「36ぷらす3」の版間の差分
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5日間かけて九州7県を反時計回りに巡るコース設定となっている。全ルートの走行距離は1,198kmで、一方向に円を描くように[[環状運転]]する電車<ref group="注">途中、[[宮崎空港駅]]に乗り入れたり、西小倉駅 - 門司港駅間を往復したり、最終日に博多駅 - [[長崎駅]]間を往復するコース設定があることから、厳密には環状運転ではない。</ref>としては世界最大(寝台列車を除く、JR九州調べ)であることから、「目指すは“世界一の わ”」とのメッセージも持っている{{R|press release 1}}。 |
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同様に九州全体を巡る列車として団体専用列車の『[[ななつ星in九州]]』があるが、「36ぷらす3」はD&S列車として運行されることもあり、昼食付きの旅行商品としての販売の他、一部の座席は[[みどりの窓口]]などでの乗車のみの一般販売が行われる<ref name="Mynavi News-020129">{{Cite news|url=https://news.mynavi.jp/article/20200129-36plus3:amp/ |title=JR九州「36ぷらす3」787系の改造工事など公開、2020年秋運行開始へ |newspaper=マイナビニュース |publisher=上新大介 |date=2020年1月29日 |accessdate=2020年2月27日}}</ref><ref name="nishinippon-np">{{Cite news|url=https://www.nishinippon.co.jp/item/n/561572/|title=JR九州新観光列車は「36ぷらす3」 7県を5日で周遊 来秋運行|newspaper=西日本新聞|date=2019-11-21|accessdate=2020-02-29}}</ref>。また、昼間は列車で楽しみ、夜は大いに地元で盛り上がってもらいたいという願いから日中時間帯のみの運行とし<ref name="Mynavi News-020129" />、夜行列車としての走行を予定しない(後述)ことから、寝台などの宿泊設備は設けられない{{R|press release 1}}。 |
同様に九州全体を巡る列車として団体専用列車の『[[ななつ星 in 九州]]』があるが、「36ぷらす3」はD&S列車として運行されることもあり、昼食付きの旅行商品としての販売の他、一部の座席は[[みどりの窓口]]などでの乗車のみの一般販売が行われる<ref name="Mynavi News-020129">{{Cite news|url=https://news.mynavi.jp/article/20200129-36plus3:amp/ |title=JR九州「36ぷらす3」787系の改造工事など公開、2020年秋運行開始へ |newspaper=マイナビニュース |publisher=上新大介 |date=2020年1月29日 |accessdate=2020年2月27日}}</ref><ref name="nishinippon-np">{{Cite news|url=https://www.nishinippon.co.jp/item/n/561572/|title=JR九州新観光列車は「36ぷらす3」 7県を5日で周遊 来秋運行|newspaper=西日本新聞|date=2019-11-21|accessdate=2020-02-29}}</ref>。また、昼間は列車で楽しみ、夜は大いに地元で盛り上がってもらいたいという願いから日中時間帯のみの運行とし<ref name="Mynavi News-020129" />、夜行列車としての走行を予定しない(後述)ことから、寝台などの宿泊設備は設けられない{{R|press release 1}}。 |
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=== 登場の経緯 === |
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自らが特急用車両として初めてデザインを手がけた787系電車{{R|netolabo-011221}}<ref name="toyokeizai20200930">{{Cite web|url=https://toyokeizai.net/articles/-/378166|title=JR九州、観光列車「36ぷらす3」誕生までの舞台裏|author=大坂直樹 |website=東洋経済オンライン|date=2020-09-30|accessdate=2020-09-30}}</ref>を用いた新たなD&S列車の構想については2018年頃から水戸岡の頭の中にあったが、最初の水戸岡によるプレゼンテーションは「列車のコンセプトが固まっていない」との理由でJR九州の[[青柳俊彦]]社長により一旦は却下されたという{{R|toyokeizai20200930}}。JR九州の車両デザインが却下されたことに対し、水戸岡本人が「『[[ななつ星in九州]]』や[[新幹線800系電車]]よりも難しかった。どうしたらいいか、わからなかった」と暗中模索する中、「九州のエピソードをぎゅっと詰め込んで、毎日違うおもてなしにより世界に九州をアピールするオンリーワンの車両」というコンセプトの方向性が定まり、改めて車両デザインを固め直し、実現に至ったという{{R|toyokeizai20200930}}。 |
自らが特急用車両として初めてデザインを手がけた787系電車{{R|netolabo-011221}}<ref name="toyokeizai20200930">{{Cite web|url=https://toyokeizai.net/articles/-/378166|title=JR九州、観光列車「36ぷらす3」誕生までの舞台裏|author=大坂直樹 |website=東洋経済オンライン|date=2020-09-30|accessdate=2020-09-30}}</ref>を用いた新たなD&S列車の構想については2018年頃から水戸岡の頭の中にあったが、最初の水戸岡によるプレゼンテーションは「列車のコンセプトが固まっていない」との理由でJR九州の[[青柳俊彦]]社長により一旦は却下されたという{{R|toyokeizai20200930}}。JR九州の車両デザインが却下されたことに対し、水戸岡本人が「『[[ななつ星 in 九州]]』や[[新幹線800系電車]]よりも難しかった。どうしたらいいか、わからなかった」と暗中模索する中、「九州のエピソードをぎゅっと詰め込んで、毎日違うおもてなしにより世界に九州をアピールするオンリーワンの車両」というコンセプトの方向性が定まり、改めて車両デザインを固め直し、実現に至ったという{{R|toyokeizai20200930}}。 |
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=== 列車名の由来 === |
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* 8120M 長崎→博多 |
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なお、このルートで運行した場合、日曜日の"青の路"の門司港駅で方向転換することになるため、それ以降の"青の路"、翌日の"金の路"では編成の進行方向が逆転する。翌木曜日の「赤の路」(8101M)以降も方向を踏襲するため、サイト上では'''「列車の進行方向は運行の都度変わります。また、日曜日ルートにおいては、門司港駅発車時に進行方向が変わります。」'''と案内されている<ref>[https://www.jrkyushu-36plus3.jp/about/dia/ 運行ルート・ダイヤ] - 九州旅客鉄道(2020年11月11日閲覧)</ref><ref group="注">編成の向きが入れ替わる「折り返し運転」が週に1回、門司港駅で起きるため。博多駅から、[[久大本線]]、[[豊肥本線]]、肥薩おれんじ鉄道→宮崎駅のいずれかを通って大分駅を通過し、小倉駅以東で折り返すと、博多駅到着地点で編成の向きが逆転する。このうち、"赤の路"→"青の路"の一連のルートが、『肥薩おれんじ鉄道経由』に該当する。これを利用し、「[[ななつ星in九州]]」ではかつて、西小倉駅・久大本線経由で方向転換のための回送が実施されていた。</ref>。 |
なお、このルートで運行した場合、日曜日の"青の路"の門司港駅で方向転換することになるため、それ以降の"青の路"、翌日の"金の路"では編成の進行方向が逆転する。翌木曜日の「赤の路」(8101M)以降も方向を踏襲するため、サイト上では'''「列車の進行方向は運行の都度変わります。また、日曜日ルートにおいては、門司港駅発車時に進行方向が変わります。」'''と案内されている<ref>[https://www.jrkyushu-36plus3.jp/about/dia/ 運行ルート・ダイヤ] - 九州旅客鉄道(2020年11月11日閲覧)</ref><ref group="注">編成の向きが入れ替わる「折り返し運転」が週に1回、門司港駅で起きるため。博多駅から、[[久大本線]]、[[豊肥本線]]、肥薩おれんじ鉄道→宮崎駅のいずれかを通って大分駅を通過し、小倉駅以東で折り返すと、博多駅到着地点で編成の向きが逆転する。このうち、"赤の路"→"青の路"の一連のルートが、『肥薩おれんじ鉄道経由』に該当する。これを利用し、「[[ななつ星 in 九州]]」ではかつて、西小倉駅・久大本線経由で方向転換のための回送が実施されていた。</ref>。 |
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=== 停車駅 === |
=== 停車駅 === |
2021年9月3日 (金) 11:13時点における版
36ぷらす3 | |
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大分駅に停車中の36ぷらす3(2020年10月) | |
概要 | |
国 | 日本 |
種類 | 特別急行列車 |
現況 | 運行中 |
地域 | 福岡県・熊本県・鹿児島県・宮崎県・大分県・佐賀県・長崎県 |
運行開始 | 2020年10月16日[注 1][1] |
運営者 |
九州旅客鉄道(JR九州) 肥薩おれんじ鉄道 |
路線 | |
起点 | 博多駅 |
停車地点数 | 20(乗降可能駅は10) |
終点 | 博多駅 |
営業距離 |
総距離:1,198 km (744 mi) 赤の路:317.1 km (197.0 mi) 黒の路:125.9 km (78.2 mi) 緑の路:225.1 km (139.9 mi) 青の路:222.1 km (138.0 mi) 金の路(片道):153.9 km (95.6 mi) |
運行間隔 | 各区間週1回 |
列車番号 | 記事内参照 |
使用路線 |
JR九州:鹿児島本線・日豊本線・宮崎空港線・日南線・長崎本線 肥薩おれんじ鉄道線 |
車内サービス | |
クラス | グリーン車 |
身障者対応 | 2号車(車いす対応座席) |
座席 |
グリーン個室:1・2・3号車 グリーン車指定席:5・6号車 |
食事 | 3号車(ビュッフェ) |
娯楽 | 4号車(マルチカー) |
技術 | |
車両 |
787系電車 (南福岡車両区) |
軌間 | 1,067 mm |
電化 | 交流20,000 V・60 Hz |
36ぷらす3(さんじゅうろくぷらすさん)は、九州旅客鉄道(JR九州)が企画し、JR九州及び肥薩おれんじ鉄道が運行する特別急行列車である[1][2]。
概要
2017年3月登場の『かわせみ やませみ』以来3年半ぶりとなるJR九州のD&S(デザイン&ストーリー)列車第12弾として登場した列車で、2019年11月21日に概要が発表された[2]。コンセプトは「九州のすべてが、ぎゅ―っと詰まった“走る九州”といえる列車」[2]。JR九州在来線特急の主力車両として用いられた787系電車を改造した車両が用いられ、D&S列車では初めてとなる電車による列車となる。これまでのD&S列車同様、水戸岡鋭治が車両デザインを担当している[3]。
5日間かけて九州7県を反時計回りに巡るコース設定となっている。全ルートの走行距離は1,198kmで、一方向に円を描くように環状運転する電車[注 2]としては世界最大(寝台列車を除く、JR九州調べ)であることから、「目指すは“世界一の わ”」とのメッセージも持っている[2]。
同様に九州全体を巡る列車として団体専用列車の『ななつ星 in 九州』があるが、「36ぷらす3」はD&S列車として運行されることもあり、昼食付きの旅行商品としての販売の他、一部の座席はみどりの窓口などでの乗車のみの一般販売が行われる[4][5]。また、昼間は列車で楽しみ、夜は大いに地元で盛り上がってもらいたいという願いから日中時間帯のみの運行とし[4]、夜行列車としての走行を予定しない(後述)ことから、寝台などの宿泊設備は設けられない[2]。
登場の経緯
自らが特急用車両として初めてデザインを手がけた787系電車[3][6]を用いた新たなD&S列車の構想については2018年頃から水戸岡の頭の中にあったが、最初の水戸岡によるプレゼンテーションは「列車のコンセプトが固まっていない」との理由でJR九州の青柳俊彦社長により一旦は却下されたという[6]。JR九州の車両デザインが却下されたことに対し、水戸岡本人が「『ななつ星 in 九州』や新幹線800系電車よりも難しかった。どうしたらいいか、わからなかった」と暗中模索する中、「九州のエピソードをぎゅっと詰め込んで、毎日違うおもてなしにより世界に九州をアピールするオンリーワンの車両」というコンセプトの方向性が定まり、改めて車両デザインを固め直し、実現に至ったという[6]。
列車名の由来
「36ぷらす3」の「36」は、九州が世界で36番目に大きい島ということを示すとともに、5日間の行程で沿線の35のエピソードを紹介することで、利用者自身で“36番目のエピソード”を語ってほしいとの願いを込めたという[2]。また、「3」は乗客・地域住民・JR九州を表す[5]と共に、「驚き、感動、幸せ」の意味を込め[3]、36+3=39で「感謝=サンキュー(39)の輪」を広げたいとしている[2]。
「ぷらす」が平仮名書きなのは、JR九州会長の唐池恒二のアイディアだという[6]。
運行概況
毎週木曜日に博多駅を出発し、コース全体を5日に分けた下記のルートが設定される。1日単位の利用も可能で、料金は昼食付きで1日1万円 - 2万円を想定している[5]。乗降可能駅は全体で10駅に限定され、この他に車外に出られる「特別停車駅」が9駅設定される[7]。特別停車駅は沿線の特産品販売を行う駅の他、風光明媚な駅や停車本数が極端に少ない秘境駅といった特徴的な駅が選ばれている[8]。
木曜日ルート(博多駅 - 鹿児島中央駅)については途中の八代駅 - 川内駅間で、肥薩おれんじ鉄道の肥薩おれんじ鉄道線に乗り入れる[4]。同線は貨物列車運行のために電化設備は残されているものの、旅客列車はすべて気動車化されており[9]、電車が乗り入れるのは異例である[注 3]。なお、同線内では牛ノ浜駅に特別停車するが、同駅では乗降不可であり、八代駅・川内駅には営業停車しないため、同線のみの乗車はできない。なお、走行ルートである肥薩おれんじ鉄道は、令和2年7月豪雨により土砂流入および道床流出が発生し、2020年7月23日時点で八代 - 水俣間が運休となっていたため、復旧時期が未定な同区間に関しては"赤の路"全プラン(ランチプラン・グリーン席プラン)の発売を見合わせ、2020年10月16日“黒の路”からの運転開始に変更された[10]。その後、肥薩おれんじ鉄道が2020年11月1日より全線での運行を再開したことから、2020年11月19日より"赤の路"全プランの運行を開始することが決定した[11]。
また車内では、車窓にあわせて九州をより深く楽しむエピソードが紹介される[12]。
個室車両(1・2・3号車)については食事がセットになった旅行商品「ランチプラン」(月曜日ルートの長崎駅 - 博多駅は「ディナープラン」)としてのみ発売される。4人用個室は3名以上、6人用個室は4名以上での利用となり、2人用個室については追加料金を支払うことで1名利用が可能である[1]。
座席車両(5・6号車)については、前述した旅行商品の他に「グリーン席プラン」として通常のきっぷとしての発売もされる。運賃・特急料金は他の列車と同額(B特急料金を適用)だが、グリーン料金は150kmまで3,300円、200kmまで4,300円、201km以上は5,300円(大人・小児同額)という、当列車専用の料金設定がなされている[1]。
列車番号は8101〜8111M、8119M、8120M[13]。
木曜日“赤の路”
- 8101M(休日は8111M) 博多→熊本
- 8103M 熊本→出水
- 8105M 出水→鹿児島中央
金曜日“黒の路”
- 8102M 鹿児島中央→大隅大川原
- 8104M 大隅大川原→宮崎
土曜日“緑の路”
- 8106M 宮崎空港→重岡
- 8108M 重岡→別府
日曜日“青の路”
- 8110M 大分→門司港
- 8107M 門司港→博多
月曜日“金の路”
- 8109M(休日は8119M) 博多→長崎
- 8120M 長崎→博多
なお、このルートで運行した場合、日曜日の"青の路"の門司港駅で方向転換することになるため、それ以降の"青の路"、翌日の"金の路"では編成の進行方向が逆転する。翌木曜日の「赤の路」(8101M)以降も方向を踏襲するため、サイト上では「列車の進行方向は運行の都度変わります。また、日曜日ルートにおいては、門司港駅発車時に進行方向が変わります。」と案内されている[14][注 4]。
停車駅
太字は乗車・下車可能駅、それ以外の駅は特別停車駅(停車中のみ下車が可能)。また、以下の駅以外にも、運転停車(降車不可)する駅もある。
- 木曜日ルート "赤の路"
- 博多駅 -(鹿児島本線)→ 玉名駅 -(鹿児島本線)→ 熊本駅 -(鹿児島本線/肥薩おれんじ鉄道線)→ 牛ノ浜駅 -(肥薩おれんじ鉄道線/鹿児島本線)→ 鹿児島中央駅
- 金曜日ルート "黒の路"
- 鹿児島中央駅 -(鹿児島本線/日豊本線) → 大隅大川原駅 -(日豊本線)→ 宮崎駅
- 土曜日ルート "緑の路"
- 宮崎空港駅 -(宮崎空港線/日南線/日豊本線)→ 宮崎駅 -(日豊本線)→ 延岡駅 → 宗太郎駅 → 重岡駅 → 大分駅 → 別府駅
- 日曜日ルート "青の路"
- 大分駅 -(日豊本線)→ 別府駅 → 杵築駅 → 中津駅 -(日豊本線/鹿児島本線)→ 門司港駅 -(鹿児島本線)→ 小倉駅 → 博多駅
- ルートとしては西小倉駅・小倉駅 - 門司港駅間が重複するが、運賃・料金計算上は同区間を含めない。
- 月曜日ルート "金の路"
- 博多駅 -(鹿児島本線/長崎本線)→ 佐賀駅 -(長崎本線)→ 肥前浜駅 → 長崎駅
- 長崎駅 → 佐賀駅 → 博多駅
- 月曜日ルートについては、往路(博多駅発)と復路(長崎駅発)で別々に発売される[1]。
車両
36ぷらす3 | ||||||||||||||||||||||||||||
木曜日に1号車が先頭の場合 ←(鹿児島中央、宮崎、別府、門司港) (博多、長崎)→
| ||||||||||||||||||||||||||||
|
専用車両として、787系BM-15編成(6両編成)が改造された[12]。改造は小倉総合車両センターで実施されており、作業途中の模様が2020年1月29日と[4][15]、完成後の模様が2020年9月29日に[6][16]、それぞれ報道陣に公開された。
外観は元の塗装をはがした上で再塗装され[15]、ブラックメタリックで深みを出している[4]。水戸岡は元々787系電車誕生時から塗装に黒を用いたかったが、「黒は鉄道に使わない」という理由で却下されダークグレー塗装となった経緯があり、「787系を造るときにできなかったことが、36ぷらす3でできた」と述べている[6]。
座席は全てグリーン席で、合計103席が設定される。1号車から3号車までは個室、5・6号車は座席タイプの客室となっている。
- 1号車は4人用個室を4室設置。既存のグリーン個室1室に加え3室を新設した。新設した個室はパーテーションの高さを抑えた明るく開放的な空間になっており、クラシックな雰囲気の落ち着いた色調の車両となっている。
- 2号車は6人用個室を3室、4人用個室(車いす対応)を1室設置。6人用個室は九州では初となる。
- 3号車は改造にあたって方向転換し、2号車寄りから2人用個室を6室、ビュッフェを設置。
- 4号車はマルチカーとして乗客の共用スペースとし、車内での体験やイベントなどに活用される。またカウンターでのタイムリーな商品や特別な飲料の販売など、ライブ感あるサービスの提供や、「九州のお茶体験」など客室乗務員の案内により、乗客と楽しむ体験メニューも検討されている[12]。
- 5・6号車は開放客室にグリーン席が並ぶ。改造前2+2列で配置されていた座席を1+2列とし、座席は800系新幹線をベースにしたものが用いられている[16][12]。シートピッチは種車と同じ1,000mmで、窓割りと一致している。シート背面には革製のポケットを設置、テーブルも食事ができるよう大きめのサイズになっている。
- 1号車と6号車は熊本県八代産のイ草を使った畳敷きとなっており、客室への入り口横に靴箱が設置されている。
- 車内には無料Wi-Fiサービスがあるほか、全ての個室と座席にコンセントが設置されている。
- 改造により編成番号はBM-15からBM-363に改められ、6両すべての車番を363に改番している[16]。
改造前 | 改造後 | 備考 |
---|---|---|
クモロ787-2 | クモロ787-363 | |
モハ786-205 | モロ786-363 | |
サハ787-202 | サロシ786-363 | 旧サハシ787-2 |
サハ787-2 | サロ787-363 | |
モハ787-3 | モロ787-363 | |
クモハ786-2 | クモロ786-363 |
-
1号車
クモロ787-363 -
2号車
モロ786-363 -
3号車
サロシ786-363 -
4号車
サロ787-363 -
5号車
モロ787-363 -
6号車
クモロ786-363
沿革
脚注
注釈
- ^ 当初は同年10月15日発の赤の路を以て運行を開始する予定であったが、令和2年7月豪雨により経由路線である肥薩おれんじ鉄道線の一部区間が10月31日まで運休となったため、10月16日発の黒の路を以て運行を開始した。
- ^ 途中、宮崎空港駅に乗り入れたり、西小倉駅 - 門司港駅間を往復したり、最終日に博多駅 - 長崎駅間を往復するコース設定があることから、厳密には環状運転ではない。
- ^ なお、787系自体はJR時代の同区間に入線実績がある。
- ^ 編成の向きが入れ替わる「折り返し運転」が週に1回、門司港駅で起きるため。博多駅から、久大本線、豊肥本線、肥薩おれんじ鉄道→宮崎駅のいずれかを通って大分駅を通過し、小倉駅以東で折り返すと、博多駅到着地点で編成の向きが逆転する。このうち、"赤の路"→"青の路"の一連のルートが、『肥薩おれんじ鉄道経由』に該当する。これを利用し、「ななつ星 in 九州」ではかつて、西小倉駅・久大本線経由で方向転換のための回送が実施されていた。
出典
- ^ a b c d e f g "「36ぷらす3」運行開始日と旅行プランについて" (PDF) (Press release). 九州旅客鉄道. 30 June 2020. 2020年6月30日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年6月30日閲覧。
- ^ a b c d e f g h "黒い787「36ぷらす3」2020年秋運行開始!" (PDF) (Press release). 九州旅客鉄道. 21 November 2019. 2020年1月2日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年7月1日閲覧。
- ^ a b c “ビュッフェの復活にサンキュー! JR九州の新観光列車「36ぷらす3」2020年秋から運行開始”. ねとらぼ. ITmedia (2020年1月30日). 2020年2月29日閲覧。
- ^ a b c “JR九州新観光列車は「36ぷらす3」 7県を5日で周遊 来秋運行”. 西日本新聞. (2019年11月21日) 2020年2月29日閲覧。
- ^ a b c d e f 大坂直樹 (2020年9月30日). “JR九州、観光列車「36ぷらす3」誕生までの舞台裏”. 東洋経済オンライン. 2020年9月30日閲覧。
- ^ a b "「36ぷらす3」各ルート内で停車する駅について" (PDF) (Press release). 九州旅客鉄道. 28 January 2020. 2020年3月6日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年7月1日閲覧。
- ^ “1日3本しか停まらない「あの駅」にも停まる……!! JR九州の新観光列車「36ぷらす3」の停車駅が、とても「濃い」”. ねとらぼ. ITmedia (2020年1月30日). 2020年2月29日閲覧。
- ^ 野田隆 (2019年8月20日). “架線あるのに…「電車に乗れない」電化区間10選”. 東洋経済オンライン. 2020年2月29日閲覧。
- ^ "「36ぷらす3」ランチプランの発売開始について" (PDF) (Press release). 九州旅客鉄道. 27 July 2020. 2020年7月27日閲覧。
- ^ a b "「36ぷらす3」木曜日ルート"赤の路"運行開始について" (PDF) (Press release). 九州旅客鉄道. 2020-11-2. 2020-11-2閲覧。
{{cite press release2}}
:|accessdate=
、|date=
の日付が不正です。 (説明) - ^ a b c d e f "「36ぷらす3」車両レイアウト" (PDF) (Press release). 九州旅客鉄道. 20 December 2019. 2020年2月27日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年7月1日閲覧。
- ^ 「JTB時刻表」2020年12月号 - JTBパブリッシング
- ^ 運行ルート・ダイヤ - 九州旅客鉄道(2020年11月11日閲覧)
- ^ a b “特急「つばめ」を大改造、九州周遊の観光列車に”. 朝日新聞. (2020年1月30日) 2020年2月29日閲覧。
- ^ a b c d e 畳敷きの個室にソファ!JR九州新観光列車「36ぷらす3」公開 - RMニュース(ネコ・パブリッシング社、2020年9月29日掲載、同日閲覧)
- ^ "「36ぷらす3」3月11日~運行分 ランチ・ディナープラン 発売開始!" (PDF) (Press release). 九州旅客鉄道. 2021-2-5. 2021-2-9閲覧。
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