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これらはいずれも[[オーストロネシア語族]]の[[大洋州諸語]]に属する。このうちイフォ語は[[1954年]]に最後の話者が亡くなって[[死語 (言語)|消滅]]したとされる。またウラ語も話者数が著しく少ない上に母語話者の大半が[[第一言語]]をシエ語に[[言語交代|取り換え]]た為、消滅の危機にある。
これらはいずれも[[オーストロネシア語族]]の[[大洋州諸語]]に属する。このうちイフォ語は[[1954年]]に最後の話者が亡くなって[[死語 (言語)|消滅]]したとされる。またウラ語も話者数が著しく少ない上に母語話者の大半が[[第一言語]]をシエ語に[[言語交代|取り換え]]た為、消滅の危機にある。


== 脚注 ==
== 脚注 ==

2021年3月3日 (水) 21:51時点における版

エロマンガ島
現地名:
Erromango Island
1858年のスケッチ
地理
場所 メラネシア
座標 南緯18度48分50秒 東経169度7分22秒 / 南緯18.81389度 東経169.12278度 / -18.81389; 169.12278
諸島 ニューヘブリディーズ諸島
面積 892.25 km2 (344.50 sq mi)
最高標高 886 m (2907 ft)
行政
タフェア州
人口統計
人口 1,950(2009年時点)
人口密度 2.2 /km2 (5.7 /sq mi)
テンプレートを表示
エロマンガ島内

エロマンガ島(エロマンガとう、Erromango)は、南太平洋、バヌアツタフェア州最大のニューヘブリディーズ諸島の一つ。「エロマンゴ島」、あるいは「イロマンゴ島」とも表記される。 そのエロ漫画を連想させる名称から、日本では特に珍地名の一つとして紹介されることがある。

地理

島の中心部に標高 837mの火山がある小島で、周囲は珊瑚礁に覆われている。面積 887km2、人口は1,950人[1]。主要な産業は牧畜業・農業で、肉牛を飼う大きな牧場が広がっている。西側のディロン湾に好錨地を持つ[2]。かつては全体が密林に覆われ上質な白檀が取れたが、乱伐によって現在はほとんど森がなくなり、白檀も取れなくなった。

歴史

18世紀にはイギリスフランスの旧共同統治領になっていたが、実質上は無政府状態に近かった。ポリネシア系の住民が大昔から住み着いており最盛期には10,000人に達していた。

1830年代から各国が宣教師を送り込み教化を試みたが、送られてから数年以内に原住民の人間狩りに遭って虐殺されて食べられるという事件が頻発していた。犠牲者の中にはロンドン宣教師協会のジョン・ウィリアムズも含まれていた[3]

1840年代から、宣教師や白檀目当ての商人たちが持ち込んだ赤痢はしかなどの伝染病が、島中に蔓延するようになり、人口の減少が始まる。商人たちによる住民の虐殺なども頻発するようになった。1860年代には白檀の大半が伐採され森林は荒れ果ててしまった。これ以降は奴隷狩りによる人身売買が島を訪れる商人たちの主目的になっていく。1884年にフランス人宣教師が人間狩りに遭い、殺されて食べられるという事件が起きると、フランス軍が上陸し報復を行った。しかし、イギリスとの領有権問題から、イギリス側の抗議を受けたため、フランス軍は村をひとつ焼き払っただけで撤退した。

1887年に共同海軍委員会を設立して島の治安維持に当たることになった。しかし、住民を保護する法律もなければ行政機関もなく、住民が白人に危害を加えたときに報復するためだけの組織としてしか機能せず、実質的には無政府状態のままだった。

1906年にイギリスとフランスの間で共同統治領とする条約が調印され、各種の法律整備も進められ、行政機関が設置されて無政府状態が解消した。原住民に対してもキリスト教の布教を行い食人文化を禁止し、文明化をすすめたため、20世紀初頭には食人は完全になくなったといわれている。

最盛期には人口1万人に達した繁栄した島であったが19世紀から激減する。住民は現在でもキリスト教の宣教師を殺した神罰により衰退したと信じているが、実際の人口激減の理由はヨーロッパ人がもたらした伝染病による大量死、略奪、オーストラリア開拓のための奴隷狩り(ブラックバーディング)である。このため、島の社会は崩壊し、キリスト教化された住民の間にポリネシアの伝統文化などはほとんど残っていない。

交通

島内にはディロンズベイ空港英語版イポタ空港英語版の2つの空港がある。

言語

エスノローグ第18版によるとエロマンガ島には三種類の固有言語が存在するとされている。

  1. イフォ語英語版 (別名: Utaha)
  2. シエ語英語版(Sie; 別名: Eromanga, Erramanga, Erromanga, Erromangan, Sye)
  3. ウラ語英語版

これらはいずれもオーストロネシア語族大洋州諸語に属する。このうちイフォ語は1954年に最後の話者が亡くなって消滅したとされる。またウラ語も話者数が著しく少ない上に母語話者の大半が第一言語をシエ語に取り換えた為、消滅の危機にある。

脚注

  1. ^ 2009 Census Summary release final - Government of Vanuatu
  2. ^ 『コンサイス地名辞典 外国編』、三省堂、1977年7月、P150。
  3. ^ エロマンガ島の食人部族の子孫、170年前に先祖が食べた宣教師の子孫に謝罪 - GIGAZINE

参考文献

  • Lewis, M. Paul; Simons, Gary F.; Fennig, Charles D., eds. (2015). Ethnologue: Languages of the World (18th ed.). Dallas, Texas: SIL International.

関連項目

座標: 南緯18度49分0秒 東経169度8分0秒 / 南緯18.81667度 東経169.13333度 / -18.81667; 169.13333