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2021年1月17日 (日) 04:08時点における版
江戸前の旬 | |
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ジャンル | 料理・グルメ漫画 |
漫画:江戸前の旬 | |
原作・原案など | 九十九森(原作) |
作画 | さとう輝 |
出版社 | 日本文芸社 |
掲載誌 | 週刊漫画ゴラク |
レーベル | ニチブンコミックス |
発表期間 | 1999年 - 連載中 |
巻数 | 既刊106巻(2020年12月現在) |
漫画:銀シャリ!! ―銀座・柳寿司三代目奮闘記 | |
原作・原案など | 九十九森(原作) |
作画 | さとう輝 |
出版社 | 日本文芸社 |
掲載誌 | 週刊漫画ゴラク |
レーベル | ニチブンコミックス |
巻数 | 全1巻 |
漫画:寿司魂 | |
原作・原案など | 九十九森(原作) |
作画 | さとう輝 |
出版社 | 日本文芸社 |
掲載誌 | 別冊漫画ゴラク |
レーベル | ニチブンコミックス |
発表号 | ? - 2015年2月号 |
巻数 | 全14巻 |
漫画:北の寿司姫 | |
原作・原案など | 九十九森(原作) |
作画 | さとう輝 |
出版社 | 日本文芸社 |
掲載誌 | 食漫 |
レーベル | ニチブンコミックス |
発表号 | ? - 2010年12月号 |
巻数 | 全3巻(第一部完) |
漫画:江戸前の旬 〜旬と大吾〜 | |
原作・原案など | 九十九森(原作) |
作画 | さとう輝 |
出版社 | 日本文芸社 |
掲載誌 | 漫画ゴラクスペシャル |
レーベル | ニチブンコミックス |
発表号 | ? - 2016年8月号 |
巻数 | 全3巻 |
漫画:虹のひとさら | |
原作・原案など | 九十九森(原作) |
作画 | さとう輝 |
出版社 | 日本文芸社 |
掲載誌 | 漫画ゴラクスペシャル |
レーベル | ニチブンコミックス |
発表号 | 2016年10月号 - 2017年10月号 |
巻数 | 全2巻 |
漫画:ウオバカ!!! | |
原作・原案など | 九十九森(原作) |
作画 | さとう輝 |
出版社 | 日本文芸社 |
掲載誌 | 漫画ゴラクスペシャル |
レーベル | ニチブンコミックス |
発表号 | 2019年5月号 - 2020年8月号 |
巻数 | 全2巻 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画 |
ポータル | 漫画 |
『江戸前の旬』(えどまえのしゅん)は、九十九森原作、さとう輝劇画の日本の漫画作品。『週刊漫画ゴラク』(日本文芸社)にて1999年より連載中。先行作品として同コンビによる『銀シャリ!! ―銀座・柳寿司三代目奮闘記』が同誌にて連載されていたが、単行本1巻分の連載後、『江戸前の旬』とタイトルを改めて仕切り直しの上で本格連載となった(初期は「銀シャリpart II」とタイトルロゴに付されていた)。タイトルロゴには『江戸前の旬』の上に「銀座柳寿司三代目」とある。2019年3月に連載1000回を迎えた。作中では、魚介類に関する知識や日本文化が紹介されることが多々ある。
本項目では、『江戸前の旬』のシリーズ作品、特別編、外伝作品についても記述する。
あらすじ
この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
- 銀シャリ!! ―銀座・柳寿司三代目奮闘記
- 銀座・「柳寿司」の三男で高校生の柳葉旬は、父・鱒之介が病に倒れ、一時的な入院を余儀なくされたことをきっかけに寿司職人の道を志す。鱒之介が入院して休業状態となった「柳寿司」の仕事場で、旬は独学で寿司職人としての修行をスタートさせる。祖父の代からの「柳寿司」の常連客であるヒラマサの協力、天才的な発想と努力で、旬はメキメキと腕を上げて行き、最終的に鱒之介の直弟子である直哉からも寿司職人としての才能を認められたことで、鱒之介は旬の高校卒業を待って「柳寿司」三代目としての本格的な修行をさせることを決意するのだった。
- 江戸前の旬(本編)
- 時が流れ、20歳となった旬は、鱒之介の厳しい指導や、金子、八木沢ら常連を含む客達の抱えている問題を寿司を握ることで解決してみせるなど、順調に寿司職人としての腕を上げていた。雑誌編集者の姉・真子が担当している小説家にして食通の池内正二郎、「東都デパート」の東堂会長などの大物も、たまたま訪れた「柳寿司」で、鱒之介の名人技や旬の才能や優しさに惚れ込み、新たな常連客となるなど、旬はその持って生まれた才能を一気に開花させようとしていた。
- そんな時、旬の前に生涯のライバルとなる高級店「嘉志寿司」の四代目、吉沢大吾が現れる。当初は自分より年齢も下で修行のキャリアも少ない旬を「三流店の小僧」と見下していた大吾だったが、数々のイベント勝負で旬に決定的な勝利を収めることが出来ず、「全国握りずしコンクール」での旬との同率2位(優勝は「勘兵衛」の磯村)に甘んじたことがきっかけとなり、さらなる高みを目指して京都の一流料亭へと修行に旅立つ。
- その後、ライバルにして親友の宮城・気仙沼「森寿司」の森野石松との共同作業や、鱒之介の兄弟子の息子、北海道「鮨 結城」の跡取り、結城達也への指導などでさらなる成長を遂げた旬は、池内の依頼で京都に出張して寿司を握ることになる。仕事の終了後、池内たちの誘いで京都でも一、二を争う高級料亭「さが美」へと招かれた旬は、追い回しとして屈辱に耐えながら京料理の真髄を必死で学び取ろうとしている大吾と再会、ひょんなことから鱧寿司勝負を行うことになり、勝負を通して感じた大吾の成長に驚愕する。
- 「全国握りずしコンクール」から2年後、「東都デパート」は再び寿司のイベント「東西すし祭り」を開催することになった。当初は東都デパートから出場依頼を受けた旬が東京代表として出場するはずだったが、紆余曲折の末、旬は東京代表の座を「巽寿司」の巽に譲る。松ヶ根の親方から関西寿司の指導を受けた後に巽にエールを送る旬だったが、「東西すし祭り」に出場した巽は、京都「さが美」の代表を任された大吾の前に敗北寸前にまで追い込まれてしまう。急遽助っ人として巽をサポートする旬を、当初は見下していた大吾だったが、最終的に勝ったものの旬の協力で巽の猛追を許し、「たとえこの大会で勝っても旬に勝ったと言えるのか!」と歯がみする。
登場人物
登場人物は、全員初期は顎が強調された厳つい顔つきだったが、物語が進むにつれて、すっきりとした顔立ちになっている。
柳葉家
- 家族は、魚にちなんだ名前が多い。江戸っ子下町人情が残る店で、銀座四丁目[1]にある大衆店【柳寿司】を経営している。なお、東京や神奈川に「柳寿司」が実在するが、本編の「柳寿司」とは無関係。源治と佐原直哉、工藤和彦は柳葉家の血筋ではないが、源治は鱒之介の同門であり、直哉は鱒之介の、和彦は旬の、其々の弟子で家族待遇となっているため、柳葉家に含める。札幌出身の結城達也、小樽出身の佐原直哉、津軽出身の工藤和彦と、弟子は北日本出身者ばかりである。家族待遇ではないが、「親父の教え子」という理由により、「九条料理専門学校」で鱒之介の教えを受けた者たちを、旬は弟弟子として扱っている。また、正式な弟子ではないが、中村と磯山太一は旬に寿司の教えを受けている。
- 柳葉旬(やなぎば しゅん)
- 本編の主人公。昭和54年3月15日午前0時3分誕生[2]。物語開始時の第1話(1999年3月発表)では20歳と明記されている。銀座北高等学校卒業生。四人兄妹の末っ子だが、父・鱒之介が病に倒れたことをきっかけに、実家の寿司屋「柳寿司」の三代目を継ぐべく、鱒之介の元で寿司職人としての修行を始める。長年の修行の過程で、深川の親方、松ヶ根の親方、鱒之介の「兄弟子」結城哲らに師事、特に、深川の親方と松ヶ根の親方にとっては、最後の弟子となった。また、「嘉志寿司」の吉沢大吾とは終生のライバルかつ最高の親友となる。仕事にストイックなあまり自分の恋愛に対しては不器用ですれ違いなども多く、また相手が自分に抱いた好意に気付かずに終わることもあったが、後に紆余曲折を経て藍子と結婚した。仕事以外の趣味は釣り。たとえ相手が自分より年やキャリアが下、時には寿司職人や料理人以外を相手にしていても、これまで培ってきた技術を惜しみなく伝授するなどの懐の深い面もある。修行の過程で日本中の数々の若手職人達とも交流を重ね、彼を中心に大きな横の繋がりが出来ている。基本穏やかで優しい性格もあり、当初は様々な理由から彼を嫌ったり憎んだりしていた若手職人も、最終的に彼に信服するようになる(完全な敵役、悪役としてほぼ一度しか登場しない職人は別)。旬は江戸前寿司もそれ以外の寿司も同じ「すし」であると考えており、それらを区別せず郷土料理や顧みられなくなった料理も積極的に取り入れる。最良と判断すれば、客のために江戸前寿司以外のすしを提供することもあり、江戸前寿司には無い寿司ダネを握ることもある。河豚調理師の資格を取るため、お店の営業と並行しながら姉の真子の夫すなわち義兄である哲也の下で修行し、試験に臨み、無事合格した。和彦を弟子に迎えてからは、優しく時に厳しい親方としての修業もこなしている。また、父親としての自覚も徐々に出てきたようである。みどりの育児と客の反応から自分の目指すべき寿司道がおぼろげながら見えてきた。そして、そのことの発端となった客との邂逅を経て鱒之介の模倣ではなく自分の目指すべき寿司の道を確立した。ヒラマサからは、食べるものを心から慈しみ安堵させる力があると称され、その立ち振舞いから握りの姿形は菩薩のようだと表現された。
- 柳葉藍子(やなぎば あいこ=旧姓・朝岡)
- 単行本第37巻第4話「マトウダイ」にて初登場。築地場外市場に店を構える【朝岡水産】の娘で、見かけは綺麗だがガラッパチで煮ても焼いても食えないキャラクターから「金魚」の異名も。紆余曲折を経て旬のプロポーズを受諾、結婚した。旬の6歳年下だが、「旬くん」と呼ぶ。初めて「柳寿司」を手伝った際に、義姉の真子から渡された君江の着物姿をヒラマサに、「着物姿が君江にそっくり」と評された。自身も寿司や魚が大好きで、貴重な寿司ダネが入るとそれを食べたがる一面も。「旬の役に立ちたい」と「義父(鱒之介)に美味しいフグチリを食べさせたい」という思いから、「柳寿司」での女将の職務の傍ら、旬や弟の一郎と共に哲也の下で、河豚調理師の修業を始め、試験に臨んだ。受験後に妊娠三ヶ月であることが判明した。試験は不合格だったが、徐々に母親としての自覚が出てきた模様。みどりを無事出産した。夫である旬の、父親としての無自覚さに少々呆れ気味。インターネットを通じて集客を試みるが、旬に客の大切さを説かれて集客はやめ、「新人女将のダメダメ日記」というブログに日々の体験をつづるようになった。
- 柳葉みどり(やなぎば みどり)
- 旬と藍子の第一子。2011年4月2日午前0時1分誕生。体重3700グラムの女の子。名付け親はヒラマサ。名前の由来は、ヒラマサ曰く「『李謐と孔藩』の故事から、勤勉さと謙虚な人間になって欲しい」という願いを込めたとのこと。母親の藍子と同じく、食い意地が張っている。また、新生児の予防接種の際は、注射針を目の前にしてもニヤつき、注射を受けた後には泣くどころか欠伸をしていた。父の旬を「とーと」または「とうと」、母の藍子を「まんま」と呼ぶ。祖父の鱒之介はみどりを非常に可愛がっており、息子・娘には見せなかった満面の笑みをみどりに幾度も見せている。
- 築地第一幼稚園を卒園後、都立築地小学校に入学。大河、美和、航とともに、魚について勉強したり、寿司を食べたりすることを目的とする「おさかなクラブ」を結成した。
- 柳葉鱒之介(やなぎば ますのすけ)
- 旬の父。「柳寿司」の二代目。「魚を扱う者は魚に生かされている」、「しっかりとした技・舌・心を持って握ったモノは、客の心を打つことが出来る。それは、土台を支える江戸前の技があったればこそ」という思いから、江戸前の心を重んじていて、客の前では江戸弁をしゃべることがある。基本的に江戸前にない寿司を旬が扱うことを認めない態度を取るものの、若いころは、江戸前寿司に無い寿司ダネも客に頼まれて握ったことがある。そのため、旬が江戸前に無い寿司ダネを握っているのを黙認することもある。旬が高校3年生の時に病に倒れて(プレストーリー『銀シャリ!!』での出来事)以来、右半身が不自由になっており、長時間寿司を握り続けたりすると右手が震える症状がでることがあり、月に一回通院している。後述の特別編『寿司魂』では20歳(1964年の物語開始時)の鱒之介が主人公であり、後に本作で与田良二郎が語った武勇伝も数多く残している。また深川の親方に紹介された中学を卒業した佐原直哉を一人前の寿司職人に鍛え上げた。なお本作では2002年に鱒之介の還暦祝い(実:58歳)が行われており、生年にズレが生じている[3]。「柳寿司」に来店し、一度でも交流したことがある客は、幾年過ぎても忘れない。最近では、藍子の食あたりの吐き気を妊娠の吐き気と勘違いするなど、そそっかしさも見られるようになっている。また、旬が「俺たちが子供のころはあんなに怖かったのに、孫には甘い」というなど、昔に比べて物腰が柔らかくなっている。みどり誕生を機に引退の時期を見計らっていたが、手の甲に染みが見つかり「寿司職人が人様の前に出せないような手になった時は潔く引退する」という新見清次郎(深川の親方)の教えを守り、67歳で引退した。その後、九条に請われ【九条料理専門学校】の日本料理の講師となり「鱒っちゃん先生」と呼ばれ慕われている。ヒラマサからは、握る寿司は食べるものを圧倒する絶対的な力を持っていると称されており、不動明王のような力強さを持っている。
- 柳葉君江(やなぎば きみえ=旧姓・紺野)*(故人)
- 旬の母。長野県出身。平成元年9月3日死去。享年42歳[4]。旬が小学校5年生の時に死去。「柳寿司」の二代目女将として佐原直哉や子供たちを温かく見守り続けた。穏やかな性格。結婚前は銀座のデパートで働いていた。父親は開業医。旬を妊娠した時、既に子供を産める体ではなかったが、「この子は神様からの贈り物」と旬を産んだ。しかし、そのことがきっかけで真子の結婚式の時まで君江の両親は旬を逆恨みしていた[5]が、後に旬の優しさと君江直伝の旬の笹寿司に感動し、己の過ちを認め心の中で旬に謝罪した。君江の母は、娘の死の真相を旬に明かすこと無く息を引き取った。なお、祖母の通夜の時に、君江のお骨は鱒之介によって分骨した物を祖父に渡された。
- 柳葉鱚一郎(やなぎば きいちろう)
- 鱒之介の長男。1968年9月25日生まれ。名付け親は節子。【旭東物産】食品開発部勤務。母の死は父がしっかり看病しなかったせいだと反発し、実家を離れ商社マンとなった。しかし皮肉にも食品開発部に配され、家業と向き合うこととなった。後に父とは和解している。55巻では、鱒之介と君江に愛されていたことを誕生日に知り、涙ながらに感謝した。ちらし寿司をカップに入れたカップちらしを開発し、食品開発部部長となった。また、銀座に社命で創作寿司の店「SUSHI BAR F.E.Island」を開店。大盛況となる。
- 嘗て、鱒之介が運動会に出る自分たちのために巻物を作っていたことに感動し、旬に教えを請い、巻物を特訓した。その想いは、息子の誠にしっかりと伝わっていた。
- 妻の佳菜子とは大学の同期。その時の恋敵の応援で口説き落とした。
- 柳葉佳菜子(やなぎば かなこ)
- 鱚一郎の妻。旬の義姉。神奈川県の三浦出身。『銀シャリ!!』では、朋子という名になっている。初期の容姿は若かったが、年月の経過もあり近年登場した際はいきなり老け込んだ容姿となっていた。
- 柳葉誠(やなぎば まこと)
- 鱚一郎の長男。旬の甥。鱒之介の初孫。海苔が縁で東堂会長の孫である春彦と友達になる。また、友達の相談に良くのるなど懐は深い。七五三の時に鱒之介と鱚一郎が仲違いしていたため、お祝いをしていなかった。しかし、恵と祐樹の七五三の時に、母である佳菜子の実家の風習に倣い、鱒之介が贈った立派な着物を着て七五三を祝われた。また、帆立恵美に促されて受験勉強を頑張った結果、志望校(恵美と同じ学校)に合格した。その後、彼女と共に一流大学のM大法学部に進学。弁護士を目指していたが自分には無理と察し、在学中に【スーパー丸高屋】にアルバイトとして入社。卒業後にそのまま就職。
- 柳葉恵(やなぎば めぐみ)
- 鱚一郎の長女。旬の姪。佳菜子が「柳寿司」に来る途中で破水したため、帝王切開により誕生した。
- 柳葉鮭児(やなぎば けいじ)
- 鱒之介の二男(第二子)。1970年5月6日生まれ。名付け親は、鱒之介。放浪癖があり長いこと一つ所にいられない性格。18歳の時から家を離れて、大道芸をしたり偽薬を売ったりしながら世界中を回っているが、たまに家に帰ってくる(確認できるところでは、母・君江の十三回忌(夢に君江が出てきた)と妹・真子の結婚式(リムジンで登場)、そして旬の結婚式(風呂上がりを泥棒と勘違いした藍子にモップでど突かれた。その後、圭斗たちと協力して旬と藍子のドッキリ披露宴を企画した))。眉毛の形が兄妹で唯一鱒之介似である。旬の結婚式後は長野で車エビの養殖に従事していたが、そこの社長に教えられた粗放養殖を東南アジアに広めるため、家族と日本に別れを告げて旅立っていった。
- 酒井真子(さかい まこ=旧姓・柳葉)
- 鱒之介の長女(第三子)。旬より3歳年上。料理雑誌の編集者だったが、日本料理人の酒井哲也と結婚し退職、店を手伝う。当初は高級店の娘でないという理由でで哲也の母に結婚を反対されていたが、鱒之介が説得したことで結婚を許された。後に祐樹という息子をもうける。その際に、夫の哲也が仕込み、鱒之介と旬が握った握り寿司に感動した。『銀シャリ!!』では、君江がお寿司屋さんのケーキとして出した卵焼きで鱒之介と和解した。後に、『江戸前の旬』本編では、その卵焼きで(父の日が哲也との結婚式であったため)、一日早く鱒之介に感謝の念を込めて出した。君江の両親には、結婚式の時に着用した白無垢姿を「35年前の君江の花嫁姿を見ているようだ」と評された。旬と藍子の結納の時は、柳葉家の人間として出席した。
- 柳葉鮃蔵(やなぎば へいぞう)
- 「柳寿司」の初代。宮城県の松島の農家出身[6]。鱒之介の父親。旬の祖父。太平洋戦争中、衛生兵の後に米軍の捕虜になっていたが、昭和21年、日本に帰国し、東京・有楽町の寿司屋横丁に、「柳寿司」を開店。昭和39年、銀座に移転した。鱒之介と源治に魚に感謝することと江戸前の寿司職人の心意気を叩き込んだ。戦前は「巽寿司」で修行していた。『寿司魂』にも登場している。
- 源治(げんじ)
- 鱒之介の同門。旬が3歳の時に後述の直哉が入門した後に「柳寿司」から独立したと作中で語られる。2003年ごろの話で、勤めていた店の経営方針が変わったことを嘆いて包丁を返しに来るが、鱒之介に江戸前の心を諭され、寿司職人として生きる決意を新たにする。なお、「柳寿司」が開店してから鮃蔵が死ぬまでの間、『寿司魂』には一度も登場していない。
- 佐原直哉(さはら なおや)
- 源治の独立直前に深川の親方の紹介で「柳寿司」に入門し、鱒之介の下で厳しい職人修行を積んだ。修業の様子は『寿司魂』で描かれているが、こちらでも『銀シャリ!!』での回想シーンとは齟齬が見られる。当初は人前でナイフを振りかざすなどの手のつけられない暴れん坊だったが、鱒之介の握る寿司を見て、弟子志願した。『寿司魂』では、給料で「嘉志寿司」に寿司を食べに行ったり、親方である鱒之介に黙って築地仲卸業者から魚の捌き方を習ったりしている。しかし魚の捌き方を習いに行くのに店の包丁を持参し、さらに帰宅時にその包丁に血が付着していたことから同時期に「柳寿司」近辺で発生していた押し込み強盗への関与を節子(鱒之介の母)に疑われたが、鱒之介が包丁に付いていた血が魚の血であると見抜いたため、疑いは晴れている。旬が小学校低学年の時に母親の病気のため地元小樽へ帰った後、小樽寿司屋通りで「直寿司」を経営する。『銀シャリ!!』では、旬に江戸前寿司職人としての才能があるかどうかを、鱒之介に頼まれて見極めている。真子の結婚式と旬の結婚式で家族待遇として呼ばれた。
- 工藤和彦(くどう かずひこ)
- 旬の弟子。初登場は単行本第56巻。青森県の津軽地方出身。謙虚だが芯が強い。元々は、月島の工場に就職する予定だったが、内定を断られ気落ちして「柳寿司」を父親と共に訪れる。そこで、直向きさを鱒之介に気に入られ弟子となる。かんぴょう巻きの出来と藍子の破水時の対応により、旬に認められる。まだ15歳のため、妹からの手紙で里心が起こり、青森に帰りかけたこともあった。また、親方の旬が悩んでいた時には旬のライバルである大吾に相談に乗って欲しいと相談しに行ったことがある。親方である旬への信頼は揺ぎ無い。普通の卵焼きは焼くことができるが、芝エビが入った卵焼きは美味く焼けなかった。しかし日々の仕事を通して客に対する責任と喜びを学び、旬の招待で半年ぶりに再会した両親に芝エビの入った卵焼きを振る舞い、旬夫婦および両親を安心させた。姫野さくらが一時的に「柳寿司」で修行していた際は恋心を抱いていたが、さくらが帰るまでの間に仲が進展することはなかった。一度旬夫婦が留守の時に、食事は店屋物を取るように言われていたところ店の寿司ダネを使って自分の食事として寿司を握った[7]が、出来はまだまだ。真面目な性格で仕事も手を抜かず一生懸命こなすため、旬も数少ない例外を除けば仕事に対する「姿勢」の面ではほとんど叱ることはないが、技術的な面では卵焼きの件のように厳しく指導している。一方で「貝焼き味噌」のように、和彦がまかないなどで披露した料理が「柳寿司」にて和彦の担当として品書きに載ることもあり、これは仕事のやりがいを持たせるための旬の計らい。まだ若いことや真面目すぎる性格のためすぐ泣くが、アナゴの捌きの時に失敗して泣いた時はアナゴをさばいた手で涙を拭おうとしたため咄嗟に旬に殴り飛ばされた(アナゴやウナギの非加熱の血には毒性があり、目に入ると失明の恐れもあるため)。作中で旬が和彦に手を上げたのは現時点ではこれが唯一。その後、「東都デパート」のイベントで、都内で働く経験10年未満の若手寿司職人のナンバーワンを決める大会「TOKYO SUSHI-1 GP ~next generations~」に、発案者の良二郎直々の打診を受け出場。これが人生初めての「試験」となる。「東都デパート」の催事場で行なわれる決勝に進むことこそ惜しくも叶わなかったが、「柳寿司」で培った実力を遺憾なく発揮した。
- 時が経ち、現在ではツケ場に立つこともあり、握りもある程度は任される腕になった。
海渡家
- 築地市場のち豊洲市場の仲卸【海渡】を営んでいる。
- 海渡謙介(かいと けんすけ)
- 当初は「柳寿司」を小規模店とバカにした態度をとっていたが、旬の職人としての腕を知り態度を改める。旬のいい兄貴分となる。「嘉志寿司」と「覇王寿司」との抗争では、「嘉志寿司」のランチのちらしを正当に評価したり、築地市場で李が金にモノを言わせてその日一番のマグロを競り落とそうと企んだ際、仲間と共に損を覚悟で競り合って阻止するなど、築地市場場内仲卸業者としての矜持を見せた。
- 海渡静香(かいと しずか=旧姓・内山(うちやま))
- 元「魚銀」の主人の娘。謙介の幼なじみで、魚当ての腕は謙介をも凌駕する。「魚銀」は経営が傾きかかっていたが、後に謙介と結婚し「魚銀」は「海渡」に吸収合併された。夫の不器用さに少々呆れ気味。両親は『寿司魂』に登場している。
- 海渡勇太(かいと ゆうた)
- 単行本第20巻「端午」に登場。謙介と静香の長男。誕生日は平成15年(2003年)4月29日。名付け親は静香の叔父さん(静香の父親の弟)。
吉沢家
- 「柳寿司」と同じ銀座にある江戸前寿司店【嘉志(よし)寿司】を経営している。以前は、「嘉志寿司」は銀座一の名店と評されていたが、作法にうるさく、特定の客にしか利益を還元しておらず、銀行からも「新しい客がつかず、頭打ちだろう」と見られていた。また、銀座一という看板に胡坐をかき、社長の龍男をはじめ従業員は皆慢心し、気が付けば寿司の質も落ちていた。そのことが仇になり、李の「覇王寿司」との抗争ではマスコミや一般客からの風評被害にも悩まされる。この時期に店を辞めた者も多い。しかし、大吾と「すし懐石 榊」の元従業員だけは屈辱に耐え抜き、新生「嘉志寿司」として頑張っている。
- 吉沢大吾(よしざわ だいご)
- 「嘉志寿司」の四代目[8]。自分より格下(旬は3歳年下でキャリアも大吾より浅い)と思い込んでいる旬にたびたび寿司勝負に引き分けることに苛立ちを持っていた。しかしそれは自分の驕りから来たものと気付き、自ら実家を出て7年間京料理の世界で修行に励む。帰京後は「嘉志寿司」を継がずに母方の榊姓を名乗り【すし懐石 榊】を開き独立。自分の理想とする「一生一品の寿司」を目指すが、未だ澱のように残る旬の存在を消し去るために阿部が仕掛けた寿司五番勝負で旬と対決するが、その勝負の過程で旬との間に友情が芽生える。登場当時は傲慢で肥満体形なキャラクターだったが京都での修行時にはかなり絞り込まれ、榊姓を名乗るようになった独立以降は別人のような精悍な姿になっている。「覇王寿司」と「嘉志寿司」との抗争で、窮地に陥った「嘉志寿司」を救うために「すし懐石 榊」を閉店して「嘉志寿司」に復帰、意識改革を施しわずか二ヶ月で「嘉志寿司」を立て直す。抗争終結後は正式に「三代目」を父、龍男から譲られる。「嘉志寿司」で出していた寿司と、大吾が「すし懐石 榊」で出していた寿司とは全く違うものだったが、父に「すし懐石 榊」での寿司を「嘉志寿司」の寿司として出すことを許された。
- 「嘉志寿司」の跡を継いで以降は、子供向けの寿司イベントにも協力したり、VIP向けの値段を大幅に下げるなど、格式は落とさないもののより親しみやすい側面も見せてきている。弟子のために旬に相談を持ち込み、息子の大河とみどりが結婚したらいいというなど旬とは最大のライバルにして最高の友人となっている。
- 寿司職人としては変わらずストイックであり「一生一品の寿司」を追い求めていたが、完全に行き詰っていた。しかし、詩織が見つけてきた栃木米「なすひかり」のおかげで一歩前進でき、詩織に感謝するとともに、結婚を申し込み、快諾された。しかし、未だ詩織の家族との溝は埋まっていなかったが、「寿司飯七分にタネ三分」で詩織の両親と兄姉を説得し、無事結婚した。「嘉志寿司」を経営する傍ら、河豚専門店で親方の下、河豚調理師資格取得のため修業し、試験に臨み、無事合格した。
- 吉沢詩織(よしざわ しおり=旧姓・三枝)
- 旬の寿司に魅せられた資産家の娘。初登場時では、柳寿司で働くのを希望していた。旬のことも憎からず思っていたが、いつの間にか厳しい修行に裏打ちされた自信を持つ大吾といい関係になった。阿部邸で行われた旬と大吾の寿司勝負にも立ち会った。旬や大吾と接していくうちに、漁師と仲卸業者と寿司屋の関係に理解を深めていく。大吾が「一生一品の寿司」を追い求める過程で行き詰っていた時に、力になりたいと思い栃木米「なすひかり」を見つけ、大吾に渡す。そのおかげで、大吾は「一生一品の寿司」に大きく前進できた。そのことに感謝した大吾から結婚を申し込まれ快諾した。しかし、未だに自分の家族の了承を得られていなかったが、大吾の「寿司飯七分にタネ三分」を通しての真摯な態度と祖父の助言で、無事に大吾と結婚した。大吾の河豚調理師試験後、妊娠三ヶ月であることが判明した。その後、無事に大河を出産した。
- 吉沢大河(よしざわ たいが)
- 大吾と詩織の第一子。2011年4月2日午前0時3分誕生。3300グラムの男の子。名付け親は大吾。大吾曰く、「大河は最初は小さな湧き水だが海までの長い道のりで何本もの小さな川が集まり大河となる。人との和を大事にして人に愛されるような人間になって欲しい」という願いを込めたとのこと。人見知りな所がある。最初は寿司があまり好きではなく大吾を不安にさせていたが、みどりが作った寿司を通じて寿司を好きになった。
- みどりと同じ幼稚園、小学校に通う。「おさかなクラブ」の一員。
- 吉沢龍男(よしざわ たつお)
- 「嘉志寿司」の三代目。最初は傲慢な点もあるものの厳格な寿司職人として描かれていたが、「嘉志寿司」に対する世間の評価からいつしか慢心し、自身を「社長」と呼ばせ、常連とのゴルフなどに精を出すようになってしまう。肝心の寿司についても、VIPに出す寿司ダネは自分で調べるが、それ以外は板長の坂本に任せていたため、その陰で坂本が私腹を肥やしていたことにも気付けなかった。「覇王寿司」との抗争の際も大吾から再三考えを改めるよう忠告されていたが、全く聞く耳を持たず、「嘉志寿司」の食品偽装が発覚した際も騒動の全てを大吾のせいにし、彼を執拗に殴りつけてしまう。止めに入った詩織も負傷させてしまうが、その最中に発作を起こし、入院。その後、息子の大吾が築地市場の仲卸業者に愛されていることを知ると、大吾たちに謝罪し、けじめをつけるために、大吾に代を譲り引退した。その後、大吾の結婚式では「息子同士が仲良くなるとは、人生とは皮肉なものだ」と言い、鱒之介とがっちりとした握手を交わした。『寿司魂』にも登場しているが、そこでは二代目と表記されており、『寿司魂』の続編にあたるのが『江戸前の旬』本編だとすると、齟齬が見られる。また、このころは登場初期の大吾に似ていた。
- 坂本(さかもと)
- 龍男が現役時代の板長。表向きは龍男に従順な態度を取っていたが、彼がVIPルームで使う寿司ダネ以外を調べないことを良いことに裏では築地の仲卸業者の社長と結託し二級品のネタを一級品と偽って納入し、その差額を受け取り私腹を肥やしていた。李建王の「覇王寿司」との抗争の際に結託していた仲卸業者の社員が李に買収されたことによりマスコミに事実を告発され、さらに大吾が彼の付けていた帳簿を調べたことにより悪事を暴かれる。自身はマスコミに事実を公表された直後に行方をくらましており、大吾が「嘉志寿司」の跡を継いだ後の動向は不明。
- 立川
- 大吾の一番弟子。「すし懐石 榊」時代から大吾の下で働いている。「すし懐石 榊」時代に大吾のあまりもの厳しい指導に音を上げ辞めそうになったことがあるが、詩織に引き留められている。この出来事が、結果として大吾に「一生一品の寿司」のヒントを与え、大吾が詩織にプロポーズするきっかけになった。「嘉志寿司」に移籍後、「覇王寿司」との抗争を大吾とともに乗り切った。江戸前寿司職人を欲する「桐乃家」の「採用試験」を受けたが、太一の才能を目の当たりにし、素直に負けを認め、太一に「桐乃家」行きを譲った。
朝岡家
- 築地市場場外【朝岡水産】を営んでいる。
- 朝岡国一郎(あさおか くにいちろう)
- 藍子、一郎の父で、旬の義父。娘にも引き継がれたそそっかしい一面を持つ。一見がさつで礼儀知らずに見えるが、本質は繊細で涙もろい人情家。
- 朝岡幸江(あさおか さちえ)
- 国一郎の妻で藍子と一郎の母。いつも夫と子を温かく見守っている。
- 朝岡一郎(あさおか いちろう)
- 藍子の弟にして、旬の義弟。仕事のできる父や姉にコンプレックスを抱くことも。しかし、鱒之介に、仲卸業者としての矜持を諭され、ふっきれた顔つきで父に教えを請うことを決意する。初めて締めた魚を「柳寿司」で寿司にしてもらい、朝岡家全員で食べた。その味は、一家そろって涙するほどの美味い味で、一郎は鱒之介に感謝した。その後、藍子が結婚した後はイクラの醤油漬けを看板商品にするなど、築地の仲卸業者として、仕事を楽しむようになる。「朝岡水産」での仕事の傍ら、姉の藍子と義兄の旬と共に、和食料理屋「さかい」で河豚調理師の資格取得のため修業し、試験に臨み、無事合格した。
- 由利(ゆり)
- 築地市場の海老仲卸専門店【海老安】の孫娘だが、祖父が高齢のために海老屋を廃業することになり、再就職先を探していた際に海老に関する見識の深さを見込んだ旬の計らいで「朝岡水産」に就職することになった。一郎とは幼稚園からの幼馴染で、美人だが気が強い性格のため、かつての藍子と同様あだ名が「金魚」となっている。但し作中で強気でいるのは一郎に対してだけで、それ以外の人物たちには普通に接している。
酒井家
- 和食料理屋【さかい】を営んでいる。「さかい」は、以前は、福井の名料亭だった。
- 酒井哲也(さかい てつや)
- 真子が料理雑誌の記者として来店した際に、寿司を手づかみで食したのに感動し、少しずつ惹かれていった。後に、母との葛藤を経て真子と結婚、旬の義兄となり、祐樹をもうける。旬と藍子と一郎に河豚調理師資格取得のための手ほどきをしている。
- 酒井真子(さかい まこ=旧姓:柳葉)
- 哲也の妻で祐樹の母。詳細は、柳葉家参照。
- 哲也の母(本名不明)
- 哲也の母で真子の義母、祐樹の祖母。初登場時は名料亭だった「さかい」を立て直すことに固執し、哲也の結婚相手も家柄を重視していた。哲也が真子の前に交際していた相手に手切れ金を渡すことで別れさせ、真子も同様の理由で結婚を反対した。鱒之介の説得で結婚を許して以降は積極的に真子を助けようとする面も見せた。哲也の結婚式後は殆ど登場しなくなった。
- 酒井祐樹(さかい ゆうき)
- 哲也と真子の長男。2006年12月20日生まれ。誠や恵と一緒に、七五三を祝われた。
寿司職人
- 野田良幸(のだ よしゆき)
- 大阪の寿司職人。「招かざる客」の回に登場。大阪の寿司屋で修業し独立したが行き詰まり上京。2週間、住み込みで柳寿司で働き江戸前の心を掴み大阪へ帰っていった。
- 磯村慎治(いそむら しんじ)
- 神田【勘兵衛】主人。日本橋【勘兵衛】から30そこそこの若さで暖簾分けを許された。大学教授の父親に反発して寿司職人となったが、後に旬を通して和解した。鮪に強い拘りを持ち、特にキハダマグロのヅケは絶品で、旬も教えを乞うた。「東都デパート」主催の「全国握り寿司コンクール」で旬や大吾を抑えて優勝した。
- 巽英一(たつみ えいいち)
- 旬の祖父・鮃蔵が戦前に修行していた新宿【巽寿司】職人。父は東京の寿司通の間では知らぬ者のいない名人である巽次郎。東西すし祭りの東京代表を巡って旬と車エビを題材に勝負した。結果的には勝利して東京代表の座を獲得したが、自身よりも旨い寿司を握りながら「巽さんがいなければこの発想は出なかったから」との理由で旬が自分から負けを認めて代表を辞退したことによるものであり、旬の潔い身の引き方に感服する。その後の「東西すし祭り」では当初は大吾に歯が立たず、一時は出店すら見合わせるという体たらくだったが、旬の協力で勢いを盛り返し、結局準優勝に終わるが、寿司を通して学んだ数々の出来事に感謝し、自身の店も父の代同様に繁盛するようになった。なお父親の次郎は「松ヶ根ずし」の親方に惚れ込んで、無理矢理弟子入りした経緯がある。
- 森野石松(もりの いしまつ)
- 気仙沼【森寿司】職人。旬にとっては大吾と共にライバルであり親友でもある。気仙沼名物のフカヒレ寿司を得意とする。直前の大吾との初対面が最悪だった反動か、旬とは初対面からウマが合い、「東都デパート 銀座本店」での「全国握り寿司コンクール」では、配達のトラブルからマグロを使えなくなった旬のために、磯村と共に自分のマグロの余り分を旬に提供した。小手返しの使い手で、旬は彼の握りに触発されて小手返しの練習に取り組み、コンクールでは小手返しを使うことでロスした時間を取り戻すことに成功した。福岡支店で開催された「全国握り寿司祭り」にも登場。再会した大吾がかつての非礼を詫び、年を重ねてやや落ち着いた彼も快く水に流した。豪快な性格で、わずかだが下ネタを口走るなど好色な面もあり、福岡で臨時ボーナスが支給された時は風俗店の数々を思い浮かべてニヤついていた。2011年の「東北地方太平洋沖地震」(東日本大震災)の発生に伴う大津波で気仙沼の店舗も大きな被害を受けたが懸命の努力で復興にこぎ着けた。
- 清瀬鮎美(きよせ あゆみ)
- 金沢の寿司店【鮨 清瀬】の二代目。
- 先代死後、父の残した店を諦められずに店を継ぎ、登場時点で既に一流と言える鮨職人であった。しかし女性であるが故の苦心にも見舞われていた他、自身で店や加賀前鮨を守ろうと気負いすぎたため最初はとげとげしく、年上の職人を従業員の前で罵倒したり、店の応援にやって来た江戸前寿司の職人である旬を毛嫌いしていた。しかし自分一人で店をやっている訳ではないことに気づいたことで次第に険が取れていく。旬に対しては好意を持つまでになり、旬が東京に帰る時には涙ぐんでいた。なお旬自身は鮎美のことは好きだが、それはあくまで寿司職人としてであり、恋愛対象としてではなかった。「全国握り寿司祭り」には途中参加の可能性(中村談)を含ませつつも参加できなかったが、旬と藍子の結婚披露宴には榊大吾、森野石松、中村、結城達也、磯山太一、灘信行との寿司職人仲間の一員としてサプライズで参列し、握りを披露した。
- その後、従来の加賀前鮨を改良した新たな鮨を店で出すようになり、最初は旬らにも驚かれたものの新たな客をつかみ成功している。気の強い性格は変わらず、中村の宣戦布告を受けて立ち、中村が悪役覚悟であったと知ると中村を平手打ちした上で感謝を伝えた。
- 父親は「加賀前鮨」を考案しており、伝統に固執する江戸前寿司職人を毛嫌いしていたが、一方で江戸前寿司の基本があってこそ加賀前鮨を考案できたと考えていた。母・倫子は店で女将をしており、先代が腕を認めライバルと思っていた鱒之介の下に店の助けを求め、旬を連れ帰った。
- 中村(なかむら)
- 【鮨 清瀬】職人。店の応援にやってきたが鮎美に反発されていた旬に親身になっていた。生真面目で引っ込み思案だが徐々に職人としての自信をつけている。また、血の滲むような修行の結果、握るのに六手掛かる「正統・本手返し」を、五手で握るのと同じ速さで会得した。鱒之介は彼の生真面目さを、周囲の人間にとって息が詰まるだけの中途半端な生真面目さではなく、周囲の目が尊敬に変わるまでとことん突き詰めた生真面目さと評した。鮎美のことを一途に想っている。「全国握り寿司祭り」にも登場。その後、先代から加賀前鮨を受け継いでいるのはどちらか白黒つけるために「鮨 清瀬」を辞め、【元祖加賀前鮨 中村】として「東都デパート」のイベント「金沢・百万石祭り」に出店し、鮎美の前に立ちはだかる。結果として鮎美が改良した加賀前鮨こそ正統の加賀前鮨であると世間に認識させることをアシストした。中村の真の意図を知った鮎美と和解し、「鮨 清瀬」に復帰した。
- 菊川英二(きくかわ えいじ)
- 「鮨 清瀬」の看板を狙う菊川水産社長・菊川守彦の弟。商売人の父や兄と違い天才的な職人であり才覚については旬や大吾も一目置くほどだが、敵愾心があまりに強く、すぐに勝負にこだわってしまう悪癖があった。金沢では加賀前の看板をかけた寿司勝負で中村に敗れる。敗因が装飾過多であることを旬に諭され修行に出る。しかし岡山【すし重】での修行の後、「全国握り寿司祭り」にて再び自分の信条である「足し算」の寿司で旬と勝負する。その後、上海に渡り、李建王の展開する【覇王寿司 銀座店】の板長として、本来の江戸前寿司で大吾や旬の前に立ちはだかる。しかし、李建王が築地仲買人の反感を買ったことを知ると、あっさりと「覇王寿司」を辞めた。その後、旬のライバルに相応しい存在になることを目指し、旅に出る。最終的には北海道で自身の店【英(はなぶさ)】を開店した。後に、「東都デパート」で開かれた物産展で自身の勝負にばかり拘るちっぽけなプライドを恥じ、自然な笑顔を出せるようになり、後に旬夫婦を北海道の自身の店に招待している。旬の目指す寿司道と自分の寿司道は相容れないとしており、旬のことを「甘い」と断じるが、その一方で「その甘さ、嫌いじゃない」とも考えている。
- 『北の寿司姫』にも登場しており、函館の木古内で寿司店を経営している。そこで、主人公の姫野さくらを「大北海道握り寿司新人コンテスト」で優勝させるために一ヶ月特訓した。その際に、掌の温度を自由に変えられるさくらに驚愕した[9]。
- 小松の親方(こまつのおやかた)
- 本名不明。深川の親方と並び称される昭和の大名人で、北陸に小松ありと言われた寿司職人。全国に直弟子孫弟子合わせて数百人の弟子を持つ。金沢にて、「鮨 清瀬」と「鮨 菊川」の勝負に割り込み、菊川英二の豪華な見た目に踊らされ、鮨の本質を見抜けなかった審査員たちを戒めた。能登で隠居生活をしている。
- 新見清次郎(にいみ せいじろう)
- 【すし清】の親方。通称「深川の親方」。荒くれで有名な築地の男たちが思わず立ち止まって深々とお辞儀をするほどの伝説の寿司職人。目標である鮃蔵が逝去して寿司が握れないほど落ち込んでいた鱒之介を弟子に引き取り、彼に再び寿司の奥深さを教えた(修業の様子は『寿司魂』に描かれている)。また、戦後の闇市が東京に数多く出ていた中で、「寿司屋はまっとうな商売でなくちゃいけねぇ」という信念を持っていた。2003年時点は米寿(88歳)であり、このころ原因不明の病で両目を失明する。37年前(1966年)51歳、鱒之介が22歳の時点でも彼の尊敬を受けている。旬に「目で魚を見て握っているようじゃ、寿司職人としては半人前」という教えを授けた。また、この時に自身が生涯かけて追い求めていた理想「寿司と一体になる」を成し得た。今際の際に、約束通り最後の弟子となった旬の”名残りのシンコ”を食べて、旬に感謝しながら、旬、鱒之介、松ヶ根の親方、蔦屋の女将に看取られて逝去した。享年89。
- 松ヶ根の親方(まつがねのおやかた)
- 【松ヶ根ずし】の親方。本名不明。深川の親方と並び称される昭和の伝説の寿司職人。鱒之介と旬は、深川の親方と松ヶ根の親方にとって直弟子であり、特に旬は最後の弟子となった。江戸前寿司が昔の庶民的な食べ物から高級品になったことに嫌気が差し、大阪ずしに転向した寿司職人。弟子はとっていないが、鱒之介と旬と巽次郎に大阪ずしを教えた。
- 結城達也(ゆうき たつや)
- 単行本第24巻にて初登場。鱒之介の兄弟子(ただし鱒之介は既に職人として一本立ちして年も上だったため実質的には弟弟子のようだった)である小樽【鮨 結城】主人・結城哲(ゆうき てつ)の息子で、旬の下に預けられる。おとなしそうな風貌の陰ではかなり腹黒い性格で旬も手を焼くが、旬の情熱により改心し(そもそも、旬の誠実な姿勢の前に自分のしたことを思わず白状しそうになるなど、根っからのワルではなかった)、北海道に戻ってからは人が変わったように修行に精を出し、後に【鮨 結城 すすきの分店】を任されている(『北の寿司姫』は、そのすすきの分店が舞台)。真子の結婚式や「全国握り寿司祭り」にも登場。
- 父・結城哲は『寿司魂』にも登場しており、このころから巻物が得意。達也は旬にとって弟弟子になるが、父親の哲は旬の希望に応えて自身の細工巻きを伝授しており、旬にとっては師匠の一人となる。
- 磯山太一(いそやま たいち)
- 単行本第40巻「サンマ丼」にて初登場。藍子の伝で、仕事が休みの日に「柳寿司」を手伝うようになった職人。肥満体。弱気で泣き虫だが実は天才的な腕前を秘めており、旬や大吾にも評価されるほど。当初は魚が捌ければ一人前になれると考えていたが(柳寿司に通っていたのも、「すし華」で兄弟子たちが自分に雑用しか与えず技術を身につけられないと考えたから)、旬の魚と客に対する真摯な態度に感服し、旬のような寿司職人になりたいと考えるようになる。宅配寿司店の職人と名乗っていたが、実は新橋の江戸前寿司店【すし華(はな)】の下っ端職人。跡取り息子ら兄弟子達に「柳寿司」通いがばれてしまいリンチを受け、それに怒りつつもけじめをつけるべく店に出向いた旬も負傷するが、隠居していた親方にその場を救われる。その後、旬が改めて店に挨拶に向かった際、親方の計らいでツケ場に立ち、一同に腕前を認められ、以後は親方と共にツケ場を任されるようになる。旬の「全国握り寿司祭り」による不在時は「柳寿司」の留守を担った。「すし華」で働く傍ら、謙介の下で、築地市場の除毒所にて河豚調理師資格取得の修業をし、試験に臨み、無事合格した。また、既成概念に捉われず、半夏生の夏蛸や秋刀魚の炙り、鰤の燻製を試すなど素材の新たな美味しさを引き出すことに積極的に挑戦している。親方から独立を提案されるが、己の寿司道を見つけた旬を見てショックを受け、親方に「自分は子烏賊にもなれていない。」と、引き続き「すし華」での修業を望んだ。その後、大吾の推薦を受け、京都の老舗料亭【桐乃家】の主人に請われ、香りを重視する己の寿司道確立のため、京都に旅立って行った。
- 灘信行(なだ のぶゆき)
- 「全国握り寿司祭り」編に登場した福岡【玄海】主人。父親が親友の寿司職人・森田(後に灘の師匠となる)と共に東京へ出かけた際、鱒之介の寿司を食べてショックを受け、失意のうちに亡くなったことから、旬を父の敵として「全国握り寿司祭り」で寿司で叩き潰そうと試みる。最初は心を乱した旬に勝ち誇っていたが、森田からの激励や柳寿司からの応援で旬が精神を立て直すとパフォーマンスに走るなど焦り始め、ついには旬の命まで狙うようになってしまう。最終的に森田に止められて改心、最終的に「全国握り寿司祭り」でも優勝を飾った。
- 店を手伝っている涼子という妹がいるが、兄同様に旬を敵視していた。
- 後に涼子、森田と共に「柳寿司」を訪れ、客が喜んでくれる寿司を握ることを目指す。
- 辻川ケビン
- 赤坂【鮨 一会】職人。スイス人の父親と日本人の母親を持つハーフ。元々は日本の大学に留学しており、将来は母国のスイスで父の後を継いで医者になるはずだったが、日本で本物の寿司を食べて衝撃を受け、寿司職人になるために大学を辞めてしまう。その後、二ヶ月で寿司の基本を教えるすし学校に入学。卒業後、すし学校の経営する「鮨 一会」に入り、ツケ場に立つまでに成長する。日本人以上に日本人の心を持った職人として通の間では評価が高い。しかし、両親は寿司職人になることに反対しており、勘当同然となっていた。両親に認めてもらうため、「TOKYO SUSHI-1 GP ~next generations~」にエントリーし、優勝を絶対条件とする。実力を遺憾なく発揮し、予選では和彦や沙羅を抑え、激戦区とされる銀座会場を制し、「東都デパート」の催事場で行なわれる決勝に進出する。優勝こそ出来なかったものの、催事場を訪れた両親に美しい寿司を披露し、和解。寿司職人を続けることを認められた。
- 井上真紀
- 新橋【真紀】主人。父親が病に倒れたことで後を継ぐことになる。店は先代の父親の頃は立ち食い寿司屋だったが、真紀は寿司職人としては素人同然だったため、握り寿司は無理と判断し、手巻き寿司専門店に鞍替えする。父親の代にいた常連客は離れていき、店は閑古鳥が鳴いていた。豊洲市場で真紀を見かけ、彼女のことが気になった和彦は、謙介に店の場所を教えてもらい訪れる。真紀が作った寿司タネを全て食べたが、和彦の評価は「仕込みの仕方が全て間違っている」だった。困っている真紀を何とかしてあげたい和彦は、魚の目利きとタネの仕込みを旬に教えてもらうように願い出る。実は「九条料理専門学校」の卒業生で、鱒之介に寿司の教えを受けていたが、当時は父親の跡を継ぐとは思っていなかったため、あまり真剣に聞いていなかった。店を継いだことでそのことを後悔している。
- 「妹弟子」を見放せない旬は、和彦が面倒を見ることを条件に真紀を受け入れる。和彦による旬譲りの厳しい教えを真剣に受けたことにより真紀は実力を付け、江戸前手巻きを確立。再び常連客が付くようになり、店に活気が戻った。その後、和彦と徐々にながら仲を深めている。
常連客など
- 平政(ヒラマサ)
- 柳葉家とは長い付き合いである「柳寿司」一番の常連客。基本的には一人で来店するが、時々夫婦そろって来店することがある。家族は妻と息子の一夫、娘の明子がいる[10]。時には厳しくまた優しくアドバイスをし、旬の成長を見守っている。旬は彼を「じっちゃん」と呼び、祖父のように慕っている。銀座の靴店【タイラ靴店】の先代で、他の常連客もご隠居と呼ぶなど近所ではかなりの顔とされている。釣りが趣味。ヒラマサはあだ名で、姓は平(たいら)らしいが本名はめったに出てこない。『寿司魂』にも登場しているが(物語開始時36歳)、白髪や皺が少ない以外は容姿はさほど変わらない。鱒之介には、鮃蔵のように死ぬ直前までツケ場に立っていてほしいと思っている。また、「柳寿司」に四代目が生まれ、鱒之介(二代目)と旬(三代目)と共に、ツケ場に立つ姿を見るまでは何があっても絶対に死なないと鱒之介に誓った。小学校卒業と同時に革靴問屋に丁稚奉公に入った。旬と藍子の結婚式では仲人を務めた。また、旬と藍子が子宝に恵まれるようにと、カツブシ入りの小柴産のシャコで願かけもした。旬と藍子の子供であるみどりの名付け親。『李謐と孔藩』の故事に因んで勤勉さと謙虚さを身に付けてほしいと願い命名した。一時期、心臓発作を起こし意識不明の重体になったが、旬が毎日握ったヒラマサの寿司を食べる夢を見て意識を取り戻した。
- 圭斗(けいと)
- 旬の銀座北高等学校の同級生であり親友。月島西仲通商店街にある【もんじゃハウスMIYAKO】でもんじゃ職人として働いている。旬の藍子結婚式には、大吾や謙介と一緒に披露宴のサプライズを企画したり、司会も務めた。また、幼少のころに病気で入院した際に、旬に寿司ネタで何を食べたいかと聞かれた際にイクラの軍艦巻きと答えた。それ以来、「柳寿司」では旬の天然ものを扱う中で唯一イクラだけは一年中冷凍物を使っている。一時期、内装を今風にしたり新メニューを考えたりして客を呼ぼうと考えたが、どれも上手くいかず、自暴自棄になっていた。しかし、「手間暇をかけて食材の旨味を引き出す」ことを念頭に置いて仕事をしている旬に対し、「旨味調味料を使った方が効率的」という考え方を持ち、互いの意地をかけて玉子焼き勝負をするが、その結果、手間暇をかけることの大切さを痛感する。彼女がいないことを悩んでいたが、旬と海に行った際に出会った夏子を助けたことがきっかけで交際するようになる。だが後年、いつの間にか別れており、様々な事情から男性不信になった、銀座のキャバクラ嬢の奈央に惚れ込み、いつか心を開いてくれることを信じて追いかけている。
- 頭(かしら)
- 本名不明。鉄骨鳶一番組の頭。モヒカン。鯛(「てえ」と呼ぶ)と河豚が大好物。旬の結婚式の時には、お練りをした。江戸っ子気質の豪快な性格。いつも一番の文字が入った半纏を着ている。『寿司魂』にも登場しているが、その時は父親が頭を務める鉄骨鳶一番組の若頭だった。東京タワーと霞が関ビルの建設に携わっている。また、ヒラマサ同様、容姿の変化はほとんどない。
- 宇佐美の旦那(うさみのだんな)
- 工芸和菓子【宇佐美】の親方。余計なものを省くことでより本質的な美しさを引き出せる“引き算”こそが和菓子の美学だという信念を持っている。快気祝いに「柳寿司」を訪れた際に、石本のお茶の淹れ方に感服し、彼を「宇佐美」に引き取った。弟子に対しては厳しいが、反面、素直に耳を傾ける優しさもある。
- 宮森徹(みやもり とおる)
- 心臓外科医の世界的権威。ペンキ屋だった父の後を継ぐのが嫌で、誰からも尊敬され、かつ、お金も手に入れられるという理由で医者になった。しかし、数年ぶりに再会した父に、自分がいかに鼻持ちならない存在であったかを諭された。「柳寿司」には、母のために京ちらしを作ってもらおうと来店したのがきっかけで常連客となった。医療器具が入ったカバンを持ち歩いており、「すし華」の兄弟子たちにリンチを受けた太一や負傷した旬を治療したり、ヒラマサの指を治療した。また、藍子の伯母・高城の心臓の病気を完治させたりしている。また、旬と藍子の結婚披露宴にも出席した。T大の教授となり、他方、白根を弟子にしている模様。2メートル近くの大男。
- 金子(かねこ)
- 【AZUMA製作所株式会社】勤務。常連客のサラリーマン。「「柳寿司」の寿司はいわゆる一流店にも負けない」と信頼しており、接待などにもしばしば利用する。
- 新井雅彦(あらい まさひこ) / 新井良雄
- 【AZUMA製作所株式会社】勤務。金子の後輩。典型的な体育会系でお調子者の傾向があり、それでミスをしてしまい金子がフォローすることも多い。一時期北海道の支社に転勤していたが東京本社に戻った。年老いた母親を心配するあまり転勤を拒否しかけたり、ただの軽い風邪で、しかも注射一本で全快したにもかかわらず、無理やり入院させたことがある。そのため、マザコンだと言っていた有野に「自分以上。」と評された。しかし、それは母親が41歳の時に自分を産んだことや自分を大学に行かせるために日雇いや新聞配達の仕事などの苦労をして育ててくれたことを知っていたからであり、誕生日になると感謝の念を込めて母と一緒に過ごしていた。柳寿司に訪れた時に、母を偲んで具も山葵もない、寿司飯を海苔で巻いただけの海苔巻きを食べながら、40歳を過ぎても結婚できなかったことや孫を抱かせてやれなかったことを悔い、号泣していた。しかし、有野や金子の計らいで母が良く食べさせてくれた明日葉を使った寿司を食べ元気を取り戻し、また、それが縁で同じく落ち込んでいた畑野洋子と知り合う。
- 下の名前は途中で変わっており、単行本第8巻では母親から「雅彦」と呼ばれていたが、単行本第53巻で洋子に自己紹介した際は「良雄」と名乗っている。
- 有野孝昭(ありの たかあき)
- 【AZUMA製作所株式会社】勤務。金子の後輩。当初は母親が会社についてくるほどのマザコンだったが、一本立ちして後輩に指導するほどになる。接待した社長に一度決まりかけた契約を、社長との信頼関係が築いていないため、しっかりとした信頼を得てから契約してほしいと言ったり、協力してくれた旬や金子に素直に感謝するなど、気骨のある人物。
- 小野寺(おのでら)
- 【AZUMA製作所株式会社】勤務。金子の同期。以前は男性に負けまいと仕事に打ち込んでいたが、金子や旬のアドバイスにより生来持っていた才能「人を繋ぐ力」を活かし、心機一転頑張っている。新井の母親の葬儀の時に再登場した。
- 鹿野昭夫(しかの あきお)
- 【ムラカミ商事】の営業課長。イヤミな性格で食べ物の蘊蓄話が好きで、彼の蘊蓄を主軸にした話も多い。だが意外と部下からは慕われており、助け舟を出されることもしばしば。「柳寿司」で食べ物の蘊蓄話をしては、キャバクラに意気揚々と出かけていく。しかし、風向きが悪くなると用事を思い出したふりをしたり腹痛を訴えたりして、そそくさと退散してしまう。自称「営業の神様」。
- 「ヒゲダラ」では名前が大塚になっている。
- 八木沢(やぎさわ)
- 鹿野の部下。鹿野の蘊蓄話に辟易している。しかし、エイプリルフールの時は(それと知らずに)、転勤になると聞いた鹿野のために「柳寿司」で送別会を行ったこともある。三流大学卒で同期からバカにされていたが、上司の話を聞いて発奮し、成績を残した。同じ三流大学卒のいずみにその話をして励ます。
- 斉藤(さいとう)
- 八木沢の同僚。単行本51巻「寿司とワイン」では、良二郎に助けを求めた。
- 綾瀬いずみ(あやせ いずみ)
- 鹿野や八木沢の部下。千葉県の銚子出身。三流大学卒の自分のことを研修の時からバカにしていた一流大学卒の同期に煙たがられているが、八木沢たちの励ましを受けて、日々奮闘している。
- 「柳寿司」へは初め「新人研修」として同期二人と共に鹿野に連れられて訪れたが、その後単身でも訪れるようになり、やがてヒラマサ、良二郎に並ぶ「柳寿司」の主要常連客として作中での登場が定着。良二郎からの熱烈なアプローチをあしらい続けている。
- 桜井淳(さくらい じゅん)
- 真子が結婚前まで勤めていた出版社【日文書房】勤務。阿部や中手川を担当している。緑内障が完治した祖母の快気祝いを柳寿司でしたり、風邪で入院した阿部から「粥」をテーマにした料理のお題を出されて、ヒントを得るために旬から田麩を教えてもらっていたりする。阿部邸で行われた旬と大吾の寿司勝負にも立ち会った。
- 西島(にしじま)[11]
- 【日文書房】編集長。真子の嘗ての上司で、桜井の今の上司。時々、桜井と共に「柳寿司」を訪れる。阿部邸で行われた旬と大吾の寿司勝負にも立ち会った。のちに執行役員に昇格した。
- 「部下の失敗は上司の責任」という考え方を持つ。
- 立場上、食に対しての拘りを持ち、「柳寿司」にて天然物と養殖物の違いや蟹の種類を瞬時に見分けた。
- 中手川(なかてがわ)
- 俳優であり作家。旬が作った海鮮丼に感動して以来、時々来店する。阿部邸で行われた旬と大吾の寿司勝負にも立ち会った。
- 東堂巌
- 【東都デパート】代表取締役会長。以前は納豆売りをしており、柳寿司の納豆巻きに感激して以来、通うようになった。春彦という孫(娘の息子)がいる。両親は鳥取県出身。
- 山本鈴音(やまもと すずね)
- 【東都デパート】社員。かつてはホステスだったが東堂会長に交渉能力を見込まれ、転職。決して美人とは言えない顔つきだが、文化的な素養は高い。これと見込めば役員たちに強硬に提案を押し通すことも厭わない。「全国握り寿司祭り」では、企画終了後に「東都デパート」を退職しようとしたが、東堂会長の計らいにより、引き続き「東都デパート」で働くことを決意する。「東都デパート」に20代の女性ファッションフロア新設に伴い、売り子の教育担当を東堂から一任される。福岡県北九州市小倉出身。二卵性双生児の妹、琴音がいる。
- 淳也(じゅんや)
- 祖父の代から続く、【bar xyz】の若きオーナー兼バーテンダー。
- 佐々本拓海(ささもと たくみ)
- 【東都デパート】社員。再会した小学校の同級生の田口咲と交際するも、彼女の祖母である八千代に色々と難題を出されてしまう。しかし、「絶対に咲と結婚し、幸せにする。」と心に堅く誓っており、八千代の難題にも積極果敢に挑んでいく。「全国握り寿司祭り」を企画。会場での旬の話を通して、江戸前寿司職人の心意気に感動する。「東都デパート」の屋上に造った庭園で咲にプロポーズして快諾された。
- 田口咲(たぐち さき)
- 佐々本の小学校の同級生で、初恋の相手。八千代の孫。旬にアプローチをかけていたが、佐々本の真摯な気持ちに惚れ、交際をするようになる。八千代に佐々本との結婚を認めさせようとしている。「東都デパート」の屋上に造られた庭園で佐々本にプロポーズを受けて快諾した。
- 田口八千代(たぐち やちよ)
- 料亭【京料理 美山】の女将で咲の祖母。料理人に対してしばしば難題を出し、旬も度々悩ませるほどだが、決して理不尽な振る舞いはしない。旬こそが咲の夫として相応しいと考えていたが、藍子と結婚したため諦めた。佐々本に難題を出し続けるものの、どこかしら佐々本を認めていることを窺わせる描写が多々ある。
- 池内正二郎(いけうち しょうじろう)
- 編集者時代の真子が担当していた食通の大作家。登場人物の中で唯一、毎回和服を着ている。旬と大吾が生涯の好敵手、そして勝負を通じての最高の親友となるきっかけを作った人物。初めて「柳寿司」に来店した際に、鱒之介の出した「五味五色の寿司」に感動して以来、常連客となる。阿部邸で行われた旬と大吾の寿司勝負にも立ち会った。旬と真子の結婚披露宴にも出席した。
- 昔は新聞記者をしながら執筆活動をしていたが、当時師事していた作家が泊まっていた宿の仲居をしていた田口八千代に叱咤激励されて本格的に小説家の道を歩み始めた。
- 阿部如雲(あべ じょうん)
- 女性に人気の「癒しのカリスマ」といわれる画家であり詩人。しかしその作風とはギャップのある風貌で茶目っ気のある人物。四代続く江戸っ子。毎年、自宅の茶室で翌年の仕事をどの出版社とするかを決めるため、茶会を開き、その場でお題を出して真意を汲み取った編集者とのみ仕事をしている。旬と真子の結婚披露宴にも出席した。旬と大吾の寿司勝負の際には、能舞台に似た舞台を自宅の敷地内に宮大工に作らせた。後に、好きな時間に好きなモノを書きたいと思い、引退した(単行本第61巻)。
- 海原慎太郎(うなばら しんたろう)
- 祖父(本編では故人)の代からの蒔絵師。鈴音とは微妙な関係。蒔絵に魅せられ、その魅力を表したいと思うも十全に発揮できず悩んでいたが、父・誠一郎から「蒔絵は心で描くものだ。物事に感動し、その感動を蒔絵を通して人々に広く伝えたいという想いと木地師と塗師が込めた想いを深く感じ取らねばならない。」との助言を受け、一流の蒔絵師として成長していく。祖父が晩年認知症を患い、母親に「下の世話」などの介護を押し付けて外出することが多かったのを後々まで後悔している。なお、祖父と父は『寿司魂』にも登場。同作中では祖父が叙勲を受賞することが決まるも、職人の矜持が大事と断り、鱒之介と君江の結婚の際に、二人のために特別に拵えた蒔絵の調度品を贈った。
- 坂本翔子(さかもと しょうこ)
- 愛称は「ショッコ」。元は【料亭 吉川】の仲居。旬とはいい雰囲気になったが、擦れ違いが多くあまり仲が進展しなかった。その後結婚し一男をもうける(名前は、旬の人柄に惹かれたという夫により「旬太郎」と命名)(初登場時は三崎姓)。
- 麻生夏海(あそう なつみ)
- 旬の高校時代の同級生。旬に淡い恋心を抱いていたが、本心を打ち明けられずにいた。画家を目指してフランスに留学するも、自分の能力の限界を感じて帰国した。
- マイク
- プロレスラーのようないかつい風貌だが実はアメリカの貿易商。小夜子という着物姿が似合う恋人がいる。小夜子とは十五夜のお月見を共にしたが、その後連絡が取れなくなったことで嫌われたと思っていた。しかし、実際には小夜子がマイクと結婚できるか悩んでいただけだった。大の日本通。旬と藍子の披露宴では、小夜子と共に出席した。アメリカでは“悪魔の魚”と言われているタコが苦手だったが、旬が握ったタコの握り寿司に感動し考えを改める。後に、日本嫌いの母親を、自ら心を開いて説得し、共に「柳寿司」を訪れた。また、アメリカやフランスなどの仕事上の付き合いのある外国人に寿司と日本文化の素晴らしさを伝えるため、共に「柳寿司」を訪れることがある。
- 湊家じゃこ平
- たまに「柳寿司」に訪れる湊家一門会の落語家。旬にすごい顔と言われるほど泣き顔がひどい。旬と藍子の披露宴に出席した。落語「時そば」を稽古した時は、そばとうどんの違いを音だけで演じ分けるため、一日三食全てそばを食べ続けた。そのため、久しぶりに「柳寿司」を訪れた時には、物凄い勢いで旬の握ったすしを食べ続けた。その甲斐もあり、落語は大いに大盛況となった。
- 昔は、テレビのバラエティ番組ばかり出ていたが、後に父親を超える芸を身につけるために落語家一本で生きることを決意する。
- 春日(かすが)
- 銀座で腕を上げた料理人を試し、厳しい評価を行うことで知られた人物。「柳寿司」でツケ場に立ちはじめた和彦の情報を聞きつけてかっぱ寿司を作らせたことで和彦にとって大きな試練となった。
- 与田良二郎(よた りょうじろう) / 丸山良二郎
- 鱒之介の幼馴染である良太郎の息子。良太郎は、以前は貸しビル業を営んでいたが、詐欺によって借金を抱え、一家そろって祖母の実家の大分に夜逃げした。しかし、そこにも借金取りが現れ、耐えかねて松の木で首つり自殺をしようとしたが松の枝が折れてしまい、しかも根元から温泉がわき出たため、それを基に、3件の温泉旅館を経営することに。良二郎は柳寿司にトイレを借りに来店した後、旬達に上記の話をする。さらには、『寿司魂』にも描かれている鱒之介の若かりしころの武勇伝を話した。また、ワインにも詳しく、常連客がワインと寿司のセットでの接待をした際に、色々と知恵を授けた。銀座一丁目に住んでおり、銀座のビジネススクールに通っていた。そのビジネススクールに通っている同級生の畑野洋子が里心がついて故郷の八丈島に帰りたいと落ち込んでいた時、八丈島産の明日葉を使った寿司を旬に依頼、元気を取り戻してもらって良い所を見せようとしたが同じく落ち込んでいた新井と洋子が意気投合してしまったため、想いは伝えられなかった。ソムリエ試験合格のために勉強をしていたが、【東都デパート】の外商部に就職する。バイヤーとしての才能の片鱗を見せる一面がある。
- 初登場から間もなく「柳寿司」の主要常連客として作中での登場が定着。いずみに熱烈にアプローチしているが、その度に軽くあしらわれている。
- 単行本第54巻「梅雨アナゴ」では、初対面したいずみに「丸山良二郎です」と挨拶している。
その他
- 加治(かじ)
- 包丁の研ぎ師。鱒之介にとっては心の師であり、鱒之介に十分な研ぎの実力ができても頭を下げてまで来店してもらおうとしていた。
- 李建王(リー・ジェンワン)
- 上海の【覇王グループ】代表。日本の大学に通っていたころ、握り寿司を食べて以来寿司の虜になったが、友人とお洒落をして行った憧れの「嘉志寿司」で自分たちが中国人だと知った板前に侮辱され、「嘉志寿司」を見返すために、中国に帰国後、上海にて事業を展開し、「上海の寿司王」と呼ばれるまでになった。満を持して、「嘉志寿司」の目の前に「覇王寿司」を開店、マスコミを利用して注目を集め、また築地市場で金にモノを言わせて一番のマグロを手に入れようとしたり、仲卸業者を買収して「嘉志寿司」の板長・坂本が行っていた食品偽装の事実を突き止め、「嘉志寿司」が風評被害を受けるように仕向けたりなどした。しかしあまりに急進的で金に物を言わせたやり方は謙介達仲卸業者を敵に回す結果となり、彼らを大吾に加勢させてしまう。さらに仲卸業者を敵に回したことで板長を任せていた英二も離反して、「覇王寿司」は閉店を余儀なくされた。最後は「嘉志寿司」との抗争の同時期に北京でビルの手抜き工事をし、そこで得た資金を横流ししていた事実がビルが倒壊したことで発覚したことで中国の警察に逮捕された。
- 九条宗正(くじょう むねまさ)
- 【九条料理専門学校】の御曹司。嘗ては三崎翔子を巡って旬と恋敵となったこともある。単行本第58巻では結婚しており、「九条料理専門学校」の経営を引き継いでいる。従来の料理学校の在り方に疑問を持ち、引退した鱒之介に講師を請うた。
- 神田宏明(かんだ ひろあき)
- 築地場内市場で鮪専門の大物屋【神田】を営んでいる。後述の通り『別冊漫画ゴラク』と『週刊漫画ゴラク』の最新号の発売日が重なった時に『寿司魂』と『江戸前の旬』本編でストーリーがリンクしたエピソードで「過去」と「現在」双方に登場した。『寿司魂』時代は小物(鯵など)を扱っていたが、やがて鮪専門に切り替えた。しかし、中々思うように結果が出ず、さらに他の大物屋からは雑魚物屋と蔑まれていた。だが、鱒之介の言葉に触発され、その後大きく飛躍することになる。『江戸前の旬』本編時代では、築地を代表する大物屋になっていたが、自身気付かぬうちに天狗になっていた。そのことを鱒之介に諭されてからは、築地の未来を担う若者たちに積極的に鮪の講習を行っている。
- 高城
- 藍子の伯母(藍子の母・幸江の姉)。下の名前は不明。生まれつき身体が弱く心臓の病気を患っている。初登場時点で既に「日文総合病院」に入院しており、余命宣告されていた。藍子には母の幸江以上に慕われており、高城も藍子を実の娘のように接している。過去に白根の父親と結婚を誓っていたが、白根の父親が長男で後継ぎが必要だったこと、高城が子供を産める身体ではなかったことから結婚は叶わなかった。その為、白根と藍子を結婚させようとする。藍子の心は既に旬に向いていたが、藍子は大切な伯母である高城の願いを叶えるために止む無く白根と交際することになる。その後、藍子の結婚相手について国一郎と口論となった直後に心臓発作を起こし危篤状態に陥るが、世界の心臓外科医である宮森の手により発作を抑えるどころか病が完治した。後日改めて藍子に旬を紹介され、藍子を旬に託した。旬と藍子の結納式及び結婚式には藍子の親族として出席し、藍子の花嫁姿と目にすることが叶った。
- 白根
- 【日文総合病院】で勤務する、高城の担当医。下の名前は不明。高城の紹介により藍子と交際を始め、京都へ二人きりで旅行に行ったが、のちに藍子に旬の事が好きだと白状される。自分と旬を天秤にかけたことに半分以上本気で激怒はしたが、旬の人柄の良さを知っていたため、素直に身を引いた。宮森の手術の様子を目の当たりにしたことで、彼の「弟子」に志願し、師事することになった。
- 美和
- みどりの同級生。初登場は単行本第82巻第4話「写真」。幼稚園時代に両親の結婚式の写真がないことを理由にクラスメイトにいじめられていたところ、みどりに助けられる。
- 小学校もみどりと同じで、彼女とよく行動している。「おさかなクラブ」の一員。
- 田ノ上航
- みどりの同級生。『ウオバカ!!!』の主人公・田ノ上蒼の弟。蒼とはかなり歳が離れている。将来の夢は、お魚博士になって世界中の港を回り、いろんな魚を釣ったり食べたり育てたりすること。「おさかなクラブ」の一員。『ウオバカ!!!』には登場しない。
シリーズ作品・特別編・外伝作品
銀シャリ!! ―銀座・柳寿司三代目奮闘記
『銀シャリ!! ―銀座・柳寿司三代目奮闘記』(ぎんしゃり ぎんざ やなぎずしさんだいめふんとうき)は、1998年9月から1999年1月まで『週刊漫画ゴラク』にて連載された、『江戸前の旬』本編のプレストーリー。上述の通り、元来『江戸前の旬』は『銀シャリ!!』の続編としてスタートしていた。鱒之介が病に倒れ、高校3年生の旬が店を継ぐことを決意し、様々な難問にぶつかりながらほぼ独学で寿司のことを覚えて行く過程が描かれている。単行本は全1巻。Gコミックス『江戸前の旬 スペシャル』では、本作も『江戸前の旬』の1エピソードとして扱われている。
1巻だけ出た単行本は再版や電子書籍化がされずに長年入手困難な状況にあったが、2020年より単行本2巻を一冊にまとめた新装版として刊行が開始された『江戸前の旬DELUXE』の1巻に、『江戸前の旬』本編の第1巻とカップリングで収録されている。
寿司魂
『寿司魂』(すしこん)は、『江戸前の旬』の特別編。『別冊漫画ゴラク』にて連載された。旬の父・鱒之介の若き日の修行時代を描く。当初は、1964年東京オリンピック開催前後の昭和39年を舞台とし、後に父・鮃蔵との死別や、寿司清での修行、後の妻となる君江との出会いなどが描かれる昭和41年以降が舞台となった。また『江戸前の旬』本編の登場人物のうち、ヒラマサや頭たちの若かりしころも描かれている。連載が進むにつれて、『別冊漫画ゴラク』と『週刊漫画ゴラク』の最新号がほぼ間を置かず発売された場合、『江戸前の旬』本編と『寿司魂』の最新エピソードがリンクすることがあった。一方で、『寿司魂』は後付けのため、初期の『江戸前の旬』本編の描写といくつかの齟齬も見られる。『別冊漫画ゴラク』が2015年2月号をもって休刊になったため、最終回は駆け足で時間が流れ、旬の誕生から君江の死まで一気に描かれ、『銀シャリ!!』、『江戸前の旬』本編への繋がりも明記されて終了した。
『寿司魂』の登場人物
ここでは、『寿司魂』にのみ登場する人物を紹介する。その他の人物は『江戸前の旬』本編の登場人物を参照。
- 柳葉節子(やなぎば せつこ)
- 【柳寿司】初代女将。鮃蔵の妻、鱒之介の母、君江の義母、旬らの祖母。柳寿司の場所は彼女の実家が持っていた土地。寿司屋の女将としての誇りを持っている。息子・鱒之介の職人としての成長を暖かく見守っており、結婚後の、「嫁」君江との関係も良好だった。最終回の旬の誕生までは生きており、その後君江の死までの10年の間に亡くなった模様。
- 鳴瀬(なるせ)
- 築地署勤務の「蝮」の異名をとる刑事。昔、学生時代に、自主映画を撮影していたことがある。
- 小雪(こゆき)
- 「芸は売っても身は売らない」が信条の新橋一の小粋な芸妓。実家が貧乏だったため、幼少のころに新橋の芸者小屋に引き取られた。鱒之介にとって初めての「女」になり、その後熱海の大親分に身請された。鱒之介が宗像と君江を巡ってトラブルになり、様々な嫌がらせを受けていることを知り、陰で大親分の力を借りて宗像に矛を収めさせた(力を貸す代わりに鱒之介とは将来的にも一切会わないよう約束してのことだったため、鱒之介は彼女の尽力を知らない)。後に『江戸前の旬』本編に年老いた姿で登場。熱海の大親分が90歳を超える大往生を遂げたことでようやく自由の身になり、鱒之介のいる「柳寿司」を訪ねることができた。記憶力の低下など、僅かではあるが認知症の兆候が出てきていたが、鱒之介と、お互い再会を喜び合う。
- 拓(たく)
- 鉄骨鳶一番組の鳶。お調子者だが、鳶職人としての誇りはある模様。気が荒く、頭(本作では若頭)とも何かといえば喧嘩腰になるが、職人として大きな信頼を置いている。誰にも真意を明かさずに一番組を辞め、東京を去って行った。
- 宗像(むなかた)
- 君江の最初の婚約者。財閥の御曹司。君江の前では好青年を演じていたが、実際は「虎の威を借る狐」で、DVをしていた。君江に鱒之介との婚約を諦めさせるために「柳寿司」に火を点けさせたり(ヒラマサと良太郎が消火)した。しかし、熱海の大親分に身を退くように脅され諦めた。
- 熱海の大親分(あたみのおおおやぶん)
- 宗像の父親の渡世の兄貴の叔父貴。身請けした小雪に頼まれて宗像の鱒之介と君江への嫌がらせを阻止した。後年『江戸前の旬』本編で小雪が登場した際、90歳を超える長寿で大往生したことが語られた。その際、鱒之介を助けた恩があったとはいえ、その後の鱒之介への接触禁止などの制約を強制し続けていたこともあり、小雪には恨みに近い感情を抱かれている。
- 良太郎(りょうたろう)
- 銀座の大地主の息子で大学生。留年している模様。「柳寿司」の常連客だが、幼馴染である鱒之介には店内でも「与太」と呼び捨てにされ、面と向かって「金持ちのバカ息子」呼ばわりまでされる程気安い関係。本編にも初老となった姿で夜逃げ(詳細は良二郎の項目を参照)先の大分から上京し、鱒之介と再会を果たす。
- 北見三四郎(きたみさんしろう)
- 北海道の松前から歌手を目指して上京してきた。中々歌手になるきっかけが掴めず「流し」が精一杯で一時は浮浪者同然に身を落としていたが、柳寿司の常連客であり呉服商の佐伯にその才能を見出され、様々なサポートを受けて遂にデビュー、紅白歌合戦出場も決めた。恩人の佐伯は三四郎に入れあげている間に妻に浮気されて逃げられ店も失うが、彼は佐伯を発奮させるためわざと冷たくあしらい、佐伯もその真意を理解しており再び事業を始めてすぐに軌道に乗せることに成功した。鱒之介と君江の結婚の祝いの席で祝いの歌を披露した。キャラクターは北島三郎がモチーフだが、『江戸前の旬』本編の初期には同じ北島三郎モチーフで別人が「演歌界の大御所」として登場しており、こちらは「嘉志寿司」の常連である模様。
築地の金魚
『築地の金魚』(つきじのきんぎょ)は、『江戸前の旬』の特別編。『週刊漫画ゴラク』増刊・『漫画ゴラク カーニバル!!』に掲載された。旬と藍子が初めて出会ったエピソード(『江戸前の旬』本編単行本第37巻第4話「マトウダイ」)を藍子視点で描いた作品。1話完結で、単行本には『江戸前の旬』本編第47巻に収録。
北の寿司姫
『北の寿司姫』(きたのすしひめ)は、『江戸前の旬』の外伝作品。『食漫』にて連載された。結城達也の任されている「鮨 結城 すすきの分店」が舞台。本作では、「大将」である達也もまた、一職人として修行中の身である点が強調され、研究や精進を続ける姿が描かれる(全くの素人である主人公さくらに対してさえ競争心を持つことがある)。『食漫』が2010年12月号をもって休刊になったため、同作品も以降は新作が発表されていない。単行本第3巻のラストには「第一部完」とある。
さくら達「鮨 結城 すすきの分店」メンバーの一部は、2013年2月に掲載された『江戸前の旬』連載700回記念のストーリー(単行本第68巻収録)や『ウオバカ!!!』にゲスト出演している。
『北の寿司姫』の登場人物
結城達也、菊川英二については、『江戸前の旬』本編の登場人物を参照。
- 姫野さくら(ひめの さくら)
- 北海道最南端の城下町・松前町出身の女流寿司職人。父親が営む【寿司ひめの】で寿司職人を目指していたが、父親の逝去に伴い結城達也が営む【鮨 結城 すすきの分店】で職人修業を始める。女流寿司職人であるが故の困難や経験の浅さゆえに至らない点もあるが、寿司が大好きで努力が全く苦にならない性格と大胆かつ独創性のある発想力で乗り越えていく。一度「鮨 結城 すすきの分店」を辞め、松前の料理店で修行をやり直し、菊川英二の下での修行を経て「鮨 結城 すすきの分店」に戻った。修行後は掌の温度を自由に変えたり(寿司職人としては低温の方が寿司ダネを傷めないので望ましい)、目隠しをして寿司を握るなどの特技を身に付けるに至り、その腕前は女性故の物珍しさなどを抜きにしても相当な水準になっている。前述のように、後に『江戸前の旬』本編にも登場。達也の許可と、その達也自身の旬への頼みもあり、一時的に念願の「柳寿司」での修行も実現する。その時点でのさくらの腕前について達也は、旬との二人きりでの会話で「今はこうやって師匠ヅラしているが、自分もいつ追い抜かれるか分からない。」と評し、旬も英二以上にさくらを良い意味で「怖い」と感じている。
- 吉田桃子(よしだ ももこ)
- 【鮨結城 すすきの分店】の従業員(接客係)。さくらの入店以来、何かと力になっている。さくらをアパートの自分の部屋に同居させている。
- 田丸(たまる)
- 【鮨結城 すすきの分店】のNo.2板前。
- 薫(かおる)
- 元暴走族のリーダー。7年かけて、ようやく【鮨結城 すすきの分店】のツケ場に立つことが出来た板前。そのため、入店まもなく頭角を現し始めたさくらに脅威を感じ、何かと因縁を付けてくる。しかし、姑息なやり方は男らしくない、と真正面から正攻法で堂々と勝負を挑むことにしている。一時はさくらと和解し協力してことに当たったこともあったが、さくらの成長に精神をかき乱され、見た目とは裏腹に女には絶対に手を上げない信念を持ちながら、このままではさくらを殺してしまいかねない精神状況にまで追い詰められ、それを自ら防ぐために一時は退職願いを出して店を飛び出した。この一件でさくらは相手の気持ちを考えずに突っ走り、結果そこまで薫を追い詰めた自分を恥じ、自分が店を辞めるから戻って欲しいと薫に謝罪した。
- 立川(たちかわ)
- 【鮨結城 すすきの分店】に五年前に入店した板前。田丸が実家の寿司屋を継ぐため【鮨結城 すすきの分店】を退店することに伴い後継者としてさくらと海胆の寿司勝負をした。基本的に争いごとを好まない、温和な性格。大吾の一番弟子に同名の人物がいるが、別の人物。
江戸前の旬 〜旬と大吾〜
『江戸前の旬 〜旬と大吾〜』(えどまえのしゅん しゅんとだいご)は、『別冊漫画ゴラク』休刊後に新たに創刊された『漫画ゴラクスペシャル』にて2016年8月号まで連載された。単行本は全3巻。本編では既に日本を代表する寿司職人に上り詰め、お互いを認め合うライバルにして親友となった旬と大吾の、まだ未熟だったころの修行と、互いへの確執や勝負が描かれる。旬は本編初期より若干幼く描かれ、旬と大吾が高校の同級生であるなど(『江戸前の旬』本編では大吾の方が3歳年長で、大吾は中卒)、こちらもまた本編とは齟齬が見られる。
虹のひとさら
『虹のひとさら』(にじのひとさら)は、『江戸前の旬』の外伝作品。『漫画ゴラクスペシャル』にて、2016年10月号から2017年10月号まで連載。単行本は全2巻。回転寿司店の再生を描いた作品。話数の単位は「皿」(第1話は「第1皿」、第2話は「第2皿」。ただし最終話のみ「最終話」)。一部のエピソードは『江戸前の旬』本編とリンクしている。また、沙羅をはじめとした一部の登場人物は、『江戸前の旬』本編にも登場している。
『虹のひとさら』の登場人物
- 篠崎沙羅(しのざき さら)
- 『虹のひとさら』の主人公。短大卒業後に新宿の料理専門学校で鱒之介に寿司を教わったのち【株式会社 魚一コーポレーション】に就職。回転寿司の商品開発部に配属され、奇抜な寿司ばかり開発して周りを困惑させていたが、ある日赤字が続いている「魚一グループ」の回転寿司店・銀座【江戸一】の責任者に任命(事実上の左遷)される。責任者として赴くも店長の藤岡との勝負に負けたため一職人として働くことになり、「お客さんが虹を見た時のようなときめきや幸福感を味わえる『虹のひとさら』」を追求することになる。
- 藤岡健一郎
- 【江戸一】店長。元々銀座の一流店の親方だったが、とある事情により店を潰すことになり、行き場を失っていたところ、「魚一グループ」の会長に手を差し伸べられた。「江戸一」の店長を続けているのは会長への恩返しのためである。回転寿司店の店長になっても江戸前寿司職人のプライドは持ち続けている。沙羅との勝負に勝って以降は、彼女を「下僕」と呼びつつ一人前の寿司職人にするべく育てている。
- 海野太
- 【江戸一】職人。「全国回転寿司職人技術コンテスト」の出場権を賭けて沙羅とネタの切りつけ勝負で対決した。
- 浜岡
- 【株式会社 魚一コーポレーション】社長。「魚一グループ」の会長の息子。自身が「無能」と評する沙羅を「江戸一」に送り込んだ張本人。会社の金をギャンブルや女遊びに使い込み、闇金融に多額の借金をしている。借金の埋め合わせで「江戸一」がある土地を担保にしていたため、売り上げを落として「江戸一」を潰すことを企んでいる。
- 大崎数馬
- 【回転寿司 きわみ】職人。一手で握っては見た目の悪い寿司を平気でレーンに流し、問題ばかり起こしていた。沙羅とは「全国回転寿司職人技術コンテスト」の出場権を賭けて早握り勝負で対決した。
- 早見純
- 神奈川の【花観鮨】職人。浜岡が「全国回転寿司職人技術コンテスト」に送り込んだ刺客。
ウオバカ!!!
『ウオバカ!!!』は、『江戸前の旬』の外伝作品。『漫画ゴラクスペシャル』にて、2019年5月号から2020年8月号まで連載。単行本は全2巻。話数の単位は「魚」(第1話は「第1魚」、第2話は「第2魚」…最終話は「最終魚」)。寿司以外の魚料理も扱っている。蒼をはじめとした田ノ上一家は、『江戸前の旬』本編にも登場している。
『ウオバカ!!!』の登場人物
- 田ノ上蒼
- 『ウオバカ!!!』の主人公で、豊洲市場の仲卸【田ノ上水産】の二代目。父親譲りの魚好きで、食としての魚の可能性を追求しており、魚を手に入れるために全国各地の漁に参加している。作中で旬と知り合って以降は「柳寿司」にも出入りしている。
- 田ノ上
- 蒼の父で、【田ノ上水産】の初代。下の名前は不明。水産庁の官僚だったが、魚好きが高じて水産の仲卸に転身。漁に出るために度々店を空ける蒼に辟易している。
- 田ノ上美穂
- 蒼の母。夫より大きな体格をしている。夫婦仲はきわめて良好で、作中で仲睦まじい様子が描かれている。
書誌情報
- 九十九森(原作)・さとう輝(作画) 『銀シャリ!! ―銀座・柳寿司三代目奮闘記』 日本文芸社〈ニチブンコミックス〉、全1巻
- 1999年2月発売、ISBN 4-537-09829-5
- 九十九森(原作)・さとう輝(作画) 『江戸前の旬』 日本文芸社〈ニチブンコミックス〉、既刊106巻(2020年12月26日現在)
- 2000年2月9日発売、ISBN 4-537-09897-X
- 2000年5月10日発売、ISBN 4-537-09916-X
- 2000年8月19日発売、ISBN 4-537-09937-2
- 2000年11月18日発売、ISBN 4-537-09956-9
- 2001年2月8日発売 ISBN 4-537-09976-3
- 2001年4月19日発売、ISBN 4-537-09992-5
- 2001年6月18日発売、ISBN 4-537-10005-2
- 2001年8月18日発売、ISBN 4-537-10020-6
- 2001年10月19日発売、ISBN 4-537-10034-6
- 2001年12月19日発売、ISBN 4-537-10051-6
- 2002年2月8日発売、ISBN 4-537-10061-3
- 2002年4月9日発売、ISBN 4-537-10077-X
- 2002年6月7日発売、ISBN 4-537-10093-1
- 2002年8月9日発売、ISBN 4-537-10109-1
- 2002年10月9日発売、ISBN 4-537-10127-X
- 2002年12月9日発売、ISBN 4-537-10145-8
- 2003年2月19日発売、ISBN 4-537-10171-7
- 2003年5月19日発売、ISBN 4-537-10198-9
- 2003年7月18日発売、ISBN 4-537-10213-6
- 2003年9月19日発売、ISBN 4-537-10229-2
- 2003年11月7日発売、ISBN 4-537-10244-6
- 2004年2月9日発売、ISBN 4-537-10272-1
- 2004年4月9日発売、ISBN 4-537-10289-6
- 2004年6月18日発売、ISBN 4-537-10307-8
- 2004年9月9日発売、ISBN 4-537-10332-9
- 2004年11月9日発売、ISBN 4-537-10351-5
- 2005年2月9日発売、ISBN 4-537-10377-9
- 2005年5月11日発売、ISBN 4-537-10403-1
- 2005年8月19日発売、ISBN 4-537-10430-9
- 2005年10月19日発売、ISBN 4-537-10446-5
- 2005年12月19日発売、ISBN 4-537-10464-3
- 2006年3月9日発売、ISBN 4-537-10486-4
- 2006年6月8日発売、ISBN 4-537-10502-X
- 2006年9月8日発売、ISBN 4-537-10531-3
- 2006年11月9日発売、ISBN 4-537-10547-X
- 2007年1月19日発売、ISBN 978-4-53710596-4
- 2007年4月19日発売、ISBN 978-4-537-10636-7
- 2007年7月9日発売、ISBN 978-4-537-10686-2
- 2007年11月9日発売、ISBN 978-4-537-10743-2
- 2008年2月8日発売、ISBN 978-4-537-10788-3
- 2008年4月18日発売、ISBN 978-4-537-10813-2
- 2008年6月19日発売、ISBN 978-4-537-10843-9
- 2008年8月8日発売、ISBN 978-4-537-10859-0
- 2008年10月20日発売、ISBN 978-4-537-10884-2
- 2009年1月9日発売、ISBN 978-4-537-10921-4
- 2009年3月9日発売、ISBN 978-4-537-10940-5
- 2009年5月20日発売、ISBN 978-4-537-10961-0
- 2009年8月19日発売、ISBN 978-4-537-10995-5
- 2009年11月18日発売、ISBN 978-4-537-12524-5
- 2010年1月9日発売、ISBN 978-4-537-12556-6
- 2010年3月10日発売、ISBN 978-4-537-12569-6
- 2010年5月10日発売、ISBN 978-4-537-12596-2
- 2010年8月9日発売、ISBN 978-4-537-12626-6
- 2010年11月8日発売、ISBN 978-4-537-12666-2
- 2011年2月9日発売、ISBN 978-4-537-12714-0
- 2011年4月8日発売、ISBN 978-4-537-12731-7
- 2011年6月8日発売、ISBN 978-4-537-12750-8
- 2011年9月8日発売、ISBN 978-4-537-12781-2
- 2011年11月9日発売、ISBN 978-4-537-12804-8
- 2012年2月8日発売、ISBN 978-4-537-12858-1
- 2012年4月7日発売、ISBN 978-4-537-12874-1
- 2012年6月8日発売、ISBN 978-4-537-12895-6
- 2012年8月9日発売、ISBN 978-4-537-12919-9
- 2012年10月9日発売、ISBN 978-4-537-12940-3
- 2012年12月7日発売、ISBN 978-4-537-12972-4
- 2013年3月9日発売、ISBN 978-4-537-13006-5
- 2013年5月9日発売、ISBN 978-4-537-13030-0
- 2013年7月9日発売、ISBN 978-4-537-13056-0
- 2013年9月9日発売、ISBN 978-4-537-13071-3
- 2013年11月9日発売、ISBN 978-4-537-13093-5
- 2014年1月9日発売、ISBN 978-4-537-13121-5
- 2014年3月8日発売、ISBN 978-4-537-13142-0
- 2014年5月9日発売、ISBN 978-4-537-13161-1
- 2014年9月9日発売、ISBN 978-4-537-13196-3
- 2014年11月8日発売、ISBN 978-4-537-13216-8
- 2015年2月9日発売、ISBN 978-4-537-13259-5
- 2015年5月9日発売、ISBN 978-4-537-13161-1
- 2015年6月19日発売、ISBN 978-4-537-13302-8
- 2015年8月8日発売、ISBN 978-4-537-13324-0
- 2015年10月9日発売、ISBN 978-4-537-13349-3
- 2015年12月9日発売、ISBN 978-4-537-13375-2
- 2016年4月9日発売、ISBN 978-4-537-13427-8
- 2016年6月9日発売、ISBN 978-4-537-13452-0
- 2016年8月19日発売、ISBN 978-4-537-13472-8
- 2016年10月8日発売、ISBN 978-4-537-13491-9
- 2016年12月10日発売、ISBN 978-4-537-13518-3
- 2017年3月9日発売、ISBN 978-4-537-13556-5
- 2017年5月10日発売、ISBN 978-4-537-13580-0
- 2017年7月18日発売、ISBN 978-4-537-13605-0
- 2017年10月19日発売、ISBN 978-4-537-13640-1
- 2017年12月18日発売、ISBN 978-4-537-13669-2
- 2018年2月28日発売、ISBN 978-4-537-13698-2
- 2018年6月9日発売、ISBN 978-4-537-13756-9
- 2018年8月9日発売、ISBN 978-4-537-13790-3
- 2018年10月9日発売、ISBN 978-4-537-13820-7
- 2018年12月7日発売、ISBN 978-4-537-13854-2
- 2019年2月18日発売、ISBN 978-4-537-13880-1
- 2019年6月19日発売、ISBN 978-4-537-13936-5
- 2019年8月19日発売、ISBN 978-4-537-13960-0
- 2019年10月18日発売、ISBN 978-4-537-13991-4
- 2020年1月9日発売、ISBN 978-4-537-14187-0
- 2020年3月28日発売、ISBN 978-4-537-14220-4
- 2020年6月30日発売、ISBN 978-4-537-14258-7
- 2020年8月28日発売、ISBN 978-4-537-14272-3
- 2020年10月29日発売、ISBN 978-4-537-14297-6
- 2020年12月26日発売、ISBN 978-4-537-14323-2
- 九十九森(原作)・さとう輝(作画) 『江戸前の旬DELUXE』 日本文芸社〈ニチブンコミックス〉、既刊3巻(2020年3月28日現在)、単行本2巻分を1冊にまとめた新装版(1巻は『銀シャリ!!』とのカップリング)
- 2020年1月29日発売、ISBN 978-4-537-14192-4
- 2020年2月28日発売、ISBN 978-4-537-14209-9
- 2020年3月28日発売、ISBN 978-4-537-14224-2
- 他、コンビニコミック版で「江戸前の旬スペシャル」が多数発売されている。
- 九十九森(原作)・さとう輝(作画) 『北の寿司姫』 日本文芸社〈ニチブンコミックス〉、全3巻
- 2009年12月28日発売、ISBN 978-4-537-12547-4
- 2010年9月18日発売、ISBN 978-4-537-12641-9
- 2010年12月27日発売、ISBN 978-4-537-12697-6
- 九十九森(原作)・さとう輝(作画) 『江戸前の旬 〜旬と大吾〜』 日本文芸社〈ニチブンコミックス〉、全3巻
- 2015年10月9日発売、ISBN 978-4-537-13350-9
- 2016年4月28日発売、ISBN 978-4-537-13434-6
- 2016年9月17日発売、ISBN 978-4-537-13484-1
- 九十九森(原作)・さとう輝(作画) 『虹のひとさら』 日本文芸社〈ニチブンコミックス〉、全2巻
- 2017年5月29日発売、ISBN 978-4-537-13586-2
- 2017年11月20日発売、ISBN 978-4-537-13656-2
- 九十九森(原作)・さとう輝(作画) 『ウオバカ!!!』 日本文芸社〈ニチブンコミックス〉、全2巻
- 2020年1月9日発売、ISBN 978-4-537-14197-9
- 2020年8月28日発売、ISBN 978-4-537-14273-0
テレビドラマ
江戸前の旬 | |
---|---|
ジャンル | 連続ドラマ |
原作 |
九十九森・さとう輝 『江戸前の旬』 |
脚本 |
松井香奈 石川美香穂 小沼雄一 |
監督 |
小沼雄一 久万真路 |
監修 |
中村孝志(寿司) 西澤辰男(料理) |
出演者 |
須賀健太 渡辺裕之 佐藤玲 田中幸太朗 赤塚真人 |
ナレーター | 三遊亭小遊三 |
音楽 |
石塚徹 山本隼人 |
国・地域 | 日本 |
言語 | 日本語 |
シリーズ数 | 2 |
製作 | |
製作総指揮 | 橋本かおり(BSテレ東) |
プロデューサー |
小林教子(BSテレ東) 鈴木伸明(キュー・テック) 服巻泰三(ソリッドフィーチャー) |
制作 |
BSテレ東 キュー・テック |
製作 | 「江戸前の旬」製作委員会 |
放送 | |
放送チャンネル | テレビ東京系ほか |
映像形式 | 文字多重放送 |
音声形式 | ステレオ放送 |
放送国・地域 | 日本 |
season1 | |
出演者 | 田辺桃子 |
エンディング | Halo at 四畳半「悲しみもいつかは」 |
放送期間 | 2018年10月14日 - 12月30日 |
放送時間 | 日曜 0:00 - 0:30(土曜深夜) |
放送枠 | 真夜中ドラマ |
放送分 | 30分 |
回数 | 12 |
公式サイト | |
season2 | |
出演者 | 渡部豪太 |
エンディング | Halo at 四畳半「花飾りのうた」 |
放送期間 | 2019年10月20日 - 2020年1月5日 |
放送時間 | 日曜 0:00 - 0:30(土曜深夜) |
放送枠 | 真夜中ドラマ |
放送分 | 30分 |
回数 | 12 |
公式サイト |
2018年10月14日(13日深夜)から12月30日(29日深夜)までよりテレビ大阪、BSテレ東「真夜中ドラマ」枠にて放送された。本作を収録したDVD版もある[12]。
2019年10月20日(19日深夜)から2020年1月5日(4日深夜)まで第2弾『江戸前の旬season2』がテレビ大阪、BSテレ東「真夜中ドラマ」枠にて放送された。[13]
キャッチコピーは「へいお待ち、心づくしの一二貫。」(season1)「旬! 超えて行け 今の自分を」(season2)。
キャスト
レギュラー
season1
- 三崎翔子:田辺桃子
season2
ゲスト
season1(2018年)
- 第1貫「江戸前の華 マグロのヅケ」
- 第5貫「心の架け橋 アジとイカ」
- 第6貫「至高の大トロとギョク」
season2(2019年)
- 第4貫「母さんのバラちらし」
-
- 酒井哲也(料亭 さかい 店主) - 田中俊介(第5貫・第8貫)
- 第5貫「伝統の江戸前寿司とは」
-
- 酒井京子(哲也の母) - 根岸季衣
- 第6貫「寿司対決! 紅葉鯛とボラ」
- 第7貫「寿司ダネ難題のサメ」
- 第9貫「心で握るキンキの寿司」
-
- 結城達也 - 阪本一樹(第10貫)
- 第10貫「赤貝は弟子の試練」
-
- 中年女性 - 西慶子
スタッフ
season1
- ナレーション:三遊亭小遊三
- 監督:小沼雄一、久万真路
- 脚本:松井香奈、石川美香穂、小沼雄一
- 主題歌:Halo at 四畳半「悲しみもいつかは」(日本コロムビア/TRIAD)
- 寿司協力:おたる政寿司、寿司長、すし・かつら
- 音楽:石塚徹、山本隼人
- 音楽協力:テレビ東京ミュージック
- 音楽制作:ロード&スカイ、MUSIC FOR MUSIC INC.
- 技術協力・VFX:デジタル映像工房イズマビジョン
- 美術協力:山崎美術
- ポスプロ:キュー・テック
- 監修協力:日本文芸社(高橋達也)
- 統括プロデューサー:橋本かおり(BSテレ東)
- コンテンツプロデューサー:岩花太郎(BSテレ東)、飯野夏生(BSテレ東)
- プロデューサー:小林教子(BSテレ東)、鈴木伸明(キュー・テック)、服巻泰三(ソリッドフィーチャー)
- 制作:BSテレ東、キュー・テック
- 製作著作:「江戸前の旬」製作委員会2018
season2
- 監督:小沼雄一、久万真路
- 脚本:松井香奈、石川美香穂、小沼雄一
- 主題歌:Halo at 四畳半「花飾りのうた」(日本コロムビア/TRIAD)[15]
- 統括プロデューサー:橋本かおり(BSテレ東)
- コンテンツプロデューサー:栁川美波(BSテレ東)
- プロデューサー:鈴木伸明(キュー・テック)、服巻泰三(ソリッドフィーチャー)
- 制作:BSテレ東、キュー・テック
- 製作著作:「江戸前の旬season2」製作委員会2019
放送日程
season1
放送回 | 放送日 | サブタイトル | ラテ欄[16] | 脚本 | 監督 |
---|---|---|---|---|---|
第1貫 | 2018年10月14日 | 江戸前の華 マグロのヅケ | 奮闘! 寿司の極意 ヅケマグロ | 松井香奈 | 小沼雄一 |
第2貫 | 10月21日 | 伝統の味 アナゴ | やわらか伝統アナゴ | ||
第3貫 | 10月28日 | 職人の心意気 シンコ | 職人の心 初シンゴと海苔巻き | 久万真路 | |
第4貫 | 11月 | 4日接待の心 アワビとウニ | ウニ軍艦超える新作ウニに挑戦 | 石川美香穂 | |
第5貫 | 11月11日 | 心の架け橋 アジとイカ | 愛する夫に捧ぐ新イカと幻の鯵 | ||
第6貫 | 11月18日 | 至高の大トロとギョク | 腕まくり至高の寿司 これぞ! 至高の大トロ寿司 |
小沼雄一 | |
第7貫 | 11月25日 | 父が泣いた キハダのヅケ | 父も泣いた息子の職人晴れ姿 | 小沼雄一 | |
第8貫 | 12月 | 2日激闘! 寿司対決 | 激闘! 寿司対決 若手職人の一位は? | ||
第9貫 | 12月 | 9日人生の引き際 スズキの旬 | 頑固職人の引き際 さようなら! 築地 |
石川美香穂 | |
第10貫 | 12月16日 | 太巻き親子巻き | 思い出は父の愛の太巻き… | 松井香奈 | |
第11貫 | 12月23日 | 思い出色のスミイカ | 涙の別れ スミイカ一族の誓い | 久万真路 | |
最終貫 | 12月30日 | 大晦日の銀シャリ | 心を込めた寿司道 | 小沼雄一 |
season2
放送回 | 放送日 | サブタイトル | ラテ欄[16] | 脚本 | 監督 |
---|---|---|---|---|---|
第1貫 | 2019年10月20日 | 一生涯寿司修行の道! さらなる高みへ |
一生涯寿司職人の道! 豊寿で奮闘 |
松井香奈 | 小沼雄一 |
第2貫 | 10月27日 | 親子二代の穴子のツメ | 絶品 親子二代の穴子のツメ | 石川美香穂 | 久万真路 |
第3貫 | 11月 | 3日伝統寿司と変わり創作寿司 | 世界一ウマくて美しい寿司 創作寿司! |
小沼雄一 | |
第4貫 | 11月10日 | 母さんのバラちらし | 母さんの絶品バラちらし | 松井香奈 | 久万真路 |
第5貫 | 11月24日 | 伝統の江戸前寿司とは | 粋な寿司! 伝統の握りVS北陸の料亭! | ||
第6貫 | 12月 | 1日寿司対決! 紅葉鯛とボラ | 小沼雄一 | 小沼雄一 | |
第7貫 | 12月 | 8日寿司ダネ難題のサメ | 驚きの寿司ダネ難題のサメ握り!? | 石川美香穂 | |
第8貫 | 12月15日 | 極上! 伊勢海老握り | 豪華 伊勢海老握りとタコ! | 松井香奈 | 久万真路 |
第9貫 | 12月22日 | 心で握るキンキの寿司 | 心で握るキンキとサヨリ! | 小沼雄一 | 小沼雄一 |
第10貫 | 12月29日 | 赤貝は弟子の試練 | 赤貝 父の激怒は寿司修行! | ||
第11貫 | 2020年 | 1月 5日心打つ母の笹寿司 | 母の笹寿司がくれた思い出 | ||
最終貫 | 旬! 自分を超えていけ | 父を超え寿司を握る! | 小沼雄一 石川美香穂 |
ネット局
BSテレ東 真夜中ドラマ | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
江戸前の旬
(2018年10月14日 - 12月30日) 【本作品から真夜中ドラマ枠】 |
面白南極料理人
(2019年1月13日 - 3月31日) |
|
まどろみバーメイド
〜屋台バーで最高の一杯を。〜 (2019年7月14日 - 9月29日) |
江戸前の旬 Season2
(2019年10月20日 - 2020年1月5日) |
ハイポジ 1986年、二度目の青春。
(2020年1月12日 - 3月29日) |
テレビ大阪 真夜中ドラマ | ||
江戸前の旬
(2018年10月14日 - 12月30日) 【本作品から真夜中ドラマ枠】 |
面白南極料理人
(2019年1月13日 - 3月31日) |
|
まどろみバーメイド
〜屋台バーで最高の一杯を。〜 (2019年7月14日 - 9月29日) |
江戸前の旬 Season2
(2019年10月20日 - 2020年1月5日) |
ハイポジ 1986年、二度目の青春。
(2020年1月12日 - 3月29日) |
脚注
- ^ 単行本第60巻第2話「約束の日(前篇)」では、銀座一丁目となっている。また、単行本第90巻第3話「同級生」や単行本第103巻第2話「江戸前手巻き①」では、いずれも和彦が「(銀座)二丁目」と言っている。
- ^ 『寿司魂』第14巻最終話より
- ^ 1949年に制定された年齢のとなえ方に関する法律以前の数え年の可能性もある
- ^ 『寿司魂』第14巻最終話より
- ^ 逆恨みであることは二人とも頭では分かっていた。
- ^ 『寿司魂』第7巻第7話「新婚旅行」
- ^ 客のための寿司ダネを自分の修行に使ったことで、旬から珍しく雷を落とされた。
- ^ 一時期、三代目という設定だったが、単行本第51巻の登場人物紹介では四代目と表記されている。
- ^ 『北の寿司姫』第3巻第18話・第19話。
- ^ 「江戸前の旬スペシャル」母の卵焼き編、銀シャリ!!
- ^ 名前は、単行本第34巻【見立て寿司】で判明。
- ^ “最新情報|真夜中ドラマ「江戸前の旬」|BSテレ東”. BSテレ東. 2020年7月9日閲覧。
- ^ “須賀健太がすし職人を演じる「江戸前の旬」、シーズン2の放送が決定!”. ザテレビジョン (KADOKAWA). (2019年8月23日) 2019年8月23日閲覧。
- ^ “「江戸前の旬season2」渡部豪太が放浪癖のある次男・柳葉鮭児に、3名の続役も”. コミックナタリー (ナターシャ). (2019年9月28日) 2019年11月23日閲覧。
- ^ “Halo at 四畳半、ドラマ「江戸前の旬」第2シーズンに主題歌書き下ろし(コメントあり) - 音楽ナタリー”. natalie.mu. 2019年10月6日閲覧。
- ^ a b 該当各日 『神戸新聞』 テレビ欄。