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「JR東海315系電車」の版間の差分

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外装色には白とコーポレートカラーのオレンジを採用している。側面ドア上や側面窓の高さにオレンジのラインが配され、下部にかけて白いラインが入っている。前面は前面窓から[[貫通扉]]下部にかけて白く配色され、前面窓下部にオレンジ色の帯が入る。楕円形のライトケースには、高輝度[[発光ダイオード|LED]]を用いた[[前照灯|前部]]・[[尾灯|後部標識灯]]が収められている<ref name="jrctype315" />。
外装色には白とコーポレートカラーのオレンジを採用している。側面ドア上や側面窓の高さにオレンジのラインが配され、下部にかけて白いラインが入っている。前面は前面窓から[[貫通扉]]下部にかけて白く配色され、前面窓下部にオレンジ色の帯が入る。楕円形のライトケースには、高輝度[[発光ダイオード|LED]]を用いた[[前照灯|前部]]・[[尾灯|後部標識灯]]が収められている<ref name="jrctype315" />。

側面に種別、行先、次の駅を表示できるフルカラーLED式の行先表示器が設置されている。が、どうも313系などの従来形式と併結した際には、おたがいに異なる表示をしてしまうことが異種併結試運転で確認されている。これは同じ表示内容設定番号におたがいに異なる内容が設定されているためと思われる。

(例・315系普通大垣：313系普通高蔵寺）


=== 内装 ===
=== 内装 ===
インテリアデザインは、「優しく安心感のある快適な移動空間」をコンセプトとしており、バリアフリー設備の充実や車内セキュリティーの強化、冷房機能や座り心地の向上などが行われた<ref name="RF734_49">[[#鉄道ファン734|『鉄道ファン』通巻734号、p.49]]</ref>。
インテリアデザインは、「優しく安心感のある快適な移動空間」をコンセプトとしており、バリアフリー設備の充実や車内セキュリティーの強化、冷房機能や座り心地の向上などが行われた<ref name="RF734_49">[[#鉄道ファン734|『鉄道ファン』通巻734号、p.49]]</ref>。


[[鉄道車両の座席|座席]]はロングシートで、車端部は4人掛け、ドア間は11人掛けである<ref name="RF734_50" />。座席幅は211系より1cm幅を広げた460mmである<ref name="RF734_51">[[#鉄道ファン734|『鉄道ファン』通巻734号、p.51]]</ref>。車内カラーは青を基本としつつ、[[優先席]]は座席や床面の色も変更して視認性を向上させた<ref name="jrctype315" />。客室窓には赤外線・紫外線を99％カットする複層UVカットガラスが採用され、[[カーテン]]は省略となった<ref name="tetsudo-ch">{{Cite web|url=https://tetsudo-ch.com/12151483.html|language=日本語|title=本線試乗で体感、JR東海新型「315系」の実力|website=[[鉄道チャンネル]]|date=2022年2月1日|accessdate=2022-02-17}}</ref><ref name="RF734_51" />。扉間中央と車端部の窓は中折式であり、レバー操作で開閉できる<ref name="norimono">{{Cite news|url=https://trafficnews.jp/post/115113|language=日本語|title=窓ガラスにも注目 JR東海の新型電車「315系」その性能とは|publisher=乗りものニュース|date=2022年2月3日|accessdate=2022-02-17}}</ref><ref name="RM453" />。
[[鉄道車両の座席|座席]]はロングシートで、車端部は4人掛け、ドア間は11人掛けである<ref name="RF734_50" />。座席幅は211系より1cm幅を広げた460mmである<ref name="RF734_51">[[#鉄道ファン734|『鉄道ファン』通巻734号、p.51]]</ref>。車内カラーは青を基本としつつ、[[優先席]]は座席や床面の色も変更して視認性を向上させた<ref name="jrctype315" />。ちなみに優先席のシートカラーとその付近の床の色はオレンジ色である。客室窓には赤外線・紫外線を99％カットする複層UVカットガラスが採用され、[[カーテン]]は省略となった<ref name="tetsudo-ch">{{Cite web|url=https://tetsudo-ch.com/12151483.html|language=日本語|title=本線試乗で体感、JR東海新型「315系」の実力|website=[[鉄道チャンネル]]|date=2022年2月1日|accessdate=2022-02-17}}</ref><ref name="RF734_51" />。扉間中央と車端部の窓は中折式であり、レバー操作で内側へと開閉できる<ref name="norimono">{{Cite news|url=https://trafficnews.jp/post/115113|language=日本語|title=窓ガラスにも注目 JR東海の新型電車「315系」その性能とは|publisher=乗りものニュース|date=2022年2月3日|accessdate=2022-02-17}}</ref><ref name="RM453" />。


[[車内案内表示装置]]にはJR東海の普通列車用車両として初となる[[液晶ディスプレイ]]が採用され、各ドア上に1基設置されている<ref name="jrctype315" />。また[[監視カメラ|防犯カメラ]]が1両5ヶ所、[[車内非常通報装置|非常通報装置]]が1両3ヶ所設置されている<ref name="日車詳説">{{Cite web|url=https://www.n-sharyo.co.jp/business/tetsudo/topics/tp220106.html|language=日本語|title=JR東海殿向け 在来線通勤型電車「315系」の紹介|publisher=日本車両|accessdate=2022-02-17}}</ref>。
[[車内案内表示装置]]にはJR東海の普通列車用車両として初となる[[液晶ディスプレイ]](LCD)が採用され、各ドア上に1基設置されている<ref name="jrctype315" />。また[[監視カメラ|防犯カメラ]]が1両5ヶ所、[[車内非常通報装置|非常通報装置]]が1両3ヶ所設置されている<ref name="日車詳説">{{Cite web|url=https://www.n-sharyo.co.jp/business/tetsudo/topics/tp220106.html|language=日本語|title=JR東海殿向け 在来線通勤型電車「315系」の紹介|publisher=日本車両|accessdate=2022-02-17}}</ref>。


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[[列車便所|車椅子対応トイレ]]は編成中1ヶ所設けられており、[[車椅子スペース]]は1両に1ヶ所ある<ref name="jrctype315" />。
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[[エア・コンディショナー|空調装置]]には[[人工知能|AI]]が国内の鉄道車両で初めて採用され、常に制御の最適化が行われる<ref name="Toshiba20220304"/><ref name="tetsudo-ch" />。また8両編成中1両はJR東海初の[[弱冷房車]]となっている<ref>{{Cite web|url=https://www.toretabi.jp/railway_info/entry-7723.html|title=JR東海で初めて採用した〇〇も！ 「315系」は“乗客思い”なニューフェイス【試乗レポート】|publisher=トレたび（[[交通新聞社]]）|accessdate=2021-05-07}}</ref>。

運転室と客室を仕切る部分には、運転台側・車掌台側ともに窓が設置されているのが通例だったが、本形式からは車掌台側の窓が機械室設置のため廃止され、前面展望がしにくくなった。

また、運転台にも変更がくわえられ、従来形式では針式のスピードメーターが採用されていたが、本形式からは完全なモニター式になり画面に現在の速度が表示されるようになった。表示方法は従来形式と同様に針式のスピードメーターでの表示である。


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== 編成表 ==
== 編成表 ==
===0番台===
===0番台===
2023年1月末現在、[[神領車両区]]に8両編成10本（80両、C1 - C10編成）80両が配置されている<ref name="JRR 2022s 117">ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2022夏 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2022年、p.117。ISBN 9784330028224</ref>。なお本系列は号車表示がなされているが、中央本線では[[名古屋駅|名古屋]]方（東海道本線での米原方に相当）が1号車となっている。
2023年3月5日現在、[[神領車両区]]に8両編成12本（96両、C1 - C12編成）96両が配置されている<ref name="JRR 2022s 117">ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2022夏 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2022年、p.117。ISBN 9784330028224</ref>。なお本系列は号車表示が側面行先表示器とシールでなされているが、中央本線では[[名古屋駅|名古屋]]方（東海道本線での米原方に相当）が1号車となっている。


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===3000番台===
===3000番台===
2023年2月10日現在、[[神領車両区]]に4両編成2本（8両、C101 - C102編成）8両が配置されている。なお3000番台は0番台と違い号車表記のシールが貼っていない。
2023年3月5日現在、[[神領車両区]]に4両編成2本（8両、C101 - C102編成）8両が配置されている。なお3000番台は0番台と違い号車表記のシールが貼っていない。号車表記は側面の行先表示器で確認できる。

現時点では、3000番台は各地で試運転を行っている最中であり、営業列車には一度も入っていない。
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同社が所有する211系・311系・313系・213系との連結、走行も可能であるが、営業運転開始時点では8両固定編成のみ存在するために常時単独で運用され、連結運転は行われていない。
同社が所有する211系・311系・313系・213系との連結、走行も可能であるが、営業運転開始時点では8両固定編成のみ存在するために常時単独で運用され、連結運転は行われていない。

しかし、2023年1月14日に315系3000番台C102編成と313系1100番台B5編成を併結しての異種併結試運転が中央線神領～名古屋駅間で実施された。これが、315系にとって初の別形式を併結しての営業線上の走行となった。その後も、何度か併結試運転が行われたようで、この試運転は静岡地区投入後の併結運用を想定したものと思われる。また、C102編成は試運転として、東海道本線静岡地区や、関ヶ原～米原駅間、身延線富士～西富士宮駅間に入線した。東海道本線静岡地区と身延線は2023年2月12日と13日に、関ヶ原～米原駅間とJR西日本米原駅は2月26日にそれぞれ初入線した。特に米原駅乗り入れの試運転は、日中の大垣～米原駅間の普通列車をゆくゆくは315系4連を投入してワンマン化するための試運転ではないかと注目されている。

また、愛知環状鉄道瀬戸口～岡崎駅間と岡崎駅0番線にも試運転として2023年3月2日に初入線している。その際、車内案内表示器が愛環線全区間に対応していることが確認された。


== 今後の予定 ==
== 今後の予定 ==

2023年3月5日 (日) 13:27時点における版

JR東海315系電車
315系C6編成（2022年3月8日）
基本情報
運用者 東海旅客鉄道
製造所 日本車輌製造
製造年 2021年 -
製造数 352両（予定）
運用開始 2022年3月5日
主要諸元
編成 8両編成
4両編成
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1,500 V
最高運転速度 120 km/h
設計最高速度 130 km/h
起動加速度 2.6 km/h/s
減速度（常用） 4.3 km/h/s
減速度（非常） 5.1 km/h/s
車両定員 133（クハ314形）
139（クハ315形）
154（中間車）
自重 クハ315-0：33.9t
クハ314-0：34.5t
モハ315-0：37.0t
モハ315-500：34.9t
サハ315-0：30.4t
サハ315-500：31.0t
編成重量 273.6 t（8両編成）
全長 20,100 mm
全幅 2,978 mm
全高 4,020 mm
車体 ステンレス (前頭部のみ普通鋼)
台車 付随台車：C-T257
電動台車：C-DT69
タンデム式軸箱支持方式ボルスタレス台車
駆動方式 WNドライブ駆動方式
制御方式

ハイブリッドSiC-

IGBT素子VVVFインバータ制御[1]
制動装置 電気指令式（直通・回生・抑速）
T車遅れ込め制御・耐雪ブレーキ
保安装置 ATS-ST・ATS-PT
EB・TE装置
備考 出典：[2][3]
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315系電車（315けいでんしゃ）は、東海旅客鉄道（JR東海）の直流通勤形電車である。

概要

国鉄分割民営化前後に製造された211系・213系・311系の置き換えを目的として2020年（令和2年）1月22日に導入が発表され[4]、2022年（令和4年）3月5日に中央本線の名古屋 - 中津川間で営業運転を開始した[5]。

これまでJR東海が新製導入した普通列車用電車はいずれも近郊形に区分されていたが、本形式は初めて通勤形となった[注 1]。

全車が日本車輌製造で製造され、同社の次世代ブランド「N-QUALIS（エヌクオリス）」を採用した第一号車両である[6]。電機品は東芝インフラシステムズが受注している[7]。

構造

車体

車体はステンレス鋼製を基本とし、先頭構体は鋼製である[8]。外観の美観向上のため、レーザー溶接を採用している[8]。構造部材の配置を見直して強度向上を図ると共に、「N-QUALIS」の特徴でもある平滑な外板を実現した。可動柵に対応するため、先頭車・中間車とも20,100 mmで統一している[8]。車体幅は2,978 mm、屋根高さは3,630 mm、床面高さは1,140 mmであり、313系と共通である[8]。先頭構体形状は、低コスト化およびオフセット衝突対策のため、後退角ありの直線形状である[8]。側面の連続窓は廃止し、窓部に吹寄柱を立てることで側面衝突対策としている[8]。

外装色には白とコーポレートカラーのオレンジを採用している。側面ドア上や側面窓の高さにオレンジのラインが配され、下部にかけて白いラインが入っている。前面は前面窓から貫通扉下部にかけて白く配色され、前面窓下部にオレンジ色の帯が入る。楕円形のライトケースには、高輝度LEDを用いた前部・後部標識灯が収められている[2]。

側面に種別、行先、次の駅を表示できるフルカラーLED式の行先表示器が設置されている。が、どうも313系などの従来形式と併結した際には、おたがいに異なる表示をしてしまうことが異種併結試運転で確認されている。これは同じ表示内容設定番号におたがいに異なる内容が設定されているためと思われる。

(例・315系普通大垣：313系普通高蔵寺）

内装

インテリアデザインは、「優しく安心感のある快適な移動空間」をコンセプトとしており、バリアフリー設備の充実や車内セキュリティーの強化、冷房機能や座り心地の向上などが行われた[9]。

座席はロングシートで、車端部は4人掛け、ドア間は11人掛けである[8]。座席幅は211系より1cm幅を広げた460mmである[10]。車内カラーは青を基本としつつ、優先席は座席や床面の色も変更して視認性を向上させた[2]。ちなみに優先席のシートカラーとその付近の床の色はオレンジ色である。客室窓には赤外線・紫外線を99％カットする複層UVカットガラスが採用され、カーテンは省略となった[11][10]。扉間中央と車端部の窓は中折式であり、レバー操作で内側へと開閉できる[12][13]。

車内案内表示装置にはJR東海の普通列車用車両として初となる液晶ディスプレイ(LCD)が採用され、各ドア上に1基設置されている[2]。また防犯カメラが1両5ヶ所、非常通報装置が1両3ヶ所設置されている[6]。

車椅子対応トイレは編成中1ヶ所設けられており、車椅子スペースは1両に1ヶ所ある[2]。

戸閉装置（ドアエンジン）は富士電機製で、JR東海の車両では初めての電気駆動式を採用している[14]

空調装置にはAIが国内の鉄道車両で初めて採用され、常に制御の最適化が行われる[7][11]。また8両編成中1両はJR東海初の弱冷房車となっている[15]。

運転室と客室を仕切る部分には、運転台側・車掌台側ともに窓が設置されているのが通例だったが、本形式からは車掌台側の窓が機械室設置のため廃止され、前面展望がしにくくなった。

また、運転台にも変更がくわえられ、従来形式では針式のスピードメーターが採用されていたが、本形式からは完全なモニター式になり画面に現在の速度が表示されるようになった。表示方法は従来形式と同様に針式のスピードメーターでの表示である。

  • 車内
    車内
  • 優先席
    優先席
  • 優先席（車端部）
    優先席（車端部）
  • 車椅子スペース
    車椅子スペース
  • 車椅子スペース（車端部）
    車椅子スペース（車端部）
  • 車椅子対応トイレ・車椅子スペース
    車椅子対応トイレ・車椅子スペース
  • 車椅子対応トイレ内部
    車椅子対応トイレ内部

走行装置

N700S系の技術をフィードバックした非常走行用蓄電装置の設置が予定されており、8両編成第7編成までは準備工事で（2022年夏以降搭載予定[2]）、8両編成第8編成以降と4両編成は製造段階で設置される[11]。制御伝送装置にはイーサネットを採用し、伝送速度の向上に繋げた[6]。

車両制御装置は主電動機を駆動するVVVFインバータ装置とサービス用電源を供給する補助電源装置で構成されているが、モハ315形500番台は補助電源装置は省略されている[16]。インバータ素子にSiC素子を使用しており、そのほかの省エネルギー対策も含めて、211系比で35％の消費電力削減となっている[16]。インバータ故障の際には健全機器の出力を向上させ、健全時と同様の力行性能を確保する性能補償機能を導入し、8両編成では2インバータ、4両編成では1インバータ故障まで性能補償が可能である[16]。

台車は、HC85系気動車と同じ安全性向上台車（C-DT69〈動力台車〉、C-TR257〈付随台車〉）を採用する[16]。日本車輌では「NS台車」と命名されている[6]。横ばりと側ばりをプレス加工で一体化した構造として重要溶接部を313系比約6割削減し、台車枠の信頼性を高め、検修時の探傷時間の短縮による省メンテナンス化を実現した[16]。軸箱支持方式にはタンデム式を採用し、上下荷重をコイルバネ、左右・前後荷重を前後に段違いで配置された円錐積層ゴムで負担する[16]。駆動方式は、2019年に登場したHC85系の量産先行車[17]に引き続きWN駆動方式を採用しており、WN継手は低騒音化が図られた設計となっている[16]。

形式

出典[9]。

モハ315形
中間電動車。2位寄りに車椅子スペースを備える。
0番台（M1）
車両制御装置（主回路部＋補助電源部）、集電装置などを搭載する。
500番台（M2）
車両制御装置（主回路部）、集電装置などを搭載する。
クハ315形（Tc1）
上り向き制御車。前位寄りに運転台、1位寄りに車椅子スペースを備え、非常走行用インバータ、非常走行用蓄電池、空気圧縮機などを搭載する。
クハ314形（Tc'1）
下り向き制御車。前位寄りに運転台、3位寄りに身障者対応トイレ、4位寄りに車いすスペースを備え、蓄電池、空気圧縮機などを搭載する。
サハ315形
中間付随車。2位寄りに車椅子スペースを備える。
0番台（T1）
蓄電池、空気圧縮機などを搭載する。
500番台（T2）
非常走行用インバータ、非常走行用蓄電池、空気圧縮機などを搭載する。
  • クハ314-0（クハ314-4）
    クハ314-0（クハ314-4）
  • モハ315-500（モハ315-508）
    モハ315-500（モハ315-508）
  • モハ315-0（モハ315-8）
    モハ315-0（モハ315-8）
  • サハ315-500（サハ315-504）
    サハ315-500（サハ315-504）
  • サハ315-0（サハ315-4）
    サハ315-0（サハ315-4）
  • クハ315-0（クハ315-4）
    クハ315-0（クハ315-4）

モハ315形が電動車であり、0番台は静止形インバータ (SIV) を一体化したVVVFインバータ制御装置を搭載するのに対し、500番台はVVVFインバータ装置を単独で搭載する[13]。国鉄101系電車以来、日本国有鉄道→JRにおける2Mユニット構成の電車では、長くその機器配置を形式番号の偶数・奇数で区分していたが、本形式では「（ク）モハ314」形式は採用せず、区分番台によって分けられている。

編成表

0番台

2023年3月5日現在、神領車両区に8両編成12本（96両、C1 - C12編成）96両が配置されている[18]。なお本系列は号車表示が側面行先表示器とシールでなされているが、中央本線では名古屋方（東海道本線での米原方に相当）が1号車となっている。

 
← 中津川
名古屋 →
315系 8両編成[2][19]
号車 8 7 6 5 4 3 2 1
形式 クハ315
-0
(Tc1) 		モハ315
-0
(M1) 		モハ315
-500
(M2) 		サハ315
-0
(T1) 		サハ315
-500
(T2) 		モハ315
-0
(M1) 		モハ315
-500
(M2) 		クハ314
-0
(Tc'1)
C1 1 1 501 1 501 2 502 1
C2 2 3 503 2 502 4 504 2
C3 3 5 505 3 503 6 506 3
C4 4 7 507 4 504 8 508 4
C5 5 9 509 5 505 10 510 5
C6 6 11 511 6 506 12 512 6
C7 7 13 513 7 507 14 514 7
C8 8 15 515 8 508 16 516 8
C9 9 17 517 9 509 18 518 9
C10 10 19 519 10 510 20 520 10
C11 11 21 521 11 511 22 522 11
C12 12 23 523 12 512 24 524 12

3000番台

2023年3月5日現在、神領車両区に4両編成2本（8両、C101 - C102編成）8両が配置されている。なお3000番台は0番台と違い号車表記のシールが貼っていない。号車表記は側面の行先表示器で確認できる。

現時点では、3000番台は各地で試運転を行っている最中であり、営業列車には一度も入っていない。

 
← 中津川
名古屋 →
315系 4両編成[20]
形式 クハ315
-3000
(Tc1) 		モハ315
-3000
(M1) 		モハ315
-3500
(M2) 		クハ314
-3000
(Tc'1)
C101 3001 3001 3501 3001
C102 3002 3002 3502 3002

運用

2022年3月に中央本線（名古屋駅 - 中津川駅間）で営業運転を開始し、同年3月12日のダイヤ改正からは平日夕方に愛知環状鉄道線の瀬戸口駅まで乗り入れている。愛知環状鉄道線内では、前寄りの車両を締め切り、後ろ寄りの車両で乗降扱いを行う[21]。

同社が所有する211系・311系・313系・213系との連結、走行も可能であるが、営業運転開始時点では8両固定編成のみ存在するために常時単独で運用され、連結運転は行われていない。

しかし、2023年1月14日に315系3000番台C102編成と313系1100番台B5編成を併結しての異種併結試運転が中央線神領～名古屋駅間で実施された。これが、315系にとって初の別形式を併結しての営業線上の走行となった。その後も、何度か併結試運転が行われたようで、この試運転は静岡地区投入後の併結運用を想定したものと思われる。また、C102編成は試運転として、東海道本線静岡地区や、関ヶ原～米原駅間、身延線富士～西富士宮駅間に入線した。東海道本線静岡地区と身延線は2023年2月12日と13日に、関ヶ原～米原駅間とJR西日本米原駅は2月26日にそれぞれ初入線した。特に米原駅乗り入れの試運転は、日中の大垣～米原駅間の普通列車をゆくゆくは315系4連を投入してワンマン化するための試運転ではないかと注目されている。

また、愛知環状鉄道瀬戸口～岡崎駅間と岡崎駅0番線にも試運転として2023年3月2日に初入線している。その際、車内案内表示器が愛環線全区間に対応していることが確認された。

今後の予定

導入計画は「名古屋・静岡都市圏を中心に、中央本線、東海道本線、関西本線等に順次投入」としており[4]、中央本線の名古屋 - 中津川間では2023年度中に、特急用を除く全車両が本形式で統一される予定である[1]。

2021年度から2025年度にかけて352両（8両編成23本・4両編成42本）が製造予定である[22][23]。

2022年12月22日に4両編成の3000番台（C101・102）が登場し、試運転を行っている。電気連結器や貫通幌が設置されスカートや顔つきが異なっている他、安全確認カメラが取り付けられている[24]。

脚注

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注釈

  1. ^ 国鉄からの継承車両を含めれば、1999年（平成11年）まで主に中央線で運用されていた103系以来となる。

出典

  1. ^ a b "在来線通勤型電車「315系」運転開始について" (PDF) (Press release). 東海旅客鉄道株式会社. 17 November 2021. 2021年11月17日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2021年11月23日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g 在来線通勤型電車315系 - 東海旅客鉄道
  3. ^ “東海旅客鉄道(株)殿向け 315系”. 日本車両. 2022年2月17日閲覧。
  4. ^ a b "在来線通勤型電車の新製について" (PDF) (Press release). 東海旅客鉄道. 22 January 2020. 2020年1月22日閲覧。
  5. ^ “22年ぶりの新型車両が名古屋でデビュー！　今週の注目鉄道ニュース”. 鉄道コム (2022年3月6日). 2022年7月30日閲覧。
  6. ^ a b c d “JR東海殿向け 在来線通勤型電車「315系」の紹介”. 日本車両. 2022年2月17日閲覧。
  7. ^ a b "国内初のAIによる車両向け自動学習・制御最適化制御指令伝送装置等の納入について －JR東海新型車両向け電気品－" (Press release). 東芝インフラシステムズ. 4 March 2022. 2022年5月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月21日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g 『鉄道ファン』通巻734号、p.50
  9. ^ a b 『鉄道ファン』通巻734号、p.49
  10. ^ a b 『鉄道ファン』通巻734号、p.51
  11. ^ a b c “本線試乗で体感、JR東海新型「315系」の実力”. 鉄道チャンネル (2022年2月1日). 2022年2月17日閲覧。
  12. ^ “窓ガラスにも注目 JR東海の新型電車「315系」その性能とは” (日本語). 乗りものニュース. (2022年2月3日). https://trafficnews.jp/post/115113 2022年2月17日閲覧。 
  13. ^ a b 「新車ガイド JR東海315系」『Rail Magazine』第453号（2022年3月号）、ネコ・パブリッシング、60 - 61頁。
  14. ^ 富士電機技報　2022年Vol.95 No.2 特集 2021年度の技術成果と展望 p.90 (PDF)
  15. ^ “JR東海で初めて採用した〇〇も！ 「315系」は“乗客思い”なニューフェイス【試乗レポート】”. トレたび（交通新聞社）. 2021年5月7日閲覧。
  16. ^ a b c d e f g 『鉄道ファン』通巻734号、p.52
  17. ^ “2021年に登場するJR東海 新型車両 315系、特急形 HC85系のスペックと走り”. BIGLOBEニュース（鉄道チャンネル） (2021年1月2日). 2022年4月28日閲覧。
  18. ^ ジェー・アール・アール編『JR電車編成表』2022夏 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2022年、p.117。ISBN 9784330028224
  19. ^ “新車紹介・車両出場状況”. 日本車両. 2023年2月13日閲覧。
  20. ^ “315系3000番台C101編成・C102編成が登場”. 鉄道ファン・railf.jp (2022年12月23日). 2023年2月10日閲覧。
  21. ^ 例：“名古屋駅中央本線時刻表（平日用、2022年3月12日改正）” (pdf). 東海旅客鉄道. 2022年3月5日閲覧。
  22. ^ “JR東海　315系の詳細発表　21年度から352両新製”. 株式会社　交通新聞社 (2020年1月24日). 2020年1月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年11月23日閲覧。
  23. ^ "通勤型車両315系の受注に関するお知らせ" (PDF) (Press release). 日本車輌製造. 29 January 2021. 2021年1月29日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2021年1月30日閲覧。
  24. ^ 「315系3000番台C101編成・C102編成が登場」『railf.jp（鉄道ニュース）』交友社、2022年12月23日。2022年12月29日閲覧。

参考文献

専門記事

  • 中村修二（JR東海東海鉄道事業部車両部車両課課長「新形式の315系通勤型電車」『鉄道ファン』第734号、交友社、2022年6月、48 - 53頁。 

関連項目

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外部リンク

現有車両

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ディーゼル機関車
  1. ^ “地球環境保全への貢献”. 東海旅客鉄道. 2023年11月29日閲覧。
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