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「男はつらいよ 噂の寅次郎」の版間の差分

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* [[1978年の映画]]
* [[1978年の映画]]
* [[1979年の映画]]
* [[1979年の映画]]
* [[国鉄C11形蒸気機関車227号機]] - エピローグに本機牽引の[[SL急行 (大井川鐵道)|列車]]が登場。
* [[国鉄C11形蒸気機関車227号機]] - エピローグに本機牽引の[[かわね路号|列車]]が登場。


== 外部リンク ==
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2021年10月14日 (木) 22:56時点における版

男はつらいよ 噂の寅次郎
監督 山田洋次
脚本 山田洋次
朝間義隆
原作 山田洋次
製作 島津清
出演者 渥美清
大原麗子
倍賞千恵子
前田吟
泉ピン子
室田日出男
大滝秀治
下條正巳
笠智衆
志村喬
音楽 山本直純
撮影 高羽哲夫
編集 石井巌
配給 松竹
公開 日本の旗 1978年12月27日
上映時間 104分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
配給収入 11億6000万円[1]
前作 男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく
次作 男はつらいよ 翔んでる寅次郎
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男はつらいよ 噂の寅次郎』(おとこはつらいよ うわさのとらじろう)は、1978年12月27日に公開された日本映画。『男はつらいよ』シリーズの22作目で、マドンナ大原麗子の1作目になる(2作目は、第34作『男はつらいよ 寅次郎真実一路』)。同時上映は吉幾三主演の『俺は上野のプレスリー』。なお、この作品よりパナビジョンレンズにて撮影されている。

あらすじ

寅次郎が旅先で見る夢では、時代劇の柴又村。雪の中、百姓の娘の「おさく」は、「寅地蔵」にお供えをして祈る。悪い商人の「タコ兵衛」が百姓一家に借金を返せとせまり、おさくが身を売ることになる。高僧の姿をしてそこに現れた、地蔵の化身の寅次郎は、タコ兵衛たちを倒し、小判や米俵などを出現させて、百姓一家を救うのであった。

寅次郎は東京に来た折、その日が彼岸だということに気付いて、親の墓参りをする。そんな寅次郎の姿にとらやの人びとは感激するが、金策に行ったタコ社長が一時行方不明になり、寅次郎はもしかして自殺をしたのではないかと心配する。そこに帰ってきた社長が酔っ払っていたことが原因で喧嘩をした寅次郎は、柴又から出ていく。

旅に出た寅次郎は、大井川の橋の上ですれちがった雲水から「女難の相が出ている」と言われる。とあるダムで事情がありそうな娘・瞳(泉ピン子)を見かけた寅次郎は、「女難の相」という言葉が一瞬頭をかすめるが、放っておけずに声をかける。結婚を前提に散々貢いだ男性に、他の女性との結婚を理由に振られたという瞳の辛い事情を聞き、話がまったく途切れない瞳に圧倒されつつも、慰める。

瞳に奢って懐がすっかり寂しくなってしまった寅次郎だが、木曾に向かうバスの中で、偶然、博の父・飈一郎(ひょういちろう、志村喬)と出会い、温泉宿に一緒に出かける。彼に「いくら美人でも、死んじまえば骸骨」と人生のはかなさについて諭され、「女難の相」が気になっている寅次郎は、その逸話が載っている『今昔物語』の本を借りて、反省して柴又に帰る。[2]

翌朝、寅次郞はとらやを発って、修行の旅へと出ようとする。ところが、そこへ職業安定所の紹介で店を手伝い始めていた荒川早苗(大原麗子)が出勤して来ると、寅次郎は彼女の美しさにギョッとし、すったもんだの末に旅に出るのをやめる。早苗が結婚していることを知り意気消沈するが、現在別居中で、離婚もやむなしと思っていることを聞いて、にわかに元気になる。第一印象は互いにあまりよくなかった二人だが、二人で留守番をしていた時の寅次郎の優しい心づかいは早苗の見方を変え、また、離婚して元気のない早苗を励まそうとして、ついドジを踏んでしまう寅次郎の様子が何よりも早苗の心を癒やす。[3]しかし、それが寅次郎の「女難」なのか、早苗が「寅さん、好きよ」とまで言ったことには、とらや一家の心配は募るばかりであった。

しばらくして、早苗の引っ越しの手伝いに出かけた寅次郎は、従兄の添田肇(室田日出男)を紹介される。高校で教師をしている添田は、生徒を連れてキビキビと手伝っていたが、寅次郎に運送屋と誤解されるほど朴訥とした雰囲気であった。離婚の仲介をするほど早苗の兄貴分的な存在であったが、密かに彼女を慕っていた。

やがて、添田がとらやに早苗を訪ねてくる。添田は、外出している早苗をしばらく待っていたが、意を決したように立ち上がると、早苗への伝言と預金通帳を寅次郎に託す。その時早苗が戻って来たが、一言言っただけで添田は立ち去ってしまう。添田の伝言は「僕は故郷の小樽に就職口が見つかったので、当分会えないけど、早苗には元気でいて欲しい」という内容で、預金通帳には100万円の数字が記入されていた。添田の気持ちを悟った寅次郎は、「あんたのことがずっと前から好きだったんだよ。不器用だから、口でうまいことが言えないんだよ。早く行ってやんなよ」と、ためらう早苗を説得する。寅次郎の顔を見つめていた早苗は、振り返ると駅に向かって駈けだした。自らライバルを助ける形で「失恋した」寅次郎は、例によって家族の止める声も聞かず、旅に出る。

正月になって、小樽にいる早苗から年賀状が来る。旅先の寅次郎は、いつぞやの雲水と礼を交わす。直後、蒸気機関車の車中で、兄妹のような関係だったという男性と新婚旅行中の瞳と再会する。相変わらずの瞳の元気ぶりに圧倒される寅次郎であった。

スタッフ

キャスト

記録

  • 観客動員:191万5000人[4]
  • 配給収入:11億6000万円[1](11億7000万円[4]とも)

ロケ地

脚注

  1. ^ a b 『キネマ旬報ベスト・テン全史: 1946-2002』キネマ旬報社、2003年、238-239頁。ISBN 4-87376-595-1 
  2. ^ 後日、柴又を訪ねてきた飈一郎は、将来博が家を建てるときのために安曇野に土地を買っていると、さくらに伝える。
  3. ^ ちょうどその日、瞳がとらやを訪ねてきて、自分を捨てた男が一週間で離婚したと寅次郎に伝える。瞳の元気あふれる態度に対する寅次郎の狼狽ぶりも、早苗の癒しの一つになる。
  4. ^ a b 日経ビジネス』1996年9月2日号、131頁。

関連項目

外部リンク