「手ぶれ補正機構」の版間の差分
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レンズ交換式のデジタル一眼では、レンズシフト式は、レンズ内蔵、センサーシフト式は、ボディ内蔵、などと呼ばれることも多い。これはカメラとレンズのどちらに手ブレ補正機構が存在するかを表している。 |
レンズ交換式のデジタル一眼では、レンズシフト式は、レンズ内蔵、センサーシフト式は、ボディ内蔵、などと呼ばれることも多い。これはカメラとレンズのどちらに手ブレ補正機構が存在するかを表している。 |
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電子式手振れ補正よりも画質劣化が少ない点が利点である。いずれの方式もレンズやイメージセンサの駆動系を組み込む必要があるため、小型カメラには最適とは言いづらかったが、システムの小型化が進み、[[ノキア|Nokia]]が2012年に発売した[[Microsoft Lumia|Lumia 920]]に初めて搭載され、[[ |
電子式手振れ補正よりも画質劣化が少ない点が利点である。いずれの方式もレンズやイメージセンサの駆動系を組み込む必要があるため、小型カメラには最適とは言いづらかったが、システムの小型化が進み、[[ノキア|Nokia]]が2012年に発売した[[Microsoft Lumia|Lumia 920]]に初めて搭載され、[[Apple]]が2015年に発売した[[iPhone 6 Plus]]等のように、[[スマートフォン]]にも光学式手ぶれ補正を内蔵した機種が登場している。 |
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2021年5月20日 (木) 11:11時点における版
手ぶれ補正機構(てぶれほせいきこう、英: image stabilization)は、カメラ、デジタルカメラ、ビデオカメラでの撮影、および双眼鏡で生じる、手ぶれによる映像の乱れを軽減させる仕組みのことである。
手ぶれ補正が使用される目的
手振れ補正の原理は機器の種類によって大きな差はないが、目的や使用法には若干の違いがある。
静止画撮影
手ぶれはシャッターを押す時に身体が動いてしまい、それによって画像がぶれることで生じる。なお、ピントが合っていても生じるためピンボケとは異なる。手ぶれはピンボケと並び、鮮明な写真が撮影できない原因である。
物理的には、露光時間の間にカメラ中の露光面が移動することによって、その露光面に当たる光が変化することによって生じる。直接的には、カメラの動きが原因であるが、そのカメラを支えるものは通常「手」であるため手ぶれと呼ばれる。片手で撮影するなど撮影者の問題である場合は、撮影時の姿勢や持ち方によってある程度は手ぶれを抑えることができる。しかしながら、撮影者が十分に気をつけていても、人間はカメラを完全に静止させることができないためにわずかな手ぶれは発生してしまう。
また、後述するように、周囲が暗い場合などシャッター速度が十分に確保できない場合、手ぶれを防ぐのは難しい。そこで手ぶれを防ぐには、三脚などを用いてカメラを固定したり、両手でカメラを持つようにする必要がある。特に周囲が暗くなる夜景や天体の撮影などにおいては、三脚を用いる場合であってもシャッターボタンを押す際の微妙な振動が伝わることを防ぐためにリモートレリーズがよく用いられる。
シャッター速度が速い場合、つまり露光時間が短い場合には、カメラの動きがほとんど撮影画像に影響を与えないため手ぶれが生じることは少ない。また、レンズの焦点距離が長くなればなるほど、カメラのわずかな動きであっても露光面に当たる光には大きな動きが生じるようになるから、焦点距離が長いとそれだけ手ぶれも生じやすい。ただし、焦点距離が短くても絞り値が大きくなればシャッター速度が遅くなるために、手ぶれは生じやすくなる。
一般的には、「使用レンズの焦点距離分の1のシャッター速度」が手ぶれしない限界の目安と言われている[1]。つまりは、焦点距離が長い望遠レンズでは高速なシャッター速度が要求される。ただし、これは35 mmフィルムカメラでの場合であり、異なるサイズのフィルムやセンサーを使用するカメラでは35mm判換算焦点距離がおおよその目安となる。たとえば、換算300 mm望遠レンズでは、目安として1/300秒以上のシャッター速度が必要である。
補正効果と注意点
手ぶれ補正を使用した場合、一般的には「シャッター速度に換算しておおよそ2 - 3段分」の効果があるといわれている(300 mm望遠レンズならば大体1/60秒相当で手持ち撮影が可能)。絞り開放時ではもちろんのこと、絞った状態でもブレを軽減させて撮影する事が可能である。
補正を行っても手ぶれを完全に除去することはできない。また、被写体の動き(特にスポーツ撮影時の激しい動きや長時間露光時の被写体の動き)による被写体ぶれや、手ぶれ補正の限界を超えた低速シャッター速度では効果は得られない。手ぶれ補正はあくまで有効な補助機能であると考え、他の手段も併用するとよい。例えば、手ぶれを起こさないしっかりとした構えをとって撮影する、高感度フィルムを使用(デジタルカメラの場合は高感度域に設定)する(これは被写体ぶれに対しても有効)、といったことが挙げられる。
三脚を使う場合は、手ぶれ補正機能を無効にしないと、逆に装置側が誤作動し、ぶれたようになってしまうものもある[2]。
動画撮影
動画撮影においては、手持ちしたカメラの不要な揺れを言い、視聴時には画面全体が揺れることから不快な映像となる。特に倍率を上げて望遠撮影している時には顕著に現れる。家庭用ビデオカメラで、ファインダーを用いずに液晶表示パネルを見ながら撮影する場合は、視聴に用いるテレビに比べて画面サイズが小さいため、撮影者には気にならない(気づかない)場合も多い。顕著なものは左官職人が壁を塗る腕の動きから「壁塗り映像」と呼ばれる。ENGで使用されるビデオカメラは大きさと重量から肩乗せ式であるが、その保持スタイルは不要な揺れを少なくする事にも寄与している。静止画撮影と同じく、カメラの持ち方を工夫したり三脚を用いることで軽減できる。
また、バネやジャイロを使って手ぶれを防ぐ「ステディカム」が、映画撮影やスポーツ中継などで使われている。
双眼鏡
双眼鏡では手振れ問題により、体感的な解像度低下や疲れやすさの問題が出る。
技術的にはカメラの光学式の補正機構と同様であり、国内メーカーではキヤノンがスチルカメラの技術を応用した製品を出している。
メカニズム
手ぶれ補正には物理的に光軸を調整する光学式と、デジタルカメラ等においては受光素子から受け取った画像データに計算を行い補正を施し記録する電子式が存在する。
光学式
光学式はレンズやイメージセンサを移動させることで手ぶれを打ち消す方式[3]。
レンズ交換式のデジタル一眼では、レンズシフト式は、レンズ内蔵、センサーシフト式は、ボディ内蔵、などと呼ばれることも多い。これはカメラとレンズのどちらに手ブレ補正機構が存在するかを表している。
電子式手振れ補正よりも画質劣化が少ない点が利点である。いずれの方式もレンズやイメージセンサの駆動系を組み込む必要があるため、小型カメラには最適とは言いづらかったが、システムの小型化が進み、Nokiaが2012年に発売したLumia 920に初めて搭載され、Appleが2015年に発売したiPhone 6 Plus等のように、スマートフォンにも光学式手ぶれ補正を内蔵した機種が登場している。
バリアングルプリズム方式
レンズと同じ屈折率の液体を2枚のレンズではさみ、蛇腹状に動かすことによって撮像体への投影を補正する方式で[4]、これはプリズム効果による色分解が出ないぎりぎりのやり方だった。1992年にキヤノンとソニーが共同開発し、家庭用ビデオカメラとしてはソニーが1992年にハンディカムCCD-TR900でこれを搭載した[5]。キヤノンは同年VLマウントビデオレンズ「T10G-RF」[6]を、1994年にビデオカメラ「ムービーボーイE1」を発売した[4]。そして1995年にはキヤノン製双眼鏡にも同機構が組み込まれた[5][6]。
レンズシフト方式
写真レンズ内に振動ジャイロ機構を備えた補正レンズを組み込み、ブレを打ち消す方向に補正レンズを動かす事によって光軸を補正する。これにより受光面(フィルムやイメージセンサー)に到達する光の動きを抑えることで手ぶれを軽減させる。キヤノンのIS (Image Stabilizer) 方式、ニコンのVR (Vibration Reduction) 方式(COOLPIX S700など一部の機種を除く)、ソニーのOSS(Optical Steady Shot)方式(Cyber-Shot及びα Eマウント)、パナソニックのMEGA OIS方式、シグマのOS (Optical Stabilizer) 方式、タムロンのVC (Vibration Compensation) 方式などがこの方式を用いている。
利点として、フィルムカメラでも手ぶれ補正効果が得られる[3]、一眼レフの光学式ファインダーでも画像の揺れが補正され撮影しやすい[1]、レンズごとに補正機構を最適化できるので高い補正効果を期待できる点がある[1]。一方、補正用レンズや駆動系を組み込むため、光学系の設計に制約が生じ、レンズが大きく重くなるほか、レンズ交換式ではレンズごとに補正機構を有するため総コストが高くなる、原理的に光軸を軸とした回転ぶれが補正できないという欠点がある。
パナソニックは1988年に民生機としては世界初となる光学式手ぶれ補正機構を搭載したS-VHSフルカセットビデオカメラ「PV-460」(北米向け品番 国内には翌1989年にNV-M900として発売)を世に送り出すも、レンズ鏡筒全体を動かすのでどうしても大型化してしまい、小型化のため電子式に転換せざるをえなかった(電子式で「ブレンビー NV-S1」をヒットさせた)。しかし、電子式のシステム上の限界や画質向上のため再度光学式の開発を行い、1999年によりコンパクト化した光学式手ぶれ補正機構を搭載したデジタルビデオカメラ「NV-DS9」を発売、この技術がその後のパナソニック製デジタルカメラにも用いられた。
ニコンは1994年に光学式手ぶれ補正方式を採用した世界初の35 mmコンパクトカメラ「ニコンズーム700VRQD」を発売した[7][3]。
一眼レフカメラ用レンズでは1995年に発売されたキヤノンのEF75-300mm F4-5.6 IS USMが最初になる[6][3]。
コンパクトデジタルカメラでは、オリンパスが2000年8月にCAMEDIA C-2100 UltraZoomでキヤノン製の手ぶれ補正機構を搭載。キヤノンもこれに続いてPower Shot Pro 90ISをリリースした。2003年にパナソニックが小型コンパクトデジタルカメラ「DMC-FX1」と「DMC-FX5」に同クラスとしては初となる手ぶれ補正機構を搭載して以降、2005年にはソニーが、2006年にはニコンとキヤノンが、いずれも小型コンパクトデジタルカメラなどで、より小型化された補正レンズが組み込まれたものを販売している。一般的に補正機構が大きくなってしまうため、レンズ自体が大きく高価になったが、現在では克服され、小型コンパクトデジタルカメラにも搭載されている。
イメージセンサーシフト方式
振動ジャイロ機構で手ぶれを感知し、CCDなどのイメージセンサー(撮像素子)を手ぶれに応じて移動させる事によって光軸を正確に当てる方式。
当時のミノルタ(現コニカミノルタ)がAnti-Shake方式として、2003年に発売した「DiMAGE A1」に初めて搭載した[3]。その後リコーが2005年に発売した「キャプリオR3」に、またペンタックスが2006年に発売した「Optio A10」にはSR (Shake Reduction) 方式という名称で、オリンパスも「μ750」で、2007年には富士フイルムが「FinePix F50fd/Z100fd/S8000fd」で、ニコンが「COOLPIX S700」にVR方式として、共にほぼ同様のシステムを搭載した。
デジタル一眼レフではコニカミノルタが「α-7 Digital」[3]にAnti-Shake方式の機構を搭載、ソニーがコニカミノルタより開発/販売を受け継いだα Aマウントでは、名称がAnti-ShakeからSuper Steady Shotへ変更され、2008年以降はレンズシフト式との区別から、冠のSuperを外してSteady Shotに変更された。ペンタックスも「K100D/K10D」にSR方式の補正機構を組み込んだほか、オリンパスも「E-510」に「IS (IMAGE STABILIZATION)」を組み込んでいる。
カメラ本体に補正機構を組み込むことで、レンズ自体に補正レンズを組み込む必要が無く、一眼レフカメラなどレンズ交換式カメラにおいては既存のレンズでそのままブレ補正の機能が利用できる[1]。ライブビュー機能やEVFならば、レリーズ前から手ブレ補正の効果をプレビューすることが可能である。原理的には縦・横・回転の3軸の補正が可能というメリットがある。この機構を応用して、イメージセンサーを微振動させ埃を弾き飛ばす「ほこり除去機構」や、センサーをシフトする事で自動水平補正や構図微調整、GPSユニットと組み合わせて簡易的な天体追尾撮影が行なえる機能(ペンタックスのアストロトレーサー)、1画素未満の微振動でローパスフィルター同等の効果を得ること(ペンタックスのローパスセレクター)や、1画素単位の稼働と電子シャッターの併用による複数枚撮影と画像合成で高解像度・高画質の画像を生成する機能(ペンタックスのリアルレゾリューションシステムやオリンパスのハイレゾショット)などを備える機種もある。
欠点としては、前述のレンズシフト方式に比べた場合に、光学式ファインダーの場合にはファインダー内でブレ補正の効果が確認出来ないこと[1]、あらゆるレンズで最高の効果を得るためにはレンズごとに最適値が異なる駆動パターンをデータとしてボディーに用意しておく必要があること(データのないレンズでは暫定値での制御となり補正効果が低下する)が挙げられる。また機構上センサーの放熱構造にゆとりがないため長時間の動画撮影に向かず、真夏の炎天下などでは数分程度でカメラの動作が停止することがある。デジタル歪曲補正を利用する事を前提として設計された歪曲収差の大きなレンズを使用した場合は中央部と外周部で像の移動量が異なるため一部しか最適な効果が得られない。また、超望遠レンズで十分な補正効果を得るためには、原理的にセンサーの可動域を大きくする必要があるため、市販品のカメラでは補正機構の効果を実用的な範囲内の焦点距離に限定している場合がある。
レンズユニットスイング方式
振動ジャイロセンサーで手ぶれを感知し、イメージセンサー(撮像素子)を含むレンズユニット全体を手ぶれに応じて微小回転させることによって撮影光軸を一定に保つ方式。
他の手ぶれ補正方式、すなわちイメージセンサーと被写体像の位置関係を補正する方式とは補正の原理が異なり、使用者の手によってカメラ外装に与えられる手ぶれ振動をレンズユニットまで伝えないようにする、いわゆる免振システムの一種である。イメージセンサーと一体化したレンズユニット全体をカメラ内部で手ぶれに逆らう方向に微小回転させるので、イメージセンサーまでを含めた光学系全体の要素位置関係を崩すことなく手ぶれ補正できる。原理的には単純な方式であるため、他の方式のような特殊な専用光学設計や画像処理回路などを必要とせず、手ぶれ補正に伴うノイズ強調・画素数ロス・光学収差の劣化対策などの設計的な諸問題とも無縁である。しかし、レンズユニットが大型である場合は機構の大型化や消費電力増大などの問題が大きく、またレンズユニットの一部が外部に突出している製品には適用しにくいという使用上の制約があるため、一眼レフタイプやレンズユニット繰り出しタイプなどのカメラ形態には適さない。
1989年6月にパナソニックが民生機で初めて手振れ補正機構 (EIS=Electric Image Stabilizer) を内蔵したS-VHSフルカセットのビデオカメラNV-M900を発売した。このカメラでは撮影時のパンニングに対応して、垂直方向のみ補正を行う機能も併せ持っている。2005年にはコニカミノルタ社が、コンパクトデジタルカメラ向けの新型Anti-Shake機能であるレンズユニットスイング式手ぶれ補正を採用したDiMAGE X1を発売した。2012年にソニーが空間光学手ブレ補正機能としてHDR-CX720VとHDR-PJ760Vのビデオカメラに採用した。
レンズ・ボディ併用型
オリンパスが「5軸シンクロ手ぶれ補正」、パナソニックが「Dual I.S.」としてそれぞれ一部のカメラ本体・レンズに搭載した機構で、対応した本体とレンズ間で手ぶれ情報の高速伝達を行い、レンズ内の補正機構とボディ内の補正機構を協調させる形で同時駆動させることにより、より強力な手ぶれ補正を可能にする。オリンパスではこれを使うことで最大6段分の補正が可能になるとしている。
電子式
デジタルカメラやデジタルビデオカメラで搭載されることが多い。撮影可能領域を一定のサイズに狭め、撮影の際にバッファメモリに画像を読み込み、最初に撮影した画像とそれ以降に撮影した画像とを比較、その移動量を演算し、撮影可能領域を自動的にずらして撮影し記録する。撮影可能領域がイメージセンサーの一部分しか使われないため、イメージセンサーの能力を完全に引き出せないのと、動画には比較的効果があるが、静止画には有効ではないという欠点がある。静止画用の電子式手ぶれ補正には他に撮影後の画像を加工(レタッチ)する事によって見かけ上、ブレを少なく見せるタイプのものもあり、共に電子式、又はデジタル式手ぶれ補正と呼ばれる。この方式もノイズの強調などの画像の劣化を招く。また、動画編集ソフトウェアの中には、既に撮影済みの動画の周辺部を切り取って拡大することで、同様の原理を用いて手ぶれ補正を行う機能を持つものが存在する。ただしいずれもブレの大きいシーンでは、コンニャク現象という映像が歪む問題が発生しやすい。
パナソニックは1990年6月に電子式としては世界初の手ぶれ補正「ファジィ・ジャイロ」採用のS-VHS-CビデオカメラNV-S1を発売した。携帯電話の静止画デジタル式手ぶれ補正技術はNECのN902iにはじめて搭載された[8]。携帯電話向けの静止画補正技術の代表的な例としては、東京大学出身のエンジニアを中心に設立された株式会社モルフォが開発したPhotoSolidがある[9]。N902iSに初めて搭載され、以後、パナソニック製、シャープ製の機種にも搭載された。N905iからは被写体ぶれにも対応したPhotoSolid 2.0が搭載されている[10]。また、ペンタックスMX-1のように、光学式手ぶれ補正で撮影した上で、電子式で画像補正をかける両方式を併用した手ぶれ補正機構を搭載したカメラも発売されている。
外装式
カメラの外側に装着し、手持ちでブレを減少させるための装置類。
リグ
リグ(Rig)はカメラの専用の「枠」。カメラを撮影者の肩で支えるなど安定して撮影が行えるようになり、大幅にブレが軽減される[11]。
ジンバル
ジンバル(Gimbal)は、ジャイロスコープやヤジロベエの原理を用いたスタビライザー[11]。装着したカメラの水平を保ってくれるため、移動撮影時の揺れやブレを減少させることができる[11]。
2015年にはDJIから3軸ジンバル映像安定化技術を採用した一体型カメラが初めて発売された[12]。以降、スマートフォンやGoProなどを装着し、静止画および動画撮影を行う際のブレを抑止するジンバル製品が中国企業を中心に多数販売されるようになった[13]。デジタルカメラ、ミラーレス一眼カメラといった重量のあるカメラを搭載できるタイプの製品もある。
脚注
- ^ a b c d e 河田 2010, p. 160.
- ^ 河田 2010, p. 161.
- ^ a b c d e f 河田 2010, p. 158.
- ^ a b “No.75 日本のエレクトロニクスを支えた技術「ビデオカメラ&デジカメ」第6回”. エレクトロニクス立国の源流を探る. アイコム株式会社. 2020年1月23日閲覧。
- ^ a b 伊藤幸司「キヤノン的手ブレ補正技術開発の世界戦略────2種類の光学式手ブレ補正機構を実用化──」『キヤノン通信』第81巻、1998年9月、2020年1月23日閲覧。
- ^ a b c “キヤノンの歴史1988 - 1995”. キヤノン株式会社. 2020年1月23日閲覧。
- ^ “第三十五夜 Ai AF VR Zoom-NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6D ED”. ニッコール千夜一夜物語. 株式会社ニコン. 2020年1月23日閲覧。
- ^ 大和哲 (2006年1月17日). “ケータイ用語の基礎知識 第258回:デジタル手ぶれ補正 とは”. インプレス. 2015年5月11日閲覧。
- ^ 西坂真人 (2009年8月7日). “組み込み企業最前線 モルフォ“進化するケータイカメラ”を支えるモルフォの組み込み技術”. ITmedia. 2015年5月11日閲覧。
- ^ “モルフォの6軸手ブレ補正技術の最新版、ドコモの冬モデル5機種に搭載”. ITmedia (2007年11月21日). 2015年5月11日閲覧。
- ^ a b c デジキャパ!編集部『デジタル一眼カメラ用品大事典』学研プラス、2014年、60頁。ISBN 9784059132721。
- ^ 武石修 (2015年10月9日). “世界初3軸ジンバルで手ブレ補正するカメラ”. デジカメwatch(インプレス). 2019年1月9日閲覧。
- ^ 小寺信良 (2016年10月12日). “スマホ動画撮影の必需品!? 手ブレ補正+アプリ連携のDJI「Osmo Mobile」”. AV wacth(インプレス). 2019年1月9日閲覧。
参考文献
- 河田, 一規「分かって使う・デジタル事典 第8回 手ブレ補正機構 」『アサヒカメラ』第95巻第8号、朝日新聞出版、2010年7月、158-161頁、雑誌 01403-8。
関連項目
外部リンク
- デジタルカメラの手ぶれ補正効果に関する測定方法および表記方法 - カメラ映像機器工業会が定めた手ぶれ補正の効果測定基準