「ボウモア蒸溜所」の版間の差分
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{{Infobox Scottish Distillery |
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[[File:Morrison Bowmore, Islay.jpg|thumb|250px|right|ボウモア蒸留所外観]] |
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| name = ボウモア蒸留所<br/>Bowmore Distillery |
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[[ファイル:Distilleries Islay.png|thumb|250px|right|ボウモア蒸留所はアイラ島のLoch Indaalを望む位置に建つ(図の中央部)]] |
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| type = Islay{{sfn|土屋守|2021|p=66}} |
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'''ボウモア蒸留所'''(ボウモアじょうりゅうじょ)は、[[ビーム サントリー]]が保有する[[スコットランド]]の[[アイラ島]]の[[ボウモア]]にある[[ウイスキー]]蒸留所である。 |
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| logo = |
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| logo_size = |
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| logo_alt = |
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| logo_caption = |
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| image = Morrison Bowmore, Islay.jpg |
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| image_size = 300 |
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| caption = {{Infobox mapframe|zoom=14|frame-width=300|type=point|id=Q51905}} |
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| location = [[アイラ島]][[ボウモア]]{{sfn|土屋守|2021|p=66}} |
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| coordinates = {{Coord|55|45|25.7|N|6|17|23.44|W|region:GB_type:landmark|display=inline,title}} |
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| owner = [[ビーム サントリー]]{{sfn|土屋守|2021|p=67}} |
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| founded = {{Start date|1779}}{{sfn|土屋守|2021|p=67}} |
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| founder = デイビッド・シンプソン{{sfn|土屋守|2021|p=66}} |
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| architect = |
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| status = 稼働中 |
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| source = {{仮リンク|ラーガン川|en|River_Laggan}}{{sfn|土屋守|2021|p=67}} |
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| stills = {{Ubl|[[スコッチ・ウイスキー#蒸留|初留器]] 2基{{sfn|土屋守|2021|p=67}}|[[スコッチ・ウイスキー#蒸留|再留器]] 2基{{sfn|土屋守|2021|p=67}}}} |
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| capacity = 年間200万リットル{{Refnest|group="注釈"|name="alcohol"|100%アルコール換算{{sfn|土屋守|2021|p=10}}。}}{{sfn|土屋守|2021|p=67}} |
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| mothballed = <!-- date, if it is no longer in use --> |
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| demolished = <!-- date, if it has been demolished --> |
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| website = {{URL|https://www.suntory.co.jp/whisky/bowmore/|ボウモア|サントリーウイスキー}} |
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| brand_1 = |
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| type_1 = |
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| age_1 = |
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| cask_1 = |
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| abv_1 = |
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| taste_1 = |
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}} |
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[[ファイル:Distilleries Islay.png|thumb|250px|right|ボウモア蒸留所はアイラ島のインダール湾を望む位置に建つ(図の中央部)]] |
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== 概要 == |
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{{節スタブ}} |
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ボウモア蒸留所は、多くのシングルモルト・ウイスキー蒸留所のあるアイラ島の中でも最古である<ref name="nagai2006p55">{{Cite book|和書|title=ビール最終戦争|author=永井隆|authorlink=永井隆 (ジャーナリスト)|date=2006-07-01|edition=第1刷|id=ISBN 4-532-19347-8|publisher=日本経済新聞社|series=日経ビジネス人文庫|page=55|chapter=第2章 各社、総合酒類化へ}}</ref>。アイラ島の蒸留所の中で唯一[[エリザベス2世]]女王が訪問<ref name="noji2001p8889">{{Cite book|和書|title=サービスの達人たち|author=野地秩嘉|publisher=新潮社|series=新潮OH!文庫|id=4-10-290124-8|pages=88-89|chapter=チーフブレンダーの技と素顔|date=2001-10-10}}<!-- 1999-03刊行「日本のおかま第一号」(メディアファクトリー)の改題、再構成。この章の初出は「サントリークォータリー」97年54号 --></ref>。その時には専用のウイスキー樽を作って歓迎、その後も倉庫の奥に飾っている<ref name="noji2001p8889"/>。 |
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'''ボウモア蒸留所'''(ボウモアじょうりゅうじょ、'''Bowmore Distillery''')は、[[スコットランド]]の[[アイラ島]]の[[ボウモア]]にある[[スコッチ・ウイスキー]]の蒸留所。 |
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操業開始は1779年<ref name="nagai2006p55"/><ref name="noji2001p82">{{Cite book|和書|title=サービスの達人たち|author=野地秩嘉|publisher=新潮社|series=新潮OH!文庫|id=4-10-290124-8|page=82|chapter=チーフブレンダーの技と素顔|date=2001-10-10}}<!-- 1999-03刊行「日本のおかま第一号」(メディアファクトリー)の改題、再構成。この章の初出は「サントリークォータリー」97年54号 --></ref>。しかし、経営が悪化してからはオーナーが替わりつづけた<ref name="nagai2006p55"/>。[[1989年]]、日本の酒類メーカー[[サントリー|サントリー(現:サントリーホールディングス)]]によって30%の資本参入を経て、[[1994年]]には完全子会社化<!-- 7月という情報は一旦削る。検証可能性を満たす資料があれば今の出典を置き換えてください。 --><ref name="nagai2006p55"/>。以降サントリーがボウモア蒸留所のオーナーである。サントリーが資本参入する前は、経営が悪化していたため蒸留はあまりしておらず、[[エイジング|熟成]]に用いる樽も古いものを再利用していた<ref name="nagai2006p61">{{Cite book|和書|title=ビール最終戦争|author=永井隆|authorlink=永井隆 (ジャーナリスト)|date=2006-07-01|edition=第1刷|id=ISBN 4-532-19347-8|publisher=日本経済新聞社|series=日経ビジネス人文庫|page=61|chapter=第2章 各社、総合酒類化へ}}</ref>。サントリーは資本参入後、経営の建て直しを実施した<ref name="nagai2006p61"/>。 |
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==歴史== |
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ボウモア蒸留所では、ピート([[泥炭]])の影響の濃いラーガン川を仕込み水の水源とし、[[バーボン・ウイスキー|バーボン]]樽や[[オロロソ・シェリー]]樽による熟成を行う。樽の熟成庫は、海に面し、一部は海水面より下にある。サントリーはボウモアを「[[アイラモルト]]の女王」と表現する。 |
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ボウモア蒸留所は、アイラ島の商人、デイビッド・シンプソンによって1779年に設立された{{sfn|土屋守|2021|p=66}}。多くの蒸留所があるアイラ島の中でも最古の歴史を持ち{{sfn|永井隆|2006|p=55}}、現存するスコッチウイスキーの蒸留所としても{{仮リンク|グレンタレット蒸留所|en|Glenturret_distillery}}{{Refnest|group="注釈"|1775年創業{{sfn|土屋守|2021|p=175}}。}}に次ぐ2番目の古さである{{sfn|土屋守|2021|p=66}}。なお「ボウモア」は[[ゲール語]]で「大きな[[岩礁]]」を意味する{{sfn|土屋守|1995|p=46}}。 |
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経営が悪化してからはオーナーが替わり続け{{sfn|永井隆|2006|p=55}}、1837年にジェームズ&ウィリアム・マッター社に、1892年にイングランドの起業家グループが設立したボウモアディスティラリー社に、1925年にJ・B・シェリフ社に、1949年にグリコール社に、1963年にスタンレー・P・モリソン社へと所有権が移った{{Sfn|土屋守|渋谷寛|2021|p=10}}{{sfn|盛岡スコッチハウス|2017|p=145}}。モリソン社は翌1964年に蒸留所を拡張して増産を始める。この1964年蒸溜の原酒は「奇跡のヴィンテージ」と呼ばれて高く評価されている{{sfn|盛岡スコッチハウス|2017|p=145}}。それまで[[スコッチ・ウイスキー#単式蒸留器|ポットスチル]]の加熱は石炭直火式で行われていたが、この拡張によって蒸気式に変更された<ref name="007_2"/>。なお、[[第二次世界大戦]]中には英海軍の飛行艇の訓練基地として使われていた{{sfn|土屋守|2021|p=69}}。 |
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[[2014年]]にサントリーホールディングスがビーム社を買収、ビーム社はビーム サントリーと改称した。現在はサントリーホールディングスがビーム サントリーを介してボウモア蒸留所を所有している。 |
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その後ふたたび経営が悪化したため、蒸留はあまりしておらず、[[エイジング|熟成]]に用いる樽も古いものを再利用するような状況だったが{{sfn|永井隆|2006|p=61}}、1989年に[[日本]]の酒類メーカー[[サントリー|サントリー(現:サントリーホールディングス)]]による30%の資本参入を経て{{sfn|永井隆|2006|p=55}}、1994年7月に完全子会社化される{{sfn|土屋守|1995|p=46}}。以降サントリーがボウモア蒸留所のオーナーである。サントリーは資本参入後、経営の建て直しを実施した{{sfn|永井隆|2006|p=61}}。サントリーがオーナーであることから、日本から輸出される[[山崎 (ウイスキー)|山崎]]ならびに[[白州 (ウイスキー)|白州]]のイギリス国内の発売元も担当している{{Sfn|和智英樹|高橋矩彦|2021|p=104}}。2014年にはサントリーがビーム社を買収したため、ボウモアを含むスピリッツ事業は[[ビーム サントリー]]に移管された<ref>{{Cite web|url=https://www.ryutsuu.biz/backnumber/strategy/mn2646-3.html |title=サントリー/米ビーム社の株式取得完了、社名をビームサントリーに|date=2014-05-01 |accessdate=2022-11-07|publisher=流通ニュース }}</ref>。 |
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前述のとおり、サントリーがオーナーである事から、日本から輸出される[[山崎 (ウイスキー)|山崎]]ならびに[[白州 (ウイスキー)|白州]]や[[響 (ウイスキー)|響]]のイギリス国内の発売元も担当している。 |
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==製造== |
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=== シングルモルトウイスキー「ボウモア」 === |
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[[File:Scotland Argyll Bute Islay Bowmore Distillery 02.jpg|thumb|250px|right|特徴的な双塔のキルン塔。画像中央上部。]] |
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{{酒概要 |
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| 名前=ボウモア |
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現在でも[[スコッチ・ウイスキー#製麦|フロアモルティング]]による[[スコッチ・ウイスキー#製麦|製麦]]を自社で行っている珍しい蒸溜所で{{sfn|土屋守|2021|p=66}}、使用する麦芽のおよそ30%が賄われている{{sfn|土屋守|2021|p=67}}。[[フェノール]]値は25~30 ppmと{{sfn|土屋守|2021|p=66}}、アイラ島のウイスキーとしては平凡な数値である{{sfn|土屋守|2021|p=67}}。残りの70%は[[イギリス]]本土の業者であるシンプソンズ社から仕入れている{{sfn|土屋守|2021|p=67}}。 |
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| 画像=[[ファイル:Bowmore2.jpg|150px]] |
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| 分類1=スコッチウイスキー |
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製麦に使用するピートは自社で切り出したもの。[[ラフロイグ|ラフロイグ蒸溜所]]などが使う海辺近くで採掘されたヨード臭(海っぽさ)の強いピートとは異なり、島の中央部の高台で採掘するため、やや乾いたような穏やかなピートスモークが特徴である{{sfn|土屋守|2021|p=66}}。 |
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| 分類2=シングルモルト |
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| アルコール度数=43度 |
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[[File:By The Laggan River - geograph.org.uk - 1166986.jpg|thumb|250px|right|ラーガン川。仕込み水に使われる。]] |
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| 主原料=大麦、酵母 |
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| 副原料= |
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仕込みの工程では、1回あたり8トンの麦芽(うち2.5トンは自家製の麦芽)を使う{{sfn|土屋守|2021|p=67}}。仕込みに用いる水はアイラ島最大の川である{{仮リンク|ラーガン川|en|River_Laggan}}から採取している{{sfn|土屋守|1995|p=46}}。この川は鉄分を含む岩から湧出しており、かつ土壌からピートの成分を取り込むため{{Sfn|マイケル・ジャクソン|2021|p=130}}、色は黒く、かなりピートの風味も強い{{Sfn|和智英樹|高橋矩彦|2021|p=107}}。 |
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| 原産国=イギリス(スコットランド) |
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| 原産地=アイラ島 |
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[[スコッチ・ウイスキー#仕込み|マッシュタン]]は[[ステンレス]]製で{{Sfn|和智英樹|高橋矩彦|2021|p=107}}、過去に{{仮リンク|ジュラ蒸留所|en|Jura distillery}}で使われていた。1回あたり4万リットルの麦汁ができる{{sfn|土屋守|2021|p=68}}。 |
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| 製造元=ボウモア蒸留所(ビーム サントリー) |
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| 販売元=[[サントリー酒類]](二代目)<br/> ({{JPN}}) |
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[[発酵]]に使う[[スコッチ・ウイスキー#発酵|ウォッシュバック]]はオレゴンパイン製のものが6基あり{{Sfn|和智英樹|高橋矩彦|2021|p=107}}、1回の仕込みでできた麦汁を1基のウォッシュバックに移して発酵される{{sfn|土屋守|2021|p=68}}。発酵時間は60時間と90時間の2パターンだが{{sfn|土屋守|2021|p=68}}、できあがる[[もろみ]]のアルコール度数はいずれも約8%{{Sfn|土屋守|渋谷寛|2020|p=10}}。 |
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| 色=褐色(透明) |
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| 蒸留= |
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蒸留に用いられるポットスチルは初留器{{Refnest|group="注釈"|容量30,940リットル{{sfn|土屋守|渋谷寛|2021|p=107}}。}}、再留器{{Refnest|group="注釈"|容量14,750リットル{{sfn|土屋守|渋谷寛|2021|p=107}}。}}それぞれ2基ずつあり{{sfn|土屋守|2021|p=68}}、どちらも[[スコッチ・ウイスキー#単式蒸留器|ストレートヘッド型]]である{{sfn|土屋守|渋谷寛|2020|p=107}}。冷却機構は一般的な[[スコッチ・ウイスキー#cite_note-152|シェル&チューブ]]を用いている{{sfn|土屋守|2021|p=68}}。特筆すべきこととして、再留時の[[スコッチ・ウイスキー#蒸留|ミドルカット]]が71-68.8%と短め{{Refnest|group="注釈"|同じくアイラ島のウイスキーである{{仮リンク|ラガヴーリン蒸留所|en|Lagavulin distillery}}のミドルカットは70~60%{{sfn|土屋守|2021|p=207}}、[[ラフロイグ|ラフロイグ蒸留所]]は72~61%{{sfn|土屋守|2021|p=212}}である。}}であり、アイラ島のウイスキーとしてはフェノール香が控えめになっている{{Refnest|group="注釈"|フェノール香は再留の後半になるほど強く出てくる。}}{{sfn|土屋守|2021|p=68}}。 |
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| 熟成=バーボン樽・シェリー樽 12〜37年 |
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| 呼称統制= |
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生産能力は年間約200万リットル{{Refnest|group="注釈"|name="alcohol"}}{{sfn|土屋守|2021|p=68}}。 |
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| 格付け= |
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| 備考= |
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[[File:Bowmore Distillery - panoramio (6).jpg|thumb|250px|right|壁面に"BOWMORE"と書いてある建物が第一熟成庫。]] |
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樽詰め度数は63.5%{{sfn|土屋守|2021|p=68}}で、原酒のうちおよそ3割はシェリー樽によって熟成される{{Sfn|マイケル・ジャクソン|2021|p=130}}。熟成庫はダンネージ式2棟とラック式1棟がある{{sfn|土屋守|2021|p=68}}。 |
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===第一貯蔵庫=== |
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第一貯蔵庫(No.1 Vaults)は、海にせり出すように建てられている熟成庫で{{sfn|土屋守|2021|p=68}}、壁面の下部はインダール湾の満潮時の海水面よりも低い「潮かぶり」の位置にある{{sfn|土屋守|2021|p=68}}<ref name="007_2">{{Cite web|url=http://whiskymag.jp/007_02/ |
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|title=ジェームズ・ボンドに捧げるウイスキー【後半/全2回 |date=2021-01-11 |accessdate=2022-11-08 |language=ja}}</ref>。内部はダンネージ式で、室内に湿気が籠もることから[[天使の取り分]]が少なく、長期間の熟成に向いているとされている<ref name="007_2"/>。 |
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また、近年では「ボウモア ヴォルト」や「ボウモア ナンバーワン」など、第一貯蔵庫で熟成させた原酒を使ったことを謳った商品が複数展開されている<ref>{{Cite press release|url=https://www.suntory.co.jp/news/article/12889.html |title=「ボウモア ヴォルト」数量限定新発売 |date=2017-04-14 |accessdate=2022-11-08 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite press release|url=https://www.suntory.co.jp/news/article/13133.html |title=「ボウモア ナンバーワン」新発売 |date=2018-03-13 |accessdate=2022-11-08 |language=ja}}</ref>。 |
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==製品== |
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=== 現行のラインナップ === |
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<!-- WP:NOTCATALOGに則って、日本語公式HPに記載が確認されていないボトルは掲載していません(免税品店向けなど) --> |
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; ボウモア 12年 |
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: バーボン樽原酒とシェリー樽原酒をブレンドした、蒸留所を代表するスタンダード製品。700 ml、40%<ref name="bowmore_official">{{Cite press release|url=https://www.suntory.co.jp/whisky/bowmore/products/ |title=ボウモア製品解説 ボウモア サントリー |accessdate=2022-12-03 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite press release|url=https://mukawa-spirit.com/?pid=118100084 |title=ボウモア 12年|武川蒸留酒販売 |accessdate=2022-12-03 |language=ja}}</ref>。 |
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; ボウモア 15年 |
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: バーボン樽で12年、オロロソシェリー樽で3年熟成させた原酒を使用している。700 ml、40%<ref name="bowmore_official"/>。 |
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; ボウモア 18年 |
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: シェリー樽原酒の割合を高めている。700 ml、40%<ref name="bowmore_official"/><ref>{{Cite press release|url=https://mukawa-spirit.com/?pid=132796847 |title=ボウモア 18年|武川蒸留酒販売 |accessdate=2022-12-03 |language=ja}}</ref> |
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; ボウモア ナンバーワン |
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: ファーストフィルのバーボン樽のみを使用し、第一貯蔵庫で熟成させた原酒を使用している<ref name="bowmore_official"/>。 |
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=== 主な限定品 === |
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<!-- WP:NOTCATALOGを重視して、2次出典が見つかり、かつ特筆すべき内容のある限定品以外は載せていません --> |
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; ブラックボウモア |
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: 1964年に蒸留され、ファーストフィルのオロロソシェリーバットで熟成された原酒のみをボトリングしたシリーズ<ref name="007_1">{{Cite web|url=http://whiskymag.jp/007_01/ |
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|title=ジェームズ・ボンドに捧げるウイスキー【後半/全1回】 |date=2021-01-11 |accessdate=2022-11-08 |language=ja}}</ref><ref name="007_2"/>。1993年に初めて29年熟成の「ファーストエディション」としてリリースされると、その後1994年に「セカンドエディション」、1995年に「ファイナルエディション」、2007年に「フォースエディション」、2016年に「ファイナルカスク」の計5種類、合計でおよそ6,000本がリリースされた<ref name="007_2"/><ref name="vague">{{Cite web|url=https://vague.style/post/19797 |
|||
|title=ボトル1本700万円!! アストンとボウモアのコラボウイスキーとは |date=2020-08-18 |accessdate=2022-12-03 |language=ja}}</ref>。2020年には自動車メーカー、[[アストンマーティン]]とのコラボで「ブラックボウモア DB5 1964」がリリースされた。これは蒸留所に1995年の「ファイナルエディション」が27本だけ残っており、それを特製ボトルに詰め替えて販売された。限定25本。価格は5万ポンド(およそ700万円)<ref name="vague"/><ref name="007_2"/>。本シリーズはコレクターズアイテムとして高い人気があり、2021年にオークション会社の[[サザビーズ]]でファーストエディションからファイナルカスクまでの5本セットが出品された際は、4,375,000[[香港ドル]](およそ7,500万円)で落札された<ref>{{Cite web|url=https://www.sothebys.com/en/digital-catalogues/rare-whisky-moutai-live-including-the-black-bowmore-archive-cabinet |title=Rare Whisky & Moutai Live|Including The Black Bowmore “Archive Cabinet” |accessdate=2022-12-03 |language=en}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://www.sothebys.com/en/buy/auction/2021/finest-rarest-wines-4/black-bowmore-archive-cabinet-5-bt |
|||
|title=Black Bowmore Archive Cabinet Direct From Bowmore (5 BT)|Rare Whisky & Moutai Live|Including The Black Bowmore “Archive Cabinet”|Sotheby's |accessdate=2022-12-03 |language=en |url-access=subscription }}</ref>。 |
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===使用されているブレンデッドウイスキー=== |
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*{{仮リンク|ビッグピート|en|Douglas Laing & Co#Big Peat}}{{sfn|土屋守|2014|pp=26-27}}([[スコッチ・ウイスキー#スコッチ・ウイスキーの種類|ブレンデッドモルト]]) |
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*ロブ ロイ(ROB ROY){{sfn|土屋守|2014|pp=134-135}} |
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==評価== |
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そのエレガントな風味から「アイラモルトの女王」と評され、アイラ島のシングルモルトでは[[ラフロイグ]]、[[ラガヴーリン]]に次ぐ販売量3位を誇っている{{sfn|土屋守|2021|pp=67-68}}。 |
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評論家の[[マイケル・ジャクソン (ライター)|マイケル・ジャクソン]]はボウモアのハウススタイルを「スモーキー、葉っぱのような特徴(シダ?)と海風の特徴をもつ。熟成年数の若いものは食前酒、長いものは食後酒。」と評している{{sfn|マイケル・ジャクソン|2005|p=142}}。 |
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また、アイラ島の蒸留所の中で唯一[[エリザベス2世]]女王が訪問しており<ref name="noji2001p8889">{{Cite book|和書|title=サービスの達人たち|author=野地秩嘉|publisher=新潮社|series=新潮OH!文庫|id=4-10-290124-8|pages=88-89|chapter=チーフブレンダーの技と素顔|date=2001-10-10}}<!-- 1999-03刊行「日本のおかま第一号」(メディアファクトリー)の改題、再構成。この章の初出は「サントリークォータリー」97年54号 --></ref>、その時には専用のウイスキー樽を作って歓迎、その後も倉庫の奥に飾っている<ref name="noji2001p8889"/>。一般に船舶や艦船の[[進水式]]、命名式では、[[シャンパン]]や[[ワイン]]のボトルを新しい船にぶつけて船と乗組員の安全を祈るが、[[2014年]]に行われた[[クイーン・エリザベス (空母)|空母クイーン・エリザベス]]の命名式ではボウモアが選ばれ、[[エリザベス2世]]の手により割られた<ref>{{Cite news|url=http://www.afpbb.com/articles/-/3019751?ctm_campaign=nowon|title=英女王、新空母に命名「クイーン・エリザベス」 英海軍最大|work=AFPBBNews|publisher=フランス通信社|date=2014-07-05|accessdate=2014-07-07}}</ref>。 |
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==注釈/脚注== |
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===注釈=== |
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{{Notelist}} |
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===脚注=== |
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{{Reflist|2}} |
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==参考文献== |
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* {{Cite book|和書 |
|||
|author = 土屋守 |
|||
|authorlink = 土屋守 |
|||
|year = 2021 |
|||
|title = 完全版 シングルモルトスコッチ大全 |
|||
|publisher = [[小学館]] |
|||
|isbn = 978-4093888141 |
|||
|ref = {{SfnRef|土屋守|2021}} |
|||
}} |
}} |
||
ボウモア蒸溜所で作られるシングルモルトウイスキーは「ボウモア」の名で流通している。日本では[[サントリースピリッツ]]が正規輸入元、[[サントリー酒類]](二代目)が販売元である。 |
|||
* {{Cite journal |和書 |
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==== テイスト ==== |
|||
|author = 土屋守 |
|||
{{節スタブ}} |
|||
|authorlink = 土屋守 |
|||
|author2 = 渋谷寛 |
|||
|title = アイラクロニクル2020 |
|||
|journal = Whisky Galore(ウイスキーガロア) |
|||
|volume = 22 |
|||
|publisher = ウイスキー文化研究所 |
|||
|date = 2020-10 |
|||
|pages = 4-57 |
|||
|asin = B08FV3VPJY |
|||
|ref = {{SfnRef|土屋守|渋谷寛|2020}} |
|||
}} |
|||
* {{Cite book|和書 |
|||
==== 製品ラインナップ ==== |
|||
|author = 土屋守 |
|||
* ボウモア 12年 |
|||
|authorlink = 土屋守 |
|||
* ボウモア 15年ダーケスト |
|||
|year = 2014 |
|||
* ボウモア 18年 |
|||
|title = ブレンデッドウィスキー大全 |
|||
* ボウモア 25年 |
|||
|publisher = [[小学館]] |
|||
* ボウモア シングルセレクト - 8年熟成の[[成城石井]]限定商品(現在は販売終了)<ref>{{Cite web|url=http://seijoishiiblog.com/?eid=12673|title=【成城石井公式ブログ】 成城石井 Top Buyer Blog {{!}} 成城石井オリジナル「ボウモア」新登場!!|date=2009-02-14|accessdate=2010-04-26|publisher=成城石井}}</ref>。 |
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|isbn = 978-4093883177 |
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* ボウモア スモールバッチ |
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* {{Cite book|和書 |
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==その他== |
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|author = 土屋守 |
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*船舶や艦船の[[進水式]]、命名式では、[[シャンパン]]や[[ワイン]]のボトルを新しい船にぶつけて船と乗組員の安全を祈るが、[[2014年]]に行われた[[クイーン・エリザベス (空母)|空母クイーン・エリザベス]]の命名式ではボウモアが選ばれ、[[エリザベス2世]]の手により割られた<ref>{{Cite news|url=http://www.afpbb.com/articles/-/3019751?ctm_campaign=nowon|title=英女王、新空母に命名「クイーン・エリザベス」 英海軍最大|work=AFPBBNews|publisher=フランス通信社|date=2014-07-05|accessdate=2014-07-07}}</ref>。 |
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== 脚注 == |
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|author = 永井隆 |
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|authorlink = 永井隆 (ジャーナリスト) |
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=== 出典 === |
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|year = 2006 |
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| author = 盛岡スコッチハウス |
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| title = スコッチ・オデッセイ ― 1971黄金の特級時代を想う Complete Edition |
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| author = 和智英樹 |
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| title = スコッチウィスキー 新時代の真実 世界的ブームの果てに残るもの |
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| date = 2021 |
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* {{Cite |和書 |
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| author = マイケル・ジャクソン |
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* {{Cite |和書 |
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| author = マイケル・ジャクソン |
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| authorlink = マイケル・ジャクソン (ライター) |
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| translator = 山岡秀雄,土屋希和子 |
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| title = モルトウイスキー・コンパニオン 改訂第5版 |
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==関連項目== |
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* [[ビーム サントリー]] |
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* [[ウイスキー]] |
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* [[スコッチ・ウイスキー]] |
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* [[スコッチ・ウイスキーの蒸留所一覧]] |
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* [[スコッチ・ウイスキーの銘柄一覧]] |
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== 外部リンク == |
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* [ |
* [https://www.suntory.co.jp/whisky/bowmore/ ボウモア サントリー(公式サイト)]{{ja icon}} |
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* [https://www.bowmore.com/ Bowmore Single Malt Scotch Whisky(公式サイト)]{{en icon}} |
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2022年12月14日 (水) 09:52時点における版
所在地 | アイラ島ボウモア[1] |
---|---|
座標 | 北緯55度45分25.7秒 西経6度17分23.44秒 / 北緯55.757139度 西経6.2898444度座標: 北緯55度45分25.7秒 西経6度17分23.44秒 / 北緯55.757139度 西経6.2898444度 |
所有者 | ビーム サントリー[2] |
創設 | 1779年[2] |
創設者 | デイビッド・シンプソン[1] |
現況 | 稼働中 |
水源 | ラーガン川[2] |
蒸留器数 | |
生産量 | 年間200万リットル[注釈 1][2] |
ウェブサイト | ボウモア|サントリーウイスキー |
ボウモア蒸留所(ボウモアじょうりゅうじょ、Bowmore Distillery)は、スコットランドのアイラ島のボウモアにあるスコッチ・ウイスキーの蒸留所。
歴史
ボウモア蒸留所は、アイラ島の商人、デイビッド・シンプソンによって1779年に設立された[1]。多くの蒸留所があるアイラ島の中でも最古の歴史を持ち[4]、現存するスコッチウイスキーの蒸留所としてもグレンタレット蒸留所[注釈 2]に次ぐ2番目の古さである[1]。なお「ボウモア」はゲール語で「大きな岩礁」を意味する[6]。
経営が悪化してからはオーナーが替わり続け[4]、1837年にジェームズ&ウィリアム・マッター社に、1892年にイングランドの起業家グループが設立したボウモアディスティラリー社に、1925年にJ・B・シェリフ社に、1949年にグリコール社に、1963年にスタンレー・P・モリソン社へと所有権が移った[7][8]。モリソン社は翌1964年に蒸留所を拡張して増産を始める。この1964年蒸溜の原酒は「奇跡のヴィンテージ」と呼ばれて高く評価されている[8]。それまでポットスチルの加熱は石炭直火式で行われていたが、この拡張によって蒸気式に変更された[9]。なお、第二次世界大戦中には英海軍の飛行艇の訓練基地として使われていた[10]。
その後ふたたび経営が悪化したため、蒸留はあまりしておらず、熟成に用いる樽も古いものを再利用するような状況だったが[11]、1989年に日本の酒類メーカーサントリー(現:サントリーホールディングス)による30%の資本参入を経て[4]、1994年7月に完全子会社化される[6]。以降サントリーがボウモア蒸留所のオーナーである。サントリーは資本参入後、経営の建て直しを実施した[11]。サントリーがオーナーであることから、日本から輸出される山崎ならびに白州のイギリス国内の発売元も担当している[12]。2014年にはサントリーがビーム社を買収したため、ボウモアを含むスピリッツ事業はビーム サントリーに移管された[13]。
製造
現在でもフロアモルティングによる製麦を自社で行っている珍しい蒸溜所で[1]、使用する麦芽のおよそ30%が賄われている[2]。フェノール値は25~30 ppmと[1]、アイラ島のウイスキーとしては平凡な数値である[2]。残りの70%はイギリス本土の業者であるシンプソンズ社から仕入れている[2]。
製麦に使用するピートは自社で切り出したもの。ラフロイグ蒸溜所などが使う海辺近くで採掘されたヨード臭(海っぽさ)の強いピートとは異なり、島の中央部の高台で採掘するため、やや乾いたような穏やかなピートスモークが特徴である[1]。
仕込みの工程では、1回あたり8トンの麦芽(うち2.5トンは自家製の麦芽)を使う[2]。仕込みに用いる水はアイラ島最大の川であるラーガン川から採取している[6]。この川は鉄分を含む岩から湧出しており、かつ土壌からピートの成分を取り込むため[14]、色は黒く、かなりピートの風味も強い[15]。
マッシュタンはステンレス製で[15]、過去にジュラ蒸留所で使われていた。1回あたり4万リットルの麦汁ができる[16]。
発酵に使うウォッシュバックはオレゴンパイン製のものが6基あり[15]、1回の仕込みでできた麦汁を1基のウォッシュバックに移して発酵される[16]。発酵時間は60時間と90時間の2パターンだが[16]、できあがるもろみのアルコール度数はいずれも約8%[17]。
蒸留に用いられるポットスチルは初留器[注釈 3]、再留器[注釈 4]それぞれ2基ずつあり[16]、どちらもストレートヘッド型である[19]。冷却機構は一般的なシェル&チューブを用いている[16]。特筆すべきこととして、再留時のミドルカットが71-68.8%と短め[注釈 5]であり、アイラ島のウイスキーとしてはフェノール香が控えめになっている[注釈 6][16]。
樽詰め度数は63.5%[16]で、原酒のうちおよそ3割はシェリー樽によって熟成される[14]。熟成庫はダンネージ式2棟とラック式1棟がある[16]。
第一貯蔵庫
第一貯蔵庫(No.1 Vaults)は、海にせり出すように建てられている熟成庫で[16]、壁面の下部はインダール湾の満潮時の海水面よりも低い「潮かぶり」の位置にある[16][9]。内部はダンネージ式で、室内に湿気が籠もることから天使の取り分が少なく、長期間の熟成に向いているとされている[9]。
また、近年では「ボウモア ヴォルト」や「ボウモア ナンバーワン」など、第一貯蔵庫で熟成させた原酒を使ったことを謳った商品が複数展開されている[22][23]。
製品
現行のラインナップ
- ボウモア 12年
- バーボン樽原酒とシェリー樽原酒をブレンドした、蒸留所を代表するスタンダード製品。700 ml、40%[24][25]。
- ボウモア 15年
- バーボン樽で12年、オロロソシェリー樽で3年熟成させた原酒を使用している。700 ml、40%[24]。
- ボウモア 18年
- シェリー樽原酒の割合を高めている。700 ml、40%[24][26]
- ボウモア ナンバーワン
- ファーストフィルのバーボン樽のみを使用し、第一貯蔵庫で熟成させた原酒を使用している[24]。
主な限定品
- ブラックボウモア
- 1964年に蒸留され、ファーストフィルのオロロソシェリーバットで熟成された原酒のみをボトリングしたシリーズ[27][9]。1993年に初めて29年熟成の「ファーストエディション」としてリリースされると、その後1994年に「セカンドエディション」、1995年に「ファイナルエディション」、2007年に「フォースエディション」、2016年に「ファイナルカスク」の計5種類、合計でおよそ6,000本がリリースされた[9][28]。2020年には自動車メーカー、アストンマーティンとのコラボで「ブラックボウモア DB5 1964」がリリースされた。これは蒸留所に1995年の「ファイナルエディション」が27本だけ残っており、それを特製ボトルに詰め替えて販売された。限定25本。価格は5万ポンド(およそ700万円)[28][9]。本シリーズはコレクターズアイテムとして高い人気があり、2021年にオークション会社のサザビーズでファーストエディションからファイナルカスクまでの5本セットが出品された際は、4,375,000香港ドル(およそ7,500万円)で落札された[29][30]。
使用されているブレンデッドウイスキー
評価
そのエレガントな風味から「アイラモルトの女王」と評され、アイラ島のシングルモルトではラフロイグ、ラガヴーリンに次ぐ販売量3位を誇っている[33]。
評論家のマイケル・ジャクソンはボウモアのハウススタイルを「スモーキー、葉っぱのような特徴(シダ?)と海風の特徴をもつ。熟成年数の若いものは食前酒、長いものは食後酒。」と評している[34]。
また、アイラ島の蒸留所の中で唯一エリザベス2世女王が訪問しており[35]、その時には専用のウイスキー樽を作って歓迎、その後も倉庫の奥に飾っている[35]。一般に船舶や艦船の進水式、命名式では、シャンパンやワインのボトルを新しい船にぶつけて船と乗組員の安全を祈るが、2014年に行われた空母クイーン・エリザベスの命名式ではボウモアが選ばれ、エリザベス2世の手により割られた[36]。
注釈/脚注
注釈
脚注
- ^ a b c d e f g h 土屋守 2021, p. 66.
- ^ a b c d e f g h i j 土屋守 2021, p. 67.
- ^ 土屋守 2021, p. 10.
- ^ a b c 永井隆 2006, p. 55.
- ^ 土屋守 2021, p. 175.
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- ^ 『「ボウモア ナンバーワン」新発売』(プレスリリース)2018年3月13日 。2022年11月8日閲覧。
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参考文献
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- 土屋守『ブレンデッドウィスキー大全』小学館、2014年。ISBN 978-4093883177。
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- 永井隆『ビール最終戦争』日本経済新聞社、2006年。ISBN 4-532-19347-8。
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- 和智英樹; 高橋矩彦『スコッチウィスキー 新時代の真実 世界的ブームの果てに残るもの』スタジオ タック クリエイティブ、2021年。ISBN 4-883-93886-7。
- マイケル・ジャクソン 著、山岡秀雄,土屋希和子 訳『モルトウイスキー・コンパニオン 改訂第7版』パイ・インターナショナル、2021年。ISBN 4-756-25390-3。
- マイケル・ジャクソン 著、山岡秀雄,土屋希和子 訳『モルトウイスキー・コンパニオン 改訂第5版』小学館、2005年。ISBN 4-09-387512-X。