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1958年のセッションを中心としたアルバム。特に1958年のセッションは『[[カインド・オブ・ブルー]]』参加メンバーによるスタジオセッションとなる。これらの楽曲は1958年当時レコーディングこそされたものの結果的にお蔵入りとなり、正式なアルバムに収録されることはなかった。その後10年以上が経過し、1979年にCBSソニーが発表した過去のお蔵入り音源を収録した編集盤『サークル・イン・ザ・ラウンド』や、日本CBSソニー企画編集のLP『マイルス・デイビス・クインテット&セクステット』([[1973年]])などでようやく陽の目を見ることとなったが、これらは1曲単位で断片的に収録されていたため、1958年の一連のセッションの音源を網羅するには複数のアルバムを聴く必要があった。それを集約したのが日本編集の本作で、これまで様々なアルバムに散在していた楽曲を同時期のセッション単位で収録しているため、オムニバス作品でありながら一つの単独アルバムの趣を持った作品となっている<ref name="liner">原田充による日本盤CD(SICP-966)ライナーノーツより</ref>。< |
1958年のセッションを中心としたアルバム。特に1958年のセッションは『[[カインド・オブ・ブルー]]』参加メンバーによるスタジオセッションとなる。これらの楽曲は1958年当時レコーディングこそされたものの結果的にお蔵入りとなり、正式なアルバムに収録されることはなかった。その後10年以上が経過し、1979年にCBSソニーが発表した過去のお蔵入り音源を収録した編集盤『サークル・イン・ザ・ラウンド』や、日本CBSソニー企画編集のLP『マイルス・デイビス・クインテット&セクステット』([[1973年]])などでようやく陽の目を見ることとなったが、これらは1曲単位で断片的に収録されていたため、1958年の一連のセッションの音源を網羅するには複数のアルバムを聴く必要があった。それを集約したのが日本編集の本作で、これまで様々なアルバムに散在していた楽曲を同時期のセッション単位で収録しているため、オムニバス作品でありながら一つの単独アルバムの趣を持った作品となっている<ref name="liner">原田充による日本盤CD(SICP-966)ライナーノーツより</ref>。<br /> |
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1979年に、このアルバムがLPにて初めて発売された<ref>レコード番号:20AP 1401</ref>時は、全曲モノラル音源にて発売されたが、1990年代後半、[[コロムビア・レコード|米コロムビア=CBS]]に残っている、マイルスと[[ジョン・コルトレーン]]が共演したセッションの全録音(別テイク含む)を集めた「マイルス&コルトレーンBOX」<ref>日本ではソニーミュージックから6枚組のCDで、[[2000年]][[3月15日]]に、CD番号:SRCS-2223~8にて発売された。</ref>の発売を企画するにあたり、2人が共演した全セッションの中で、企画時に、1958年に録音された分のほとんどのオリジナル・テープが行方不明だった為(このアルバムの同年収録分に於いては全て)、探し出した結果、3トラック・ステレオのオリジナル・マルチ・テープが発見され、このBOXでは、それらからステレオにてリミックスされた音源を初めて収録。これを受け、当アルバムも、このBOXが発売された後は、1958年の録音分については、ステレオ・バージョンの音源に替わり、更にほとんどの再発にて、2曲の別テイクによる追加収録がされる様になった。<ref>この新仕様による初の発売は、日本ではソニーミュージックから[[2001年]][[5月23日]]に、CD番号:SRCS-9744で発売されたのが最初である。</ref> |
1979年に、このアルバムがLPにて初めて発売された<ref>レコード番号:20AP 1401</ref>時は、全曲モノラル音源にて発売されたが、1990年代後半、[[コロムビア・レコード|米コロムビア=CBS]]に残っている、マイルスと[[ジョン・コルトレーン]]が共演したセッションの全録音(別テイク含む)を集めた「マイルス&コルトレーンBOX」<ref>日本ではソニーミュージックから6枚組のCDで、[[2000年]][[3月15日]]に、CD番号:SRCS-2223~8にて発売された。</ref>の発売を企画するにあたり、2人が共演した全セッションの中で、企画時に、1958年に録音された分のほとんどのオリジナル・テープが行方不明だった為(このアルバムの同年収録分に於いては全て)、探し出した結果、3トラック・ステレオのオリジナル・マルチ・テープが発見され、このBOXでは、それらからステレオにてリミックスされた音源を初めて収録。これを受け、当アルバムも、このBOXが発売された後は、1958年の録音分については、ステレオ・バージョンの音源に替わり、更にほとんどの再発にて、2曲の別テイクによる追加収録がされる様になった。<ref>この新仕様による初の発売は、日本ではソニーミュージックから[[2001年]][[5月23日]]に、CD番号:SRCS-9744で発売されたのが最初である。</ref> |
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2022年6月29日 (水) 00:06時点における版
1958マイルス(1958 Miles)は、ジャズ・トランペット奏者マイルス・デイヴィスが、1955年から1958年に録音し、その後1979年にCBSソニーから発表したアルバム。
概要
1958年のセッションを中心としたアルバム。特に1958年のセッションは『カインド・オブ・ブルー』参加メンバーによるスタジオセッションとなる。これらの楽曲は1958年当時レコーディングこそされたものの結果的にお蔵入りとなり、正式なアルバムに収録されることはなかった。その後10年以上が経過し、1979年にCBSソニーが発表した過去のお蔵入り音源を収録した編集盤『サークル・イン・ザ・ラウンド』や、日本CBSソニー企画編集のLP『マイルス・デイビス・クインテット&セクステット』(1973年)などでようやく陽の目を見ることとなったが、これらは1曲単位で断片的に収録されていたため、1958年の一連のセッションの音源を網羅するには複数のアルバムを聴く必要があった。それを集約したのが日本編集の本作で、これまで様々なアルバムに散在していた楽曲を同時期のセッション単位で収録しているため、オムニバス作品でありながら一つの単独アルバムの趣を持った作品となっている[1]。
1979年に、このアルバムがLPにて初めて発売された[2]時は、全曲モノラル音源にて発売されたが、1990年代後半、米コロムビア=CBSに残っている、マイルスとジョン・コルトレーンが共演したセッションの全録音(別テイク含む)を集めた「マイルス&コルトレーンBOX」[3]の発売を企画するにあたり、2人が共演した全セッションの中で、企画時に、1958年に録音された分のほとんどのオリジナル・テープが行方不明だった為(このアルバムの同年収録分に於いては全て)、探し出した結果、3トラック・ステレオのオリジナル・マルチ・テープが発見され、このBOXでは、それらからステレオにてリミックスされた音源を初めて収録。これを受け、当アルバムも、このBOXが発売された後は、1958年の録音分については、ステレオ・バージョンの音源に替わり、更にほとんどの再発にて、2曲の別テイクによる追加収録がされる様になった。[4]
収録曲
A面曲全てとB面の「ラヴ・フォー・セール」、さらにCD盤追加収録の「フラン・ダンス」の別テイクは1958年5月26日のセッション、B面の「リトル・メロネー」は『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』と同時期の1955年10月26日のセッション、CD盤追加収録の「リトル・メロネー」の別テイクは『マイルストーンズ』と同時期の1958年3月4日のセッションのもので、それぞれ演奏メンバーが異なる。当初「リトル・メロネー」は1955年の録音にマイルスが自分のソロ部分のみ吹き直して1958年に再録音したものと思われていたが、その後全くの別録音という事実が判明し[1]、現行のCDでは1958年の別テイクと併せて収録されている。なお、1955年録音の「リトル・メロネー」のみモノラル録音。
- A面
- オン・グリーン・ドルフィン・ストリート - On Green Dolphin Street (Kaper, Washington)
- フラン・ダンス - Fran-Dance (Davis)
- 星影のステラ - Stella By Starlight (Young, Washington)
- B面
- ラヴ・フォー・セール - Love For Sale (Porter)
- リトル・メロネー - Little Melonae (Mclean)
- CD盤追加収録
- リトル・メロネー - Little Melonae(別テイク)
- フラン・ダンス - Fran-Dance(別テイク)
演奏メンバー
- マイルス・デイヴィス - トランペット
- ジョン・コルトレーン - テナー・サックス
- キャノンボール・アダレイ - アルト・サックス
- ビル・エヴァンス - ピアノ
- レッド・ガーランド - ピアノ
- ポール・チェンバース - ベース
- ジミー・コブ - ドラムス
- フィリー・ジョー・ジョーンズ - ドラムス
その他エピソード
本作のジャケットは日本人の池田満寿夫によりデザインされており、この時期にレコーディングされ発売された作品群とは異なる仕上がりとなっている。