていると感じているのだということがわかった」と述べている<ref>{{Cite web|title=Grant Wood's Letter Describing American Gothic|url=http://www.campsilos.org/mod2/students/wood_letter.htm?fbclid%20%09IwAR0vUVfGZJ27Ts0sth48k4KnHNGg52kCMZDPhk_Z22Huu5x4yNQNbabIc8o|access-date=2020-06-30|website=www.campsilos.org|archive-date=May 4, 2021|archive-url=https://web.archive.org/web/20210504005225/http://www.campsilos.org/mod2/students/wood_letter.htm?fbclid%20|url-status=dead}}</ref>。 |
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[[ガートルード・スタイン]]や{{仮リンク|クリストファー・モーリー|en|Christopher Morley}}などの、この作品に好意的だった美術批評家たちも、これは田舎の小さな町の生活を風刺したものだと考えていた。当時、[[シャーウッド・アンダーソン]]の小説『[[ワインズバーグ・オハイオ]]』(1919年)、[[シンクレア・ルイス]]の『[[本町通り (小説)|本町通り]]』(1920年)、[[カール・ヴァン・ヴェクテン]]の『{{仮リンク|刺青のある伯爵夫人|en|The Tattooed Countess}}』(1924年)などのように、アメリカの田舎を批判的に描く傾向が強まる流れがあり、この作品もその一部として理解されたのである<ref name=Slate/>。 |
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しかし、この作品が描かれてからすぐに[[世界恐慌]]が深刻化すると、この作品は[[西部開拓時代]]の揺るぎない開拓者精神を描いたものだとみなされるようになった。当時のウッドは、東海岸が支配するアメリカ画壇に反旗を翻した[[ジョン・スチュアート・カリー]]や[[トーマス・ハート・ベントン (画家)|トーマス・ハート・ベントン]]などの中西部の画家と行動を共にしており、このような解釈の転換を好意的に受け止めた。ウッドはこの時期、「私が思いついた良いアイデアは全て、牛の乳搾りをしているときに思いついたものだ」と述べている<ref name=Slate/>。ウッドは、農夫とその娘を「苦難を乗り越えた人」として描き、田舎のコミュニティの強さに敬意を表し、経済が大きく動揺する時代に安心を与えることを意図していた<ref name="The Reception and Legacy of American Gothic">{{cite web |last1=Matinique |first1=Elena |title=American Gothic – The Story Behind Grant Wood's Iconic Painting |url=https://www.widewalls.ch/magazine/grant-wood-american-gothic-whitney |website=Widewalls |access-date= March 6, 2023}}</ref>。 |
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==パロディ化== |
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[[世界恐慌]]時代、写真家の[[ゴードン・パークス]]は、この絵をパロディ化して、星条旗の前で掃除婦のエラ・ワトソンが箒を持って立っている写真『{{仮リンク|アメリカン・ゴシック (写真)|label=アメリカン・ゴシック|en|American Gothic (photograph)}}』を撮影した<ref name=Slate/>。これがこの絵画の最初のパロディ化であり、『[[ザ・ミュージックマン]]』などのミュージカル、『[[ロッキー・ホラー・ショー]]』や『[[ナイトミュージアム2]]』などの映画、『[[ザ・シンプソンズ]]』や『[[スポンジ・ボブ]]』などのテレビ番組のような大衆文化で頻繁にパロディ化されるようになった。2017年に英国[[ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ]] (RA) が発表した「最もパロディ化された芸術作品10選」の中に本作も含まれている<ref name=RA-Top10>{{Cite web |url=https://www.royalacademy.org.uk/article/america-after-the-fall-10-most-parodied-artworks |title=10 of the most parodied artworks of all time |trans-title=時代を超えて最もパロディ化された芸術作品 10選 |first=Annabel |last=Sheen |publisher=[[ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ]] |date=2017-03-31 |accessdate=2020-10-13 |language=en}}</ref>。 |
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==脚注== |
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{{Reflist}} |
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===情報源=== |
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* {{cite book|last=Garwood|first=Darrell|title=Artist in Iowa: A Life of Grant Wood|url=https://archive.org/details/in.ernet.dli.2015.89523|publisher=W. W. Norton & Company|location=New York|year=1944|oclc=518305|ref=Garwood}} |
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* {{cite book |title=American Gothic: The Biography of Grant Wood's American Masterpiece|last=Hoving|first=Thomas|year=2005|location=New York|publisher=Chamberlain Bros|isbn=978-1-59609-148-1|ref=Hoving}} |
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* {{cite book | last = Girod | first = André | title = American Gothic: une mosaïque de personnalités américaines | publisher = L'Harmattan | location = Paris | language = fr | year = 2014 | isbn = 978-2-343-04037-0 }} |
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==参考文献== |
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*{{Cite news |url=https://www.nytimes.com/2018/03/18/arts/design/american-gothic-grant-wood-eldon-iowa-whitney-museum-.html |title=Masterpiece Rental: My Life in the 'American Gothic' House |last=Howard |first=Beth M. |date=2018-03-18 |work=The New York Times |access-date=2018-04-05 |language=en-US |issn=0362-4331}} (contains image of first Wood sketch of the house) |
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==関連項目== |
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* [[プロテスタントの労働倫理]] |
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* [[南部ゴシック]] |
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==外部リンク== |
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{{external media | width = 210px | float = right |headerimage=[[File:2007-06-04-Gothic House.jpg|210px]] | video1 =[http://smarthistory.khanacademy.org/american-regionalism-grant-woods-american-gothic.html Smarthistory: Grant Wood's ''American Gothic'']| video2 =[http://www.wapellocounty.org/americangothic/index.htm ''American Gothic'' House]}} |
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*[https://web.archive.org/web/20170821123430/http://www.bobolinkbooks.com/DesignHist/WoodWright.html Grant Wood and Frank Lloyd Wright Compared] |
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*[https://www.artic.edu/artworks/6565/american-gothic About the painting, on the Art Institute's site] |
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*[https://web.archive.org/web/20091124200854/http://slate.msn.com/id/2120494/ Slate article about ''American Gothic''] |
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*[https://web.archive.org/web/20170921100634/http://www.usa-decouverte.com/culture/magazine/grant_wood.html ''American Gothic'', French] |
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*[https://archive.today/20130210132440/http://books.wwnorton.com/books/detail.aspx?ID=8027 ''American Gothic'': A Life of America's Most Famous Painting] |
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*[https://archive.org/details/Televisi1960 Television Commercials (1950s–1960s)] contains General Mills New Country Corn Flakes commercial |
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*[http://www.chicagobreakingnews.com/2010/02/american-gothic-statue-removed-from-plaza.html ''American Gothic'' sculpture removed from Michigan Avenue] |
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*[http://americangothicparodies.blogspot.com/ ''American Gothic'' Parodies collection] |
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*[https://web.archive.org/web/20120122122403/http://www.npr.org/programs/morning/features/patc/americangothic/ November 18, 2002, National Public Radio ''Morning Edition'' report about ''American Gothic''] by Melissa Gray that includes an interview with Art Institute of Chicago curator Daniel Schulman. |
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*[https://web.archive.org/web/20120122122403/http://www.npr.org/programs/morning/features/patc/americangothic/ June 6, 1991, National Public Radio ''Morning Edition'' report on Iowa's celebration of the centennial of Grant Wood's birth by Robin Feinsmith.] Several portions of the report focus on ''American Gothic''. |
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*[https://web.archive.org/web/20120122122403/http://www.npr.org/programs/morning/features/patc/americangothic/ February 13, 1976, National Public Radio ''All Things Considered'' Cary Frumpkin interview with James Dennis, author of ''Grant Wood: A Study in American Art and Culture''.] The interview contains a discussion about ''American Gothic''. |
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2024年3月9日 (土) 06:49時点における版
英語: American Gothic | |
作者 | グラント・ウッド |
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製作年 | 1930年 |
種類 | 油彩、ビーバーボード |
寸法 | 78 cm × 65.3 cm (31 in × 25.7 in) |
所蔵 | シカゴ美術館、シカゴ |
『アメリカン・ゴシック』(英: American Gothic)は、アメリカ合衆国の画家グラント・ウッドが1930年に描いた油絵である。シカゴ美術館が所蔵している。
平屋の古風な家の前に三叉のピッチフォークを手にして立っている農夫と、その側に立つ農夫の娘(しばしば農夫の妻と間違われる)が描かれている[1][2]。この家はアイオワ州エルドンにある「ディブル邸」で、現在は「アメリカン・ゴシック・ハウス」と呼ばれている。タイトルは、この家の建築様式であるカーペンター・ゴシックにちなんだものである。
この作品は20世紀のアメリカの絵画の中で最も有名なものの一つであり、アメリカの大衆文化において様々なパロディ化がなされている[1][3]。
製作
1930年8月、アイオワ州シーダーラピッズに住むウッドは、地元の画家ジョン・シャープの案内でアイオワ州エルドンをドライブしていた。絵の題材を求めていたウッドは、「ディブル邸」と呼ばれるカーペンター・ゴシック様式の小さな白い家に目を留めた[4]。シャープの弟によれば、ウッドはこのドライブ中に封筒の裏にこの家をスケッチした。ダレル・ガーウッドによるウッドの伝記によれば、ウッドは「このような脆い骨組みの家にゴシック様式の窓をつけるのは、取ってつけたような気取った形態だ」と思ったという[5]。
当時、ウッドはこの家を「アイオワ州の農場にあるボール紙のような骨組みの家」の一つとして分類し、「非常に絵に描きたくなる」と評していた[6]。当時のこの家の所有者であるセルマ・ジョーンズ=ジョンストンとその家族の了承を得て、ウッドは板紙に油彩で前庭からスケッチを描いた。スケッチでは、急勾配の屋根と長い窓が描かれ、これは最終的な作品にも特徴的に描かれているが、窓は実際のものよりも顕著に先が尖って描かれていた。
ウッドはこの家を、「その家にはこんな人たちが住んでいるはずだ」と考えた[1]農夫とその娘と一緒に描くことにした。娘のモデルにはウッドの妹のナン・ウッド・グラハム(1899年 - 1990年)を起用し、20世紀のアメリカーナを想起させるようなコロニアル柄のエプロンを着せた。このエプロンは、ウッドがナンに作らせたものである。ウッドは、その時代を反映させて縁にリックラックを入れるよう求めたが、リックラックは既に店で買うことができなかったため、母の古いドレスから外してエプロンにつけた[7]。農夫のモデルには、ウッド家の掛かりつけ歯科医[8]でシーダーラピッズ出身のバイロン・マッキービィ(Dr. Byron McKeeby、1867年 - 1950年)を起用した[9][10]。マッキービィにはオーバーオールの上にジャケットを羽織らせ、右手にピッチフォークを持たせた。ナンによれば、ウッドは2人を夫婦ではなく親子として想定しており、ウッドが1941年にネリー・サドゥース夫人に宛てた手紙でも「彼と一緒にいるすました女性は、成長した彼の娘です」と書かれている[1][11]。
ウッドがスケッチに人物を加えたのは、シーダーラピッズのアトリエに戻った後だった[12]。またウッドは、絵を描いている途中でこの家の写真を送ってもらっただけで、エルドンを再訪することはなかった[4]。
この絵の構成要素は、ゴシック様式の家の垂直の線を強調している。農夫のオーバーオールのシャツの縫い目、家の屋根の下にある縦長の窓の枠、面長の農夫の輪郭などに、直立した三叉のピッチフォークと類似の意匠が現れている[13]。
家のポーチに置かれた植物はサンセベリアとベゴニアであり、ウッドが1929年に描いた自身の母親の肖像画『植物と女』にも描かれている[14]。
公開と反響
ウッドはこの作品をシカゴ美術館の展覧会に出品した。ある審査員は「コミカルなバレンタイン」と酷評したが、美術館の後援者がその審査員を説得して、ウッドに銅メダルと賞金300ドルを授与した[15]。この後援者は美術館に対してこの作品を購入するよう要請し、今もシカゴ美術館の所蔵品となっている[2]。
この作品は、発表直後に『シカゴ・イブニング・ポスト』で紹介され、その後、ニューヨーク、ボストン、カンザスシティ、インディアナポリスの新聞にも掲載された。しかし、シーダーラピッズの新聞『ガゼット』で紹介されると、住民たちから、自分たちが「やつれて、険しい表情をした、清教徒的な聖書崇拝者」として描かれているとして反発が起こった[16]。ウッドは、これはアイオワ州の住民を風刺したものではないと反論し、アイオワ州に対する感謝の気持ちを描いたのだと述べた[8]。1941年の手紙の中でウッドは、「一般的に、この絵に憤慨している人々は、自分がこの絵に似ていると感じているのだということがわかった」と述べている[17]。
ガートルード・スタインやクリストファー・モーリーなどの、この作品に好意的だった美術批評家たちも、これは田舎の小さな町の生活を風刺したものだと考えていた。当時、シャーウッド・アンダーソンの小説『ワインズバーグ・オハイオ』(1919年)、シンクレア・ルイスの『本町通り』(1920年)、カール・ヴァン・ヴェクテンの『刺青のある伯爵夫人』(1924年)などのように、アメリカの田舎を批判的に描く傾向が強まる流れがあり、この作品もその一部として理解されたのである[1]。
しかし、この作品が描かれてからすぐに世界恐慌が深刻化すると、この作品は西部開拓時代の揺るぎない開拓者精神を描いたものだとみなされるようになった。当時のウッドは、東海岸が支配するアメリカ画壇に反旗を翻したジョン・スチュアート・カリーやトーマス・ハート・ベントンなどの中西部の画家と行動を共にしており、このような解釈の転換を好意的に受け止めた。ウッドはこの時期、「私が思いついた良いアイデアは全て、牛の乳搾りをしているときに思いついたものだ」と述べている[1]。ウッドは、農夫とその娘を「苦難を乗り越えた人」として描き、田舎のコミュニティの強さに敬意を表し、経済が大きく動揺する時代に安心を与えることを意図していた[18]。
パロディ化
世界恐慌時代、写真家のゴードン・パークスは、この絵をパロディ化して、星条旗の前で掃除婦のエラ・ワトソンが箒を持って立っている写真『アメリカン・ゴシック』を撮影した[1]。これがこの絵画の最初のパロディ化であり、『ザ・ミュージックマン』などのミュージカル、『ロッキー・ホラー・ショー』や『ナイトミュージアム2』などの映画、『ザ・シンプソンズ』や『スポンジ・ボブ』などのテレビ番組のような大衆文化で頻繁にパロディ化されるようになった。2017年に英国ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ (RA) が発表した「最もパロディ化された芸術作品10選」の中に本作も含まれている[19]。
脚注
- ^ a b c d e f g Fineman, Mia (June 8, 2005). "The Most Famous Farm Couple in the World: Why American Gothic still fascinates". Slate.
- ^ a b “About This Artwork: American Gothic”. The Art Institute of Chicago. 28 May 2010時点のオリジナルよりアーカイブ。June 20, 2010閲覧。
- ^ Güner, Fisun (8 February 2017). “How American Gothic became an icon”. BBC. 2 March 2017閲覧。
- ^ a b “American Gothic House Center”. Wapello County Conservation Board. June 18, 2009時点のオリジナルよりアーカイブ。July 14, 2009閲覧。
- ^ Garwood, p. 119
- ^ Quoted in Hoving, p. 36
- ^ Taylor, Sue (2020) (English). Grant Wood's Secrets. Newark, Delaware: University of Delaware Press. pp. 10. ISBN 9781644531655
- ^ a b Semuels, Alana (April 30, 2012). “At Home in a Piece of History”. Los Angeles Times February 25, 2013閲覧。
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- ^ “The Painting”. American Gothic House. 2014年11月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年1月8日閲覧。
- ^ Biel, Steven (2005). American Gothic: A Life of America's Most Famous Painting. W. W. Norton & Company. p. 28. ISBN 978-0-393-05912-0
- ^ Andréa Fernandes. “mental_floss Blog » Iconic America: Grant Wood”. Mentalfloss.com. 2009年2月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年4月12日閲覧。
- ^ “Grant Wood's Letter Describing American Gothic”. www.campsilos.org. May 4, 2021時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月30日閲覧。
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- ^ Sheen, Annabel (2017年3月31日). “10 of the most parodied artworks of all time” [時代を超えて最もパロディ化された芸術作品 10選] (英語). ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ. 2020年10月13日閲覧。
情報源
- Garwood, Darrell (1944). Artist in Iowa: A Life of Grant Wood. New York: W. W. Norton & Company. OCLC 518305
- Hoving, Thomas (2005). American Gothic: The Biography of Grant Wood's American Masterpiece. New York: Chamberlain Bros. ISBN 978-1-59609-148-1
- Girod, André (2014) (フランス語). American Gothic: une mosaïque de personnalités américaines. Paris: L'Harmattan. ISBN 978-2-343-04037-0
参考文献
- Howard, Beth M. (2018年3月18日). “Masterpiece Rental: My Life in the 'American Gothic' House” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331 2018年4月5日閲覧。 (contains image of first Wood sketch of the house)
関連項目
外部リンク
映像外部リンク | |
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Smarthistory: Grant Wood's American Gothic | |
American Gothic House |
- Grant Wood and Frank Lloyd Wright Compared
- About the painting, on the Art Institute's site
- Slate article about American Gothic
- American Gothic, French
- American Gothic: A Life of America's Most Famous Painting
- Television Commercials (1950s–1960s) contains General Mills New Country Corn Flakes commercial
- American Gothic sculpture removed from Michigan Avenue
- American Gothic Parodies collection
- November 18, 2002, National Public Radio Morning Edition report about American Gothic by Melissa Gray that includes an interview with Art Institute of Chicago curator Daniel Schulman.
- June 6, 1991, National Public Radio Morning Edition report on Iowa's celebration of the centennial of Grant Wood's birth by Robin Feinsmith. Several portions of the report focus on American Gothic.
- February 13, 1976, National Public Radio All Things Considered Cary Frumpkin interview with James Dennis, author of Grant Wood: A Study in American Art and Culture. The interview contains a discussion about American Gothic.