「スクリーム (1996年の映画)」の版間の差分
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2021年10月15日 (金) 06:49時点における版
スクリーム | |
---|---|
Scream | |
監督 | ウェス・クレイヴン |
脚本 | ケヴィン・ウィリアムソン |
製作 |
|
出演者 | |
音楽 | マルコ・ベルトラミ |
撮影 | マーク・アーウィン |
編集 | パトリック・ルッスィア |
製作会社 | ウッズ・エンタテインメント[1] |
配給 |
ディメンション・フィルムズ[1] アスミック |
公開 |
1996年12月20日 1997年8月23日 |
上映時間 | 111分[2] |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $15,000,000[3][4] |
興行収入 | $173,046,663[3] |
次作 | スクリーム2 |
『スクリーム』(原題: Scream)は、1996年のアメリカのスラッシャー映画。監督はウェス・クレイヴン、脚本はケヴィン・ウィリアムソンが務め、出演はデヴィッド・アークエット、ネーヴ・キャンベル、コートニー・コックス、マシュー・リラードら。カリフォルニア州の架空の町ウッズボローに住む高校生シドニー・プレスコット(キャンベル)が、ハロウィーンの仮装をした謎の殺人鬼「ゴーストフェイス」の標的になる。
この映画は、ブラックコメディやフーダニットと、スラッシャーというジャンルの暴力性を組み合わせ、『ハロウィン』(1978年)、『13日の金曜日』(1980年)、クレイヴン監督の『エルム街の悪夢』(1984年)などで人気を博した同ジャンルの決まりのパターンを風刺している。
全世界で1億7,300万ドルを稼ぎ出し、『ハロウィン』(2018年)が公開されるまで、スラッシャー映画として最高の興行収入を記録した。インフレーション調整後では、いまだに最高のスラッシャー映画である。
この作品は、1990年代にスラッシャーというジャンルを復活させたと言われている。このジャンルは、1970年代や1980年代に確立されたホラーシリーズの直販ビデオ作品や数多くの続編が登場したことで、ほぼ死滅したと考えられていた。これらの続編は、このジャンルの映画が頼りにしていた決まりのパターンを利用していたため、経済的にも批評的にも成功しなかった。『スクリーム』の成功は一連の続編を生み出したが、商業的にも批評的にも同等の成功を収めたのは、翌年に公開された『スクリーム2』だけだった。
ストーリー
カリフォルニア州の田舎町、ウッズボローにある民家にて、自宅でホラー映画のビデオを見ようとしていた高校生ケイシーに、不審な電話がかかってくる。ケイシーは、最初はこれをイタズラ電話と考え、軽くあしらっていた。だが、何度となく相手は電話を掛けてくる。ケイシーが相手をしているうちに、声の主は徐々に異常な本性を現す。何度目かの電話にうんざりしたケイシーが「いいかげんにして!」と怒ると、声の主も逆上し、「クイズに答えてもらう。これに正解できなければお前を殺す。庭の明かりを付けてみろ」。そこには恋人のスティーヴ・ボースが椅子に縛りつけられており、彼女の目の前でスティーヴは惨殺された。パニックに陥ったケイシーは必死に逃げ出そうとするが、脅迫者が姿を現し、揉み合いの末に、彼女は身体に何度となくナイフを突き刺された。
間もなく、帰宅したケイシーの両親が発見したのは、内臓をえぐられ、木から吊るされた彼女の死体であった。だが、悲劇はこれが初めてではなかった。1年前、シドニーの母モーリー・プレスコットが、レイプされた挙句惨殺されるという痛ましい事件があった。コットン・ウェアリーという男性がその容疑者として逮捕されている。
テレビ局のリポーター、ゲイル・ウェザーズは、惨殺事件が起こったウッズボローに出向き、シドニーを見付けて話を聞き出そうとするが、怒ったシドニーに張り倒される。ゲイルは、シドニーの母親が殺された事件についても追っていた。
数日後、シドニーに不審な電話がかかってくる。その直後に殺人鬼がシドニーの前に姿を現し、彼女に襲い掛かるが、そこに彼女の恋人、ビリーが姿を現すと退散した。だが、携帯電話を持っていたことでビリーは警察に疑われ、拘留された。シドニーの通う高校は休校になる。その後まもなく、学園に残っていた校長が殺害される。出張に出かけていたシドニーの父親が疑われる。
生徒たちは休校中にパーティーを開いたが、そこでシドニーの友人であったテイタムが惨殺された。ゲイルはカメラマンのケニーを引き連れて、パーティーを開いている建物から少し離れたところに車を止め、車内にビデオカメラを設置し、自身は隠しカメラを用意して建物へ向かう。同じ頃、シドニーとビリーは結ばれるが、その直後に殺人鬼が現れ、シドニーの目の前でビリーがナイフで刺された。シドニーは殺人鬼に追われ、逃げる。シドニーはケニーがいる車を見付けて助けを求めるが、殺人鬼はすかさずケニーの首を掻っ切って殺害。シドニーは建物に逃げ込み、ランディも駆け付けた。スチュアートが現れ、シドニーに対して「こいつの言うことは信じるな!」と叫ぶ。そこに、犯人に刺殺されたはずのビリーがシドニーの前に姿を現した。
彼は、殺人事件の犯人は自分とスチュワートの二人であったことを自ら明かし、シドニーを狙う理由を語った。ビリーの父親とモーリーの不倫が原因で彼の母親は出て行ったため、ビリーは母を失った痛みから復讐を思い立ち、ステュワートと手を組み、一年前にモーリーを殺害し、娘のシドニーも殺すつもりであったという。ビリーたち2人は、シドニーの父親ニール・プレスコットを捕まえており、彼を利用して完全犯罪を目論んだ。ビリーたちはランディとデューイに重傷を負わせ、銃を構えて現れたゲイルを突き飛ばして気絶させる。だが、シドニーの反撃を受けて形勢は逆転した。
戦いの末、ビリーとスチュアートの2人は、シドニーに止めを刺された。その後、父ニール、ランディ、デューイは助け出され、ゲイルによって全米に報道がなされ、事件の幕は下りた。
キャスト
キャスト | 役名 | 日本語吹替 |
---|---|---|
ネーヴ・キャンベル | シドニー・プレスコット | 根谷美智子 |
デヴィッド・アークエット | デューイ・ライリー | 宮本充 |
コートニー・コックス | ゲイル・ウェザーズ | 佐々木優子 |
スキート・ウールリッチ | ビリー・ルーミス | 三木眞一郎 |
マシュー・リラード | スチュアート | 森川智之 |
ジェイミー・ケネディ | ランディ・ミークス | 神奈延年 |
ローズ・マッゴーワン | テイタム・ライリー | 渕崎ゆり子 |
ドリュー・バリモア | ケイシー・ベッカー | 林原めぐみ |
ケヴィン・パトリック・ウォールズ | スティーヴ・ボース | |
ローレンス・ヘクト | ニール・プレスコット | 仲野裕 |
リン・マクリー | モーリーン・ロバーツ・プレスコット | 声の出演は無し |
リーヴ・シュレイバー | コットン・ウェアリー | 声の出演は無し |
W・アール・ブラウン | ケニー | 辻親八 |
ディヴィッド・ブース | ケイシーの父 | |
カーラ・ヘイトリー | ケイシーの母 | 寺内よりえ |
リー・マッケイン | テイタムの母 | 火野カチコ |
ジョセフ・ウィップ | バーク保安官 | 石波義人 |
ヘンリー・ウィンクラー | アーサー・ヒンブリー校長 | 納谷六朗 |
ウェス・クレイヴン | フレッド | 田原アルノ |
公開
1996年12月18日にカリフォルニア州ロサンゼルスのウェストウッドにあるAMC Avcoシアターでプレミア上映された[5]。ボブ・ワインスタインはこの映画を1996年12月20日に公開するように命じたが、この日は季節映画やファミリー映画が多く上映されるクリスマスの時期であったため、他の人々は批判的であった。ワインスタインはこの事実が、ホラーファンやティーンエイジャーが12月の期間に見るべき面白いものがないことを意味するため、この映画に有利であると主張した。『スクリーム』の最初の週末の興行収入が600万ドルにとどまったとき、この公開日の賭けは失敗したと考えられたが、翌週の興行収入は下がるどころか増え続け、全米での総興行収入は1億ドルを超え、批評家からも高い評価を得た。
日本では、1997年6月に本作が公開される予定であったが、神戸連続児童殺傷事件の影響で延期となった。その後、1997年8月23日、本作が正式に公開された。
続編
映画が売れたことで、続編となる『スクリーム2』『スクリーム3』も作られた。結果的にではあるが、3部作の第1作目になった。
2010年、『スクリーム4: ネクスト・ジェネレーション』の製作が発表された。本作は、『3』から10年後の物語という設定であり、世界観やストーリーが引き継がれている。アメリカ本国では2011年4月に、日本では2011年10月に公開された。
2015年6月にはドラマ化され(続編ではない)、2019年7月まで放送された。全シーズン3。
脚注
- ^ a b “Scream”. American Film Institute. March 9, 2016閲覧。
- ^ “SCREAM (18)”. British Board of Film Classification (February 27, 1997). July 26, 2015閲覧。
- ^ a b “Scream (1996)”. Box Office Mojo. September 13, 2016閲覧。
- ^ “Scream (1996) - Financial Information”. October 21, 2019閲覧。
- ^ “Hollywood Movie Premieres - Locations”. web.archive.org (2011年4月8日). 2021年10月12日閲覧。