「比良駅 (江若鉄道)」の版間の差分
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比良駅は江若鉄道の[[近江木戸駅]]から[[近江舞子駅 (江若鉄道)|雄松駅]]までの区間が開通したのに合わせて、1926年(大正15年)滋賀郡[[小松村 (滋賀県)|小松村]]に開業した{{Sfn|ありし日の江若鉄道|p=14}}<ref name=kampo19260814>[{{NDLDC|2956343/4}} 「地方鉄道運輸開始」『官報』1926年8月14日](国立国会図書館デジタル化資料)</ref>。江若鉄道では当初、沿線の各町村には原則として1駅のみを設置する予定であり、その位置は各町村役場の近くと定められていた{{Sfn|田中|宇田|西藤|1998|pp=395–396}}。しかしその原則に従うと近江木戸駅([[木戸村 (滋賀県)|木戸村]])から[[北小松駅 (江若鉄道)|北小松駅]](小松村)まで8キロメートルにわたり駅がない状態となるため、木戸村と小松村、それに[[葛川村]]の一部の地区の住民はこの区間に駅を開設するよう1919年(大正8年)に江若鉄道に要望している{{Sfn|田中|宇田|西藤|1998|pp=395–396}}。当駅はその要請に応えて開設が決まった駅であった{{Sfn|田中|宇田|西藤|1998|pp=395–396}}。 |
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江若鉄道は1969年(昭和44年)10月31日をもって営業を終了し{{Sfn|江若鉄道の思い出|p=124}}、当駅も翌11月1日に[[廃駅|廃止]]された{{Sfn|今尾|2008|pp=31–32}}。リフトやロープウェイ、スキー場はその後も営業を続けていたが、2004年(平成16年)にすべて廃業している{{Sfn|江若鉄道の思い出|p=73}}。 |
江若鉄道は1969年(昭和44年)10月31日をもって営業を終了し{{Sfn|江若鉄道の思い出|p=124}}、当駅も翌11月1日に[[廃駅|廃止]]された{{Sfn|今尾|2008|pp=31–32}}。リフトやロープウェイ、スキー場はその後も営業を続けていたが、2004年(平成16年)にすべて廃業している{{Sfn|江若鉄道の思い出|p=73}}。 |
2021年12月14日 (火) 08:25時点における版
比良駅 | |
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ひら HIRA | |
◄(臨)青柳ヶ浜 (1.4 km) (1.4 km) 近江舞子南口► | |
所在地 | 滋賀県滋賀郡志賀町大字北比良 |
所属事業者 | 江若鉄道 |
所属路線 | 江若鉄道線 |
キロ程 | 26.5 km(浜大津起点) |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 1面2線 |
開業年月日 | 1926年(大正15年)8月11日 |
廃止年月日 | 1969年(昭和44年)11月1日 |
比良駅(ひらえき)は、かつて滋賀県滋賀郡志賀町大字北比良(現在の大津市北比良[1])にあった江若鉄道の駅(廃駅)。
歴史
比良駅は江若鉄道の近江木戸駅から雄松駅までの区間が開通したのに合わせて、1926年(大正15年)滋賀郡小松村に開業した[2][3]。江若鉄道では当初、沿線の各町村には原則として1駅のみを設置する予定であり、その位置は各町村役場の近くと定められていた[4]。しかしその原則に従うと近江木戸駅(木戸村)から北小松駅(小松村)まで8キロメートルにわたり駅がない状態となるため、木戸村と小松村、それに葛川村の一部の地区の住民はこの区間に駅を開設するよう1919年(大正8年)に江若鉄道に要望している[4]。当駅はその要請に応えて開設が決まった駅であった[4]。
駅は開業以来、同じ江若鉄道の蓬萊駅(1941年までは「比良口駅」)とともに比良山地への登山口たる駅として位置づけられた[1]。昭和30年代からは武奈ヶ岳を中心とする比良山地北部の観光開発が進行し、1960年(昭和35年)に登山リフトが、1963年(昭和38年)には比良山スキー場が開かれると[5]、当駅はスキー場の最寄り駅として利用されるようにもなった[1]。1964年(昭和39年)には登山者用の更衣室が開設されている[6]。当駅からスキー場までは連絡バス・登山リフト・ロープウェイで結ばれ、江若鉄道とこれらを乗り継ぐ連絡切符も発売されていた[7]。
江若鉄道は1969年(昭和44年)10月31日をもって営業を終了し[8]、当駅も翌11月1日に廃止された[9]。リフトやロープウェイ、スキー場はその後も営業を続けていたが、2004年(平成16年)にすべて廃業している[5]。
駅構造
← 青柳ヶ浜 |
|
→ 舞子南口 |
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凡例 出典:[11] |
比良駅は列車交換が可能な交換駅[10]。ホームは1面で、2本の線路の間に配される島式ホーム[12][13]。旅客と貨物の双方を取り扱うことができた一般駅であり[10]、貨物側線を1本有していた[12]。
利用状況
初期の年間乗降客数・貨物取扱量の状況は以下の通り。
年間の旅客および貨物の取扱量 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
年 | 旅客 | 貨物 | 出典 | |||
乗車 | 降車 | 発送 | 到着 | |||
1931年 | 17,394人 | 17,554人 | 178トン | 274トン | [14] | |
1934年 | 17,214人 | 17,655人 | 103トン | 267トン | [15] | |
1935年 | 18,192人 | 18,572人 | 100トン | 261トン | [16] | |
1936年 | 20,772人 | 21,134人 | 99トン | 278トン | [17] |
駅周辺
駅のあった場所は江若鉄道廃線後に開業した湖西線の比良駅の北寄りにあたる[1]。和邇駅から当駅までの線路跡には湖西線が通っていて[5]、駅や線路の痕跡はほとんど残されていない[18][19]。いっぽう当駅から近江舞子駅にかけての線路跡は山側を短絡する湖西線とは異なり琵琶湖側に向かっていて、その跡は県道307号に転用されている[5][19]。
隣の駅
脚注
- ^ a b c d 江若鉄道の思い出, p. 72.
- ^ ありし日の江若鉄道, p. 14.
- ^ a b 「地方鉄道運輸開始」『官報』1926年8月14日(国立国会図書館デジタル化資料)
- ^ a b c 田中, 宇田 & 西藤 1998, pp. 395–396.
- ^ a b c d 江若鉄道の思い出, p. 73.
- ^ 志賀町誌編集委員会 2002, p. 381.
- ^ 江若鉄道の思い出, p. 75.
- ^ 江若鉄道の思い出, p. 124.
- ^ a b 今尾 2008, pp. 31–32.
- ^ a b c 寺田 2010, p. 10.
- ^ 竹内 1967.
- ^ a b 寺田 2010, p. 15.
- ^ レイル, p. 80.
- ^ 『滋賀県統計全書』昭和6年版(国立国会図書館デジタル化資料)
- ^ 『滋賀県統計全書』昭和9年版(国立国会図書館デジタル化資料)
- ^ 『滋賀県統計全書』昭和10年版(国立国会図書館デジタル化資料)
- ^ 『滋賀県統計全書』昭和11年版(国立国会図書館デジタル化資料)
- ^ 寺田 2010, p. 25.
- ^ a b 吉田 1998, p. 190.
参考文献
- 今尾恵介(監修)『日本鉄道旅行地図帳』 9 関西2、新潮社、2008年。ISBN 978-4-10-790027-2。
- 大津市歴史博物館 編『企画展 ありし日の江若鉄道 ―大津・湖西を結ぶ鉄路(みち)―』大津市歴史博物館、2006年。
- 大津市歴史博物館 編『江若鉄道の思い出 ありし日の沿線風景』サンライズ出版、2015年。ISBN 978-4-88325-554-2。
- 竹内龍三「私鉄車両めぐり(70) 江若鉄道」『鉄道ピクトリアル』第17巻第1号(通巻192号)、鉄道図書刊行会、1967年1月、70-77頁、ISSN 0040-4047。(再録:『私鉄車両めぐり 関西』鉄道図書刊行会〈鉄道ピクトリアル別冊 鉄道ピクトリアルアーカイブスセレクション 19〉、2010年、102-114頁。全国書誌番号:21848519。)
- 田中真人、宇田正、西藤二郎「第16章 琵琶湖の首飾り―江若鉄道・湖西線」『京都滋賀 鉄道の歴史』京都新聞社、1998年。ISBN 4-7638-0445-6。
- 寺田裕一『新 消えた轍 ―ローカル私鉄廃線跡探訪―』 8 近畿、ネコ・パブリッシング〈NEKO MOOK〉、2010年。ISBN 978-4-7770-1075-2。
- 吉田恭一『地形図で辿る廃線跡 古地図とともにいまはなき鉄道を歩く』心交社、1998年。ISBN 4-88302-345-1。
- 「江若鉄道 その車輛・列車・歴史・駅をめぐる」『レイル No.84』エリエイ/プレス・アイゼンバーン、2012年。ISBN 978-4-87112-484-3。
- 志賀町誌編集委員会『志賀町誌 第3巻』志賀町、2002年3月25日。