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2021年10月15日 (金) 12:32時点における版

記憶屋
ジャンル ホラー
小説
著者 織守きょうや
イラスト loundraw
出版社 KADOKAWA
発売日 2015年10月24日
漫画
原作・原案など 織守きょうや
作画 村山なちよ
出版社 スクウェア・エニックス
掲載サイト マンガUP!
ガンガンONLINE(再掲載)
レーベル ガンガンコミックスUP!
巻数 全2巻
映画:記憶屋 あなたを忘れない
原作 織守きょうや
監督 平川雄一朗
脚本 鹿目けい子
平川雄一朗
音楽 髙見優
制作 オフィスクレッシェンド
製作 映画「記憶屋」製作委員会
配給 松竹
封切日 2020年1月17日
上映時間 105分
テンプレート - ノート
プロジェクト プロジェクト:ライトノベル漫画映画
ポータル 文学漫画映画

記憶屋』(きおくや)は、織守きょうやによる日本小説[1]2015年10月24日KADOKAWAから文庫が刊行された[2]。表紙イラストはloundrawが担当。愛する女性が記憶屋という怪人に記憶を消されたことにより、1人の青年が都市伝説と思われていた記憶屋の真実や記憶を消してもらいたい人々の思いを辿る様を綴ったホラー小説である。第22回日本ホラー小説大賞読者賞受賞作品[1]

2017年に村山なちよによりコミカライズされ、スクウェア・エニックスにおけるiOSAndroid用漫画雑誌アプリである『マンガUP!』で2017年8月27日から2018年5月14日まで連載され、また、WEB漫画サイト『ガンガンONLINE』で2018年3月1日から10月15日まで第3月曜において更新・再掲載された[3]

2020年1月に映画版が公開[1]

ストーリー

夕暮れになって、公園のベンチに座っていると現れるらしい記憶屋という摩訶不思議な怪人。座っている人物の嫌な記憶をすっかり消し去ることができるという話を聞いた遼一だが、それはただの都市伝説であり、現実的にはあり得ないと考えていた。しかし、そんな遼一の周りでその都市伝説が現実になる出来事が起きる。互いに恋心を寄せていた杏子という女性が夜道恐怖症を乗り越えるために記憶屋に出会っていたのだ。数日後に会った杏子の記憶からは夜道恐怖症のトラウマと同時に、慕っていた遼一のことも消え去っていた。都市伝説と疑っていた遼一だったが、身近な人間が記憶を消されたという現実に記憶屋の存在を認めざるを得なくなる。実は他にも杏子と同じような境遇の人間がおり、彼らもまた嫌な記憶を記憶屋に消し去ってほしいと思っていたのだ。記憶屋という存在を突き止めるために、遼一は真相を探り始める。

登場人物

吉森遼一:好意を抱いていた杏子の記憶が記憶屋に消されてしまう。記憶屋の真相を突き止めるため記憶屋を探す。そして衝撃の真実を知ったのち,記憶を消される。

河合真希:遼一の幼馴染。小さい時に母親が伯父と浮気をしていたことを知りひどくショックを受けるが、その時の記憶を全く忘れている。西浦高校に通っている。

安藤七海:高原智秋の顧客の娘で,高原の事務所に頻繁に出入りしている。リストカットをしていた過去を持つ。

吉森朝子:遼一の母

外山篤志:高原智秋の秘書。飲食店で勤務していた際に高原に声をかけられて秘書として雇われた。

関谷要:佐々操の幼馴染。幼い頃に母親が他の男と出て行ったことで塞ぎ込んでいる。しかし記憶屋によって彼女の中から存在が消されている

佐々操:要の幼馴染で要の理解者の一人。両親の転勤によりしばらく離れ離れになっていたが、高校生になってから再び要の近所に戻ってきて要と同じ高校に通う。次第に要に好意を抱くようになり告白するが、その際自らの思いが要を苦しめ、友人佐々操を奪ってしまうことだと気づき、友人佐々操に戻るために記憶屋に依頼して記憶を消してもらう。

関谷正:要の叔父。かつては要と暮らしていたが、現在は一人暮らしをしている。要の理解者の一人。

河合希美:河合真希の母親 

福岡琢磨:高原の主治医で記憶屋に興味がある

内田アイ子:母親が記憶屋によって兄の戦死した記憶を消されている。

菅原慎一:真希の祖父。記憶屋の元祖である。

倉橋亜紗子:紗奈枝の姪に当たる。一人暮らしが長い紗奈枝の元に花嫁修行という名目で通っている。

皆川紗奈枝:亜紗子の叔母に当たる。夫である洋佑とは生き別れの状態となっていた。ピアノ教室を営んでいて、優しく指導することで人気が高い。

皆川洋佑:紗奈枝の生き別れた夫だが,後に別の家庭を持っていた挙句数年前に肺炎で亡くなっていたことが判明した。

鈴岡: 亜紗子の住む町で輸入会社を営んでいる。紗奈枝に好意を抱いているが,紗奈枝は気付いていない。後に皆川洋佑のことについて調査を行うが衝撃の真実を知る。

澤田杏子:高校生時代に夜道で痴漢被害に遭って以降夜道恐怖症に陥り、複数の防犯ブザーと催涙スプレーを持っておかないと夜道を歩くことができない。そのため同級生との飲み会でも20時になると帰ってしまう。遼一と出会い徐々に帰る時間を遅くするがやはり夜道恐怖症は克服できないでいた。ある時記憶屋と接触することで嫌な記憶を消し去り、すっかり夜道恐怖症を克服したがそれと同時に遼一の記憶も失ってしまった。両親は転勤で離れて暮らしているため杏子は実家で一人暮らしをしている。

高原智秋:弁護士。しかし余命が限られていて、自らがいなくなった後で七海が後追いをすることを恐れ,七海から高原の記憶を消すために記憶屋を探している。

瀬川いずみ:高原の顧客の一人。1年前の登校中に交通事故を目撃し,事故が起きる前まで元気だった被害者が一瞬で命を奪われたことでPTSDとなり外に出られなくなる。高原が来るようになってから自宅の庭に出ることは可能になった。記憶屋に事故の記憶を消してもらうことでPTSDを克服して普通に生活できるようになる。

入江美月:高原の顧客の一人。数年前に姉と車に乗っていた際に酒気帯び運転の車に衝突されて事故に遭い、姉は死亡し,自らは足が不自由となってしまった。入院している際にその事故の加害者の兄である片山と出会い,恋仲になるが,自分達だけが幸せになることは受け入れてもらえず駆け落ちする形で移住した。件の事故について負目に感じている片山を罪悪感から解放するべく記憶屋を探している。

DD:遼一がネット上の都市伝説を扱うコミニュティで接触していた一人。病院の花屋で勤務している。オフ会で遼一と面会する。

イコ:遼一がネット上の都市伝説を扱うコミニュティで接触していた一人。作家をしている。オフ会で遼一と面会した際、遼一から佐々操のことを知り独断で接触を試みるが追い返されてしまった。

ドクター:遼一が利用していたネット上の都市伝説を扱うコミニュティの管理人。オフ会などには参加せず,飽くまでネット上でしか接触できない存在を保っている。

記憶屋:50年前から人の嫌な記憶を消す不思議な能力を持つ怪人。ネット上で依頼すると記憶を消してくれる,掲示板に依頼を書くと記憶を消してくれる,とある公園の緑色のベンチに座っていると嫌な記憶を消してくれる,イタズラで呼び出すと全ての記憶を消される,記憶屋自身に繋がる記憶は消されるなどの噂がある。灰色のコートを着た長身の男性であるという説がある。

大崎夏生: 河合真希の従姉妹。上倉芽衣子とは幼稚園時代からの親友で,高校までずっと一緒にいる。正義感が強く,良い子ぶっているなどといじめられていた芽衣子を助けて以来仲が良い。猪瀬に依頼されて記憶屋の調査に協力している。

上倉芽衣子: 夏生の幼稚園時代からの親友。天然パーマゆえにふわふわした頭をしている。正義感が強く,困っている人を助けるのは当然と考えていて,同級生から妬まれても折れることなく正しい行いをしているうちに周りも自分たちが妬みゆえにいじめるほど幼稚であることに気づいて以降いじめはなくなった。

中野沙恵: 夏生と芽衣子の中学生時代の同級生。学校の近くのパン屋,通称「かどぱん」の店員に性的嫌がらせを受けたことがトラウマとなり,保健室に通っていた。記憶屋にそのトラウマの記憶を消してもらうことでトラウマを克服した。中学卒業後は別の町の高校に通っている。

立野真:教室には行かず保健室でいつも本を読んでいる。それでも試験では好成績を叩き出すため学校も黙認している。中学卒業後は海外の高校に通っている。

朝香美冴:夏生や芽衣子の通う中学校の保健室で働いている。

猪瀬桔平: 新聞記者。記憶屋に知人の記憶を消され、自身が傷ついた経験から記憶屋を説得するべく個人的に記憶屋を探している。4年前に夏生の住むK町で記憶屋によるものと思われる事件が起きたことからK町に現れ,調査を始めた。

片山莉奈: 読者モデル出身のファッションモデル。自分が憧れる相手のパートナーは自分ではダメだと気づき,記憶屋に記憶を消してもらったが、後に記憶を無くす前と同じ道を辿ることで何を忘れたのかを知ることになる。

森下青・緑: 双子の兄弟で,マンションで2人暮らしをしている。青は思ったことはすぐに口に出したり行動に移したりするのに対して,緑はそんな青をフォローする役割を持つ。

毬谷柊: テレビにも出演しているイタリアン料理人。15年前の料理のコンテストで1位を獲得したが、父親がミシュランガイドに載るほどの有名人であることから周りの大人からチヤホヤされることから性格がひねくれてしまった。一方,同コンテストで2位を獲得した砥上の料理の腕は認めており、友達になりたいと思ったが,コンテスト中の事故及びその後の対応によって友達になり損ねてしまう。砥上とやり直すために記憶屋を頼り接触するが断られている。

朝山: 毬谷柊のマネージャー

砥上征一: 和食専門の料理人で,K町で一里という料亭を経営している。15年前に毬谷が参加していたコンテストに参加したが,毬谷に敗れ2位に終わる。精悍な顔立ちをしているが,口数は少ない。

ケンジ: 砥上の料亭で働いている。15年前のコンテストに同席しており,当時の事故は毬谷が故意に行ったと思っていることから毬谷を良く思っていない。

書誌情報

小説

  • 織守きょうや(著)loundraw(イラスト)、KADOKAWA角川ホラー文庫)、2015年10月24日発売、ISBN 978-4-04-1035542

漫画

実写映画

記憶屋
あなたを忘れない
監督 平川雄一朗
脚本 鹿目けい子
平川雄一朗
原作 織守きょうや「記憶屋」
製作 石塚慶生(企画・プロデューサー)
内山雅博(企画・プロデューサー)
西麻美
市山竜次
製作総指揮 吉田繁暁
出演者 山田涼介
芳根京子
泉里香
櫻井淳子
戸田菜穂
ブラザー・トム
濱田龍臣
佐生雪
須藤理彩
杉本哲太
佐々木すみ江
田中泯
蓮佛美沙子
佐々木蔵之介
音楽 髙見優
主題歌 中島みゆき時代
撮影 小松高志
編集 山口牧子
制作会社 オフィスクレッシェンド
製作会社 映画「記憶屋」製作委員会
配給 松竹
公開 日本の旗 2020年1月17日
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 4億6200万円[6]
テンプレートを表示

記憶屋 あなたを忘れない』(きおくや あなたをわすれない)のタイトルで、2020年1月17日に公開された[7]。監督は平川雄一朗、主演は山田涼介[8]

キャスト

スタッフ

関連商品

サウンドトラック

『記憶屋 あなたを忘れない』オリジナル・サウンドトラック
  • 音楽:髙見優
  • 発売日:2020年1月15日
  • 発売:SHOCHIKU RECORDS
  • 販売:Sony Music Solutions Inc.
  • 商品番号:SOST-1039

脚注

  1. ^ a b c “山田涼介:主演映画で広島弁に挑戦 芳根京子、蓮佛美沙子、佐々木蔵之介も出演”. MANTANWEB (MANTAN). (2018年12月15日). https://mantan-web.jp/article/20181214dog00m200097000c.html 2019年2月28日閲覧。 
  2. ^ 記憶屋 織守きょうや:文庫”. KADOKAWA. 2019年3月1日閲覧。
  3. ^ 連載終了作品”. スクウェア・エニックス. 2019年3月1日閲覧。
  4. ^ 記憶屋 1”. スクウェア・エニックス. 2019年3月1日閲覧。
  5. ^ 記憶屋 2(完)”. スクウェア・エニックス. 2019年3月1日閲覧。
  6. ^ 『キネマ旬報』2021年3月下旬特別号 p.37
  7. ^ a b c d e f g h i j k “山田涼介主演『記憶屋』予告&ポスター完成 泉里香&田中泯&濱田龍臣ら追加キャスト発表”. クランクイン!. (2019年10月11日). https://www.crank-in.net/news/69707/1 2019年10月11日閲覧。 
  8. ^ a b c d “山田涼介が主演「記憶屋」公開、共演に芳根京子、蓮佛美沙子、佐々木蔵之介”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2018年12月15日). https://natalie.mu/eiga/news/312284 2019年2月28日閲覧。 
  9. ^ “山田涼介主演「記憶屋」 中島みゆきが歌う「時代」が主題歌に 75年リリース以来初”. Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2019年12月10日). https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2019/12/10/kiji/20191210s00041000318000c.html 2019年12月11日閲覧。 

外部リンク