「誤り検出訂正」の版間の差分
編集の要約なし |
|
(相違点なし)
|
2006年10月7日 (土) 09:06時点における版
このページの名前に関して改名が提案されています。 議論は このページのノートページ を参照してください。 貼付した年月を date=yyyy年m月 と指定してください。 注意: このテンプレートの使用は推奨されておりません。{{改名提案}}を使用してください。 |
誤り検出(あやまりけんしゅつ)またはエラー検出 (error detection)とは、データに符号誤り(エラー)が発生した場合にそれを検出する技術である。さらに、誤りを検出し訂正する技術を誤り訂正 またはエラー訂正 (error correction)と呼ぶ。これらを総称して、誤り検出訂正と呼ぶ。誤り検出訂正により、記憶装置やデジタル通信・信号処理の信頼性が確保されている。
誤り検出と誤り訂正
一般に誤り検出訂正では、k 単位長(k ビット、k バイト など)の符号を、n = m + k 単位長の符号語に変換する。これを (n, k) 符号、あるいは、符号形式を添えて (n, k) ××符号などと呼ぶ(誤り訂正符号を特にECCと略す)。符号語は、最少ハミング距離が d > 1、つまり、互いに少なくとも d 単位が異なっていて、この冗長性を利用して誤り検出訂正がなされる。dを添えて、 (n, k, d) 符号ともいう。
適切な (n, k) 符号(最大距離分離符号)は、符号語あたり m = n - k 単位の誤りを検出でき、[(m - 1) / 2] 単位([ ] は床関数)の誤りを訂正できる。m ≦ 2 ならば、誤り訂正能力は [(m - 1) / 2] = 0 となり、単なる誤り検出となる。ただし、データの消失に対しては、つまり誤り位置がわかっているときは、m 単位の消失を訂正できる。これを特に、消失訂正と呼ぶ。単なる誤り訂正も、最低 1 単位の消失訂正能力を持つ。
たとえば、(2, 1) 誤り訂正であるミラーリングは、
- どちらかに誤りが起これば検出できるが、両方に起これば検出できない。(誤り検出能力1)
- どちらか(どちらかはわからない)に誤りが起これば訂正できない。(誤り訂正能力0)
- どちらかが消失すれば訂正できるが、両方に起これば訂正できない。(消失訂正能力1)
となる。
通信では、誤り検出さえできれば誤り訂正ができなくても、送信者に再送を要求できれば、実質的に誤りを訂正できる。これを自動的におこなう仕組みを、自動再送要求 (ARQ, Automatic Repeat Request) と呼ぶ。
バースト誤りとランダム誤り
誤りには、
- 短い区間に多数の誤りが集中するバースト誤り
- 散発的に単独で誤りが発生するランダム誤り
の2種類がある。
多くの誤り検出・訂正は、バースト誤りに対しては、1つのブロックに多くの誤りが集中するため、対応できない。そこで、符号の順序を入れ替え、同じブロックのデータを分散させ、バースト誤りが1つのブロックに集中しないようにする。この技術をインターリーブという。
誤り補正
特に音声や映像など、人間の感覚に訴える信号のディジタル化されたデータで真の値から多少の誤差が許容される場合、誤り検出は可能でも誤り訂正が不可能(訂正能力を超えている)かまたは誤り訂正が実装されていないとき、元のデータ自身に含まれる冗長性を利用して欠落データを予測して置き換えることがある。これを特に誤り補正と呼んで区別する。補正されたデータは真の値と一致するとは限らないが、真の値から許容される誤差内にあると期待される。CDなどでは、誤り補正がデータ読み取り誤りに対する「最後の手段」として使われている。
誤り補正では、一般には、近傍の標本に重み付けをした和、すなわちフィルタを畳み込んだ値を予測値(補正値)とする。特に、直前・直後の標本を使うものを、以下のように呼ぶ。
- - 平均値補間
- - 前値ホールド
- - 後値ホールド
誤り補正は原信号自身に含まれる冗長性を使うため、データ圧縮、特に非可逆圧縮と同種の原理に基づいている。
誤り検出・訂正の例
誤り検出
- 2重化
- パリティ符号(パリティチェック) - シリアル通信、RAID-3/4/5/6
- 垂直パリティチェック (VRC)
- 水平パリティチェック (LRC)
- 定比率符号(l out of n 符号)
- チェックサム
- 巡回符号
- ハッシュ関数
誤り訂正
- 多重化
- 反復符号 (repetition code)
- 縦横パリティ
- ハミング符号 - RAM、RAID-2
- 巡回符号
- 巡回ハミング符号
- BCH符号 (BCH code) - 自動車無線(43,31)、衛星ラジオ(63,56)
- リード・ソロモン符号(RS符号、RSC)
- リードソロモン積符号 (RSP符号) - DAT
- 差集合巡回符号
- 短縮化差集合巡回符号 - 文字放送(272,190)
- ファイア符号 - ハードディスク
- 畳み込み符号(convolutional code)
- 疎グラフ符号 (sparse graph code)
- binary Golay code