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「大阪府立懐風館高等学校」の版間の差分

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訴訟: 2022年 最高裁が上告を退ける
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2022年10月6日 (木) 22:23時点における版

大阪府立懐風館高等学校
地図北緯34度32分22.2秒 東経135度37分20.2秒 / 北緯34.539500度 東経135.622278度 / 34.539500; 135.622278座標: 北緯34度32分22.2秒 東経135度37分20.2秒 / 北緯34.539500度 東経135.622278度 / 34.539500; 135.622278
国公私立の別 公立学校
設置者 大阪府の旗 大阪府
併合学校 大阪府立羽曳野高等学校
大阪府立西浦高等学校
校訓 高志貢献・倶学倶進
設立年月日 2009年平成21年)1月1日
共学・別学 男女共学
課程 全日制課程
単位制・学年制 学年制
設置学科 普通科
学科内専門コース スポーツユースリーダー専門コース
チャイルドケアリーダー専門コース
学期 3学期制
学校コード D127210001273 ウィキデータを編集
高校コード 27324E
所在地 583-0847
外部リンク 公式サイト
ウィキポータル 教育
ウィキプロジェクト 学校
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大阪府立懐風館高等学校(おおさかふりつ かいふうかん こうとうがっこう、: Osaka Prefectural Kaifukan High School)は、大阪府羽曳野市にある公立高等学校。高校生急増期対策と誘致運動を受け、昭和後期1971年に新設された府立72番目の大阪府立羽曳野高等学校と、1978年に新設された府立118番目の大阪府立西浦高等学校を統廃合し、平成後期2009年に開校した。

概要

大阪府教育委員会府立高等学校特色づくり・再編整備計画に基づき、羽曳野市にある大阪府立西浦高等学校大阪府立羽曳野高等学校全日制課程普通科2校を統廃合。2009年平成21年)1月1日、学校敷地や校舎など羽曳野高校の施設をそのまま使用し、新設された[1][2]

校名は、羽曳野市が世界文化遺産古市古墳群など古代史・古代文化ゆかりの地だということから、地域の歴史や風土を踏まえ先人の教えを大切にするという意味を込めている。

教育課程全日制課程で、開校時から普通科総合選択制だったが、 2016年に普通科専門コース設置校に改編された(普通科総合選択制を廃止)。

羽曳野高校時代の校舎(2008年平成20年〉7月撮影)

定員割れ、再編対象

懐風館高校は、早くも開校3年後の2011年(平成23年)度の入学者選抜(入学試験)で不足59人(倍率0.79)という大幅な定員割れを起こしている[3]

定員割れの原因として、府教委は「私学の授業料無償化・軽減制度の拡大や試験日程の変更などの要因が大きい」としたものの、「1クラス(40人)を超える」定員割れは「学校運営上、支障を及ぼしかねない」上い「税を投入して運営している」公立高校での定員割れは「生徒1人当たりの学校運営コストの上昇」となるとしており、学校に対し「特色である普通科総合選択制(当時)について十分な説明を行っていく」ことや「生徒の授業内容に対する満足度44%にとどまっており、これを高めることも重要な課題」と分析し助言していた[3]

なお入学者選抜について、翌2012年施行の大阪府立学校条例では、「3年連続で定員割れし、その後も改善する見込みがない場合は再編対象」としている[4]。なお、懐風館高校は、ほとんど毎年定員割れとなっている(以下の入試倍率の表を参照)[5]

入試倍率
入試年度 募集定員 志願人数 倍率 備考
2021年令和3年) 240 180 0.75 定員割れ。志願者は前年比69人減[6]
2020年 240 249 1.04
2019年 240 227 0.95 2年連続定員割れ
2018年平成30年) 240 223 0.93 定員割れ。志願者は前年比49人減
2017年 240 272 1.13
2016年 240 247 1.03 [7]
2015年後期 200 136 0.68 (普通科の平均1.21倍)[8]
2015年前期 80 136 1.70 (普通科の平均3.31倍)[9]
2014年後期 160 201 1.26 (普通科の平均1.23倍)[10]
2014年前期 80 251 3.14 (普通科の平均2.19倍)[11]
2013年後期 160 184 1.15 (普通科の平均1.25倍)[12]
2013年前期 80 235 2.94 (全日制の平均2.19倍)[13]
2012年 240 240 1.00 [3]
2011年 280 221 0.79 志願者は前年比238人減[3]
2010年 280 459 1.64 [3]
2009年 280 445 1.59 開校(第1期生)初年度[3]

沿革

前身2校の沿革について

年表

  • 1970年昭和45年) - 大阪府教育委員会事務局に「大阪府立第72高等学校」設立準備室を設置[14]
  • 1971年 - 3月、設置条例公布。4月1日、「大阪府立羽曳野高等学校」として開校(現在地[14]
  • 1977年 - 3月31日、「大阪府立第118高等学校」建設予算が大阪府議会で議決され、府教委で設立準備を開始。12月19日、「大阪府立西浦高等学校」設置条例が議決[15]
  • 1978年 - 4月1日、開校[15]
  • 2009年平成21年) - 1月1日、設置条例に基づき、「大阪府立懐風館高等学校」を設置。4月、開校(羽曳野高校の校地[1])、羽曳野・西浦の両校は生徒募集停止
  • 2011年 - 3月、羽曳野・西浦の両校が廃校(閉校[16]
  • 2015年 - 11月、裏口入学の報道
  • 2016年 - 4月、普通科専門コース設置校に改編(普通科総合選択制を廃止)
  • 2017年 - 10月、黒染め強要事件の報道

基礎データ

交通アクセス

鉄道
自動車

象徴

校章

校章は、羽曳野市の木であるタチバナと、市の「羽」の文字にヒントを得た比翼のデザインを組み合わせ、橘の花の中央に「高」の字を配置したデザインを採用している[1]

校歌

校歌は、生徒(第1期生)による作詞歌手田中星児による作曲[18]

制服

不祥事

不適切な入試案内

日本学生野球協会は「野球部に入る意思があれば合格しやすくなる」と野球部入部を前提に入試が優遇されると偽った入試案内を自作した懐風館野球部の監督を、2015年平成27年)11月13日から2年間の謹慎処分に[19]、その案内を公立中学157校と少年野球チーム65団体の指導者に送ったとして、中学校やクラブチームに郵送した部長を謹慎6カ月の処分とした[20]

訴訟

2015年入学の茶色い頭髪を持つ女子生徒個人について、生徒の母親は事前に学校に地毛であることを伝えていたが、学校側は女子生徒に「その髪色では登校させられない」などとを黒く染めることを強要した[21][22][23][24]。 学校側は、生徒の代理人弁護士に「たとえ金髪外国人留学生でも、規則で黒染めさせることになる」と説明した[25]

2017年、生徒側は「指導の名の下に行われたいじめだ」として約220万円の損害賠償を大阪府に求める訴えを大阪地方裁判所に起こした。裁判の中で府側は請求棄却を求め、大阪府教育庁は「原告の主張は一部、事実と違うところもあるので訴訟のなかで説明していく」とコメントした[23][24][25][26]。学校の教頭は、染髪や脱色は校則により禁止されているとしながらも、教師が「茶髪から黒髪への染髪」を命じるなどの校則違反の強要、「頭皮のかぶれが起こる障害行為」の強要、「校則違反を行わなければ出席させない」など、学校ぐるみでの反社会的行為の継続的強要については、明言しなかった[23][24][27]

本件について、同志社大学教授の大島佳代子憲法教育法)は「生まれもった身体的特徴は憲法上保障されている。集団生活には一定のルールが必要だとしても、学校側は生徒の髪をどうしても黒染めにさせなくてはならない理由を、具体的に説明する必要がある」と話している[28]

2021年令和3年)2月16日、大阪地裁の横田典子裁判長は、「複数の教員が原告生徒の地毛が黒色であったことを確認しており、茶色に染めた髪色を黒に戻すよう指導するのは教育的指導の範囲内」だとして、原告生徒の訴えを一部棄却した。

一方で、生徒名簿からの名前の削除については違法と認定し、大阪府に33万円の賠償命令を下した[29]

2021年11月11日、懐風館高校の元生徒の女性(22)が大阪府に損害賠償を求めた訴訟で、元生徒側は指導の違法性を認めなかったとした大阪高裁判決を不服として最高裁に上告した。原告側の代理人は「茶髪を禁じた校則は違憲で、判決には法令違反がある」と上告をした理由を説明している。[30]2022年6月15日、最高裁第2小法廷は、元生徒側の上告を退ける決定をした[31]

高校関係者と組織

関連団体

  • 大阪府立羽曳野・懐風館高等学校同窓会 - 前身の羽曳野高校との合同の同窓会
  • 大阪府立西浦高等学校 同窓会 - 前身の西浦高校の同窓会

高校関係者一覧

前身2校の著名な卒業生についての

脚注

  1. ^ a b c 大阪府立懐風館高等学校(学校紹介)”. 大阪府教育センター. 2017年10月27日閲覧。
  2. ^ 高校改革に関すること”. 大阪府. 2017年10月27日閲覧。
  3. ^ a b c d e f [定員割れへの対応について]委員意見票 - 大阪府”. 大阪府教育委員会 (2012年2月3日). 2021年3月7日閲覧。
  4. ^ 朝日新聞2017年9月2日朝刊 大阪市内・1地方(2020年1月1日閲覧)
  5. ^ 2017年03月07日 朝日新聞朝刊 大阪府・2地方 https://resemom.jp/article/2018/03/07/43367.html http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/6221/00314979/H31ippan_sigansya0305.pdf http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/6221/00350811/R02ippan_sigansya0306.pdf 2021年1月1日閲覧。
  6. ^ 令和3年度大阪府公立高等学校 一般入学者選抜(全日制の課程)の志願者数(令和3年3月5日午後2時(締切数))”. 大阪府教育委員会 (2021年3月6日). 2021年3月6日閲覧。
  7. ^ 2016年度 公立高校入試の出願状況について(最終集計)”. 立志館ゼミナール (2016年3月8日). 2021年3月5日閲覧。
  8. ^ 【高校受験2015】大阪府公立後期出願状況(確定)、豊中1.98倍”. リセマムイード (企業) (2015年3月11日). 2021年3月7日閲覧。
  9. ^ 【高校受験2015】大阪府公立高校前期2/17締切、普通3.31倍・文理3.04倍 4枚目の写真・画像”. リセマムイード (企業) (2015年2月18日). 2021年3月7日閲覧。
  10. ^ 【高校受験2014】大阪府公立高校(後期)志願状況、茨木1.74倍 2枚目の写真・画像”. リセマムイード (企業) (2014年3月7日). 2021年3月7日閲覧。
  11. ^ 【高校受験2014】大阪府 全公立高校の志願倍率 3枚目の写真・画像”. リセマムイード (企業) (2014年2月18日). 2021年3月7日閲覧。
  12. ^ 【高校受験2013】大阪府公立高校(後期)志願状況、平均1.25倍 2枚目の写真・画像”. リセマムイード (企業) (2013年3月6日). 2021年3月7日閲覧。
  13. ^ 【高校受験2013】大阪府 全公立高校の志願倍率 2枚目の写真・画像”. リセマムイード (企業) (2013年2月15日). 2021年3月7日閲覧。
  14. ^ a b 大阪府立羽曳野高等学校”. 大阪府教育センター. 2017年10月27日閲覧。
  15. ^ a b 大阪府立西浦高等学校 - 本校の概要 -”. 大阪府教育センター. 2017年10月27日閲覧。
  16. ^ 大阪府立西浦高等学校”. 大阪府教育センター. 2017年10月27日閲覧。
  17. ^ 大阪府立懐風館高等学校(アクセス)”. 大阪府教育センター. 2017年10月27日閲覧。
  18. ^ 校歌 大阪府立懐風館高等学校”. 大阪府立懐風館高等学校 (2016年3月8日). 2021年3月5日閲覧。
  19. ^ “日本学生野球協会 島根・浜田など、高校11件を処分”. 毎日新聞. (2016年3月2日). https://mainichi.jp/koshien/articles/20160302/ddm/035/050/113000c 2020年5月1日閲覧。 
  20. ^ “いじめ・部内暴力…高校11件を処分”. 朝日新聞. (2016年3月1日). https://www.asahi.com/articles/ASJ315D8BJ31UTQP01C.html 2020年5月20日閲覧。 
  21. ^ “地毛茶色なのに「黒髪強要」で不登校…修学旅行も「参加認めない」大阪府立高の女子生徒が提訴”. Outbrain. (2017年10月27日). http://www.iza.ne.jp/kiji/events/news/171027/evt17102714120031-n1.html 
  22. ^ “「黒髪強要」と生徒が提訴、大阪”. ロイター. (2017年10月27日). https://jp.reuters.com/article/idJP2017102701001260 
  23. ^ a b c Justin McCurry (2017年10月27日). “Japanese student sues over school's order to dye hair black”. The Guardian. https://www.theguardian.com/world/2017/oct/27/japanese-student-sues-over-schools-order-to-dye-hair-black 
  24. ^ a b c “Japanese Girl Says School Forced Her to Dye Hair Black, Sues Government: Media”. The New York Times. (2017年10月27日). https://www.nytimes.com/reuters/2017/10/27/world/asia/27reuters-japan-education-hair.html 
  25. ^ a b “「髪染め強要で不登校」高3、大阪府を提訴”. 毎日新聞. (2017年10月27日). https://mainichi.jp/articles/20171027/k00/00e/040/327000c 
  26. ^ “地毛茶髪の女子生徒に「黒髪強要」 賠償求め提訴”. テレビ朝日. (2017年10月27日). http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000113196.html 
  27. ^ “「黒髪強要」女子高生が提訴”. FNN. (2017年10月27日). http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00374731.html 
  28. ^ “女子高生「黒髪強要」訴訟”. 産経新聞. (2017年10月27日). https://www.sankei.com/article/20171027-25UFZ42CL5LX7DBGCA3SK3EOXY/ 
  29. ^ “「黒染め強要」訴訟 大阪府に33万円賠償命令 大阪地裁”. 産経新聞. (2021年2月16日). https://www.sankei.com/west/news/210216/wst2102160012-n1.html 2021年2月16日閲覧。 
  30. ^ “髪黒染め訴訟、元生徒側が上告 茶髪禁じる校則「違憲」 大阪”. 時事通信社. (2021年11月11日). https://news.yahoo.co.jp/articles/0cc985c84c6887dc99835379e3a3378490214f63 2021年11月11日閲覧。 
  31. ^ 黒染め校則「適法」確定 元生徒側上告退ける―最高裁”. 時事通信 (2022年6月17日). 2022年6月17日閲覧。

関連項目

外部リンク