「WPS Office」の版間の差分
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2021年11月10日 (水) 02:49時点における版
ファイル:WPS office logo.png | |
開発元 | キングソフト(金山軟件) |
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初版 | 1988年 |
最新版 |
日本語版 : 11.8.2.8500
/ 2020年6月9日 |
対応OS |
Windows, macOS, Android, iOS, Linux(英語版)[1] |
プラットフォーム | x86,Dalvik仮想マシン |
対応言語 | 中国語、英語、日本語等 |
種別 | オフィススイート |
ライセンス | プロプライエタリ |
公式サイト | WPS Office |
WPS Office(旧:KINGSOFT Office)は、中国のソフト開発販売会社金山軟件の合弁会社であるキングソフト株式会社のオフィススイート製品である。
概要
Microsoft Officeに類似したユーザインタフェースと操作性、Microsoft Officeとの高いファイル互換性が特徴である。保存ファイル形式は2012まではMicrosoft Office 2003までの形式と同一のものを採用し、2013からはWriterとSpreadSheetsに限ってMicrosoft Office 2007以降の形式にも対応した(他に独自形式での保存も可)。2012及びPresentationであっても読込にかぎってはMicrosoft Office 2007以降の形式にも対応する。2016からは読込・保存ともにMicrosoft Office 2007以降の形式に完全対応した。
Microsoft Officeの廉価な完全コピー版ではなく、使用頻度が少ないと考えられた機能は省略され、一方、タブ式のファイル表示や「段落書式のアシスタント」機能など、オリジナル要素が付加されている。
2008年からのパソコンの低価格化を追い風に、安価なオフィススイートとしてBTOパソコンの選択肢に組み込まれることが増えている。また、低価格を武器としてインターネットカフェや教育機関でのシェア拡大を目指している[2]。
中国語版、英語版、スペイン語版など複数の言語版では、フリーソフト(広告あり)として無償でダウンロードできる[3]。Microsoftストアからも無償でダウンロードできる[4]。
構成ソフト
- WPS Writer(旧:KINGSOFT Writer) ワープロソフト
- WPS Spreadsheets(旧:KINGSOFT Spreadsheets)表計算ソフト
- WPS Presentation(旧:KINGSOFT Presentation) プレゼンテーションソフト
- WPS PDF Portable Document Format(PDF)ビューア
歴史
1989年に中国でリリースされたワープロソフト「WPS1.0」がその起源である。その後機能を増やしオフィススイートに発展し、一時は中国国内で90%のシェアを占めるが、Windows 95の発売でデファクトスタンダードの地位をMicrosoft Officeに奪われ、シェアを10%にまで落とした。
起死回生の一手として2005年9月にリリースしたのがWPS Office2005である。あえてMicrosoft Officeに操作性を似せ、同一のファイル形式 (.doc, .xls, .ppt) にしたことが好評を博し、シェアを20%台にまで回復し、2006年11月には「Kingsoft Office」のタイトルで日本に進出した。WPS Officeは2000年、2008年、中国の「国家科技進歩賞2等賞」を受賞している。さらに、2009年12月、2010年6月、WPS Officeは中央企業調達リストに入選し、オフィスソフトの分野で史上初の2回入選を達成している[5]。
リリース
- 2006年11月1日:「Kingsoft Office2007」として日本語ベータ版を無料配布。
- 2007年2月2日:日本語製品版発売。ベータ版から500箇所以上の機能改善・修正。
- 2007年7月19日:VBA対応版発売。VBA対応版の体験版は無し。
- 2008年6月20日:「Kingsoft Office 2007 Plus」を発売。従来版から104カ所以上の機能強化。
- 2009年3月26日:「KINGSOFT Office 2010」発売。Office Open XMLの読み込みが可能に。
- 2009年9月3日:「KINGSOFT Office 2010 USB起動版」発売。
- 2010年5月:BCNランキングオフィスソフトカテゴリにおいて、販売本数首位を獲得[6]。
- 2010年5月14日:「KINGSOFT Office 2010 フォント同梱版」発売。日本語フォントが29種類追加され、Microsoft Officeに含まれるすべての日本語フォントに対応。
- 2010年5月18日:リリースしたバージョン6.6.0.2461にて、独自のプラグインプラットフォームに「マウスジェスチャー」や「背景と透かし」といった7つの機能を追加。Writerのみ追加多言語面に対応。
- 2011年10月7日:リボンインターフェースを採用した「KINGSOFT Office 2012」及びAndroid OSに対応した「KINGSOFT Office for Android」を発売[7]。
- 2013年6月25日:Microsoft Excel 2007以降の保存ファイル形式 (Office Open XML) の保存に対応した「KINGSOFT Office 2013 Standard」及びオフィスソフトの初歩的な操作が習得できる無料学習アプリ「オフィスソフトマスター」を発売[8]。
- 2016年2月18日:Microsoft Office 2007以降の保存ファイル形式 (Office Open XML) の読込・保存に完全対応した「KINGSOFT Office 2016」を発売[9]。
- 2016年11月15日:KINGSOFT Officeの日本市場での販売開始10周年を迎え、グローバルブランド「WPS Office」へリブランドを実施[10]。
- 2016年12月22日:WPS Office(WPS Office 2016)への無償アップデート開始[11]
- 2019年4月22日:「令和」表記に対応した、WPS Officeの最新プログラムを公開。
- 2019年6月28日:KINGSOFT Officeの製品サポート終了。
- 2019年10月9日:WPS Office for Mac 正式リリース。
- 2020年6月9日:Portable Document Format(PDF)の読込に対応したWPS Office 2 for Windows(WPS Office 2019) 正式リリース。
マイクロソフトとの関係
キングソフト自らが、Microsoft Officeにユーザインタフェースを似せたと語り、「Microsoft Officeとの互換性」や「同製品よりも安価であること」を売りにしている。これらの行為が法律上の問題を抱えていないか(具体的にはマイクロソフトの著作権や知的所有権を侵害していないか)という点について、キングソフトの元代表取締役である広沢一郎は発売当時「法的に問題がない」との考えを示している[12]。現在、マイクロソフト側からの訴訟は提起されていないだけでなく、マイクロソフトのWindows 8/7/Vistaの公式認定ロゴ(Windows 8 Compatible/Compatible with Windows 7/Windows Vista Capable)を取得しており、マイクロソフト社からも公認されている形となっている。
脚注
- ^ Kingsoft WPS Office Community
- ^ 法人・教育期間向けビジネスライセンス・アカデミックライセンス - KINGSOFT JAPAN
- ^ WPS Office Compatible With MS (Word, Spreadsheets, Presentation, PDF) For PC and Mobile - Free Download - WPS.com
- ^ WPS Office 2019 is Available at Microsoft Store - WPS.com
- ^ http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=0622&f=it_0622_001.shtml [リンク切れ]
- ^ マイクロソフトの独占に風穴、統合ソフト部門で初の首位 - 日経XTECH 2010年9月13日
- ^ "キングソフト、独自のリボンインターフェースを採用した 総合オフィスソフト「KINGSOFT Office 2012 Standard」を発表 -「KDrive」連携のAndroid向けオフィス文書編集アプリ「KINGSOFT Office for Android」同時公開!" (Press release). キングソフト株式会社. 7 October 2011. 2011年10月9日閲覧。
- ^ "キングソフト、より一層互換性が向上した総合オフィスソフト「KINGSOFT Office 2013 Standard」を発表。オフィスソフト学習用Androidアプリ「オフィスソフトマスター」も同時公開!" (Press release). キングソフト株式会社. 26 June 2013. 2013年7月22日閲覧。
- ^ "キングソフト、さらに互換性が向上した総合オフィスソフト「KINGSOFT Office 2016」を公開" (Press release). キングソフト株式会社. 18 February 2016. 2016年5月7日閲覧。
- ^ キングソフト、10周年を機にリブランディング - 「KINGSOFT Office」をワールドブランドと同じ「WPS Office」へ - マイナビニュース 2016年11月15日
- ^ WPS Office(KINGSOFT Office)をご利用中のお客様へ - KINGSOFT JAPAN
- ^ キングソフト、マイクロソフト オフィスそっくりの「Kingsoft Office 2007」~3本セットで4,980円 - PC Watch 2006年9月21日