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'''羅漢齋'''(らかんさい、羅漢斎とも表記、{{ピン音|Luóhàn zhāi / lo han jai / lo hon jai}}、{{lang-en|Buddha's delight}})は主に[[中国]]で作られている[[精進料理]]である。中国国内では時に、羅漢菜({{ |
'''羅漢齋'''(らかんさい、羅漢斎とも表記、{{ピン音|Luóhàn zhāi / lo han jai / lo hon jai}}、{{lang-en|Buddha's delight}})は主に[[中国]]で作られている[[精進料理]]である。中国国内では時に、羅漢菜({{Lang-zh|s=罗汉菜|t=羅漢菜}}、{{ピン音|Luóhàn cài}})と表記されることがある。 |
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羅漢齋は伝統的に[[仏教]]僧の間で食されてきた料理であったが、現代では世界中の中華料理店における[[ベジタリアン]]の食事の選択肢として人気のある料理となっている。羅漢齋の材料は様々な野菜であるが、時に[[魚]]や[[鶏卵|卵]]を用いることもある。野菜を、[[醤油]]をベースとして様々な調味料を加えたソースとともに炒めて作る。羅漢齋を特徴づける食材はアジア内部とアジア外で大きく異なる。 |
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羅漢齋の「羅漢」とは、[[阿羅漢]]({{ |
羅漢齋の「羅漢」とは、[[阿羅漢]]({{Lang-zh|s=阿罗汉|t=阿羅漢|p=Ā LuóHàn}})の省略形である。「齋」({{Lang-zh|s=斋|t=齋|p=zhāi}})は「菜食」を意味する。 |
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羅漢齋には通常最低でも10種類以上の野菜を用いるが、中には18~35種類の野菜を用いて作る必要がある場合もある<ref name="archive1">{{cite web |
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|date=2008-02-10 |accessdate=2012-08-22}}</ref>。18種類の野菜を使用する場合、料理は羅漢全齋([[簡体字]]:罗汉全斋、[[繁体字]]:羅漢全齋)と呼ばれる。 |
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[[中国]]の[[香港]]と[[カナダ]]の[[トロント]]では、[[腐乳]]や豆花のような風味付きで瓶詰めされた野菜を多く用いた料理があり、これは「甜酸齋」({{Lang-zh|t=甜酸齋|s=甜酸斋|p=tian2 suan1 zhai1}}、字義通りには甘酸っぱい野菜料理を表す)として知られている。 |
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==伝統== |
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2021年9月28日 (火) 09:34時点における版
羅漢齋 | |
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別名 | 羅漢斎 |
フルコース | 主菜 |
発祥地 | 中国 |
主な材料 | 様々な野菜、醤油 |
羅漢齋 | |||||||||||||||
繁体字 | 羅漢齋もしくは齋 | ||||||||||||||
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簡体字 | 罗汉斋もしくは斋 | ||||||||||||||
文字通りの意味 | Luohan vegetarian food | ||||||||||||||
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羅漢齋(らかんさい、羅漢斎とも表記、拼音: 、英語: Buddha's delight)は主に中国で作られている精進料理である。中国国内では時に、羅漢菜(簡体字: 罗汉菜; 繁体字: 羅漢菜、拼音: )と表記されることがある。
羅漢齋は伝統的に仏教僧の間で食されてきた料理であったが、現代では世界中の中華料理店におけるベジタリアンの食事の選択肢として人気のある料理となっている。羅漢齋の材料は様々な野菜であるが、時に魚や卵を用いることもある。野菜を、醤油をベースとして様々な調味料を加えたソースとともに炒めて作る。羅漢齋を特徴づける食材はアジア内部とアジア外で大きく異なる。
語源
羅漢齋の「羅漢」とは、阿羅漢(簡体字: 阿罗汉; 繁体字: 阿羅漢; 拼音: Ā LuóHàn)の省略形である。「齋」(簡体字: 斋; 繁体字: 齋; 拼音: zhāi)は「菜食」を意味する。
羅漢齋には通常最低でも10種類以上の野菜を用いるが、中には18~35種類の野菜を用いて作る必要がある場合もある[1]。18種類の野菜を使用する場合、料理は羅漢全齋(簡体字:罗汉全斋、繁体字:羅漢全齋)と呼ばれる。
中国の香港とカナダのトロントでは、腐乳や豆花のような風味付きで瓶詰めされた野菜を多く用いた料理があり、これは「甜酸齋」(簡体字: 甜酸斋; 繁体字: 甜酸齋; 拼音: tian2 suan1 zhai1、字義通りには甘酸っぱい野菜料理を表す)として知られている。
伝統
料理名からも分かる通り、伝統的に仏教僧により親しまれてきた料理であるが、現代では世界中の中華料理店におけるベジタリアンの食事の選択肢として人気のある料理となっている。また、羅漢齋は伝統的に春節(旧正月)に中国の家庭で食されてきた料理でもあり、これは新年の最初の5日は禊として、菜食のみ行うという伝統的な仏教の習慣に根ざしている。髪菜やクワイのような普段用いることのない食材は春節の時期にのみ食することが一般的である。
材料
以下は羅漢齋に用いることが多い食材の一覧である。日本の正月料理と同じく、各々の野菜は吉兆を示す食材となっている。羅漢齋は家庭や作り手により作り方が異なり、以下の食材をすべて用いるわけではない。
主な食材
使用頻度の高い食材
- クワイ(慈菇、拼音: )[2]
- キヌガサタケ(竹笙、拼音: もしくは竹蓀、拼音: )[2]
- タケノコ(繁体字:筍、簡体字:笋、拼音: )[3]
- 腐竹(腐竹、拼音: )[2]
- 干し椎茸(冬菇、拼音: )[2]
- 人参(繁体字:胡蘿蔔、簡体字:胡萝卜、拼音: もしくは繁体字:紅蘿蔔、簡体字:红萝卜、拼音: )[3]
- 春雨(粉絲、拼音: )[3]
- ワスレグサの蕾(金針、拼音: )[2]
- 髪菜(繁体字:髮菜、簡体字:发菜、拼音: )[4]
- ギンナン(銀杏、拼音: もしくは白果、拼音: )[4]
- 蓮子(蓮子、拼音: )[5]
- 大白菜(大白菜、拼音: )[4]
- ピーナッツ(花生、拼音: )[2]
- スナップエンドウ(繁体字:荷蘭豆、簡体字:荷兰豆、拼音: )[6]
- 揚げ豆腐(炸豆腐、拼音: )[2]
- シログワイ(繁体字:荸薺、簡体字:荸荠、拼音: )[2]
- 揚げるもしくは蒸し煮にしたグルテンミート(繁体字:麵筋、簡体字:面筋、拼音: )[6]
- キクラゲ(木耳、拼音: )[3]
使用頻度の低い食材
- 豆苗(豆芽、拼音: 、芽菜、拼音: もしくは銀芽、拼音: )[6]
- ワラビ(蕨菜、拼音: )
- 白菜(白菜、拼音: )
- カリフラワー(菜花、拼音: )
- キンサイ(芹菜、拼音: )[7]
- その他のキクラゲ(アラゲキクラゲ(繁体字:雲耳、簡体字:云耳、拼音: )、キカイガラタケ(楡耳、拼音: )[1]、アカキクラゲ(桂花耳、拼音: )[1]、シロキクラゲ(銀耳、拼音: )[8]、キキクラゲ (黄耳、拼音: )[1]を含む)
- 赤ナツメ(繁体字:紅棗、簡体字:红枣、拼音: )[5]
- 蓮根(藕、拼音: )[9]
- その他のキノコ(フクロタケ(草菇、拼音: )[9]、ヒラタケ(平菇、拼音: )、キシメジ(口蘑、拼音: )を含む)
- 乾燥カキ(蠔豉、拼音: )[2]
- ジャガイモ(馬鈴薯、拼音: )
- ウズラの卵(鵪鶉蛋、拼音: )
- エビ(繁体字:蝦、簡体字:虾、拼音: )
- コンブ[9]
- ヤグルマギクの蕾[9]
- ベビーコーン[8]
調味料
- 黄酒(黄酒、拼音: )[10]
- 大蒜(大蒜、拼音: )[9]
- ショウガ(繁体字:薑、簡体字: 姜、拼音: )[9]
- グルタミン酸ナトリウム(味精、拼音: )[3]
- 油(通常はピーナッツ油(花生油)もしくはごま油(芝麻油)を用いる)
- オイスターソース(繁体字:蠔油、簡体字:蚝油、拼音: )[4]
- 腐乳(豆腐乳、拼音: 、赤と白の両方を用いる)[3]
- 塩(繁体字:鹽、簡体字:盐、拼音: )[11]
- 醤油(老抽、拼音: )[3]
- スターチ(繁体字:澱粉、簡体字:淀粉、拼音: )
- 砂糖(糖、拼音: )[3]
脚注
- ^ a b c d “素食精品:广州罗汉斋 佛门清香尘世快乐(图)” (2008年2月10日). 2008年2月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年8月22日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i “Honolulu Star-Bulletin Features”. Archives.starbulletin.com. 2009年4月30日閲覧。
- ^ a b c d e f g h Lin, Florence (1976). Florence Lin's Chinese Vegetarian Cookbook. Shambhala. p. 104. ISBN 978-0-87773-252-5 2013年7月29日閲覧。
- ^ a b c d Young, Grace (1999-05-05). The Wisdom of the Chinese Kitchen: Classic Family Recipes for Celebration and Healing. Simon & Schuster. p. 126. ISBN 978-0-684-84739-9 2013年7月29日閲覧。
- ^ a b “The Ginkgo Pages Forum - Blog: Jai a delight in the Chinese new year”. Ginkgopages.blogspot.com (2006年1月26日). 2009年4月30日閲覧。
- ^ a b c Hsiung, Deh-Ta; Simonds, Nina (2005-06-01). Food of China. Murdoch Books. p. 204. ISBN 978-1-74045-463-6 2013年7月29日閲覧。
- ^ “Buddha's Delight Recipe”. Taste.com.au. 2009年4月30日閲覧。
- ^ a b Hsiung, Deh-Ta (2002-02-19). The Chinese Kitchen: A Book of Essential Ingredients with Over 200 Easy and Authentic Recipes. St. Martin's Press. p. 193. ISBN 978-0-312-28894-5 2013年7月29日閲覧。
- ^ a b c d e f Hu, Shiu-Ying (2005). Food Plants of China. Chinese University Press. p. 1. ISBN 978-962-996-229-6 29 July 2013閲覧。
- ^ “Buddha's Delight Recipe at”. Epicurious.com. 2009年4月30日閲覧。
- ^ Lin, Florence (1976). Florence Lin's Chinese Vegetarian Cookbook. Shambhala. p. 104. ISBN 978-0-87773-252-5 2013年7月29日閲覧。
外部リンク
- Recipe, chinesefood.about.com
- Article about Buddha's Delight
- "What is Buddha's Delight?", Chelsie Vandaveer
- Article about jai (Buddha's delight) Honolulu Star-Bulletin
- Buddha's delight recipe
- Detailed article about Buddha's delight