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「プロダクトプレイスメント」の版間の差分

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* アメリカではプロダクトプレイスメント専門の代理店も数多く存在する。それに動く金額は数億円、数十億円単位であるといわれており、実際、映画監督[[スティーヴン・スピルバーグ]]作品『[[マイノリティ・リポート]]』や『[[ターミナル (映画)|ターミナル]]』では各作品、数十社と契約{{要出典|date=2008年10月}}。劇中の各シーンに実在する店舗や商標を出しており、この広告費で[[製作]]費が100億円ともいわれる両作品でかなりの部分のコストを補ったと分析されていて、映画スタジオにとってのもう一つの[[リスクヘッジ]]としても注目されている。
* アメリカではプロダクトプレイスメント専門の代理店も数多く存在する。それに動く金額は数億円、数十億円単位であるといわれており、実際、映画監督[[スティーヴン・スピルバーグ]]作品『[[マイノリティ・リポート]]』や『[[ターミナル (映画)|ターミナル]]』では各作品、数十社と契約{{要出典|date=2008年10月}}。劇中の各シーンに実在する店舗や商標を出しており、この広告費で[[製作]]費が100億円ともいわれる両作品でかなりの部分のコストを補ったと分析されていて、映画スタジオにとってのもう一つの[[リスクヘッジ]]としても注目されている。
* 映画のテレビ放映のCM枠と比べ、宣伝劇中に挿入することで比較的削除されることがなくなったが、これが逆効果を生むことがある。数年後にテレビ放映されても、その時にはその商品が既に存在しない場合にあるため全く効果を生まない場合もあり、デザインを変えた新製品の場合だと、それを[[コンピュータグラフィックス|CG]]で差し替えることもできない。
* 映画のテレビ放映のCM枠と比べ、宣伝劇中に挿入することで比較的削除されることがなくなったが、これが逆効果を生むことがある。数年後にテレビ放映されても、その時にはその商品が既に存在しない場合にあるため全く効果を生まない場合もあり、デザインを変えた新製品の場合だと、それを[[コンピュータグラフィックス|CG]]で差し替えることもできない。
* [[時代劇]](特に[[昭和]]より前の時代)や[[ファンタジー]]映画でのPPは通常ありえない。『[[ロード・オブ・ザ・リング]]』などのファンタジーは実世界の話ではないため、この手法は使えない。時代劇の場合、[[時代考証]]に反しない範囲であればPPも可能と考えられるが、日本の時代劇は大半が[[明治時代]]より前を題材としているため、PPにそぐわない。しかし、『ロード・オブ・ザ・リング』の映画の1シーンが[[フォード・モーター|フォード]]社の[[トラック]]のCMに逆使用されるなどの「逆PP」という裏技も存在する。この「逆PP」は[[テレビ]]や[[スマートフォン]]などのCMでたびたび使用される。
* [[時代劇]](特に[[昭和]]より前の時代)や[[ファンタジー]]映画でのPPは通常ありえない。『[[ロード・オブ・ザ・リング (2001年の映画)|ロード・オブ・ザ・リング]]』などのファンタジーは実世界の話ではないため、この手法は使えない。時代劇の場合、[[時代考証]]に反しない範囲であればPPも可能と考えられるが、日本の時代劇は大半が[[明治時代]]より前を題材としているため、PPにそぐわない。しかし、『ロード・オブ・ザ・リング』の映画の1シーンが[[フォード・モーター|フォード]]社の[[トラック]]のCMに逆使用されるなどの「逆PP」という裏技も存在する。この「逆PP」は[[テレビ]]や[[スマートフォン]]などのCMでたびたび使用される。
* 日本企業が本格的にPPを使用した例として、映画『[[007は二度死ぬ]]』における[[トヨタ自動車]]が挙げられる。全編日本国内でロケーションが行われたこともあり、[[ボンドカー]]{{efn2|[[トヨタ・2000GT]]のオープンモデル}}を含め登場車両に全てトヨタ車が使用された。
* 日本企業が本格的にPPを使用した例として、映画『[[007は二度死ぬ]]』における[[トヨタ自動車]]が挙げられる。全編日本国内でロケーションが行われたこともあり、[[ボンドカー]]{{efn2|[[トヨタ・2000GT]]のオープンモデル}}を含め登場車両に全てトヨタ車が使用された。
* [[1973年]]に公開された[[ラージ・カプール]]の映画『[[ボビー (1973年の映画)|Bobby]]』では、主人公が黒と黄色のラージドゥート・バイクに乗っている。これは、[[ボリウッド]]([[インド]]・[[ムンバイ]]の映画のこと)における映画内広告の最初の例の一つとされる<ref>[https://megalodon.jp/2013-0315-1215-39/www.voiceofindia.co.jp/business-economy/456 ボリウッドの映画内広告 - ヴォイス・オブ・インディア]</ref>。
* [[1973年]]に公開された[[ラージ・カプール]]の映画『[[ボビー (1973年の映画)|Bobby]]』では、主人公が黒と黄色のラージドゥート・バイクに乗っている。これは、[[ボリウッド]]([[インド]]・[[ムンバイ]]の映画のこと)における映画内広告の最初の例の一つとされる<ref>[https://megalodon.jp/2013-0315-1215-39/www.voiceofindia.co.jp/business-economy/456 ボリウッドの映画内広告 - ヴォイス・オブ・インディア]</ref>。

2021年9月28日 (火) 08:34時点における版

プロダクトプレイスメント: product placement)は、広告手法の一つで映画テレビドラマの劇中において、役者小道具として、または背景として実在する企業名・商品名(商標)を表示させる手法のことを指す。プロダクト・プレイスメントとも表記されるほか、略してP.P.(もしくはPP)ともいう。

なお、劇中の犯罪者や嫌われ者の悪者が使用している場合[注 1]は、逆効果にもなりうる。これを意図的に行うことでイメージダウンを狙うものは「アンチ・プロダクト・プレイスメント」と呼ばれる[1][注 2]。「逆プロダクトプレースメント」という用語は既に作成された映画やドラマのシーンをCMに流用する手法を指す。

歴史

誕生は1955年公開のハリウッド映画『理由なき反抗』といわれる。劇中でジェームズ・ディーンがポケットからを取り出し整髪するシーンが何度も出てくるが、これを観た当時のアメリカの若者たちから「ディーンが使っていた同じ櫛はどこで買えるのか?」と映画会社のワーナー・ブラザースに問合せが殺到した[2]。これが新しい宣伝ビジネスモデルになると気づいた各映画会社は、以降一般企業との「劇中広告でのタイアップ」を始める。これが「プロダクトプレイスメント」と呼ばれ、一般化した。現在、アメリカではPP専門の広告代理店が数十社存在する。

撮影後の映像に商品や広告を露出するデジタル技術「デジタル・プロダクトプレイスメント」も登場した[3]

最近の新技術によって、視聴者に好まれないCMをカットして見られるハードディスクレコーダーなど、広告業界や放送業界を悩ます潮流ができている状況下で、番組内や劇中に商品を入れることによって、視聴者側の都合でカットできないようにする利点がある。

日常に普及した携帯電話(フィーチャー・フォン)やスマートフォンなどは、現代(おおむね2000年代以降)を舞台にしたドラマアニメ小道具としてもはや必須となり、実写のドラマではメーカーのロゴなどが映ることもある(アニメではタイアップでもしない限り、特定のロゴや機種が描かれることはない)。携帯型と据え置き型のゲーム機のPPも増えている[4]

映画

日本映画

テレビ番組

ドラマ

アニメ

ゲームソフト

  • ゲームソフトでも、スポーツゲームでスタジアム内に実在する企業の広告を入れたり、ゲーム中のアイテムとして特定企業の商品を登場させたりすることで広告費を得る手法がある。

漫画

脚注

注釈

  1. ^ 2008-2009年の3部作映画『20世紀少年』では忍者ハットリくんナショナルキッドお面を着用した登場人物がいたが、少なくとも2010年に発売されたフィギュアに関しては著作権上の許諾を得ているという。 (『20世紀少年』1/6スケールフィギュア ともだち - ホットトイズジャパン)
  2. ^ ニュース報道などでも同様の現象がある。1998年(平成10年)に発生した和歌山毒物カレー事件では、ミキハウスのスウェットシャツを着用していた犯人(取材時は容疑者)のニュース映像が大量に流れ、同社のブランドイメージに影響したといわれる。その後の映像を再使用する際には、ロゴをぼかしで隠すよう配慮された。
  3. ^ トヨタ・2000GTのオープンモデル
  4. ^ 実際の警察車両では実用性に欠けることから、クーペモデルの導入例はメーカーからの寄贈などごく少数に限られている。
  5. ^ 実例として、エヴァンゲリオンシリーズでの葛城ミサトが愛飲するビールに診られ、『新世紀エヴァンゲリオン』ではヱビスビールのパロディ(エビチャンビール)が頻繁に登場していたが、社会現象以降、パロディ元であるヱビスビールの売り上げ向上もあり、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』のシリーズ全般ではサッポロビールが製作に協力するようになったため、ヱビスビールそのものの登場に変わっている。
  6. ^ 本作はロボット毎にスポンサーが付いているという設定である。日本版は実在の企業ロゴを積極的に使用する設定であるため、海外版では架空の企業に差し替えを行っている。そのため、広告放送が禁止されているNHKで放送する場合、海外版を逆輸入(音声は日本語のみ)することで対処された。
  7. ^ 一部回では東急ストアの店舗も作中に登場している。
  8. ^ その後、2015年には同社が出版元の講談社と『ダイヤのA』でのタイアップ商品の発売契約を発表。

出典

関連項目

外部リンク