「労働争議」の版間の差分
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労働関係調整法6条では、「この法律において労働争議とは、労働関係の当事者間において、労働関係に関する主張が一致しないで、そのために争議行為が発生している状態または発生する虞がある状態をいう」と定義されている。 |
労働関係調整法6条では、「この法律において労働争議とは、労働関係の当事者間において、労働関係に関する主張が一致しないで、そのために争議行為が発生している状態または発生する虞がある状態をいう」と定義されている。 |
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[[ストライキ]]を参照のこと。 |
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ピケット(英 picket)は、労働者側がスト破りを防ぐために、組合員が職場を見張って他の労働者を入れさせないようにし、ストライキの実効性を確保する行為である。世間にストライキ目的を訴えるためになされることもある。ピケ、ピケッティングともいわれる。組合員以外の労働者の就業を妨害しない限りにおいて合法とされている。 |
ピケット(英 picket)は、労働者側がスト破りを防ぐために、組合員が職場を見張って他の労働者を入れさせないようにし、ストライキの実効性を確保する行為である。世間にストライキ目的を訴えるためになされることもある。ピケ、ピケッティングともいわれる。組合員以外の労働者の就業を妨害しない限りにおいて合法とされている。 |
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通常は省略ないし簡略化して実施されている行為を、法令や規則を厳格に遵守すること(順法)で通常よりも業務能率を停滞させるサボタージュの一種である。法令・規則を遵守しているのであるから形式的には通常の業務行為であるため、国家公務員法などにより争議行為を禁止されている公務員がこれを行っても違法とはならない。 |
通常は省略ないし簡略化して実施されている行為を、法令や規則を厳格に遵守すること(順法)で通常よりも業務能率を停滞させるサボタージュの一種である。法令・規則を遵守しているのであるから形式的には通常の業務行為であるため、国家公務員法などにより争議行為を禁止されている公務員がこれを行っても違法とはならない。 |
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三公社五現業([[日本国有鉄道]]、[[日本専売公社]]、[[日本電信電話公社]]の三公社と、郵便・国有林野・印刷・造幣・アルコール専売の五現業を行う国営企業)の時代に[[日本国有鉄道|国鉄]]の職員がよく用いた順法闘争として「安全サボ」がある。運転士又は機関士が列車を運転している時に、カーブや駅などで速度を落とす区間がある場合、必要以上に速度を落とし、列車を遅らせてダイヤを乱し、上層部に労働条件の向上のメッセージを送るやり方である。一時期この順法闘争が頻発し、通勤電車におけるダイヤの乱れと混雑が助長、恒常化したために利用者の不満は大きく、 |
三公社五現業([[日本国有鉄道]]、[[日本専売公社]]、[[日本電信電話公社]]の三公社と、郵便・国有林野・印刷・造幣・アルコール専売の五現業を行う国営企業)の時代に[[日本国有鉄道|国鉄]]の職員がよく用いた順法闘争として「安全サボ」がある。運転士又は機関士が列車を運転している時に、カーブや駅などで速度を落とす区間がある場合、必要以上に速度を落とし、列車を遅らせてダイヤを乱し、上層部に労働条件の向上のメッセージを送るやり方である。一時期この順法闘争が頻発し、通勤電車におけるダイヤの乱れと混雑が助長、恒常化したために利用者の不満は大きく、上尾駅を中心とする暴動も発生した(上尾事件)。 |
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===ボイコット=== |
===ボイコット=== |
2004年10月6日 (水) 11:51時点における版
労働争議(ろうどうそうぎ)とは、労働者が自らの労働条件の向上を目指して行う様々な活動である。 労働関係調整法6条では、「この法律において労働争議とは、労働関係の当事者間において、労働関係に関する主張が一致しないで、そのために争議行為が発生している状態または発生する虞がある状態をいう」と定義されている。
争議行為の種類
労働争議状態における労働者による争議行為について以下に説明する。なお、使用者側による争議行為としてはロックアウトがある。
ストライキ
ストライキは労働闘争における戦術の一つ。スト、同盟罷業ともいう。 ストライキを参照のこと。
ピケット
ピケット(英 picket)は、労働者側がスト破りを防ぐために、組合員が職場を見張って他の労働者を入れさせないようにし、ストライキの実効性を確保する行為である。世間にストライキ目的を訴えるためになされることもある。ピケ、ピケッティングともいわれる。組合員以外の労働者の就業を妨害しない限りにおいて合法とされている。 使用者側が労働者を職場から閉め出す行為はロックアウトといわれる。
サボタージュ
サボタージュ(仏 sabatage)とは、日本語として定着した『サボる』の元の言葉であり、フランス語が起源である。サボ、または怠業ともいわれる。サボタージュは本来『木靴』を表す言葉で、フランスの労働者が争議行為中に木靴で機械などの設備を叩いて抗議の意思表示したことから今日のような「怠業」という意味が生まれた。
争議行為としてのサボタージュは、労働者が仕事の能率を著しく、又は会社にダメージを与えていることが判る程度に落として会社に自分たちの労働条件の向上のメッセージを送ることである。このやり方は、争議権が認められていない公務員も制度上合法的に行うことが出来る。
消極的怠業(順法闘争、安全サボなど)は正当な争議行為だが、積極的怠業(不良品の故意の製造など)は不当な争議行為として刑事免責及び民事免責を受けられない。
順法闘争
通常は省略ないし簡略化して実施されている行為を、法令や規則を厳格に遵守すること(順法)で通常よりも業務能率を停滞させるサボタージュの一種である。法令・規則を遵守しているのであるから形式的には通常の業務行為であるため、国家公務員法などにより争議行為を禁止されている公務員がこれを行っても違法とはならない。
三公社五現業(日本国有鉄道、日本専売公社、日本電信電話公社の三公社と、郵便・国有林野・印刷・造幣・アルコール専売の五現業を行う国営企業)の時代に国鉄の職員がよく用いた順法闘争として「安全サボ」がある。運転士又は機関士が列車を運転している時に、カーブや駅などで速度を落とす区間がある場合、必要以上に速度を落とし、列車を遅らせてダイヤを乱し、上層部に労働条件の向上のメッセージを送るやり方である。一時期この順法闘争が頻発し、通勤電車におけるダイヤの乱れと混雑が助長、恒常化したために利用者の不満は大きく、上尾駅を中心とする暴動も発生した(上尾事件)。
ボイコット
ボイコット(英 boycott)とは、労働者が自社製品の購買を控えるように訴え、使用者に経済的打撃を与え、自らの団体目的達成を目指す行為である。不買運動ともいう。原則として合法であるが、取引先に不買を働きかける二次的不買運動は違法とされている。詳しくはボイコットのページを参照。