「迷宮組曲 ミロンの大冒険」の版間の差分
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2022年1月30日 (日) 02:35時点における版
ジャンル | アクションRPG[1] |
---|---|
対応機種 |
ファミリーコンピュータ (FC) 対応機種一覧
|
開発元 | ハドソン |
発売元 | ハドソン |
デザイナー | 笹川敏幸 |
シナリオ | 笹川敏幸 |
プログラマー | 笹川敏幸 |
音楽 |
国本剛章 井上大介 |
美術 | 笹川敏幸 |
シリーズ | ミロンのシリーズ |
人数 | 1人 |
メディア | 512キロビットロムカセット |
発売日 |
1986年11月13日 1988年9月 |
対象年齢 |
CERO:A(全年齢対象) ESRB:E(6歳以上) PEGI:3 |
コンテンツアイコン |
Comic Mischief |
その他 |
型式: HFC-KM NES-KM-USA |
『迷宮組曲 ミロンの大冒険』(めいきゅうくみきょく ミロンのだいぼうけん)は、1986年11月13日に日本のハドソンから発売されたファミリーコンピュータ用アクションRPG[1]。
主人公の「ミロン」を操作し、魔人マハリトを倒して楽器を取り戻し王女エルシラを救出する事を目的とした、いくつもの迷宮で構成された巨大な城を冒険するゲーム。「ミロン」と呼ばれるキャラクターを主人公としたシリーズの第1作となる。
「組曲」というタイトルが示すように「音楽」が重要な要素になっており、通常ステージのBGMのワルツを基調にした楽曲や、回数を重ねるごとに充実し最終的には7楽器によるアンサンブルへと発展していくボーナスステージのBGM[注釈 1]などの演出が特徴[2]。
開発はハドソンが行い、ゲーム・デザインおよびシナリオ、プログラムなどほぼ全てを笹川敏幸が手掛けており、音楽は国本剛章および井上大介が担当した。
シリーズの続編については#ミロンのシリーズ一覧を参照。
ゲーム内容
システム
ゲームは、舞台となる「ガーランド城」の外観から始まり、扉や窓からゲームの主な舞台となる様々な部屋に入ることができる。プレイヤーキャラクターの「ミロン」を操作し、いくつもの部屋をくぐり抜けながら城の最上階を目指し、魔人マハリトを倒し王女を救い出すのがゲームの目的となる。ミロンは城の外観では1キャラ分の小さな姿で、部屋の中では縦2キャラ分の大きな姿で表現される。
ミロンの基本アクションはジャンプ(Aボタン)とシャボン玉状の弾「バブル」の発射(Bボタン)で、バブルをぶつけて部屋の中や城の外観に登場する敵キャラクターを攻撃したり、部屋の中の隠された仕掛けを発見したりできる[2]。また、ミロンには「パワー」と呼ばれる体力が設定されており、敵キャラクターの攻撃を受けるたびに減っていき、0のときに攻撃を受けるとゲームオーバーとなる(ライフ制)。パワーは敵を倒すことで出現する青いハートを取るか、ショップで購入することで回復できる。
ミロンの耐久力が低くすぐゲームオーバーになることに加えて、セーブ機能が搭載されていないことから、当時のアクションゲームの例によって難易度はかなり高かった。救済措置としてコンテニューコマンドは用意されていたが、取扱説明書の片隅に分かりづらく記載されていたため、当時コマンドの存在を知る者はごく少数であった[2]。
アイテム
ゲームクリアのために必須なものは、薬、シューズ、ハンマー、ノコギリ、水筒、冠、杖である。
敵を倒すと手に入るアイテム
- ハート
- 体力を1目盛り回復させる。ザコ敵を倒した時に一定確率で出現。尚、体力満タン時状態かつバリアを張っている状態で取ると、バリアの防御力を回復させる効果もある。
- パラソル
- 敵を一定数(単発は10、2連射は14、3連射は18)倒すと必ず出現する。バブルを最大3連射できるようになる。他の部屋に入ると効果が消える(魔獣の部屋を除く)が、敵の撃破数はステージが変わっても持ち越しとなる。また、3連射の状態で取ると体力が1目盛り回復する。
- 風船
- 地下牢の部屋、および火の部屋の特定の敵を倒すと出現。取るとミロンがバブルに包まれ、井戸の外に脱出できる。
部屋の中に隠されているアイテム
- コイン
- 四角に$マーク。初めから置かれている他、ブロックの中に隠されていたり、どこかのショップでももらえる。ショップでアイテムなどを購入する代金となる。暖炉の部屋などの一部を除き、一度しか取ることができない。
- ハニカム
- 四角に蜂の巣の絵柄。触れると体力が1目盛り分伸び、さらに全回復する。出現させても接触して効果を発揮させない限り、ショップ・出口などを経由しその面に入り直すことで再び出す事が出来る。全部で9個ある。
- ハチ助
- ハドソンのトレードマークで、部屋の中の特定のポイント(何もない空中の場合が多い)にバブルを当てると出現。出現すると斜め上に飛んでいく。取ると2回まで攻撃を防ぐバリアに包まれる。さらにハートかハチ助を取ることで大きくなり、耐久力が倍になる。出現時のプレイヤーの体の向きに合わせて飛び出すので、バブルを撃って素早く反対側を向けばプレイヤー側に誘導することもできる。ハニカムや楽器箱と違い、一度出現させてしまうと取り逃した場合でも同じ場所では二度と出現しない。
- カギ
- 部屋の出口のドアを開ける。その部屋の壊せるブロックを一定数壊すと出現し、カギを入手した面では画面右上にカギマークが表示される。他の脱出方法がある部屋には存在しない。
- 楽器箱
- 特定のブロックに頭突きをすると出現。触れるとボーナスステージへ行ける。詳細は後述。出現させても接触してボーナスステージに行かない限り、ショップ・出口などを経由しその面に入りなおせばまた同じ手順で出現させる事が出来る。
ショップで購入するアイテム
ショップのアイテムは、アイテムの下にあるボタンにジャンプで頭突きをすれば購入することができる。名前のあとのカッコ内は購入時に必要なコイン数。一部はコインなしで手に入る。
☆:手に入らなければ次に進めない必須アイテム
- ☆薬(5枚)
- 緑色のボクシンググローブ状の物体・ボグに当たると背丈が半分になり、移動が楽になる。この薬を持っていない状態でボグに触れると、ダメージを受ける。2階に行くために必要なアイテムの1つ。
- ☆シューズ(16枚or10枚)
- ジャンプ台が使用出来るようになる。薬同様2階に行くためには必要なアイテムの1つ(どちらかでも欠けていると魔獣ホーマが出ない)。1階の左右の部屋で売っているが、右の部屋にある店の方が安い。
- ランプ(50枚or15枚)
- 井戸の中を明るくする。
- チョッキ(24枚)
- 火の部屋での炎ダメージを軽減する。
- ☆ハンマー(無し)
- 城の外壁(特定部分)を壊し、中に入ることが出来る。コインなしで入手できる。
- ☆ノコギリ(無し)
- 格子のはまった窓から中に入ることが出来る。コインなしで入手できる。
- 羽根(35枚)
- ねじりん棒の部屋にあるエレベーターに乗ることが出来る。
- ホバリング(40枚)
- ジャンプ後、ボタンを押しっぱなしで降下速度がゆっくりになる。ボス戦では降下速度が縮まる分、バブルを当てやすくなる利点もある。
- エクスカリバー(50枚)
- バブルが虹色をした光弾のようになり、同時に攻撃力が2倍になる。上の階層のボス戦で特に有利になる。
- スーパーシューズ(60枚)
- ジャンプ力が上昇する。ただし城の外では効果はない。
- 絵の具(40枚)
- 魔神殿にある見えない空中ブロックを見えるようにすることが出来る。
- ☆水筒(無し)
- 中ボスのクロウとファイアを倒せるようになる。コインなしで入手できる。
- パワー(5枚)・ハイパワー(15枚)
- 体力回復。「パワー」は2目盛り、「ハイパワー」は全回復する。
- ヒント(無し)
- 部屋内の情報を教えてくれる。コインなしで入手できる。
重要アイテム
- クリスタル
- 魔獣を倒すと入手できる。7つ存在し、全て揃えないとマハリトの部屋に入れない。どの魔獣から入手したかによって、様々なパワーアップができる。
- ホーマの水晶
- ゲームオーバー時にコンティニューが可能となる。
- ドーマの水晶
- バブルが大きくなり、スパークを倒せるようになる。
- バルカーマの水晶
- バブルの射程距離が伸びる。
- ブルードーマまたはレッドホーマの水晶
- パラソルを取らなくても、バブルが初期状態から2連射可能になる。
- レッドバルカーマの水晶
- ショップで手に入るアイテムを全て(薬〜水筒の12個)入手すると、城の外の特定の場所から直接魔神殿に入れるようになり、直前の魔獣の部屋を経由する必要が無くなる。
- カーマの水晶
- パラソルを取らなくても、バブルが初期状態から3連射可能になる。
- 冠&杖
- 魔神殿にいる中ボス・クロウを倒すと出現。2つを揃えないと最後の魔獣・カーマのいる部屋に入れず、4階へ上れない。
ボーナスステージ
一部のステージ中に隠されている「楽器箱」に触れるとボーナスステージが開始する。五線譜の床の下から飛び上がってくる音楽記号を制限時間内により多く集めるのが目的のミニゲームで、得点4につきコイン1個が終了時に加算される。音楽記号は通常の音符(付点8分音符+16分音符・1点)、シャープ(♯・2点)、フラット(♭・-1点)がある。50点以上を獲得した場合はコインのレートが2点につき1個に倍増する(評価はメッセージなしから、GOOD!、VERY GOOD!、EXCELLENT!、WONDORFUL!とランクアップする)。
ステージ背景には7人からなる楽団が並んでいるが、最初のボーナスステージでは楽器を手にしているのは太鼓の1人だけで、BGMは太鼓のパートしか演奏されない。ボーナスステージの回数を重ねるたびに手にする楽器と対応する演奏パートが増えていき、最後の7回目で全パートが揃ったBGMが完成する。登場する楽器は以下の通り。
なお、ボーナスステージが終わったあとのメッセージに"YOU CATCHED〜"とあるが、これは"YOU CAUGHT〜"の誤記である。
設定
ストーリー
触れただけで互いに心を通わせる能力を持った人々が暮らす、音楽あふれる平和な星「エプシロン星」。この星では文字や言葉は発達せず、離れた場所にいる人への意思の伝達に音楽が使われていた。しかし主人公ミロンにはそれらの能力がなく人の気持ちがわからない上、楽器を上手く使うことができなかった。ある時ミロンは自分のような人間を捜す旅に出ることにした。
ちょうどその頃ミロンの住むイシュタル村にある危険が迫っていた。村の長老はその危険を周りの7つの谷に伝えるために伝令を送ったが、誰一人として答える者がなかった。ミロンは旅の始めにこの謎を解くために7つの谷を治める王女エルシラに会うために、王女が住むロクタスの街に行くことにした。最初に伝令が届いているはずのロクタスの街でミロンが見たものは、魔人に楽器を奪われて困っている人々の姿であった。それは北の果てに住む魔人マハリトがエルシラの住むガーランド城を占領し、エルシラを城の奥深くに閉じ込め、村中の楽器を隠してしまったためであった。魔人退治を買って出たミロンは奪われた楽器を取り戻し、王女エルシラを助け出すためガーランド城に乗り込んでいく。
ステージ構成
1階
- 離れコインの部屋
- マップ上部に隔離された区画がある。ここへは3階から入る。
- 石段の部屋
- マップ右下に巨大な階段がある。ショップが存在し、しかも離れコインの部屋よりシューズの値段が安い。一方、ボグの向こうのショップは上階のドミノの部屋よりランプの値段が高い。
2階
- ドミノの部屋
- 上に乗ると壊れてなくなるドミノブロックが多数ある。ランプを石段の部屋より安く買える。
- ハドソンの部屋
- 下部にブロックで「hudson」と書かれている。遠距離攻撃をする敵が多く難易度が高い。
- 井戸
- 2階(以上の高さ)から入ることができる。ランプを持っていないと底が暗くて何も見えない。出口ドアは存在しないが、足場を伝って上端まで登れば出ることができる。
- 地下牢の部屋
- 井戸の奥にあり、縦に長い部屋を垂直に落下する。続く火の部屋への入り口。
- 火の部屋
- 触るとダメージを受ける火柱が多数ある。チョッキでダメージを軽減できる。脱出するには風船を使うのが手っ取り早いが、自力で戻って出ることもできる。
3階
- トラップの部屋
- バブルを当てると落とし穴に変わるブロックやジャンプ台が、多数仕掛けられている。
- (離れコインの部屋)
- 1階離れコインの部屋の上部エリアに入れる。ここのコインブロック15枚は3回まで(合計45枚)回収が可能で、2回目・3回目を取る場合は一度部屋を出る必要がある。尚、部屋を出ると1階の離れコインの部屋から外に出る。
- 暖炉の部屋
- 最下部に暖炉があり、ここからボスの部屋へ行ける。一部のコインブロックは再度出入りした時に復活する。
- ねじりん棒の部屋
- 名前どおり、壁や柱がねじれた棒のようなデザインになっている。部屋の中央にはエレベーターがある(エレベーターに乗るには羽根が必要)。
- 氷の部屋
- 2エリア構成。上部エリアは上に乗ると溶ける氷ブロックが多数存在。下部エリアは当たると大ダメージを受ける電撃トラップがある。
- 迷いの部屋
- 階段状の通路がひたすら続く構成。ある脱出点を見つけないと延々と同じ場所を周回することになる。
- 魔神殿(右)
- バブルを当てると出現する空中ブロック(絵の具が無いと見えないが、乗ることはできる)が多数仕掛けられている。落とし穴も多く、うっかり落ちると最下段まで行ってしまい、左右に抜けて城外へ脱出するしかなくなることもある。中にいる「クロウ」を倒すと杖が手に入る。
- 魔神殿(左)
- 右部分と同じく隠しブロックや落とし穴が多数存在する。「クロウ」を倒すと冠が手に入る。
4階
- マハリトの部屋
- ほとんど同じ構成で背景色の違う4つの部屋から成る。全ての部屋にマハリトが存在するが、本物は1体のみ。部屋間の移動の際、特定の場所を通過すると城外に戻されてしまう。
その他
- ショップ
- 色々なアイテムやパワーを売っている。アイテムの入手状況の確認もできる。また、攻略のヒントを聞くこともできる。ヒントは無料。
- 魔獣の部屋
- ボスキャラである「魔獣」が待ち構えている部屋。魔獣を倒してクリスタルを取ると、右側の扉が開いて先に進むことができる。左側の扉は常に開いており、ここから出て魔獣から逃げることもできる(ただし、部屋によっては入った入口から離れた場所へ飛ばされる場合もある)。
- ワープゾーン
- 部屋ではないが、入るだけで他の階に移動できる入口も存在する。
敵キャラクター
ザコ敵
特記がない場合は、倒すと最初にいた位置に卵が出現し、やがて復活する。フラッグやスパークは画面外からランダムに出現する。
- スライムアイ
- その名のとおりひとつ目のスライム状の敵。左右に動くのみで、動作も鈍い。離れコインの部屋から登場。
- タンボ
- 離れコインの部屋から登場。スプリングを使ってジャンプしてくる。
- マウリ
- 石段の部屋から登場。上昇したり、地上または空中でジャンプする。
- カムリ
- 高速で斜めに飛行する。離れコインの部屋から登場。
- ハードタル
- 石段の部屋から登場。空中を上下左右に移動する。
- ルビデ
- マウリと同じ動きをし、手裏剣状の弾を発射してくる。石段の部屋から登場。
- ビート
- 石段の部屋から登場。上空を漂う。倒したあとに復活する場所は固定されない。
- パウメル
- 石段の部屋から登場。上空を漂い、火の玉を発射する。
- ゲルボ
- hudsonの部屋から登場。カムリと同じ。
- カッチンシャー
- hudsonの部屋にいる。左右に動くだけだがスピードが遅くなったり早くなったりする。
- サフマ
- hudsonの部屋から登場。波状に飛びながら火の玉を放つ。
- ブードゥ
- 豚のような姿をしている。左右に移動し、時々ジャンプする。井戸の中でハート・パラソルを出すのはブゥードゥーだけである。
- メダマルゲ
- 目玉にタコの足が生えたような見た目。耐久力が高い。倒したあとの風船をとると井戸から脱出できる。
- ギョロ
- トラップの部屋に出現。左右に移動しながら落ちてくる。
- アグアグ
- トラップの部屋に出現。動きはブードゥと同じ。
- ブレイントト
- トラップの部屋に出現。脳髄のような姿をしており。ルビデと同じように攻撃を放ってくる。倒したあとに復活する場所は固定されない。
- アイアイ
- 暖炉の部屋に出現。動きはカッチンシャーと同じ。
- シム
- 暖炉の部屋に出現。スライムアイと同様、左右に動くのみで、動作も鈍い。
- マドーラ
- 暖炉の部屋に出現。跳ねながら弾を放つ。
- フライングアイ
- ねじりん棒の部屋に出現。サフマと同じ。
- ウンバオ
- 氷の部屋に出現。左右に移動し、時々弾を放つ。
- フラッグ
- 氷の部屋などに出現。画面外から左右に動きながら(幅は一定ではない)上昇・下降する。
- スパーク
- 稲妻のような姿の敵。プレイヤー目がけて一直線に飛んでくる。城の外に一定時間いると現れるほか、氷の部屋や迷いの部屋にも出現する。大バブルでないと倒せない。
- ジャイアントヘッド
- 迷いの部屋に出現。動きはマウリと同じ。
- ボーンウィング
- 魔神殿に出現。動きはタンボと同じ。
中ボス
- ファイア
- 火の部屋と暖炉の部屋に出現。火の部屋のものはボスルーム手前で空中静止しており、暖炉の部屋のものは暖炉の上に乗っかると出現し動き回る。水筒がなければ倒せない。
- クロウ
- 魔神殿の右と左に1体ずついて、それぞれ冠と杖を持っているために必ず倒さなければならない敵。マハリトの部屋にも多数出現し、うち三体はマハリトの影武者にもなっている。水筒がなければ倒せない。
ボス
魔獣
「巨獣」とも呼ばれる。部屋の中をジャンプで移動しつつ放物線状に弾を撃つ、というのが基本的な行動パターンで、以下で紹介する順に攻撃力と耐久力が増加。同時に弾を撃つ頻度が増し、よりプレイヤー側へ迫ってくるようになる。頭が弱点部分になっており、そこ以外への攻撃は効果が無い。その強さは最終ボスのマハリトをも凌ぐほどで、本作最強の敵たちといっても過言ではない。なお後述の耐久力はバブルが初期状態での数値で、エクスカリバーを手に入れる事で緩和される。
- ホーマ
- 翼が生えた獣のような最初の魔獣。2階への入り口を守る。バブル14発で倒すことができる。
- ツインファミコンのCMにも登場している。
- ドーマ
- 岩のような体にも見えるが、ガス状の体か毛むくじゃらにも思える不可解な姿。火の部屋の最奥にいる。バブル18発で倒すことができる。
- バルカーマ
- 鳥のような姿の魔獣。3階への入り口を守る。バブル22発で倒すことができる。
- ブルードーマ
- その名の通り青色のドーマ。迷いの部屋の最奥、魔神殿の入り口を守る。バブル40発で倒すことができる。
- レッドホーマ
- その名の通り赤色のホーマ。暖炉の部屋に隠された魔神殿の入り口を守る。バブル48発で倒すことができる。
- レッドバルカーマ
- その名の通り赤色のバルカーマ。氷の部屋の最奥にいる。バブル56発で倒すことができる。
- カーマ
- 骨格のみの姿をした最後の魔獣。4階への入り口を守る。バブル64発で倒すことができる。
マハリト
4階の「マハリトの部屋」にいる本作の最終ボス。部屋の中をジャンプで往復し、時折マントを開いて弾を撃つが、ダメージはこの攻撃中にしか与えることができない。「クロウ」が化けた偽者が3体いて、彼らの正体を暴く(一定のダメージを与えればOK)とプレイヤーの体力が一定量回復する。
移植版
No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ミロンの迷宮組曲 | 1993年3月26日 1993年3月 |
ゲームボーイ | ハドソン | ハドソン | ロムカセット | DMG-M8J DMG-M8-USA |
|
2 | 迷宮組曲 | 2004年2月19日 |
PlayStation 2 | ハドソン | ハドソン | ダウンロード | - | 無料配信 |
3 | ハドソンベストコレクションVol.3 アクションコレクション |
2005年12月22日 |
ゲームボーイアドバンス | ハドソン | ハドソン | ロムカセット | AGB-B73J-JPN | |
4 | 迷宮組曲 | 2007年2月8日[3] |
Windows | ハドソン | アイレボ | ダウンロード (i-revo) |
- | |
5 | 迷宮組曲 ミロンの大冒険 Milon's Secret Castle |
2007年4月10日[4] 2007年6月4日[5] PAL 2010年3月19日 |
Wii | ハドソン | ハドソン | ダウンロード (バーチャルコンソール) |
- | |
6 | 迷宮組曲 ミロンの大冒険 | 2012年12月26日[6] 2013年10月31日[7] |
ニンテンドー3DS | ハドソン | KDE | ダウンロード (バーチャルコンソール) |
- |
- ゲームボーイ版
- 『ミロンの迷宮組曲』のタイトルで1993年3月26日発売された。パスワードコンティニューやBGMが追加されている。ゲームスピードがオリジナルと比べて遅めに調整されており(ドミノブロックの消滅速度が特に顕著)、難易度は低め。
- PlayStation 2版
- 2004年2月19日より、PlayStation BB用のハドソンチャンネルにて無料配信されていた(2007年9月3日サービス終了)。
- ゲームボーイアドバンス版
- 2005年12月22日発売の『ハドソンベストコレクションVol.3 アクションコレクション』に収録された。
- バーチャルコンソール版
- Wii版
- 2007年4月10日からWiiショッピングチャンネルで配信されている。
- ニンテンドー3DS版
- 2012年12月26日からコナミデジタルエンタテインメント(2012年にハドソンを吸収合併)より配信されている。
開発
ハドソンのプログラマ笹川敏幸が自らゲームコンセプト・ゲームシナリオ・キャラクターデザイン・効果音製作・プログラミングを手がけ、わずか6人の少数精鋭(作曲スタッフの国本剛章・井上大介ら)で作られた[2]。製作期間は約1年半。なお、製作時のお遊びで主人公のミロンは迷宮組曲の発売前に『スターソルジャー』(1986年)の隠し標的の絵としても使われた。
また、高橋名人の16連射が話題となった時期だったことから、タイトル画面に連射速度測定機能がついている[2]。但しこの結果表示は実際の入力より一割ほど増したものになる。これは当時連射機能付きのジョイカードmkIIに用いられた部品の精度が悪く、設計上は16連射にしたものの、全製品に保証できる最大連射数として15連射とせざるを得なかった[9]のが、当作のプログラマに伝わらなかったために、16連射が出ないことを憂慮したプログラマが自身の判断で一割ほど増して表示されるようにしたもの[10]。
笹川はその後ハドソンの音楽制作部門を率いる立場になり、自ら続編を立ち上げることが困難になったものの、1996年に笹川の後輩が迷宮組曲の世界観を背景にした『ドレミファンタジー ミロンのドキドキ大冒険』を製作(笹川も音楽プロデューサーとして参加)。笹川自身も1999年に、本質的には迷宮組曲2のテイストを含んている[11]というPlayStation用ソフト『プラネット・ドブ』を総合プロデュースして製作している。笹川の退社後、2006年には『ミロンのほしぞらしゃぼん パズル組曲』が製作された。
音楽
- サウンドトラック
- 『ファミコン 20TH アニバーサリー オリジナル・サウンド・トラックス VOL.2』
- 2004年3月24日、サイトロン・デジタルコンテンツより発売されたCD内の一作品として収録されている。
スタッフ
『迷宮組曲』の開発部隊は、笹川を中心にプログラマー1人、デザイナー2人、その他に関わった人員を含めても5、6人程度だった[12]。
評価
評価 | ||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
- ファミリーコンピュータ版
- ゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、23.48点(満30点)となっている[19]。
項目 | キャラクタ | 音楽 | 操作性 | 熱中度 | お買得度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 3.72 | 3.49 | 4.17 | 4.25 | 4.04 | 3.81 | 23.48 |
- ゲーム誌『ユーゲー』では、迷宮のような複雑な構造の城内を進行していく事や、装備や情報の購入、謎の解読などに関して「ボリューム感たっぷり」とコストパフォーマンス面に関して高く評価、さらに楽器箱を取るたびにボーナスステージでの演奏パートが増えて『組曲』に変化していく事に関して「『音楽による演出とゲーム性が密接に結びついた初めての作品だった』と言えるのではないだろうか」と肯定的に評価している[21]。
- ゲーム情報サイト『iNSIDE』にてライターのみかめゆきよみは、「組曲」のタイトル通りに音楽が作りこまれている事や、敵キャラクターのコミカルさを肯定的に評価した[22]。しかし井戸で全滅した事やボス戦で苦戦した事などから難易度の高さを指摘した[22]。
- ゲームボーイ版
ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では、5・5・5・5の合計20点(満40点)[15]、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、18.9点(満30点)となっている[20]。
項目 | キャラクタ | 音楽 | お買得度 | 操作性 | 熱中度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 3.4 | 3.1 | 3.4 | 3.1 | 3.0 | 2.8 | 18.9 |
ミロンのシリーズ一覧
「ミロン」と呼ばれるキャラクターを主人公としたタイトルの一覧。
家庭用ゲーム機向けタイトル
- 1986年
- 迷宮組曲 ミロンの大冒険
- 本稿で説明。1993年にはゲームボーイ用にリメイクした『ミロンの迷宮組曲』が発売。
- 迷宮組曲 ミロンの大冒険
- 1996年
- ドレミファンタジー ミロンのドキドキ大冒険
- キャラクターデザイナーの水野祥司や音楽担当の竹間淳など「ボンバーマンシリーズ」のスタッフが多く関わっている作品。本作(迷宮組曲)の作者である笹川は、同作(ドレミファンタジー)の楽曲を高く評価している[23]。
- ドレミファンタジー ミロンのドキドキ大冒険
- 2006年
脚注
注釈
出典
- ^ a b “【懐かしいゲーム特集】「迷宮組曲」(バーチャルコンソール版)”. livedoor ニュース. LINE (2010年10月11日). 2019年9月15日閲覧。
- ^ a b c d e M.B.MOOK『懐かしファミコンパーフェクトガイド』87ページ
- ^ “なつかしの名作ACT『迷宮組曲』がi-revoゲームで遊べるように!” (日本語). 電撃オンライン. KADOKAWA (2007年2月8日). 2019年1月12日閲覧。
- ^ “VC 迷宮組曲 ミロンの大冒険” (日本語). 任天堂ホームページ. 任天堂. 2019年1月12日閲覧。
- ^ “Milon's Secret Castle (2007) Wii release dates” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2019年1月12日閲覧。
- ^ “ハドソンの傑作アクションゲーム『迷宮組曲 ミロンの大冒険』が3DSバーチャルコンソール化” (日本語). iNSIDE. イード (2012年12月19日). 2019年9月15日閲覧。
- ^ “Milon's Secret Castle (2012) Nintendo 3DS release dates” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2019年1月12日閲覧。
- ^ 高橋名人 『公式16連射ブック 高橋名人のゲームは1日1時間』 (2009) p.75
- ^ 個体により差があり、16連射が可能なものも六、七割あった。[8]
- ^ 『電人☆ゲッチャ!』 「『迷宮組曲』 - 高橋名人世代」12:00。
- ^ All about 迷宮組曲 制作者インタビュー
- ^ 『迷宮組曲2』が実現する!? 高橋名人の新譜発売イベントを密着レポート/ゲーム情報ポータル:ジーパラドットコム - ウェイバックマシン(2010年11月24日アーカイブ分)
- ^ “Milon's Secret Castle - Overview”. allgame. December 10, 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。October 22, 2016閲覧。
- ^ a b “Milon's Secret Castle for Game Boy (1993)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年2月25日閲覧。
- ^ a b “ミロンの迷宮組曲 まとめ [ゲームボーイ]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2018年2月25日閲覧。
- ^ Provo, Frank. “Milon's Secret Castle Review”. Gamespot. May 26, 2013時点のオリジナルよりアーカイブ。October 22, 2016閲覧。
- ^ M. Thomas, Lucas (June 5, 2007). “Milon's Secret Castle Review”. IGN. March 21, 2014閲覧。
- ^ “Milon's Secret Castle for Wii (2007)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年2月25日閲覧。
- ^ a b 「5月10日号特別付録 ファミコンロムカセット オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第9号、徳間書店、1991年5月10日、93頁。
- ^ a b 「超絶 大技林 '98年春版」『Play Station Magazine』増刊4月15日号、徳間書店/インターメディア・カンパニー、1998年4月15日、533頁、ASIN B00J16900U。
- ^ a b 「ユーゲーが贈るファミコン名作ソフト 100選」『ユーゲー 2003 Vol.07』第7巻第10号、キルタイムコミュニケーション、2003年6月1日、11頁、雑誌17630-2。
- ^ a b c みかめゆきよみ (2013年7月15日). “【ファミコン生誕30周年企画】あの頃クリアできなかった『迷宮組曲』をリベンジ!” (日本語). iNSIDE. イード. 2019年9月15日閲覧。
- ^ 懐古主義・ファミコンゲームデザイナーの過去ブログ:ボンバーマンシリーズのBGMのこと(2)
関連項目
- MARS SIXTEEN(2004年/オフィシャルTシャツリリース)
外部リンク
- 迷宮組曲 ミロンの大冒険 - webbee(ハドソン) - ウェイバックマシン(2002年8月9日アーカイブ分)
- 迷宮組曲 ミロンの大冒険(ハドソンゲームナビ) - ウェイバックマシン(2004年5月5日アーカイブ分)
- ミロンの迷宮組曲 - GB版(ハドソンゲームナビ) - ウェイバックマシン(2004年5月5日アーカイブ分)
- 迷宮組曲 ミロンの大冒険 - Wiiバーチャルコンソール
- 迷宮組曲 ミロンの大冒険 - 3DSバーチャルコンソール
- Milon's Secret Castle - MobyGames