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2020年12月29日 (火) 17:21時点における版
藤田 孝典(ふじた たかのり、1982年[1] - )は、日本の社会活動家である。
略歴
茨城県出身。東京国際大学を卒業後、ルーテル学院大学博士前期課程を修了[1]。
2006年10月にNPO法人「ほっとポット」を設立、2011年5月まで代表理事を務めていたが、突然辞任[2]。その直後、後任の代表理事は謝罪文を公開している[3][4]。その後、NPO法人「ほっとプラス」を開設し、2020年1月まで代表理事を務めた。現在は理事職を務めている[5]。
役職
過去の役職
主張
- 福祉職ほど貴ばれる必要がある。しかし社会では各種事務や金融、コンサルタントなどの「Bullshit Jobs(クソどうでもいい仕事)」が増えている[8]。
- NPOで稼げる仕組みは政府にくっついて補助金をたくさん貰うこと、大衆受けするように振る舞って寄付金を集めること、テキトー(原文ママ)にテレビで目立つこと、労働者から搾取の割合を高めること、事業費を目的外に転用すること[9]。
- 知的障害の女性だと、性搾取を目的とした男性であっても、性関係を求められて、嬉しいと思ってしまう。ましてや経済的に困窮していれば、適正な関係性を保つことが不可能になる[10]。
- 私は「セックスを清く明るいものにしたい」などと思っていない。あまりにも資本や貨幣によって撹乱され、セックス、性行為自体が変質させられたことを問題視している。家畜ではなく、人間である。無理な性行為をさせる野蛮なシステムに社会が陥っている[11]。
- セックスワーカーは当たり前すぎるが、現実として、危険で人権に配慮されていない。買春者たちは貨幣を力に違法行為、暴力行為を平然とはたらき、処罰されることもなく、事業者も犠牲を黙認しながら利益を搾取する。リアリティーのない買春、事業者擁護は異常。見たくないものを見てほしい[12]。
- 性暴力、性搾取を蔓延させている産業が調子に乗って休業補償しろ、とか恥を知れ。個別のセックスワーカーたちには、一切罪はないから政府に社会保障請求すべきだが、性産業を休業補償させて、これからも性搾取させ続ける構造を温存させろ、とか異常な要求。調子に乗るなよ[13]。
- いかに性風俗を擁護する屁理屈を並べようが、性暴力被害の当事者が大量にいる中で、温存する理由にはならない。性暴力被害を減らしてから最低限の屁理屈は述べるべき。指定暴力団山口組がお菓子を子どもに配る前に廃業しろ、ということと同じ。被害が大きい産業、組織は温存するな[14]。
人物
- Twitterでブロックを行う人物に否定的でありブロック機能を使っていなかった[15]。しかし、2020年4月末に執筆した、岡村隆史のラジオでの風俗発言に関する記事への批判を受けたこともあり、2020年5月3日にブロックを行う旨をツイートするなど方針を変えている[16]。
- 自身は駒崎弘樹や片山さつきにブロックされている。駒崎にブロックされた際には「彼の不寛容さや批判嫌い、議論のできなさは尋常ではないレベル。僕は意見が合わない人とも対話していきたい。」と批判を行っていた[17]。しかし、現在は駒崎と同様に藤田自身も、意見が合わないユーザーや自身の持論に対する批判を行うユーザーに対し、即座にブロックをしている。
- 2019年10月1日、女性の運動家を侮辱したことを謝罪した。当日は深夜まで深酒をしており、誰と何を議論したか覚えていない状態だった[18]。相手からは「酒を言い訳にするのは余計に見苦しいので、おやめになった方がいいです。」と自身の弁明を窘められた[19]。この騒動以降、藤田は男性からの批判には触れる一方で、女性からの批判には一切触れないといった、女性への差別行為を繰り返しており、同時に性風俗従事者に対する批判・暴言を展開し続けている。
- 性風俗差別の思考を持っており、2020年7月23日、性風俗店の女性経営者に対し、「想いに寄り添ったら廃業しなさい。存在がある限り、被害は止められないですよ。詭弁を弄するのはもう辞めましょう。[20]」とツイート。その後も女性経営者の「性風俗業は無くならない」ことが詭弁であるかの問いに、「詭弁、詭弁。コロナ以前から無くしてきているから。反社会的組織の介入も減ってきているのだから、もう廃業してください。もはや誰のためにやっているわけですか?時間の問題だし、コロナ禍を契機に廃業が相次いでいます。早く廃業してください。[21]」と執拗に廃業を促している。藤田の一連のツイートに関して、各関係者から多数の批判が寄せられているが、藤田は先述の捏造記事の件と同様に、謝罪の意思を示さず、引き続き性風俗業の根絶及び性風俗従事者への廃業を強く主張している。
批判
貧困ビジネス
『選択』は藤田が過去に貧困ビジネスを行っていたと報じている[3]。
さいたま市議会議員の吉田一郎は、以下の行為が貧困ビジネスではないかと主張している[22][23]。
- 生活保護の申請支援、申請同行及び審査請求、不服申し立て手続の支援を『生活まるごとコーディネートサービス』と称して4万2000円で行っていた[22]。
- 吉田は、非弁行為として法律に抵触するとしている[22]。
- 8万円程度で一軒家を借りてグループホームという形式で運営し、1軒に5人程度ホームレスを住まわせて市からの住宅補助4万7000円と入居者から共益費として1万円を受け取っていた。吉田は、毎月20万円程度の粗利が上がっていたと見ている[23]。
- そうした住居を15軒所有し3年間で2000万円以上利益を上げていた[23]。
- 代表も役員報酬として413万円を受け取っていた[22]。
参議院議員の片山さつきは参議院の総務委員会で、以下のように発言している[24]
・・・お手元に配らせていただいているこの「ほっとポットとは」、「生活まるまるコーディネートサービス利用契約書」。実は、このほっとポットの代表理事の方は、今、生活保護の審議会、政府の審議会、厚生労働省の審議会の委員なんですよ。ところが、この方は、生活保護者に帯同し、場合によってはその審査請求や不服申立ての手続支援をするという、これ普通書かないですよね、弁護士法七十二条、七十三条、行政書士法十九条、普通書かないですよ。でも、書いちゃって、お金を四万二千円取っておられるんですね。・・・地方自治体や、本当にプロとして、士業として認められた人たちの意見をきちっと聞いてならいいですが、位置付けがはっきりしないNPOが、本当にボランティアで親切心だけならいいんですよ。だけれども、じゃ、何で一件四万二千円が必要なのかということを誰でも思うので、この件は、実はこの起こった政令市において議会で問題になっているんですよ。それに対して政令市の担当局長が何と答えているか、こういう方々が一緒に付いてきても何のメリットもありませんと答えているんですよ。つまり、こういう方々が付いてこようが付いてこまいが、生活保護は自分で申請するものですから、変わらないと。・・・
補助金
吉田は2012年、ほっとポットが不当に補助金を受けているとして、監査請求を提出している[25]。
SNSでの言論
2020年8月1日、藤田の捏造記事やSNSにおける数々の問題的な言動に対し、SWASH(Sex Work And Sexual Health)、ナイト産業を守ろうの会、ハピママメーカープロジェクトの3団体が発起団体となり、反貧困ネットワーク、反貧困ネットワーク埼玉宛に、8月17日を回答期限とした「藤田孝典氏のSNSでの言動に関する抗議書」、埼玉社会福祉会、日本社会福祉会宛に「藤田孝典氏のSNSでの言動に関する嘆願書」がそれぞれ提出された[26]。
その後、8月10日に先述でのSWASHのツイートに引用する形で、「何度も繰り返したくないが、ピンプ(性風俗業者、性搾取斡旋業者)は新型コロナ対策を契機に廃業してください。男性たちももうコロナ以前のように風俗店、買春サイト、デリヘルで買春しないでください。人の不幸を利用したり、生み出す元凶を温存するのではなく、真剣に解消に向けて協力ください。[27]」と反論。
8月17日、SWASHは反貧困ネットワーク、反貧困ネットワーク埼玉が、藤田の度重なるSNSでの暴言に関して対応を検討している返信が来た事をTwitterで報告。また、日本社会福祉士会からは埼玉県社会福祉士会で受付、対応する旨の返信が来た事も明らかにした[28] [29]。
著作リスト
単著
- 『ひとりも殺させない - それでも生活保護を否定しますか-』(堀之内出版、2013年)
- 『下流老人 - 一億総老後崩壊の衝撃』(朝日新書、2015年)
- 『貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち』(講談社現代新書、2016年)
- 『続・下流老人 一億総疲弊社会の到来』(朝日新書、2016年)
- 『貧困クライシス 国民総「最底辺」社会』(毎日新聞、2017年)
- 『中高年ひきこもり―社会問題を背負わされた人たち―』 (扶桑社新書、2019年) 』
- 『棄民世代 政府に見捨てられた氷河期世代が日本を滅ぼす』(SBクリエイティブ、2020年)
共編・共著
- 『反貧困のソーシャルワーク実践 NPO「ほっとポット」の挑戦』(金子充との共編著、明石書店、2010年)[30]
- 『ブラック企業のない社会へ - 教育・福祉・医療・企業にできること』(今野晴貴・棗一郎・上西充子・大内裕和・嶋﨑量・常見陽平・ハリス鈴木絵美との共著、岩波ブックレット、2014年)
- 『知りたい! ソーシャルワーカーの仕事』(木下大生との共著、岩波ブックレット、2015年)
- 『未来の再建 暮らし・仕事・社会保障のグランドデザイン』(井手英策・今野晴貴との共著、ちくま新書、2019年)
- 『闘わなければ社会は壊れる〈対決と創造〉の労働・福祉運動論』(今野晴貴との共著、岩波書店、2019年)
- 『福祉は誰のために ソーシャルワークの未来図』(鶴幸一郎・石川久展・高端正幸との共著、へるす出版、2019年)
論文等
脚注
- ^ a b c d e f Amazon 著者ページ
- ^ 反貧困のソーシャルワーク実践―NPO「ほっとポット」の挑戦― (日本語) 単行本. 明石書店. (2010/5/28)
- ^ a b 「下流老人」ブームの火付け役に 「貧困ビジネス」の過去
- ^ a b “代表理事交代のお知らせと新生ほっとポットのStart”. 〝HotPot ブログ″. 2020年5月2日閲覧。
- ^ 特定非営利活動法人ほっとプラス2019年度事業報告書等 2020年8月9日閲覧
- ^ @fujitatakanori (2020年5月3日). "聖学院大学、北海道医療大学、四国学院大学の客員准教授、臨床教授、学長特別補佐などは非常勤教員の名称。". X(旧Twitter)より2020年5月4日閲覧。
- ^ “第1回社会保障審議会生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会議事録 |厚生労働省”. www.mhlw.go.jp. 2020年5月2日閲覧。
- ^ @fujitatakanori (2020年1月14日). "福祉職ほど貴ばれる必要がある。各種事務や金融、コンサルタントなど、社会では『Bullshit Jobs(クソどうでもいい仕事)』が増え続けている". X(旧Twitter)より2020年5月4日閲覧。
- ^ @fujitatakanori (2019年2月4日). "NPOでも稼げる仕組みは、政府にくっついて補助金たくさんもらうこと、大衆受けするように振る舞って寄付金集めること、テキトーにテレビで目立つこと、労働者から搾取の割合を高めること、事業費を目的外に転用すること。". X(旧Twitter)より2020年5月4日閲覧。
- ^ @fujitatakanori (2020年6月8日). "知的障害の女性だと、性搾取を目的化した男性であっても、性関係を求められて、嬉しいと思ってしまう。". X(旧Twitter)より2020年8月9日閲覧。
- ^ @fujitatakanori (2020年7月12日). "無理な性行為をさせる野蛮なシステムに社会が陥っている。". X(旧Twitter)より2020年8月9日閲覧。
- ^ @fujitatakanori (2020年7月15日). "買春者たちは貨幣を力に違法行為、暴力行為を平然とはたらき、処罰されることもなく、事業者も犠牲を黙認しながら利益を搾取する。". X(旧Twitter)より2020年8月9日閲覧。
- ^ @fujitatakanori (2020年7月23日). "性暴力、性搾取を蔓延させている産業が調子に乗って休業補償しろ、とか恥を知れ。". X(旧Twitter)より2020年8月9日閲覧。
- ^ @fujitatakanori (2020年7月26日). "指定暴力団山口組がお菓子を子どもに配る前に廃業しろ、ということと同じ。被害が大きい産業、組織は温存するな。". X(旧Twitter)より2020年8月9日閲覧。
- ^ @fujitatakanori (2019年9月16日). "僕はひとりもブロックしていません。". X(旧Twitter)より2020年5月4日閲覧。
- ^ @fujitatakanori (2020年5月3日). "誹謗中傷が繰り返し見られる場合には、ブロックさせていただきます。". X(旧Twitter)より2020年5月4日閲覧。
- ^ @fujitatakanori (2017年9月19日). "駒崎弘樹氏にブロックされる。片山さつき氏以来のブロック。彼の不寛容さや批判嫌い、議論のできなさは尋常ではないレベル。僕は意見が合わない人とも対話していきたい。". X(旧Twitter)より2020年5月4日閲覧。
- ^ @fujitatakanori (2019年10月1日). "本当にすみません。猪股さんたちと深夜まで飲んで深酒をしてしまい、Twitterでは誰と何を議論したのか覚えていない有り様でした。さらに今野さんに指摘されるまで重大さに気づかない始末でした。2度と失敗をしないように学び直します。". X(旧Twitter)より2020年5月4日閲覧。
- ^ @sato__michiko (2019年10月1日). "近い場所で活動していたので気を許してくださってお書きになっているのだと思いますが、酒を言い訳にするには余計に見苦しいので、おやめになった方がいいです。". X(旧Twitter)より2020年5月4日閲覧。
- ^ @fujitatakanori (2020年7月23日). "想いに寄り添ったら廃業しなさい。存在がある限り、被害は止められないですよ。詭弁を弄するのはもう辞めましょう。". X(旧Twitter)より2020年8月9日閲覧。
- ^ @fujitatakanori (2020年7月23日). "詭弁、詭弁。コロナ以前から無くしてきているから。反社会的組織の介入も減ってきているのだから、もう廃業してください。もはや誰のためにやっているわけですか?時間の問題だし、コロナ禍を契機に廃業が相次いでいます。早く廃業してください。". X(旧Twitter)より2020年8月9日閲覧。
- ^ a b c d さいたま市議会議事録 2012/3/16
- ^ a b c さいたま市議会議事録 2012/6/12
- ^ “国会会議録検索システム”. kokkai.ndl.go.jp. 2020年5月2日閲覧。
- ^ 埼玉県監査委員告示第十四号 (PDF)
- ^ “反貧困ネット、社会福祉士会に、抗議書、嘆願書を3団体で提出しました”. SWASH. 2020年8月5日閲覧。
- ^ @fujitatakanori (2020年8月10日). "ピンプ(性風俗業者、性搾取斡旋業者)は新型コロナ対策を契機に廃業してください。". X(旧Twitter)より2020年8月10日閲覧。
- ^ @swash_jp (2020年8月17日). "昨日、反貧困ネットと反貧困ネット埼玉の方々より、現在この問題についてご検討頂いているとのご連絡を頂きました。". X(旧Twitter)より2020年8月18日閲覧。
- ^ @swash_jp (2020年8月17日). "埼玉県社会福祉士会で受付、対応することになるそうです。埼玉県社会福祉士会からのお返事もお待ちしています。". X(旧Twitter)より2020年8月18日閲覧。
- ^ 明石書店
出典
- 『下流老人 - 一億総老後崩壊の衝撃-』(朝日新書、2015年)
関連項目
外部リンク
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