「ゴジラ (架空の怪獣)」の版間の差分
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[[1954年]]公開のシリーズ第1作『[[ゴジラ (1954)|ゴジラ]]』における古生物学者・山根恭平博士([[志村喬]])の推論によると、[[ジュラ紀]]から[[白亜紀]]にかけて生息していた海棲爬虫類から陸上獣類に進化しようとする中間型の生物の末裔が、度重なる[[水素爆弾|水爆]]実験により安住の地を追い出され姿を現したものがゴジラである。(多くの解説文に核実験の放射線で[[恐竜]](ないしそれに準じた古生物)が変異した生物であると記述されているが、それは誤りである。(しかし、平成のゴジラVSシリーズでは、それを間違った推論として、元となった[[恐竜]][[ゴジラザウルス]]が登場している。詳しくは、下記)) |
[[1954年]]公開のシリーズ第1作『[[ゴジラ (1954)|ゴジラ]]』における古生物学者・山根恭平博士([[志村喬]])の推論によると、[[ジュラ紀]]から[[白亜紀]]にかけて生息していた海棲爬虫類から陸上獣類に進化しようとする中間型の生物の末裔が、度重なる[[水素爆弾|水爆]]実験により安住の地を追い出され姿を現したものがゴジラである。(多くの解説文に核実験の放射線で[[恐竜]](ないしそれに準じた古生物)が変異した生物であると記述されているが、それは誤りである。(しかし、平成のゴジラVSシリーズでは、それを間違った推論として、元となった[[恐竜]][[ゴジラザウルス]]が登場している。詳しくは、下記)) |
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ちなみに、熱線の表現や効果音は作品ごとに違いがあり、ガス状のものからレーザーのような熱線、スプレー缶を噴射しているようなものからガスバーナーのようなもの。中には「キーン」というジェットエンジンの排気音ようなものなど様々。後述の鳴き声同様比較してみるのも面白い。 |
ちなみに、熱線の表現や効果音は作品ごとに違いがあり、ガス状のものからレーザーのような熱線、スプレー缶を噴射しているようなものからガスバーナーのようなもの。中には「キーン」というジェットエンジンの排気音ようなものなど様々。後述の鳴き声同様比較してみるのも面白い。 |
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『[[ゴジラ対ヘドラ]]』においては、口から熱線を吐いた反動で後ろ向きに空を飛ぶという珍技を披露している(この行動に関しては、ファンの間では賛否がかなり極端に分かれている)。また、『[[ゴジラ×メガギラス G消滅作戦]]』では動きの素早いメガギラスを捕らえる為ハイジャンプもしている。「ゴジラ |
『[[ゴジラ対ヘドラ]]』においては、口から熱線を吐いた反動で後ろ向きに空を飛ぶという珍技を披露している(この行動に関しては、ファンの間では賛否がかなり極端に分かれている)。また、『[[ゴジラ×メガギラス G消滅作戦]]』では動きの素早いメガギラスを捕らえる為ハイジャンプもしている。「ゴジラ FINAL WARS」でも攻撃をかわすためアンギラスを踏み台にしてハイジャンプしている。 |
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体を張った攻撃ではほとんどの作品では噛み付き、引っかき、尾での攻撃、体当たりが使われている。しかし作品によってはパンチやキックも投げ技などが使われ、(馬乗りになって敵の頭部に叩き込む連続パンチ、[[キングギドラ]]や[[ガバラ]]との対決で見せた一本背負い、他にもカンガルーキック(『[[ゴジラ対メガロ]]』)、[[ドロップキック]](『ゴジラ対ヘドラ』に出る予定だったが劇場未公開)、[[ジャイアントスイング]](『ゴジラ対ヘドラ』)などの技を出したり、岩を投げたりもする。 |
体を張った攻撃ではほとんどの作品では噛み付き、引っかき、尾での攻撃、体当たりが使われている。しかし作品によってはパンチやキックも投げ技などが使われ、(馬乗りになって敵の頭部に叩き込む連続パンチ、[[キングギドラ]]や[[ガバラ]]との対決で見せた一本背負い、他にもカンガルーキック(『[[ゴジラ対メガロ]]』)、[[ドロップキック]](『ゴジラ対ヘドラ』に出る予定だったが劇場未公開)、[[ジャイアントスイング]](『ゴジラ対ヘドラ』)などの技を出したり、岩を投げたりもする。 |
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* [[帰ってきたウルトラマン]] ゴジラに似た[[アーストロン]]が登場した。 |
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* [[ウルトラマンネクサス]] - スペースビーストの[[スペースビースト#バグバズン|バグバズン]]の声がゴジラのものを使用している。 |
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* [[流星人間ゾーン]] - 東宝制作の特撮テレビドラマのためゴジラなどの怪獣がゲスト出演した。 |
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2006年11月17日 (金) 07:18時点における版
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ゴジラ (Godzilla) は、東宝映画『ゴジラ』シリーズに登場する、架空の怪獣である。その姿は昔の直立した姿で描かれた、ティラノサウルスなどの恐竜の復元図に似ており、いわゆる怪獣の代名詞的存在である。日本だけに収まらず世界各国で強い人気を誇る。異名は怪獣王(かいじゅうおう)。
注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
出自等の変遷
1954年公開のシリーズ第1作『ゴジラ』における古生物学者・山根恭平博士(志村喬)の推論によると、ジュラ紀から白亜紀にかけて生息していた海棲爬虫類から陸上獣類に進化しようとする中間型の生物の末裔が、度重なる水爆実験により安住の地を追い出され姿を現したものがゴジラである。(多くの解説文に核実験の放射線で恐竜(ないしそれに準じた古生物)が変異した生物であると記述されているが、それは誤りである。(しかし、平成のゴジラVSシリーズでは、それを間違った推論として、元となった恐竜ゴジラザウルスが登場している。詳しくは、下記))
「ゴジラ」の名は、ストーリー上では大戸島(架空)の伝説の怪獣「呉爾羅」に由来する。身長50メートル。この設定が1975年公開のシリーズ第15作『メカゴジラの逆襲』まで引き続く。
1984年公開のシリーズ第16作『ゴジラ』では第1作以外の作品を否定する設定を取り、身長が30メートル増えて80メートルに変更されている。又、『ゴジラvsキングギドラ』ではさらに詳細なゴジラの出自が明らかになる。すなわち、南方の孤島・ラゴス島に生息し続けていた恐竜ゴジラザウルスがビキニ環礁の水爆実験で発生した放射性物質を浴び怪獣化したというものであった。しかし、この事実が明らかになった後(映画後半)、水爆実験当時ラゴス島にいたゴジラザウルスは未来人によってベーリング海へ搬送。ここまで語られたゴジラの存在そのものを抹消する。しかしベーリング海で眠っていたこのゴジラザウルスが放射性廃棄物の影響で怪獣化。身長100メートルのゴジラとなり、以後、平成ゴジラシリーズに一旦幕を下ろした1995年公開のシリーズ第22作『ゴジラvsデストロイア』までこのゴジラが活動する。
しかし、『ゴジラvsデストロイア』以来4年ぶりに製作された1999年公開のシリーズ第23作『ゴジラ2000 ミレニアム』はシリーズ他作品との関係をきわめて曖昧にぼかしたものとなった。他のゴジラ映画とのつながりを感じさせる演出はないが、かといって他作品のストーリーを完全に否定する内容でもなかったのである。この曖昧さは、昭和の続きなのか平成vsシリーズの続きなのかという疑問を呼び、どちらでもない独立作という印象になってしまった。この作品で身長は55メートルに縮小した。これは、松井秀喜選手の背番号をとったものとされている。
ただし、翌年のシリーズ第24作『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』で二度目の、さらにシリーズ第25作『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』では三度目の第1作以外の否定を行い、身長は60メートルに設定された。3式機龍が登場する『ゴジラ×メカゴジラ』と『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』の二部作では四度目の第1作以外の否定を行っている。1999年以後の新世紀シリーズでは、上記の3式機龍の登場する2作が連続しているのを除き、全て第1作目以外を否定して、物語をリセットしている事になった。
最新作『ゴジラ FINAL WARS』では、身長が再び100メートルになっている。
ゴジラシリーズ(昭和)のゴジラ
『ゴジラ』(1954)
ジュラ紀から白亜紀にかけて生息していた水棲爬虫類と陸上獣類の中間生態を持つ生物が水爆実験によって放射能を帯びたとされる怪獣。太平洋上で船舶を襲った後、大戸島を経て東京に上陸する。オキシジェンデストロイヤーで溶解、骨になった。関連メディアなどでは初代ゴジラと呼ばれることが多い(略して初ゴジと呼ばれる場合もある)。
- 身長:50メートル
- 体重:2万トン
- 武器:白熱光
初代の解り易い特徴として、耳がある事は比較的有名である。耳が復活するのは"1984年版"以降となる。
『ゴジラの逆襲』以降
前作での山根博士が出現を懸念した二体目のゴジラ。岩戸島にてアンギラスと戦っているところを発見される。形状の違いやストーリー上の矛盾が存在するものの、『ゴジラの逆襲』から『メカゴジラの逆襲』までに登場したゴジラは同一個体とされており、便宜上二代目ゴジラと呼ばれる事が多い。
『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』『怪獣総進撃』『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』の三作では息子とされるミニラが登場する。
- 身長:50メートル
- 体重:2万トン
- 武器:放射能火炎
なお、二代目以降のゴジラは同一個体という設定であっても着ぐるみが何度も作り直されており、作品ごとに外見が異なる。そのため模型化される場合などは、登場した作品名や共演した怪獣に因んだ通称で呼び、区別している。
- 逆ゴジ:ゴジラの逆襲
- スマートな体型。大阪城でアンギラスと激しく戦う。アンギラスを倒した後、北方の島でジェット戦闘機群が氷河をミサイルで射撃して崩落させ、氷づけにされる。
- ジャイガンティスゴジラ
- 『ゴジラの逆襲』海外版追加撮影のために新造された着ぐるみであったが、企画中止のため幻の存在となった。現存する資料は1枚の写真のみだが、耳がなく、足の指が3本であることが確認でき、下記のキンゴジに何らかの影響を与えていると思われる。
- キンゴジ:キングコング対ゴジラ
- 逆ゴジに比べて太っており、また、顔つきもシャープな印象が強くなっている。前作まであった耳が外見上なくなり、足の指が4本から3本に変更されている(この特徴は『メカゴジラの逆襲』まで継続される)。北極海で氷山から復活し、熱海でキングコングと戦った末、組み合ったまま海へ落下する(なお、キングコングはその後浮上、故郷であるファロ島に帰ってゆく)。
- モスゴジ:モスラ対ゴジラ
- インファント島から流れてきたモスラの卵を襲おうとする。成虫モスラと戦い、鱗粉に苦しむもモスラの寿命が尽きる。生まれた幼虫モスラ2匹の糸でグルグル巻にされ海へ沈む(対怪獣戦での初敗北)。身体的特徴として「眉毛」のような突起物がある。
- 決戦ゴジ:三大怪獣 地球最大の決戦
- 復活したラドンと戦う。モスラに「一緒に戦おう」と言われるが「いつも我々をいじめてきた人類を守る必要はない」とラドンと共に拒否。しかし、後に協力し、ラドンとモスラと共にキングギドラを宇宙に追い返す。
- 着ぐるみはモスゴジと同一だが、頭部が改修され、若干柔らかい顔つきになっている。
- 大戦争ゴジ:怪獣大戦争
- X星人にラドンと共に宇宙に連れて行かれ、操られてキングギドラやラドンと一緒に地球で破壊行為を行なうが、人類の編み出した「Aサイクル」と呼ばれる一種の電磁波攻撃によりX星人が滅亡したため、コントロールが解け、ラドンと共にキングギドラと戦う。戦いに勝ったゴジラが当時大流行していた『おそ松くん』のシェーのポーズを披露することでも有名。
- 南海ゴジ:ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘
- なぜかレッチ島で眠っていた。エビラとの水中戦に苦しむも何とか倒す。
- 着ぐるみは大戦争ゴジを改造したものである。
- 息子ゴジ:怪獣島の決戦 ゴジラの息子
- ゾルゲル島でミニラが誕生。カマキラスやクモンガを倒す。他の作品に比べ柔和な顔つきをしており、首が長くなで肩である(なお、なで肩なのは、デザイン上の問題ではなく、着ぐるみ役者が途中で変更になり、サイズが合わなかったためである)。ミニラとの対比を強調するため、着ぐるみは若干大ぶりに作られている。
- 総進撃ゴジ:怪獣総進撃、ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃、ゴジラ対ヘドラ、地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン
- 『怪獣総進撃』では怪獣ランドの怪獣として登場し、キラアク星人に操られニューヨークを襲撃後、マンダ・モスラと共に東京を襲撃。富士のすそ野でマンダとバランを除く怪獣と協力し、キングギドラを倒す。
- 『オール怪獣大進撃』ではガバラにいじめられるミニラをスパルタ教育(?)する。ただしこの話は一郎少年の夢の中で繰り広げられるもので、全体的にメルヘンチックなつくりとなっている。
- 『対ヘドラ』ではヘドラの攻撃に苦戦する(左目を潰された上に、右腕も溶かされて骨が露出した)もヘドラの弱点を見つけた人間と協力(?)して倒す。ゴジラがその火炎を用いて後ろ向きに空を飛ぶシーンがあることで有名。
- 『対ガイガン』ではアンギラスを相棒としてキングギドラとガイガンと戦う。敗れそうになったが宇宙へ追い返す。また、この映画では、アンギラスとの会話(鳴き声)が日本語に翻訳され、漫画的な吹き出しで表示されるシーンがあるなど、他の作品とは異なる部分が多く、賛否両論である。
- メガロゴジ:ゴジラ対メガロ、ゴジラ対メカゴジラ、メカゴジラの逆襲
- それまでになく大きな目と湾曲した口が特徴で、今までのゴジラに比べて幼い顔つき(ミニラがゴジラになって日が早いからという説もある)。それゆえ厳しい評価をするファンが多い。
- 『対メガロ』ではジェットジャガーを援護し、メガロ、ガイガンと戦う。
- 『対メカゴジラ』では偽ゴジラ(メカゴジラ)の前に出現し、熱線を浴びせ正体を暴く。キングシーサーと共にメカゴジラに苦戦するが倒す。偽ゴジラには本物として使用されたものと、アトラクション用の着ぐるみが併用された。
- 『メカゴジラの逆襲』ではチタノザウルスとメカゴジラIIに前回以上に苦しみながらも倒す。
vsシリーズのゴジラ
『ゴジラ』 (1984) 以降
ラゴス島の恐竜ゴジラザウルスが水爆実験によって変貌したとされる怪獣。核物質をエネルギー源としている。『ゴジラ』(1984) 以降では二代目の存在はなかった事にされているが、シリーズを通して見る場合には便宜上三代目ゴジラと呼ばれる。『ゴジラ』(1984) のラストで三原山の火口に落ちるが、『ゴジラvsビオランテ』でテロリストが火口を爆破したため復活する。そしてゴジラ細胞から作られた抗核エネルギーバクテリアを打ち込まれ、ビオランテとの対決後に日本海で活動を停止する。その後『ゴジラvsキングギドラ』で未来人の手によってゴジラザウルスが移送されたため、その存在は消滅した。又、『ゴジラvsビオランテ』以降は体内放射を使うようになった。
- 身長:80メートル
- 体重:5万トン
- ゴジラが哺乳類型爬虫類であることを示す「耳」が復活し、足の指の本数も3本から4本へと戻った。
外見上は次のように区別される。
- 84ゴジ:ゴジラ
- 武器:放射熱線
- 「怖いゴジラ」への原点回帰を果たすべく、初代の特徴を踏まえつつ造型された着ぐるみは、三白眼の非情に怖い顔を持つ。
- 従来の着ぐるみでは難しい「表情の演技」を追及する為、コンピュータ制御で動くアップ撮影用「サイボットゴジラ」(全高4.7メートル)も製作され、話題となった。しかし、話題性や画面上の効果とは別に、「着ぐるみと似ていない」という根本的な問題を抱えていた。
- ビオゴジ:ゴジラvsビオランテ
- 武器:放射熱線、体内放射
- 前作と同一個体ではあるものの、本作から特技監督を務めた川北紘一の意向により、大幅にスタイルが変更され、より生物的なイメージが強調された。頭部が格段に小さくなり、瞳も黒目がちに。『vsビオランテ』の原案者が歯科医だったこともあり、鮫の歯を参考に2列の歯並びとなる。本作の造型デザインは様々なマイナーチェンジを受けつつ、『vsデストロイア』まで継承される。
『ゴジラvsキングギドラ』以降
『ゴジラvsキングギドラ』で未来人の手で移送されたゴジラザウルスがベーリング海で放射性廃棄物の影響で変貌、さらに原子力潜水艦の核エネルギーを吸収してさらに巨大化した姿。腰のあたりに第二の脳とも言うべき神経節があり、『ゴジラvsメカゴジラ』ではここを攻撃されて一度は活動停止に追い込まれた。また『ゴジラvsデストロイア』ではバース島の天然ウランが噴出した影響で体内の核物質が暴走し、皮膚が赤熱し、蒸気をもうもうと上げる異様な姿になった。
『ゴジラvsメカゴジラ』ではゴジラザウルスの一種であるベビーゴジラが登場し、『ゴジラvsスペースゴジラ』でのリトルゴジラを経て『ゴジラvsデストロイア』でゴジラと同型のゴジラジュニアに成長した。
- 身長:100メートル
- 体重:6万トン
外見上は次のように区別される。
- ギドゴジ:ゴジラvsキングギドラ
- ゴジラザウルスが変異した新たなゴジラで北海道を襲った。キングギドラを倒すが、メカキングギドラと対決。拘束されて共に海に沈む。
- 武器:放射熱線、体内放射
- バトゴジ:ゴジラvsモスラ
- インファント島から卵の状態で運ばれてくるモスラの卵を襲う。バトラと激しく戦うがマグマに飲み込まれる。その後、再び現れ、成虫モスラ、バトラと戦い、鱗粉で攻撃不能状態にされるもバトラを道連れに海へ沈んだ。
- 武器:放射熱線、体内放射
- ラドゴジ:ゴジラvsメカゴジラ
- 人間に見つかったベビーゴジラを追って出現。ラドンを倒す。スーパーメカゴジラの攻撃で戦闘不能状態にされるもファイヤーラドンの力をもらい復活。倒した後、ベビーゴジラを連れて帰る。
- 背びれの配置が少し変化している。
- 武器:放射熱線、ハイパーウラニウム放射熱線
- モゲゴジ:ゴジラvsスペースゴジラ
- バース島を襲いリトルゴジラを結晶体に閉じ込めたスペースゴジラを追って登場。福岡を舞台にMOGERAと共に戦う。スペースゴジラに苦戦するがMOGERAの援護をうけ撃退。リトルゴジラが待つバース島に帰る。
- 武器:放射熱線、バーンスパイラル熱線
- デスゴジ:ゴジラvsデストロイア
- 体内炉心の核エネルギーが暴走し、核爆発寸前。熱で体を赤く光らせ、蒸気を噴き出しながら香港を襲撃。東京でジュニアを倒したデストロイアと激しく戦う。最後はメルトダウンして消滅。そのエネルギーでジュニアは完全なゴジラになったように描かれるが定かではない。
- 本作のスーツは発光部分に860個の電球が使用されていて、重量は100kgを越える。スーツに埋め込まれた装置を作動させるため電源ケーブルを引きずり、映像処理で消して対処していた。ただでさえ重いスーツがさらに重くなり動きが非常に緩慢となったため、映画では撮影したものを早送り再生して撮影したと言う。蒸気は炭酸ガスを使用。ゴジラを演じた薩摩剣八郎がテスト中にスーツ内に充満したガスで倒れるハプニングもあった。
- 背びれの配列が変更になっている。
- 別名:バーニングゴジラ
- 武器:赤色熱線
ミレニアムシリーズのゴジラ
『ゴジラ2000 ミレニアム』
1954年に出現した初代ゴジラの後に日本に度々上陸しているゴジラ。細胞内に強力な再生能力を持つオルガナイザーG1という物質を含んでいる。オルガと戦い自分の体をコピーされ、飲み込まれそうになるが体内放射で倒し、新宿を火の海にした。体の色は黒に近い濃緑色で、口が大きめに造形されている。背びれは炎をイメージして巨大で鋭利になり、従来とは異なって紫がかった色になっている。基本デザインは西川伸司によるもの。通称ミレゴジ。
- 全高:55メートル
- 全長:122.5メートル
- 体重:2万5千トン
- 武器:放射熱線、体内放射
『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』
1954年に出現したゴジラがオキシジェンデストロイヤーで倒されずにそのまま生き延びたものである。その後、1966年にも一度、東海村に出現しているという設定。初代ゴジラとは形状が異なる。メガギラスと戦い、破った後、ディメンション・タイドによって消滅したかに見えたが、エンディングのあとにゴジラ出現を思わせる地震が起こる事から、恐らく地下に逃げて生存していたか、もう一頭のゴジラがいたか。通称ギラゴジ。
- 全高:55メートル
- 全長:122.5メートル
- 体重:2万5千トン
- 武器:放射熱線、火球
『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』
1954年に出現した個体以来50年ぶりに出現したゴジラ。民俗学者の伊佐山によれば太平洋戦争で犠牲になった人々の怨念の集合体といわれているが、実際のところは不明。今回は他の怪獣に対して圧倒的な強さを誇っていて、バラゴンを撃破した後、二体がかりで立ち向かってきたモスラ、キングギドラをも破った。その後、自身の体内に突入してきた潜水艇の攻撃で倒されるが、ラストでは心臓だけになっても生きていた。この後、恐らく復活するものと思われる。プロポーションはキンゴジに近いが、眼には黒目の部分がなく、白目をむいた状態である。なお、着ぐるみはバラゴンとの体格差を表現する為、若干大きめに作られている。通称GMKゴジ。
- 全高:60メートル
- 体重:3万トン
- 武器:放射熱線、引力放射熱線(対キングギドラ最終攻撃時)
機龍二部作
1954年に出現したゴジラと同種の生物で、特生自衛隊結成後始めて出現したゴジラ。1999年に房総半島に上陸、その後2003年に再び出現し3式機龍と戦う。アブソリュート・ゼロで氷漬けにされるがそれを砕いて反撃し、痛み分けに終わる(『ゴジラ×メカゴジラ』)。デザインはミレゴジからの流れを汲んでいるが、体の色は濃いグレーで、頭部や背びれはミレゴジより小さく造形されている。また、背びれの色も昭和のゴジラ同様の銀色となった。
2004年、東京に再上陸。胸部に1年前のアブソリュート・ゼロで受けた傷が残っている(この傷が弱点となり、機龍に徹底的にそこを攻撃された)。また、このシリーズでは「初代ゴジラの骨が3式機龍に使用されており、ゴジラは初代の骨を求めて出現した」とされている。成虫モスラと戦い、鱗粉に苦しむも足を引きちぎり、熱線で倒す。その後、現れた機龍のスパイラルクロウで体を貫かれ、怯んだ所を幼虫モスラの糸でグルグル巻きにされて動けなくなり、最終的には機龍と共に日本海溝に沈んだ(『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』)。
- 身長:55メートル
- 体重:2万5千トン
- 武器:放射熱線
外見上は次のように区別される。
- 機龍ゴジ:ゴジラ×メカゴジラ
-
- 別名釈ゴジ
- GMMGゴジ:ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS
『ゴジラ FINAL WARS』
地球環境が破壊されたことで出現した怪獣の一匹で最強の怪獣王と呼ばれる。かつて轟天号によって南極の氷の中に閉じ込められるが、X星人の操る怪獣達に対抗するため、新・轟天号のクルーらの手によって復活する。 デザインは全体的にシャープで精悍なイメージがある。背びれもミレニアムシリーズではなくvsシリーズの形に近い。 怪獣達との戦いに際しては強烈なハイキックを思わせる尻尾攻撃から熱線のコンビネーションや、果てはマウントパンチまでも繰り出すなど格闘色が強い。劇中ではほぼ向かうところ敵なしの強さを見せ、(モンスターX=カイザーギドラと改造ガイガン以外には苦戦すらしていない)最終決戦においてカイザーギドラを倒した後、ミニラと共に海へ帰った。通称GFWゴジ。
- 身長:100メートル
- 体重:5万5千トン
- 武器:放射熱線、ハイパースパイラル熱線(対隕石時)、バーニングGスパーク熱線(対カイザーギドラ最終攻撃時。赤い熱線)
本作ではミニラやハリウッド版『GODZILLA』のゴジラ(こちらは通称エメゴジ(ローランド・エメリッヒ版のゴジラ)、またはハリゴジ(ハリウッド版のゴジラ)、トラゴジ(映画制作会社のトライスター版ゴジラ)など)と同型の怪獣ジラも登場する。
ゴジラの技
ゴジラ最大の必殺技は背びれを光らせた後に口から放出する放射熱線であるが、これは作品ごとに威力や表現が異なる(基本は10万度の設定)。第一期の2作品までは白黒のため白熱光とされていたが、3作品目の『キングコング対ゴジラ』よりカラー化したため青い熱線として描かれるようになる。
- ちなみに熱線の色は、核反応の際に見られる「チェレンコフ光」を参考に決定されたと言われている。
初期の設定は、放射能を多量に含んだ息を吹きかけることによって対象物を発火させるというものだったが次第に発火ではなく爆発させるように変化していく。第二期後半では熱線が渦をまいていたり(1991年『ゴジラvsキングギドラ』にて)、通常より強力な赤色熱線(1993年『ゴジラvsメカゴジラ』では「ハイパーウラニウム熱線」、1994年『ゴジラvsスペースゴジラ』では「バーンスパイラル熱線」)も使用。『ゴジラvsデストロイア』では核エネルギーの暴走で赤い熱線しか使えなくなった。
また『ゴジラvsビオランテ』以降は格闘戦での切り札として熱線のエネルギーを全身の皮膚から放出する体内放射も見られる。『vsキングギドラ』や『vsモスラ』では攻撃不能状態になりながらも、至近距離で熱線を命中させ共に海へ落とす等、起死回生的な攻撃もしている。
第三期以降は熱線の威力は非常に強いが、放射までの背びれ発光時間が長く、熱線放射をする頻度は減ったが、格闘戦によるダイナミックな戦闘が見られた(『ゴジラ2000 ミレニアム』、『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』の2作品では通常でも赤色熱線を吐く描写が見られたが、それ以降の作品は青い熱線に戻っている)。第三期からはスーツの製造は外注であり、この格闘戦による激しいアクションを可能とするために軽量化が施されている。2004年の『ゴジラ FINAL WARS』では、ハイパースパイラル熱線(対隕石時)、バーニングGスパーク熱線(対カイザーギドラ最終攻撃時)も使用した。
ちなみに、熱線の表現や効果音は作品ごとに違いがあり、ガス状のものからレーザーのような熱線、スプレー缶を噴射しているようなものからガスバーナーのようなもの。中には「キーン」というジェットエンジンの排気音ようなものなど様々。後述の鳴き声同様比較してみるのも面白い。
『ゴジラ対ヘドラ』においては、口から熱線を吐いた反動で後ろ向きに空を飛ぶという珍技を披露している(この行動に関しては、ファンの間では賛否がかなり極端に分かれている)。また、『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』では動きの素早いメガギラスを捕らえる為ハイジャンプもしている。「ゴジラ FINAL WARS」でも攻撃をかわすためアンギラスを踏み台にしてハイジャンプしている。
体を張った攻撃ではほとんどの作品では噛み付き、引っかき、尾での攻撃、体当たりが使われている。しかし作品によってはパンチやキックも投げ技などが使われ、(馬乗りになって敵の頭部に叩き込む連続パンチ、キングギドラやガバラとの対決で見せた一本背負い、他にもカンガルーキック(『ゴジラ対メガロ』)、ドロップキック(『ゴジラ対ヘドラ』に出る予定だったが劇場未公開)、ジャイアントスイング(『ゴジラ対ヘドラ』)などの技を出したり、岩を投げたりもする。
格闘戦のオリジナル技としては、「ゴジラプレス」(『三大怪獣 地球最大の決戦』~)なる敵の体(もしくは尾)を掴んで空中に振り上げてから地面に何度も叩き付けるという荒技がある。そのため、ゴジラの腕力は非常に強い物と思われる。また、『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』ではこのときの特徴である大きく尖った鋭利な背びれを刃物のように使い、メガギラスの腕を斬っている。
空からの攻撃には弱く、モスラ(成虫)の鱗粉攻撃や、メガギラスには何度も苦しめられている。だが、真の意味での強敵は幼虫モスラであろう。ゴジラは成虫には何度か勝っているが幼虫に勝ったことはない。かといって負けてばかりでもないのだが。
『ゴジラ』舞台裏
企画が固まる以前
プロデューサー田中友幸はアメリカ映画『原子怪獣あらわる』をヒントに、恐竜型怪獣が暴れる映画を当初から構想していた。田中がすでに特殊技術で有名だった円谷英二にこの提案を持ちかけた時、円谷自身はインド洋で大蛸が漁船を襲うという怪獣映画を構想しており、二人の間で討議がなされた。結局田中案にもとづき恐竜型怪獣でいくことになった(というのが定説であるが、1959年の雑誌の対談で円谷英二は「自分が持っていたアイディアは深海に生き残っている原始怪獣の話だった」と語っているので、『ゴジラ』企画時点で大蛸にこだわっていたのかどうか疑問が残る)。また怪獣の描き方について、『キングコング』に魅了されていた円谷はモデルアニメーションによる撮影に意欲を見せたが予算の都合で着ぐるみによる撮影に決定。その後も円谷はモデルアニメーションにこだわり続けたらしいが、結局のところ当時あまり例のなかった着ぐるみ特撮の生々しい動きはかえって評判を呼ぶ結果となった。
デザイン
実際の映画企画上では、力強い「ゴリラ」と体の大きな「クジラ」を混合した造語“グジラ”から命名された(1954年当時、東宝本社にグジラと綽名された人物がおり、その語感を気に入った田中プロデューサーは、グジラをもじってゴジラとした)。またゴジラの容姿はティラノサウルスが、背びれのデザインはステゴサウルスがモデルになっている。映画第1作が制作された1954年頃にはティラノサウルスはゴジラのように直立した姿で復元されるのが普通だった(容姿はイグアノドンという例もある)。 皮膚はうろこ状、球状の突起物風など試行錯誤の後ワニをモチーフとしたギザギザ状が採用された。
ゴジラの声
有名なゴジラの鳴き声は、松ヤニをつけた革手袋でコントラバスをこすった音色をテープに録音し、これを手動で速度を調整しながらゆっくり逆回転再生した音である。この鳴き声だけはハリウッド版の『GODZILLA』も同じである。なお、これは『ゴジラ (1954)』作成の際に、音楽を担当した作曲家伊福部昭が足音とともに作成したもので、サウンドトラックCDに収録されている。また後の東宝映画、円谷作成の怪獣の声もこの手法を使用していた。
作品によって微妙に声質が違い、第1作から『ゴジラの逆襲』までは低く重い重低音だったが、『キングコング対ゴジラ』からは全体的に甲高くなり『メカゴジラの逆襲』まで使われることになる(テレビなどで効果音としてよく使われるゴジラの鳴き声はこのタイプ)。『ゴジラ (1984)』では初代に近い声に戻るが、『ゴジラvsモスラ』からはまた甲高くなると同時に、若干くぐもったようになる。ミレニアムシリーズの鳴き声は『vsモスラ』に近い状態ではあるが、鳴き声の中にうなり声(従来からうなり声はあったが、それが顕著になっている)のような音が混ざり、生物的な印象を強くしている。ちなみに、『ゴジラ FINAL WARS』では、タイトル直前の鳴き声で初代の物が使われている。パッと聞いただけでは同じように聞こえるが、よく聞き比べれば違いが分かるので、比べてみるのも面白い。
映画の殿堂入り
2004年11月29日、ハリウッドで殿堂入りを果たす。ゴジラのプレートは、それまでハリウッド大通りに埋め込まれていたが、除幕式が行われ、取り外された。殿堂入りしたキャラクターにはミッキーマウス、ドナルド・ダックがおり3例目。怪獣としてはもちろん、日本のキャラとしても初めてである。
関連項目
- ウルトラQ - ゴジラの着ぐるみを改造して角をつけたゴメスが登場した。
- ウルトラマン - ゴジラの着ぐるみ(頭部は大戦争ゴジ、体はモスゴジ)を改造して襟巻きをつけたジラースが登場した。
- 帰ってきたウルトラマン ゴジラに似たアーストロンが登場した。
- ウルトラマンネクサス - スペースビーストのバグバズンの声がゴジラのものを使用している。
- 流星人間ゾーン - 東宝制作の特撮テレビドラマのためゴジラなどの怪獣がゲスト出演した。
- 超星艦隊セイザーX - ゴジラに似た恐獣バードレスが登場した。
- 松井秀喜 - メジャーリーグ・ニューヨーク・ヤンキース所属のプロ野球選手。「ゴジラ」の愛称で呼ばれる。その縁で映画『ゴジラ×メカゴジラ』にゲスト出演した。
外部リンク
- 平成ゴジラスーツの歴史 - 平成VSシリーズのゴジラのスーツの造形についての詳細。