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[[2002年]]にコンピューター大手'''[[コンパック|コンパックコンピュータ]] (COMPAQ)''' を買収し、大規模合併で話題を呼んだ。これ以後コンパックの事業を継承した[[Intel]]・[[AMD]]の[[x86]]プロセッサを搭載した、'''[[Windows]]・[[Linux]]向けサーバー機器、コンシューマー向けPC'''の存在感が高まり、事業の根幹となる。この合併後、PC事業については[[デル]]に次ぐ2番手の地位に甘んじていたが、2006年第3四半期におけるPCの販売台数が世界1位となった。以降、2013年第3四半期以降に[[Lenovo]]に抜かれるまでPCの世界シェア第1位の企業であった。2014年、2015年は2位を維持したが、2016年に再び1位に返り咲いている。
[[2002年]]にコンピューター大手'''[[コンパック|コンパックコンピュータ]] (COMPAQ)''' を買収し、大規模合併で話題を呼んだ。これ以後コンパックの事業を継承した[[Intel]]・[[AMD]]の[[x86]]プロセッサを搭載した、'''[[Windows]]・[[Linux]]向けサーバー機器、コンシューマー向けPC'''の存在感が高まり、事業の根幹となる。この合併後、PC事業については[[デル]]に次ぐ2番手の地位に甘んじていたが、2006年第3四半期におけるPCの販売台数が世界1位となった。以降、2013年第3四半期以降に[[Lenovo]]に抜かれるまでPCの世界シェア第1位の企業であった。2014年、2015年は2位を維持したが、2016年に再び1位に返り咲いている。


[[2006年]][[11月16日]]に発表した2006年会計年度(2006年10月まで)によると、HPの年間売上高は917億ドルに達し、[[IBM]]が発表した2006年度の決算(売上高914億ドル)を上回り、当時の売上高で世界第1位のIT企業になった。この後、2012年に[[アップル (企業)|アップル]]の売上高はHPを上回って売上高で世界第1位のIT企業になった。HPは、サーバやPCといったハードウエアの拡販が進み、コンシューマ市場でもPC、プリンタでの売上の強化を図っているための結果である。一方IBMは、企業向けの[[システムインテグレーター|システムインテグレーション]]や[[アウトソーシング]]事業に傾注し、売上高よりも利益重視の経営へと進んでいることによる。両社の事業ポートフォリオは分かれつつあるが、企業向けのシステムインテグレーションやサーバ製品では、これまで通りの競合状況にあり、今後も業界盟主の座をかけた競合状況は進むと予想された。
[[2006年]][[11月16日]]に発表した2006年会計年度(2006年10月まで)によると、HPの年間売上高は917億ドルに達し、[[IBM]]が発表した2006年度の決算(売上高914億ドル)を上回り、当時の売上高で世界第1位のIT企業になった。この後、2012年に[[Apple]]の売上高はHPを上回って売上高で世界第1位のIT企業になった。HPは、サーバやPCといったハードウエアの拡販が進み、コンシューマ市場でもPC、プリンタでの売上の強化を図っているための結果である。一方IBMは、企業向けの[[システムインテグレーター|システムインテグレーション]]や[[アウトソーシング]]事業に傾注し、売上高よりも利益重視の経営へと進んでいることによる。両社の事業ポートフォリオは分かれつつあるが、企業向けのシステムインテグレーションやサーバ製品では、これまで通りの競合状況にあり、今後も業界盟主の座をかけた競合状況は進むと予想された。


[[2008年]]5月、ITサービスの分野で世界第2位の'''[[Electronic Data Systems]] (EDS)''' を買収し、この分野でもIBMへの追撃を図る。さらに同年10月には、[[無線LAN]]、無線ネットワークセキュリティを手がけるコルブリス・ネットワークス (Colubris Networks)<ref>注:2000年に[[マサチューセッツ州]]で創立した無線LANに特化した企業。この時点で、世界で唯一[[旅客機]]用デュアル無線[[Wi-Fi]]([[IEEE 802.11]]n/a/b/gとa/b/g)を手がけている。そのほか、[[鉄道]]、[[ホテル]]、[[病院]]、[[公共]][[施設]]、[[インターネットサービスプロバイダ|ISP]]など、[[エンタープライズ]]向けWi-Fi[[ソリューション]]を得意とする。</ref>も買収し、同社の製品を、有線・無線ネットワーク機器のブランドである「HP ProCurve」に統合した。
[[2008年]]5月、ITサービスの分野で世界第2位の'''[[Electronic Data Systems]] (EDS)''' を買収し、この分野でもIBMへの追撃を図る。さらに同年10月には、[[無線LAN]]、無線ネットワークセキュリティを手がけるコルブリス・ネットワークス (Colubris Networks)<ref>注:2000年に[[マサチューセッツ州]]で創立した無線LANに特化した企業。この時点で、世界で唯一[[旅客機]]用デュアル無線[[Wi-Fi]]([[IEEE 802.11]]n/a/b/gとa/b/g)を手がけている。そのほか、[[鉄道]]、[[ホテル]]、[[病院]]、[[公共]][[施設]]、[[インターネットサービスプロバイダ|ISP]]など、[[エンタープライズ]]向けWi-Fi[[ソリューション]]を得意とする。</ref>も買収し、同社の製品を、有線・無線ネットワーク機器のブランドである「HP ProCurve」に統合した。

2021年5月20日 (木) 11:00時点における版

ヒューレット・パッカード
Hewlett-Packard Company
種類 株式会社
市場情報
略称 HP
本社所在地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
カリフォルニア州パロ・アルト、ハノーバー・ストリート3000
本店所在地 デラウェア州
設立 1939年1月1日
業種 情報・通信業
事業内容 パーソナル・コンピューティングその他のアクセス・デバイス
イメージングおよびプリンティング関連製品およびサービス
代表者 メグ・ホイットマン社長CEOおよび取締役
資本金 22,833 Million US$(2012年10月31日時点)[1]
売上高 120,357 Million US$(2012年10月期)[2]
営業利益 -11,057 Million US$(2012年10月期)[3]
純利益 -12,650 Million US$(2012年10月期)[4]
総資産 108,768 Million US$(2012年10月31日時点)[5]
従業員数 331,800 人(2012年10月31日時点)[6]
決算期 10月末日
主要株主 シード・アンド・カンパニー(※) 94%
(2010年12月31日時点)
主要子会社 日本ヒューレット・パッカード
日本HPフィナンシャル・サービス株式会社
関係する人物 ウィリアム・ヒューレット(創業者)
デビッド・パッカード(創業者)
外部リンク www.hp.com
特記事項:※実質株主に代わって株式を保有する名義人である。
1939年パートナーシップとして創業。1947年8月18日にカリフォルニア州法人として設立。1998年5月20日に設立州をデラウェア州へ変更。
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創業場所に転用した、パロアルトにある旧パッカード家の車庫(en:Packard's garage)。2007年にアメリカ合衆国の史跡に指定された。

ヒューレット・パッカード (Hewlett-Packard Company)(1939年 - 2015年) はコンピューターと電子計測機器の製造、販売を営んだアメリカ合衆国の企業である。HP(エイチピー)の略称で呼ばれることが多い。本項でもHPと記す部分がある。

1999年に計測機器、化学分析機器、医療機器、電子部品を分離してアジレント・テクノロジーを設立。 そのアジレント・テクノロジーは2014年に電子計測機器部門を分離してキーサイト・テクノロジーを設立した。

2015年11月1日をもってパソコンプリンター等のエンドユーザーに近い機器を扱うHP Inc.と、データセンター向けサーバー機器を扱うヒューレット・パッカード・エンタープライズの二つの独立した法人に分割され、ヒューレットパッカードは法人登記上の終焉を迎えた。一方その事業は前記4社に継承された。

本体の会社分割を受けて、従来の日本法人の日本ヒューレット・パッカード株式会社はヒューレット・パッカード・エンタープライズの日本法人となり、HP Inc.の日本法人として日本HPが設立された。


概要

1939年に、ウィリアム・ヒューレットデビッド・パッカードによりアメリカ合衆国カリフォルニア州パロアルトで創業された。2015年に登記上の法人として終焉するまで同地域内に本社を置いていた(後継会社も同地域内に本社を置いている)。 当初はオシロスコープに代表される電気・電子計測器メーカーとして創業した。1980年代にUNIXサーバー、ワークステーション分野に参入し、ハードウエアとしてHP 9000、OSとしてHP-UXを販売し、大規模・ミッションクリティカルな分野での存在感を示した。 社員の多様性を尊重した社風"HP WAY"でもよく知られる。

1999年に電気・電子計測器事業、化学分析機器・医療機器事業はアジレント・テクノロジーへ分割され別会社となった。電気・電子計測器事業はさらに2014年にキーサイト・テクノロジーに事業移転している。

2002年にコンピューター大手コンパックコンピュータ (COMPAQ) を買収し、大規模合併で話題を呼んだ。これ以後コンパックの事業を継承したIntelAMDx86プロセッサを搭載した、WindowsLinux向けサーバー機器、コンシューマー向けPCの存在感が高まり、事業の根幹となる。この合併後、PC事業についてはデルに次ぐ2番手の地位に甘んじていたが、2006年第3四半期におけるPCの販売台数が世界1位となった。以降、2013年第3四半期以降にLenovoに抜かれるまでPCの世界シェア第1位の企業であった。2014年、2015年は2位を維持したが、2016年に再び1位に返り咲いている。

2006年11月16日に発表した2006年会計年度(2006年10月まで)によると、HPの年間売上高は917億ドルに達し、IBMが発表した2006年度の決算(売上高914億ドル)を上回り、当時の売上高で世界第1位のIT企業になった。この後、2012年にAppleの売上高はHPを上回って売上高で世界第1位のIT企業になった。HPは、サーバやPCといったハードウエアの拡販が進み、コンシューマ市場でもPC、プリンタでの売上の強化を図っているための結果である。一方IBMは、企業向けのシステムインテグレーションアウトソーシング事業に傾注し、売上高よりも利益重視の経営へと進んでいることによる。両社の事業ポートフォリオは分かれつつあるが、企業向けのシステムインテグレーションやサーバ製品では、これまで通りの競合状況にあり、今後も業界盟主の座をかけた競合状況は進むと予想された。

2008年5月、ITサービスの分野で世界第2位のElectronic Data Systems (EDS) を買収し、この分野でもIBMへの追撃を図る。さらに同年10月には、無線LAN、無線ネットワークセキュリティを手がけるコルブリス・ネットワークス (Colubris Networks)[7]も買収し、同社の製品を、有線・無線ネットワーク機器のブランドである「HP ProCurve」に統合した。

2010年4月、スリーコム(3Com)社を27億ドルで買収、同時にスリーコム社が中国華為技術有限公司 (华为技术有限公司、Huawei Technologies Co. Ltd) と共同設立したH3Cテクノロジーズを100%子会社化しH3CブランドとProCurveブランドを統合、新たにHP Networkingブランドとしてネットワーク製品の提供を開始した。

2011年8月18日HP オートノミー(旧オートノミー)を102億ドルで買収することと、WebOS搭載携帯機器(携帯電話機やタブレット機器)の開発の中止(WebOSのソフトウェアとしての開発は継続)、パソコン事業部門の15ヵ月以内を目途とした再構築を発表。特にパソコン部門の再構築についてはすなわちHPのパソコン分野からの撤退と直結的に受け止められ、翌日の株価は20%下落した。この時点において、パソコン市場では世界的にトップシェアであり、大半の報道では収益性の低さからパソコン分野から撤退するものと決定的に報じられているが、HPはパソコン分野からの撤退は決定事項ではなくあくまでも数ある選択肢のひとつであるとしている。

2011年9月22日に、レオ・アポテカーからメグ・ホイットマンにCEOが交代になり、それをうけ方針転換し、10月27日にパソコン部門は継続されることが発表された。

2011年時点では、売上高が世界最大のIT機器メーカーであり、パソコン、サーバ、プリンターのすべてで世界トップシェアを持っていた。

2012年3月の時価総額は約470億US$(約3兆8,700億円)で世界時価総額ランキング132位(※同時期のアップルの時価総額は約5,600億US$(約46兆300億円)で1位、IBMの時価総額は約2,400億US$(約19兆7,200億円)で5位)。

2013年9月20日に、ダウ平均株価採用銘柄から外れた。

2014年10月6日、メグ・ホイットマンCEOよりPC・プリンタ部門と企業向け部門が分割されることが発表された。PC・プリンタ部門は"HP Inc."として、企業向け部門は"Hewlett Packard Enterprise"としてそれぞれが上場企業となる計画である。2014年当時のロゴはHP Inc.が継承する。

2015年11月1日に会社分割が完了した。15年の売り上げは、パソコン世界2位、サーバ1位、プリンター1位であった。

Hewlett Packard Enterpriseは新しいロゴに移行し[8]、HP Inc.が継承した旧Hewlett-Packard Companyのブランドロゴも2016年に一部製品で変更された[9]

歴代CEO

関連企業

後継企業
直接・間接に吸収した企業

製品群

コンピュータハードウェア

Compaq Armda M300
Jornada690 かつて展開していたHandheld PC

(企業向け OpenGL 対応グラフィクス機能を強化したPC)

コンピュータソフトウェア

マイクロプロセッサ

PA-RISC
  • IA-64
    インテルと共同で開発した64ビットプロセッサ。
  • PA-RISC
    HPが独自に開発したRISC型プロセッサ。HP-UXを動かすHP-9000シリーズで使用。
  • DEC Alpha
    DECが開発したプロセッサ。当時の他のプロセッサより高速な上、Windows NTなど対応するシステムもバラエティに富んでおり、当時は人気があった。しかし、HPはIA-64を提供しているため、Alphaは既存顧客のためだけに維持していた。開発終了済み。
  • HP Saturn
    関数電卓・小型コンピューター向けの4bitプロセッサ。開発・生産共に終了済み。

プリンター

HP製のインクジェットプリンターは、一部の機種(シリーズ)を除き、プリントヘッドとインクカートリッジが一体となっている のが特徴であった(現在[いつ?]はインクカートリッジとヘッドが分離し、各色独立インクカートリッジを持つ機種が主力となり、ヘッド一体型インクカートリッジは廉価機種に限られる)。世界的にはトップシェアを誇っているが、日本においては、エプソンキヤノンブラザーの次のグループに甘んじている。

脚注

  1. ^ Hewlett-Packard>Investor Relations>Latest Annual Report and Proxy>2012 Annual Report>80P>Consolidated Balance Sheets>Total stockholders’ equity
  2. ^ Hewlett-Packard>Investor Relations>Latest Annual Report and Proxy>2012 Annual Report>38P>ITEM 6. Selected Financial Data.>Net revenue
  3. ^ Hewlett-Packard>Investor Relations>Latest Annual Report and Proxy>2012 Annual Report>38P>ITEM 6. Selected Financial Data.>Earnings from operations
  4. ^ Hewlett-Packard>Investor Relations>Latest Annual Report and Proxy>2012 Annual Report>38P>ITEM 6. Selected Financial Data.>Net earnings
  5. ^ Hewlett-Packard>Investor Relations>Latest Annual Report and Proxy>2012 Annual Report>38P>ITEM 6. Selected Financial Data.>Total assets
  6. ^ Hewlett-Packard>Investor Relations>Latest Annual Report and Proxy>2012 Annual Report>15P>Employees
  7. ^ 注:2000年にマサチューセッツ州で創立した無線LANに特化した企業。この時点で、世界で唯一旅客機用デュアル無線Wi-Fi(IEEE 802.11n/a/b/gとa/b/g)を手がけている。そのほか、鉄道ホテル病院公共施設ISPなど、エンタープライズ向けWi-Fiソリューションを得意とする。
  8. ^ 「IT企業は青いロゴばかりなので、緑色にしました」――米HPが分社化、“Hewlett Packard Enterprise”始動
  9. ^ HPのカッコよすぎる新ロゴ 実は一度ボツになっていた?

外部リンク