「ボーイスカウト日本連盟」の版間の差分
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2020年12月30日 (水) 09:18時点における版
前身 | 財団法人 健志会 |
---|---|
設立 | 1922年(大正11年)4月13日 |
設立者 | 後藤新平 |
種類 |
公益財団法人 財団法人認可: 1935年(昭和10年)7月1日 公益財団法人認定: 2010年(平成22年)4月1日 |
法人番号 | 9010005017765 |
法的地位 | 公益法人認定法 |
本部 |
日本 〒167-0022 東京都杉並区下井草 4丁目4番3号 |
貢献地域 | 日本 |
会員数 |
104,086人 平成30年(2018年) 3月31日現在[1] |
理事長 | 岡谷篤一 |
提携 | 世界スカウト機構 |
職員数 | 35人 |
ウェブサイト | https://www.scout.or.jp/ |
ボーイスカウト日本連盟 | |||
---|---|---|---|
初代総長後藤新平 | |||
本部 | 〒167-0022 東京都杉並区下井草4丁目4番3号 | ||
国 | 日本 | ||
理事長 | 岡谷篤一 | ||
所属 | 世界スカウト機構 | ||
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ウェブサイト ボーイスカウト日本連盟 | |||
new Japanese uniform, as of 2015 | |||
公益財団法人ボーイスカウト日本連盟(ボーイスカウトにほんれんめい、英語: Scout Association of Japan)は、「世界スカウト機構憲章に基づき、日本におけるボーイスカウト運動を普及し、その運動を通じて青少年の優れた人格を形成し、かつ国際友愛精神の増進を図り、青少年の健全育成に寄与すること」を目的とする[2]文部科学省所管の公益法人(財団法人)である。
沿革
- 1908年(明治41年) 日本にボーイスカウト運動が伝わる。
- 1910年(明治43年) 文部省督学官として英国留学から帰国した蒲生保郷が、英国ボーイスカウトに関する書籍を桂太郎首相と小松原英太郎文部大臣に贈呈し、政府に「日本でも少年団活動を検討すべし」との建白書を提出する。
- 1911年(明治44年)
- ロバート・ベーデン=パウエル卿(以下 B-Pと表記することあり)が訪英中の乃木希典大将と会見。乃木は帰国後に片瀬海岸(神奈川県藤沢市)でボーイスカウト式キャンプを実施。
- 「横浜第一隊」が、神奈川県横浜市在住の実業家であり、日曜学校の教師でもあった英国人クレアランス・グリフィン (Clarence Griffin) がイギリススカウト連盟の外国支部として、メンバー構成は、英国人12名、米国人3名、デンマーク人2名、ノルウェー人1名で、「グリフィン隊」とも呼ばれた。これは、現在の国際ボーイスカウト第1団(International Boy Scouts, Troop 1; IBS)で、「日本初の公認のボーイスカウト団体[3]」とされている。
- 兵庫県神戸市在住のイギリス人牧師フレデリック・ウォーカーがウォーカー隊(米国人を主とした27名)を結成。
- 1912年(明治45年)4月 世界一周旅行中のB-Pが日本を訪問。横浜第一隊 (グリフィン隊)を視察。
- 1913年(大正2年) 東京で小柴博らによって「少年軍」が設立(この“軍”は、いわゆる軍隊ではなく、救世軍を意図したもの)。大阪基督教青年会(YMCA)内でジョージ・グリーソン (George Gleason) によりスカウト活動を展開(「大阪少年義勇団」の母体)。
- 1914年(大正3年)
- 1915年(大正4年)11月1日 大正天皇即位大礼の記念事業として、少年に対する社会教育事業の創設の議が有志者の間に起こり、その一環として「京都少年義勇軍」の結団式が平安神宮で行われる。
- 1916年(大正5年)8月 京都少年義勇軍によって日本のボーイスカウト団体による初野営(キャンプ)が琵琶湖畔の雄松崎(滋賀県志賀町)で行われる(「日本ボーイスカウト初野営の地」として記念碑が建てられている)。
- 1917年(大正6年) 訪英した二荒芳徳がスカウト本部を訪問。
- 1920年(大正9年) 第1回世界ジャンボリー(英国のロンドンで開催)。
- 日本からは「東京少年団」の小柴博、「北海道岩内少年団」の下田豊松、国際ボーイスカウト第1団(「横浜インターナショナル隊」)の鈴木慎(鈴木リチャード)の3名が参加。
- 1921年(大正10年) ロンドンにおいて、欧州訪問中の皇太子裕仁親王(後の昭和天皇)にB-Pが謁見し、英国ボーイスカウトの最高功労章であるシルバーウルフ章を贈呈する。
- 1922年(大正11年)
- 1923年(大正12年)
- 1924年(大正13年)
- 1925年(大正14年)
- 第1回指導者訓練所を山中湖畔で開設。
- ちかい(宣誓)とおきてを制定。
- 『少年団教範』(初の『スカウティング・フォア・ボーイズ』全訳)出版。
- 1928年(昭和3年) 日本連盟加盟規則の改訂。これにより、連盟に加盟する団体を3つ(ボーイスカウトの宣誓とおきてを採用した諸団体、前項と同様の海洋諸団体(後の海洋少年団)、それ以外の団体)に分ける、いわゆる“三部制”がしかれる。
- 1929年(昭和4年) 第3回世界ジャンボリー(英国のバーケンヘッドで開催)に佐野常羽以下28名が参加。
- 1931年(昭和6年) 佐野常羽がB-Pよりシルバーウルフ章を贈られる(同章を受けた日本人は昭和天皇と佐野の2名のみである)。
- 1932年(昭和7年) "三指礼問題"が勃発(当時の反米反英世論にのった軍関係者が、「敬礼とは五指であるべきで、英国かぶれの三指礼はやめるべきだ」とボーイスカウトの三指礼を批判・攻撃。同年10月20日の大阪毎日新聞に同趣旨の記事が掲載される)。
- 1935年(昭和10年) 7月 少年団日本連盟が財団法人化して「大日本少年団連盟」に改称。
- 1938年(昭和13年) 海洋健児部が「大日本海洋少年団連盟」として分離発足。
- 1941年(昭和16年) 1月 政府の方針により、大日本少年団連盟、大日本青年団(現日本青年団協議会)、大日本連合女子青年団、帝国少年団協会を解体し「大日本青少年団」に統合。初代団長は文部大臣橋田邦彦。大日本少年団連盟は解散し、全国の少年団は大日本青少年団に統合された。
- 1942年(昭和17年) 6月 大日本青少年団が大政翼賛会の傘下となる。少年団体の統合に反対し、「財団法人大日本少年団連盟」は主に財産管理のため「財団法人健志会」に名称変更し存続させた。
- 1945年(昭和20年)
- 1946年(昭和21年)
- 1947年(昭和22年) 1月 連合国軍最高司令官総司令部(GHQ/SCAP)の許可を受け、東京と横浜で活動再開(連合国軍占領下の日本)。
- 1949年(昭和24年)
- 1950年(昭和25年)
- 1951年(昭和26年) 三島通陽が第4代総長に就任。1級スカウトの上に菊、隼、不二(富士)スカウトが出来る。
- 1952年(昭和27年) カブ、シニアー、ローバーの各プログラムを制定。
- 1956年(昭和31年) 第1回日本ジャンボリー開催(長野県軽井沢町)。
- 1958年 (昭和33年) 団制度開始。
- 1959年(昭和34年) 第2回日本ジャンボリー開催(滋賀県あいばの)。
- 1962年(昭和37年)
- B-P夫人オレブ・ベーデン=パウエルが来日。訪日は1962年(昭和37年)と1966年(昭和41年)の2回。
- 第3回日本ジャンボリー<アジア・ジャンボリー>開催(静岡県御殿場)。
- 1964年(昭和39年) 1964年東京オリンピック・1964年東京パラリンピック奉仕(各競技会場内外の参加国旗の一斉掲揚や聖火リレーコースの清掃等)。
- 1966年(昭和41年) 第4回日本ジャンボリー開催(岡山県日本原)。
- 1970年(昭和45年)
- 1971年(昭和46年)
- 1972年(昭和47年)
- ボーイスカウト日本連盟創立50周年事業。記念パレードが東京・銀座で実施された。
- 沖縄のボーイスカウトが日本連盟へ正式移管される。
- 1973年(昭和48年) 第1回日本アグーナリー(国際障がいスカウトキャンプ大会)開催(愛知青少年公園、現在:愛・地球博公園)。
- 1974年(昭和49年) 第6回日本ジャンボリー開催(北海道千歳原)。
- 1976年(昭和51年) 第2回日本アグーナリー開催(愛知県青少年公園)。
- 1978年(昭和53年) 第7回日本ジャンボリー開催(静岡県御殿場)。
- 1979年(昭和54年) 第3回日本アグーナリー開催(大阪府長居公園)。
- 1982年 (昭和57年)
- ボーイスカウト運動創立75周年・ボーイスカウト日本連盟創立60周年記念事業実施。
- 第8回日本ジャンボリー開催(宮城県南蔵王)。
- 1983年(昭和58年)
- 第4回日本アグーナリー開催(兵庫県嬉野台生涯教育センター)。
- 加盟員数ピーク(33万人を超える)。
- 1984年(昭和59年) 第1回シニアースカウト大会(日本ベンチャー)開催(南蔵王山麓)。
- 1986年(昭和61年)
- ビーバースカウト部門が導入される。
- 第9回日本ジャンボリー開催(宮城県南蔵王)。
- 1987年 (昭和62年) 第5回日本アグーナリー開催(静岡県中央青年の家)。
- 1988年(昭和63年) 12項目あった「おきて」が8項目に整理統合される。
- ちかい
- 私は、名誉にかけて、次の3条の実行をちかいます。
- 1.神(仏)と国とに誠を尽くしおきてを守ります。
- 1.いつも、他の人々をたすけます。
- 1.からだを強くし、心をすこやかに、徳を養います。
- おきて
- 1.スカウトは誠実である
- 2.スカウトは友情にあつい
- 3.スカウトは礼儀正しい
- 4.スカウトは親切である
- 5.スカウトは快活である
- 6.スカウトは質素である
- 7.スカウトは勇敢である
- 8.スカウトは感謝の心を持つ
- 1989年 (平成元年)昭和天皇崩御、大喪の礼にスカウト代表参列。
- 1990年(平成2年)
- 1991年(平成3年)
- 1994年(平成6年) 第11回日本ジャンボリー開催(大分県久住高原).
- 1995年(平成7年) ビーバー隊から指導者までのすべての部門において、女子の加盟登録が認められる。
- 1997年 (平成9年)
- 1998年(平成10年)
- 長野オリンピック・パラリンピック奉仕。
- 第12回日本ジャンボリー開催(秋田県森吉山麓高原)。
- 1999年(平成11年)
- 2001年(平成13年) 5月に、日本連盟呼称の英文表記変更が承認され、5月20日に従来の「Boy Scouts of Nippon」から「Scout Association of Japan」へ変更になった。
- 2002年(平成14年)第13回日本ジャンボリー/第23回アジア太平洋地域ジャンボリー開催(大阪府舞洲スポーツアイランド)。本大会は日本連盟創立80周年記念として実施された。
- 2003年(平成15年)第9回日本アグーナリー開催(石川県珠洲市りふれっしゅ村鉢ケ崎)。
- 2005年(平成17年)年次全国大会開催開始。
- 2006年(平成18年)第14回日本ジャンボリー開催(石川県珠洲市りふれっしゅ村鉢ヶ崎)。
- 2007年(平成19年)
- 世界スカウト運動創始100周年記念事業。
- 宗教章までの信仰奨励プログラムを補完するため、信仰奨励章を導入。
- 2008年 (平成20年)
- 2010年(平成22年)
- 2011年(平成23年)
- 2012年(平成24年)
- 2013年(平成25年) 第16回日本ジャンボリー/第30回アジア太平洋地域スカウトジャンボリー開催(山口県山口市阿知須きらら浜)。
- 2015年(平成27年)
- 第23回世界スカウトジャンボリー開催(山口県山口市阿知須きらら浜)。
- 新制服が導入された。
- 2016年(平成28年) 山中野営場が閉鎖された。
- 2017年(平成29年)
- 「大和の森」高萩スカウトフィールド開設。日本ジャンボレット高萩開催。この大会は日本連盟創立95周年記念として実施された。
- ボーイスカウト部門・ベンチャースカウト部門の新しい進級課程が施行された。新課程では両部門の課程が一本化され、ベンチャー章、ターゲットバッジ、マスターバッジ、プロジェクトバッジが廃止された。また、隊長認定の技能章が導入された。
- 2018年(平成30年)
- 2020年(令和2年)
- 2021年(令和3年) 御手洗冨士夫総裁就任予定。
- 2022年(令和4年)
- 日本連盟創立100周年事業実施予定。
- 第18回日本スカウトジャンボリーが東京都で開催予定。本大会は日本連盟創立100年記念として実施される。
- 2024年(令和6年) 第13回日本アグーナリー開催予定。
教育
部門
年齢によって部門が異なる。
- ビーバースカウト(小学校入学前年の9月 - 小学校2年生)
- 就学前については、小学校入学直前の1月からか、もしくは隊および団が対応できる場合は、就学前年の9月から受け入れることができる。
- 活動自体は小学2年生までとするが、その中でも小学2年生は、ビッグビーバーとなり、カブスカウトへ上進する準備期間であると共に、年下のビーバースカウトの面倒もみる。
- カブスカウトよりも幼い児童にもスカウト活動を、との声が広がったことと、カブ隊のスカウト(とその親)に同行して兄弟もついでにカブに入隊できないかという声が多かったこと、また外国でも同様の現象がみられ既にビーバースカウト年齢相当の隊を発足している国がいくつかあったことなどから、この制度が導入された。ビーバースカウト制度はもともとカナダ連盟のもので、それに倣い、日本の子どもにも対応できるプログラムを研究して日本で発足させたもの。この制度を日本連盟に採用する際に新たな呼称を作ろうとしたが、日本らしい動物の名称が見つからなかったため、カナダ連盟の“ビーバー”の名をそのまま使うこととなった。
- 小学校2年生の9月以降は上進準備のためにカブ隊で「りすの道」の課程を履修することができる。上進の時期については小学校2年生の9月以降で各隊・団が独自に決めることができるが、小学校2年生を修了した後は、ビーバー隊に留まることはできない。
- カブスカウト(小学校小学校3年生 - 小学校5年生)
- カブ(cub)は「幼獣」のこと。創設時にはジャングルブックを基に構成されていたため“ウルフ・カブ”と呼ばれていたが、日本に導入する際、「オオカミはイメージ的に悪い」ことから「カブ」のみ採用された。日本では「足柄山物語」が採用され、現在でもりす、うさぎ、しか、くまの名称が各ランクに用いられている。
- カブ隊では、カブスカウトたちの自然な仲間の集団として組長(ボス)を中心とする組(デン)を作り、兄貴分であるデンコーチ(ボーイスカウト)と、よき理解者であるデンリーダー(保護者などの成人指導者)が補佐するという形の小グループでの教育を行う。デン(den)は獣の巣。
- 進歩制度としては、年齢により区分された必修科目と、興味のある分野に挑戦する選択科目のチャレンジ章がある。には動物の名前が設定されており、入隊後すぐに「りすの道」の課程を履修した後、小学校3年は「うさぎ」の課程、小学校4年は「しか」の課程、小学校5年以降は「くま」の課程を履修し、各課程を修了すると完修章がもらえる。期間内に修了しなければ授与されない。
- ボーイ隊上進3か月前から、ボーイ隊への上進準備のため月の輪章と月の輪チーフリングを着用し、カブ隊とボーイ隊の指導者の協力により運営される「月の輪集会」に参加して月の輪課目を履修する。月の輪集会に参加する「くまスカウト」たちを、カブコールの歌詞に残っている旧課程の呼称で「月の輪熊(つきのわぐま)」と呼んだり、上進章集会を「月の輪組集会」や「月の輪班集会」と呼ぶ隊も多い。なお、上進の時期については小学校5年生の9月以降で各隊・団が独自に決めることができるが、小学校5年生を修了した後は、カブ隊に留まることはできない。
- ボーイスカウト(小学校6年 - 中学校3年生)
- スカウト運動は班制教育、進歩制度、野外活動という3つの柱によって各年齢層に合ったプログラムが作られており、これは全ての部門において共通だが、ボーイスカウト部門はその中核をなしている。班制教育では班長と班員という構成で団体行動を学び、進歩制度では個人としての技量を鍛える。年齢に関係なく入隊したスカウトは、ボーイスカウトバッジを着用し、初級スカウト、2級スカウト、1級スカウト、菊スカウトへの進級を目指す。進級する際、必ず隊長や団関係者と面接を行う。1級スカウトになって初めて一人前のスカウトとみなされ、海外派遣等への参加条件となる。ボーイスカウト部門の進歩制度における最高のランクとして設定されているのが菊スカウト章で、取得者は「菊スカウト」と呼ばれる。菊スカウトへの面接は地区の面接を行う。
- その他に、技能章という特定分野への選択科目も設定されている(技能章はベンチャー隊と共通)。
- 信仰奨励プログラムとして、信仰奨励章と宗教章の2つがある。信仰奨励章はボーイスカウト(初級以上)、ベンチャースカウトが挑戦でき、宗教章はボーイスカウト(1級以上)、ベンチャースカウト、ローバースカウトが挑戦できる。
- ベンチャー隊への上進の時期については中学校3年生の9月以降で各隊・団が独自に決めることができるが、中学校3年生を修了した後は、ボーイ隊に留まることはできない。
- ベンチャースカウト(中学校3年生9月 - 高校3年生時3月末)
- 旧シニアースカウト。旧制度におけるシニアースカウトは、「自主性」という点において充分なプログラムであったとは言えなかったため、ベンチャースカウトへと発展的に解消された。
- ベンチャースカウトは、ボーイスカウトと異なりプロジェクトに対して自主的な企画・計画、実行、評価・反省、報告が求められている。
- ボーイスカウトのような班制度はないが、活動ごとに活動チームという小グループを編成し、チーフを中心に自治を行うという形で班制教育を行う。また進歩制度では、ボーイ隊で取得した進級章や技能章はそのまま着用し、引き続き進級を進める。ベンチャー隊からボーイスカウトを始める者は入隊後にボーイスカウトバッジを着用し、初級スカウト章から進級に挑戦する。菊スカウトの上の段階である隼スカウト章、富士スカウト章の取得を目指す。ベンチャースカウト部門では富士スカウト章がその最高ランクかつ進歩上の到達点として設定されている。その他に、技能章という特定分野への選択科目も設定されている(ボーイ隊と共通)。
- 信仰奨励プログラムとして、信仰奨励章と宗教章の2つがある。信仰奨励章はボーイスカウト(初級以上)、ベンチャースカウトが挑戦でき、宗教章はボーイスカウト(1級以上)、ベンチャースカウト、ローバースカウトが挑戦できる。
- ベンチャー隊のベンチャーは、「ベンチャー企業」の言い方に見られるように、チャレンジ精神旺盛な青年が冒険をしている姿をイメージしている。
- 18歳に達したスカウトは、ローバー隊か指導者を選択することができる。
- ベンチャースカウトがベンチャー隊にとどまれるのは、18歳に達する日以後の最初の3月31日までである。
- ローバースカウト(18歳以上25歳以下。大学生・大学院生・勤労青少年)→「ローバースカウト」を参照
- ローバー隊は自ら自治規則(憲章)を設定し、隊(クルー)の型を決め、自治原則により運営される。
- ローバー隊の活動は、ローバースカウト自らが実施する自己研鑽と、隊(クルーまたはグループ)が行う奉仕活動、社交活動及びその他のプログラム活動とによって行われる。
- 進級課程はなく、進級章や技能章、信仰奨励章は存在しない。ただし、宗教章への挑戦は可能である。
- ローバー隊のローバーには、「さすらう」「漂流する」という意味があり、自己の研鑽をすることをイメージしている。B-Pの著書「ローバーリング・ツー・サクセス」 (Rovering to Success, 1922) から命名された。
という5つの部門に分かれ、活動を行っている。
進歩制度
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ボーイスカウトの女性とガールスカウトとの関係
日本のボーイスカウト運動における女性の参加は、カブ隊におけるデンマザーのように、限られた役割を果たしているだけであったが、世界スカウト会議における「スカウティングにおける成人」および「スカウト運動における少年少女と男女に関する方針」を受けて、日本でも女性の指導者と少女のスカウトが誕生した。その背景には、女性の社会進出や男尊女卑の撤廃、女性ならではのソフト面の対応への期待等があげられる。
ガールスカウトは、ボーイスカウトの目標(良き社会人の育成)に加えて、「自立した女性の育成」という目標ももっているため、受け入れの対象は女性のみであり、特に男性に対応したプログラムはもたない。一方、ボーイスカウトは、女性の受け入れをしており、裁縫・料理・介護・応急処置などの、いわゆる女性的とされるプログラムをもつ。しかし、全ては良き社会人となるためのプログラムであるため、男性だからやらない・女性だからやる、という区別はない。
ボーイスカウトの団では、ベンチャー部門以下の隊の場合、男女のスカウトで編成される隊は、男女の隊指導者を任命することになっている。また、女子テントの設置など、女子スカウトに対しての配慮が必要とされている。ベンチャー部門以下の隊では、ただし、男性のスカウトのみ募集する団もあり、それはその団のカラーであり特色であるとして容認されている。
ボーイスカウトとガールスカウト(ガールガイド)はルーツが同じである為、共通する事項も多い。
- モットーは、どちらも同じ「そなえよつねに」(備えよ常に)である。
- スローガンは、ボーイスカウトは『日日の善行』、ガールスカウトは『一日一善』だが、 英語表記では、Daily Good Turn. または Do a good turn daily.と共通しており、意味は同じである。
- 所定の条件を満たして入団することにより、スカウトの象徴である「制服」と「ネッカチーフ」の着用を許される。
ガールスカウト日本連盟の英語表記が、Girl Scouts of Japanであるのに対し、ボーイスカウト日本連盟の英語表記は、Scout Association of Japanとなっている。boyと表記されないのは、男性ではない加盟員に対しての配慮である。
2015年日本で開催の第23回世界スカウトジャンボリー(23WSJ)に先立ち、同年4月1日に正装、記章・標章類に関する教育規程の改正が施行され、新制服紹介ページには、各種制服写真は男女モデルが並んで掲載されている[4]。デザイン(パターン)上は男女の差が無く兼用となっており、指導者(20歳以上)用のスカートも廃止された。男子はハット、女子は中折れ帽かハットを隊で統一して着用することになり、ベレー帽は廃止された。なお、旧制服、記章、標章等は移行期間の終了する2018年8月31日まで、旧規定に基づき着用可だった。
組織
全国組織
- 理事会
- 常任理事会
- 中央名誉会議
- 委員会
- 評議員会
- 教育本部
- 教育本部コミッショナー
- 教育本部会議
- 常任教育本部会議
- 常設委員会
- 特別委員会
都道府県連盟
47都道府県にそれぞれ1連盟、計47連盟がある(なお、「東京連盟」「滋賀連盟」といったように「○○連盟」と名乗る連盟と、「埼玉県連盟」「山口県連盟」といったように「○○県連盟」と名乗る連盟がある)。
地区
都道府県連盟は、地域の実状により、連盟の運営を円滑にするために「地区」を設置できる。地区は数個~十数個の団から構成される(例:山手地区、多摩西地区など)。
団・隊
青少年に対しスカウト教育を実施する単位を「隊」といい、運営の単位を「団」という(例:三鷹第1団、大阪第165団など)。団は団委員会及びビーバーからローバーまでの各隊をもって標準とする。
- ジャンボリーなどの際に編成される派遣隊は、スカウト8名の班を4つと指導者8名の計40名で構成される。
団は特定の地域を本拠として設置されている(市区町村、あるいは学区など、本拠としている地域はそれぞれの団によって異なる)。特定の宗教を本拠としている団や、学校の課外活動、大学のサークル(大学ローバー)として設置されている団もある(例:京都第65団は八坂神社を本拠とし、新宿第2団は早稲田大学公認のサークル、豊島第1団は学習院(初等科から高等科まで)のクラブ活動である)。
ビーバー隊からカブ隊、カブ隊からボーイ隊、ボーイ隊からベンチャー隊、ベンチャー隊からローバー隊に移籍することを、上進(じょうしん)という。
班
スカウト活動の基本にして最小単位は「班」である(カブ隊では「組」と呼称される)。班長(組長)及び次長がリーダーシップをとりながら、班でまとまって行動することが基本である(これを班制度/パトロール・システムと呼ぶ)。一般的に、数個の班が集まって隊を、隊が集まって団を形成する。伝統的に各班には動物や鳥の名前がつけられる(組には1組、2組…と番号が付けられる)。
団委員会
育成会から団の運営のために選任された委員を団委員という。通常5人以上おり、各人に仕事を割り振るため、また団の現状を把握するために団委員会という会議を行う。その際の議長は団委員長がつとめる。 団委員長は、団委員の互選で選出される。スカウトの教育訓練はリーダーが行うため、直接団委員会が携わることはない。しかし、
- 団内の資産の管理
- 団の財政についての責任
- 団行事(夏期野営実施など)についての便宜
- リーダーの選任やリーダーの訓練への便宜
- スカウトの進歩の促進
- 入団・退団・上進・団の加盟登録などの手続き
- スカウトの健康や安全
などについては団委員会がこれを行う。団によっては、リーダーと団委員を兼任している者もいる。
指導者
- ボーイスカウトの指導者(リーダーとも呼ばれる)は、多くの場合、日本連盟が定める指導者訓練を修了した者に限られる。指導者訓練には部門(ビーバー、カブ、ボーイ、ベンチャーの4つ)ごとに実施されるもの(課程別)もある。
- 隊指導者の訓練
- 導入訓練課程(ボーイスカウト講習会):副長の任用資格。ボーイスカウト講習会(1日、7時間)を履修して修了となる。満18歳以上の者(ベンチャースカウトを除く)が参加可能。修了者には指導者手帳が交付され、導入訓練修了記章(胸章(若草色に銀色の綱))を着用できる。
- 基礎訓練課程(ウッドバッジ研修所スカウトコース及び課程別研修):隊長の任用資格。導入訓練課程を修了した加盟員に限り参加できる。スカウトコース(3泊4日テント泊)とその後の課程別研修(1日、8時間)の両方を履修して修了となる。スカウトコース全日程参加者は、ギルウェルウォッグル(皮紐製のチーフリング)を着用できる。また、基礎訓練課程修了者は基礎訓練修了記章(胸章(各部門を表す色に銀色の綱))を着用できる。
- 上級訓練課程(ウッドバッジ実修所):加盟員で該当部門のウッドバッジ研修所履修後1年以上経過後に参加可能。訓練は全て課程別である。第一教程(課程別課題研究)、第二教程(3泊4日テント泊のプログラムトレーニング)、第三教程(課程別実務訓練)の順に履修して修了となる。修了者は、上級訓練修了記章(胸章(各部門を表す色に金色の綱))とウッドバッジ(2ビーズ)及びギルウェルスカーフを着用できる。
- 団委員の訓練
- 導入訓練課程(指導者と共通)
- 基礎訓練課程(団委員研修所):導入訓練課程を修了した加盟員に限り参加可能。団委員研修所(2泊3日宿舎泊)を履修して修了となる。団の運営に携わる方々を対象に開催され、スカウト運動への理解を深めるとともに、団の運営の基本的な方法などについて小グループを編成して行われる。修了者は基礎訓練修了記章(胸章(白色に銀色の綱))を着用することができる。
- 上級訓練課程(団委員実修所)(第一教程(課題研究)、第二教程(マネジメントトレーニング:2泊3日の舎営)及び第三教程(実務訓練):加盟員で団委員研修所履修後1年以上経過後に参加可能。第二教程は日本連盟・県連盟またはブロックが開設、第三教程は県連盟が実施。修了者は、上級訓練修了記章(胸章(白色に金色の綱))を着用することができる。
- その他に、成人指導者訓練として各種のコミッショナー(地区、県連盟)を対象としたコミッショナー研修所、コミッショナー実修所、指導者の訓練を担当するトレーナーを養成する、副リーダートレーナーコース、リーダートレーナーコース、トレーナーリフレッシャーコースなどがある。
- ウッドバッジ研修所・ウッドバッジ実修所は、野外でのキャンプでの訓練がある。ビーバー部門は自分のことがまだ自分でできないスカウトもいるため基本的に泊り禁止、カブ部門は室内での泊りが原則であるが、指導者はスカウトに自然のすばらしさを伝えるために、あえて野外でのキャンプで研修を受ける。
- 隊指導者の訓練
- カブ隊では組の指導者(組全体の保護者的な意味合いが強い)としてデンリーダーが存在する。デンリーダーはカブスカウトの保護者等から選出され、ボーイスカウト講習会を修了しているかどうかは問われない。以前は、デンマザー・デンダッドと呼ばれていた。
- ボーイ隊のスカウトがカブ隊の組の指導者としてデンコーチに任命されることが多い。これはスカウト活動における奉仕活動の一例であり、カブスカウトにとってはボーイスカウトへの憧れを抱かせ、ボーイスカウトにとっては将来班長としてのリーダーシップを養う機会となる。
- デン (den) とは「動物の巣穴」の意味である。
- ビーバー隊では隊長や副長の補佐として、ボーイスカウト講習を修了していない保護者等が補助者として隊につくことがある。
- 指導者は無報酬のボランティアである。県連盟や日本連盟には専従の職員がいるがそれは全体のごく僅かで、ボーイスカウトに携わる者のほとんどは無報酬である。
- スカウトとしての経験がある者がリーダーをする場合とスカウトの親がデンリーダー・補助者などを経てリーダーになる場合が多い。
- 一般的に、ボーイスカウトの活動には手がかかり、いわゆる「習い事」と比べて保護者の負担が重いといわれることがある。団委員や隊指導者が無償のボランティアとして組織運営の大部分を引き受けているものの、休日(土日祝日)の活動に参加したり、団や隊の運営に関する役務を一部任されたり、進級について子(スカウト)の指導をしたりすることもあり、保護者にとってそれらが大きな負担となる場合もある。
コミッショナー
日本連盟や各県にはそれぞれコミッショナーがいる。スカウト運動におけるコミッショナーとは、全国や地方の組織において、特定分野を担任して指導にあたる役員のことである(ただしその任務は各国によって違いがある)。
日本のボーイスカウトにおけるコミッショナーの任務は、スカウト運動の目的・原理・方法といった普遍的なものの周知・普及と、これらに則した適正な判断を行うことであり、スカウト運動の基幹である教育プログラムに関すること、青少年を支援する成人に関することなどの調整・実施・推進等を行うことである。また、このような任務から、コミッショナーは「良き社会人」であり「良き指導者」として模範を示す者でなければならないので、導入訓練として各課程のウッドバッジ実修所修了の他に、各コミッショナーの役割に応じて、コミッショナー研修所、コミッショナー実修所を修了することが必要である。
日本連盟には、
- 日本連盟コミッショナー(1名)
- 日本連盟副コミッショナー(若干名)
都道府県連盟には、
- 県連盟コミッショナー(1名)
- 県連盟副コミッショナー(担当任務につき必要数)
地区には、
- 地区コミッショナー(1名)
- 地区副コミッショナー(担当任務につき必要数)
- 団担当コミッショナー(概ね3から5個団につき1名)
が それぞれ置かれている。
脚注
注釈
出典
- ^ [1]WOSMより
- ^ 団体概要より。
- ^ “International Boy Scouts, Troop 1 - Yokohama, Japan”. www.troop1.net. 2020年11月2日閲覧。
- ^ New Uniforms - ボーイスカウト日本連盟
関連項目
外部リンク
- 公益財団法人ボーイスカウト日本連盟 - 公式サイト
- 公益財団法人ボーイスカウト日本連盟 - ホーム (scout.or.jp) - Facebook
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