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2021年8月6日 (金) 18:06時点における版

フランク・ハーマン
Frank Herrmann
千葉ロッテマリーンズ #42
楽天時代
(2017年)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 ニュージャージー州バーゲン郡ラザーフォード英語版
生年月日 (1984-05-30) 1984年5月30日(40歳)
身長
体重
193 cm
100 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 投手
プロ入り 2005年 アマチュアFA
初出場 MLB / 2010年6月4日
NPB / 2017年3月31日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

フランク・ジョセフ・ハーマンFrank Joseph Herrmann, 1984年5月30日 - )は、アメリカ合衆国ニュージャージー州バーゲン郡ラザーフォード英語版出身のプロ野球選手投手)。右投左打。千葉ロッテマリーンズ所属。

経歴

プロ入り前

高校時代は、野球、アメリカンフットボール、バスケットボールをプレーしており、バスケットボールでは1年間で1000点を取るほどの活躍を見せていた。

ハーバード大学進学後は経済学を学びつつ、学内誌「The Harvard Crimson」のコラムの執筆もしていた。

プロ入りとインディアンス時代

インディアンス時代。(2014年)

2005年、ドラフト外でクリーブランド・インディアンスと契約してプロ入り。契約時、大学での研究が終わっていなかったため、契約後も大学に残って学業を続けていた。

2006年に傘下のA級レイクカウンティ・キャプテンズでプロデビューし、26試合に先発登板して4勝6敗、防御率3.90、89奪三振を記録した。

2007年はA+級キンストン・インディアンスでプレーし、26試合に先発登板して11勝5敗、防御率4.01、88奪三振を記録した。

2008年はA+級キンストン、AA級アクロン・エアロズ、AAA級バッファロー・バイソンズでプレーし、3球団合計で26試合に先発登板して11勝8敗、防御率4.14、104奪三振を記録した。

2009年はAA級アクロンとAAA級コロンバス・クリッパーズ[1]でプレーし、2球団合計で49試合(先発5試合は全てAA級)に登板して4勝4敗2セーブ、防御率2.95、62奪三振を記録した。

2010年AAA級コロンバスで開幕を迎え、27.1回連続無失点の好投が認められ、6月にメジャー初昇格を果たした[2]。6月4日のシカゴ・ホワイトソックス戦でメジャーデビュー。この年メジャーでは40試合に登板して0勝1敗1セーブ、防御率4.03、24奪三振を記録した。

2011年は40試合に登板して4勝0敗、防御率5.11、34奪三振を記録した。

2012年は15試合に登板して勝敗なしの防御率2.33、14奪三振を記録した。

2013年は3月にトミー・ジョン手術を受けたため[3]、全休した。

2014年はメジャーでの登板は無く、8月11日に自由契約となった[4]。この年はAAA級コロンバスで28試合に登板して1勝1敗、防御率6.37、30奪三振を記録した。

インディアンス退団後

2015年ロサンゼルス・エンゼルス傘下のAAA級ソルトレイク・ビーズピッツバーグ・パイレーツ傘下のAAA級インディアナポリス・インディアンスでプレーし、2球団合計で44試合に登板して4勝2敗1セーブ、防御率3.76、53奪三振を記録した。オフにFAとなった。

2015年11月18日にフィラデルフィア・フィリーズとマイナー契約を結んだ。2016年は開幕を傘下のAAA級リーハイバレー・アイアンピッグスで迎え、27試合に登板して6勝1敗、防御率1.72、31奪三振を記録した。8月17日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[4]。後は閉幕までメジャーに帯同。この年メジャーでは14試合に登板して1勝2敗、防御率8.40、14奪三振を記録した。

楽天時代

2016年11月29日に東北楽天ゴールデンイーグルスへ入団することが発表された[5]。背番号は42[6]で、ハーバード大学出身の選手がNPBの球団に所属する事例は、高橋ユニオンズにおよそ2か月間だけ所属したジェームズ・ドゥール以来2人目[7]

2017年には、勝ちパターンのセットアッパーとして、一軍公式戦56試合に登板。3勝1敗33ホールド、防御率2.72という成績で、チームの4年ぶりクライマックスシリーズ(CS)進出に貢献したほか、CSでは通算3試合の登板を無失点で凌いだ。その一方で、オープン戦からレギュラーシーズン序盤の試合までは、ボークを取られる場面が続出。登板を重ねるにつれて改善されたものの、レギュラーシーズンでは、パシフィック・リーグ最多の4ボークを記録した。

2018年には、前年に続いて、セットアッパーとしてシーズンをスタート。クローザー松井裕樹が不調に陥ったことを背景に、5月中旬からは、松井と役割を入れ替える格好でクローザーを務めた。一軍公式戦では、通算で47試合に登板。左大内転筋付着部炎や左半腱様筋付着部炎の発症で8月末から一時戦線を離脱した[8]ほか、2勝3敗と負け越したものの、2点台を切る防御率(1.99)、18セーブ、12ホールドを記録した。

2019年には、セットアッパー候補としてアラン・ブセニッツが新たに入団したため、2017年のシーズン終盤から一軍の救援陣に加わっている宋家豪と合わせて、3人の右投手で一軍の外国人枠とセットアッパーの座を争った。レギュラーシーズンの開幕こそ宋と揃って一軍で迎えたものの、5月11日の対オリックス・バファローズ戦(ほっともっとフィールド神戸)8回裏の登板で一死を取っただけで5点を失った末に逆転負けを喫する[9]と、15日付でブセニッツに代わって出場選手登録を抹消[10]。宋の不調で6月中旬に再び登録されて[11]からは、ブセニッツと共にセットアッパーを担った。チームが千葉ロッテマリーンズとの間でCS最後の1枠(レギュラーシーズン3位の座)を激しく争っていた9月中旬にも、故障で戦線を離脱していた主力打者ゼラス・ウィーラーの復帰を優先させる首脳陣の方針で登録を抹消されたが、一軍公式戦には前年を上回る50試合に登板[12]。防御率が3.04にまで達した一方で、入団後最も多い5勝を挙げたほか、21ホールドを記録した。なお、レギュラーシーズン最終盤の9月下旬には、残り2試合の時点でブセニッツに代わって一軍へ復帰[13]。チームは復帰後に2年ぶりのCS進出を決めたが、福岡ソフトバンクホークスとのCSファーストステージを含めて、ハーマンには登板の機会がなかった。前述したチーム事情などとの兼ね合いで翌2020年への残留交渉の機会もないまま、球団からNPBに対する契約保留者名簿の提出期限(11月30日)を迎えた[14]ため、12月2日付でNPBから自由契約選手として公示された[15]

ロッテ時代

2019年12月19日に、千葉ロッテマリーンズが獲得を発表した[16]。背番号は楽天時代と変わらず42

2020年は、8回のジャクソン、9回の益田直也につなぐ7回の投手として勝利の方程式に組み込まれ、開幕一軍入り[17]。 6月19日に行われたソフトバンクとの開幕戦で、7回裏に移籍後初登板すると、翌20日の同カードでは、同点の7回裏に登板し、移籍後初勝利を挙げた[18]。7月8日にジャクソンが退団すると、8回に配置転換。7回を投げる男が不在になったが、8月になってその穴を唐川侑己が埋め、新たに7回唐川、8回ハーマン、9回益田の勝ちパターンが構築された[17]。8月に限ると、この3人を合わせた防御率は0.53と抜群の安定感を誇った[19]。さらに、9月7日にはトレードで加入した澤村拓一も勝ちパターンに加わったことにより中継ぎの厚みが増し、吉井理人投手コーチの徹底した登板管理もあり、3日連続で登板することがなく、シーズンを通して安定したピッチングを披露[17]。9月にはリーグトップの月間救援防御率2.48を記録したチームの救援陣を支えた[17]。しかし、9月16日に右手第2指伸筋腱損傷で離脱[20]。10月27日に復帰した[21]あとは再びブルペンを支え、最終的に38試合に登板し、3勝2敗、防御率2.15、リーグ3位タイとなる23ホールドを記録し、チーム13年ぶりの2位、4年ぶりのAクラス入り・クライマックスシリーズ進出に貢献した。クライマックスシリーズでは、11月14日の第1戦、翌日の第2戦共に7回裏に登板。第1戦は三者凡退に抑えたが、第2戦は周東佑京に適時打を浴び、1回1失点だった[22]。チームは両日敗戦し、シーズンを終えた。シーズンオフの12月2日に自由契約となったが[23]、12月14日に2021年も契約を結ぶことが発表された[24][25]

プレースタイル

スリークォーターから最速154km/h[26]のストレートとカーブスライダーを投げる[27]。速球の切れの良さを示すボール回転数は則本昂大(平均2300rpm台後半[28])と同程度[27]

人物

ハーバード大学で経済学の学位を取得している。2010年にメジャー初出場を果たしたことで、MLBでは25年ぶり15人目のハーバード大学出身選手となった。もし野球選手にならなければ投資銀行に就職していたという[2]

詳細情報

年度別投手成績





















































W
H
I
P
2010 CLE 40 0 0 0 0 0 1 1 7 .000 189 44.2 48 6 9 0 2 24 2 0 22 20 4.03 1.28
2011 40 0 0 0 0 4 0 0 0 1.000 253 56.1 71 7 16 1 0 34 1 0 35 32 5.11 1.54
2012 15 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 71 19.1 12 1 4 0 0 14 0 0 5 5 2.33 0.83
2016 PHI 14 0 0 0 0 1 2 0 0 .333 69 15.0 20 7 5 0 1 14 3 0 16 14 8.40 1.67
2017 楽天 56 0 0 0 0 3 1 1 33 .750 222 53.0 48 8 13 0 3 58 2 4 20 16 2.72 1.15
2018 47 0 0 0 0 2 3 18 12 .400 183 45.1 36 2 17 2 2 44 4 0 13 10 1.99 1.17
2019 50 0 0 0 0 5 3 0 21 .625 184 47.1 31 5 16 2 0 49 2 0 16 16 3.04 0.99
2020 ロッテ 38 0 0 0 0 3 2 1 23 .600 149 37.2 28 2 12 3 0 37 4 0 9 9 2.15 1.06
MLB:4年 109 0 0 0 0 5 3 1 7 .625 582 135.1 151 21 34 1 3 86 6 0 78 71 4.72 1.37
NPB:4年 191 0 0 0 0 13 9 20 89 .591 738 183.1 143 17 58 7 5 188 12 4 58 51 2.50 1.10
  • 2020年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績



投手












2010 CLE 40 0 4 0 0 1.000
2011 40 0 3 0 0 1.000
2012 15 0 1 0 0 1.000
2016 PHI 14 0 1 1 0 .500
2017 楽天 56 1 7 0 0 1.000
2018 47 0 10 0 1 1.000
2019 50 1 7 0 0 1.000
2020 ロッテ 38 4 3 0 0 1.000
MLB 109 0 9 1 0 .900
NPB 191 6 27 0 1 1.000
  • 2020年度シーズン終了時

記録

NPB

初記録
節目の記録

背番号

  • 56(2010年 - 2012年)
  • 53(2016年)
  • 42(2017年 - )

登場曲

  • 「Thunder struck」AC/DC(2017年 - )

脚注

  1. ^ 2009年よりインディアンス傘下
  2. ^ a b 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2011』廣済堂出版、2011年、162頁。ISBN 978-4-331-51518-1 
  3. ^ Aaron Gleeman (2013年3月13日). “Indians reliever Frank Herrmann out for the season after Tommy John surgery”. NBCSports.com. 2016年12月10日閲覧。
  4. ^ a b MLB公式プロフィール参照。2016年12月10日閲覧。
  5. ^ フランク・ハーマン選手の契約合意に関して”. 東北楽天ゴールデンイーグルス オフィシャルサイト (2016年11月29日). 2016年12月10日閲覧。
  6. ^ 背番号と表記変更に関して”. 東北楽天ゴールデンイーグルス オフィシャルサイト (2016年11月29日). 2016年12月10日閲覧。
  7. ^ 【楽天】ハーバード卒のハーマン、方程式任せろ!松井につなぐ
  8. ^ 楽天ハーマン登録抹消 ケガで競技復帰まで2週間”. 日刊スポーツ (2018年8月31日). 2019年11月23日閲覧。
  9. ^ 楽天 痛ッ!ハーマン5失点炎上、連敗で勝率5割逆戻り”. スポーツニッポン (2019年5月15日). 2019年11月23日閲覧。
  10. ^ 楽天 ブセニッツが一軍初昇格「とても興奮しているよ」”. スポーツニッポン (2019年5月15日). 2019年11月23日閲覧。
  11. ^ 【楽天】セットアッパー・宋家豪が登録抹消 代わりにハーマンが再昇格”. スポーツ報知 (2019年6月13日). 2019年11月23日閲覧。
  12. ^ 【楽天】平石監督が勝負手!セットアッパーのハーマンを抹消してウィーラーが一軍へ「苦渋の決断だった」”. スポーツ報知 (2019年9月12日). 2019年11月23日閲覧。
  13. ^ 【楽天】残り2試合でハーマンが一軍に復帰「きょう勝つためにベストの選択」と平石監督”. スポーツ報知 (2019年9月24日). 2019年11月23日閲覧。
  14. ^ 楽天 ブラッシュ、ブセニッツ、宋家豪と契約更新”. 日刊スポーツ (2019年12月3日). 2019年12月3日閲覧。
  15. ^ 2019年度自由契約選手NPB日本野球機構
  16. ^ フランク・ハーマン投手 入団について”. 千葉ロッテマリーンズ (2019年12月19日). 2019年12月19日閲覧。
  17. ^ a b c d 救援防御率リーグ2位の「3.30」 ロッテの“強力ブルペン陣”を振り返る”. BASEBALL KING (2020年11月18日). 2020年12月15日閲覧。
  18. ^ ロッテ初勝利、ハーマン1勝、ソフトバンク松本1敗”. 日刊スポーツ (2020年6月20日). 2020年12月15日閲覧。
  19. ^ ロッテは登板管理徹底 10月以降に救援陣フル稼働”. 日刊スポーツ (2020年8月30日). 2020年12月15日閲覧。
  20. ^ ロッテ「8回の男」ハーマンが故障で登録抹消”. 日刊スポーツ (2020年9月16日). 2020年12月15日閲覧。
  21. ^ DeNA佐野ら抹消、森敬斗ら登録/27日公示”. 日刊スポーツ (2020年10月27日). 2020年12月15日閲覧。
  22. ^ ソフトバンク周東が適時三塁打「取り返したかった」”. 日刊スポーツ (2020年11月15日). 2020年12月15日閲覧。
  23. ^ ロッテ球団本部長「ハーマンとチェンは交渉を継続」”. 日刊スポーツ (2020年12月2日). 2020年12月15日閲覧。
  24. ^ ハーマン投手 来季契約について”. 千葉ロッテマリーンズ (2020年12月15日). 2020年12月15日閲覧。
  25. ^ ロッテ、ハーマンと契約「プレーできること興奮」”. 日刊スポーツ (2020年12月15日). 2020年12月15日閲覧。
  26. ^ https://megalodon.jp/2018-1015-1224-32/https://baseball.yahoo.co.jp:443/npb/player/1600091/
  27. ^ a b https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201807/20180720_14023.html
  28. ^ https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2017/05/26/kiji/20170525s00001173455000c.html
  29. ^ "千葉ロッテマリーンズ・ハーマンがNPB通算100ホールドを達成、史上35人目". DAZN NEWS. 株式会社DAZN. 16 May 2021. 2021年5月16日閲覧

関連項目

外部リンク