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「MiG-29 (航空機)」の版間の差分

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== 配備 ==
== 配備 ==
[[ファイル:MiG-29SEFAP.jpg|thumb|250px|[[ペルー空軍]]のMiG-29SE]]
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初期生産型のMiG-29 «9.12»が、[[1983年]]末に[[ソ連空軍]]の前線部隊に配備が開始された<ref name="軍事研究2007年8月">[[軍事研究]]2007年8月「ロシア空軍戦闘機&攻撃機の戦力動向」</ref><ref>[http://www.airwar.ru/enc/fighter/mig29.html {{lang|ru|Уголок неба. 2006 (Страница: "МиГ МиГ-29 (9-12)" Дата модификации: 10-10-2007)}}] {{ru icon}}</ref>。前述の通りソ連空軍においては旧式機である[[MiG-21 (航空機)|MiG-21]]が未だ主力として多数配備されていたが、それを急速に更新していった。生産開始当初は輸出も[[Su-27 (航空機)|Su-27フランカー]]より遙かに順調で、[[ワルシャワ条約機構]]各国の他、[[アジア]]や[[アフリカ]]を中心に多くの国で採用されたが、[[ソ連崩壊]]以降は輸出面でもSu-27系列機の後塵を拝している。
初期生産型のMiG-29 «9.12»が、[[1983年]]末に[[ソ連空軍]]の前線部隊に配備が開始された<ref name="軍事研究2007年8月">[[軍事研究]]2007年8月「ロシア空軍戦闘機&攻撃機の戦力動向」</ref><ref>[http://www.airwar.ru/enc/fighter/mig29.html {{lang|ru|Уголок неба. 2006 (Страница: "МиГ МиГ-29 (9-12)" Дата модификации: 10-10-2007)}}] {{ru icon}}</ref>。前述の通りソ連空軍においては旧式機である[[MiG-21 (航空機)|MiG-21]]が未だ主力として多数配備されていたが、それを急速に更新していった。生産開始当初は輸出も[[Su-27 (航空機)|Su-27フランカー]]より遙かに順調で、[[ワルシャワ条約機構]]各国の他、[[アジア]]や[[アフリカ]]を中心に多くの国で採用されたが、[[ソビエト邦の崩壊]]以降は輸出面でもSu-27系列機の後塵を拝している。


近年における新規の輸出はわずかに[[イエメン]](MiG-29SMT)、[[ミャンマー]](MiG-29 «9.12»)、[[ベネズエラ]](MiG-29SMT)のみであった。[[2008年]][[12月17日]]には[[レバノン]]へ中古機10機の無償譲渡が発表されたものの、レバノン政府は[[Mi-24 (航空機)|Mi-24]]の購入に代えて辞退した。なお、[[ペルー]](MiG-29SE)や[[エクアドル]](MiG-29SMT)も購入を決めたと言われていた(ペルーは現在使用中のものの追加分)。
近年における新規の輸出はわずかに[[イエメン]](MiG-29SMT)、[[ミャンマー]](MiG-29 «9.12»)、[[ベネズエラ]](MiG-29SMT)のみであった。[[2008年]][[12月17日]]には[[レバノン]]へ中古機10機の無償譲渡が発表されたものの、レバノン政府は[[Mi-24 (航空機)|Mi-24]]の購入に代えて辞退した。なお、[[ペルー]](MiG-29SE)や[[エクアドル]](MiG-29SMT)も購入を決めたと言われていた(ペルーは現在使用中のものの追加分)。
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[[ファイル:DPRK MiG-29.jpg|thumb|250px|[[朝鮮人民軍空軍]]のMiG-29]]
[[ファイル:DPRK MiG-29.jpg|thumb|250px|[[朝鮮人民軍空軍]]のMiG-29]]
[[日本]]においては、MiG-29は特に[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]の戦闘機として知られている。同国へのMiG-29の配備は[[1980年代]]から始められたとも言われるが、その真相は長らく不明であった。その中で、[[2003年]]3月にアメリカ軍の[[RC-135 (航空機)|RC-135]][[偵察機]]を同国軍のMiG-29と[[MiG-23 (航空機)|MiG-23]]が迎撃、威嚇したことが大きく報じられていた。その際に撮影された映像から、同国軍は能力向上型のMiG-29 «9.13»系の機体を保有することが判明した。すなわち、[[ソビエト連邦|ソ連]]国内向けの派生型であるMiG-29 «9.13»かMiG-29S «9.13A»、あるいはその輸出型のMiG-29SE «9.13SE»である。前2者はいずれもソ連時代には国内配備のみであり、後者は[[ソ連崩壊]]後に販売に入った機体であるため、いずれの機体であれ、北朝鮮への輸出時期はソ連崩壊後、恐らくは[[1990年代]]中盤であったということになる。他方、北朝鮮の朝鮮中央テレビでは、[[1988年]]にMiG-29を輸入し、[[金日成]]親子が機体を視察したとする番組を放映した。
[[日本]]においては、MiG-29は特に[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]の戦闘機として知られている。同国へのMiG-29の配備は[[1980年代]]から始められたとも言われるが、その真相は長らく不明であった。その中で、[[2003年]]3月にアメリカ軍の[[RC-135 (航空機)|RC-135]][[偵察機]]を同国軍のMiG-29と[[MiG-23 (航空機)|MiG-23]]が迎撃、威嚇したことが大きく報じられていた。その際に撮影された映像から、同国軍は能力向上型のMiG-29 «9.13»系の機体を保有することが判明した。すなわち、[[ソビエト連邦|ソ連]]国内向けの派生型であるMiG-29 «9.13»かMiG-29S «9.13A»、あるいはその輸出型のMiG-29SE «9.13SE»である。前2者はいずれもソ連時代には国内配備のみであり、後者は[[ソビエト邦の崩壊]]後に販売に入った機体であるため、いずれの機体であれ、北朝鮮への輸出時期はソ連崩壊後、恐らくは[[1990年代]]中盤であったということになる。他方、北朝鮮の朝鮮中央テレビでは、[[1988年]]にMiG-29を輸入し、[[金日成]]親子が機体を視察したとする番組を放映した。


[[21世紀]]初頭には[[ロシア]]から[[スーダン]]へMiG-29が12機輸出されたが、スーダンでは政府が支援すると見られる[[アラブ]]系[[武装]]勢力による[[アフリカ]]系住民の[[虐殺]]問題([[ダルフール紛争]])があるため、ロシアの行動は国際的な非難を浴びた。しかしながら、ロシアは輸出するMiG-29は対地攻撃能力がないため問題はないと主張し、予定通り輸出を行った。その結果、[[2003年]]末-翌[[2004年]]6月にかけて計10機のMiG-29EShと2機のMiG-29UBが[[An-124 (航空機)|An-124 ルスラーン]][[輸送機]]によって輸送され、[[スーダン#空軍|スーダン空軍]]の第2戦闘迎撃飛行隊に配備された。
[[21世紀]]初頭には[[ロシア]]から[[スーダン]]へMiG-29が12機輸出されたが、スーダンでは政府が支援すると見られる[[アラブ]]系[[武装]]勢力による[[アフリカ]]系住民の[[虐殺]]問題([[ダルフール紛争]])があるため、ロシアの行動は国際的な非難を浴びた。しかしながら、ロシアは輸出するMiG-29は対地攻撃能力がないため問題はないと主張し、予定通り輸出を行った。その結果、[[2003年]]末-翌[[2004年]]6月にかけて計10機のMiG-29EShと2機のMiG-29UBが[[An-124 (航空機)|An-124 ルスラーン]][[輸送機]]によって輸送され、[[スーダン#空軍|スーダン空軍]]の第2戦闘迎撃飛行隊に配備された。
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: 改良型。初飛行は[[1985年]]。当機系列は[[第4世代ジェット戦闘機#第4.5世代ジェット戦闘機|第4+世代ジェット戦闘機]]と定義されている。
: 改良型。初飛行は[[1985年]]。当機系列は[[第4世代ジェット戦闘機#第4.5世代ジェット戦闘機|第4+世代ジェット戦闘機]]と定義されている。
:; [[MiG-29M (航空機)|MiG-29M <small>«9.15»</small>]]
:; [[MiG-29M (航空機)|MiG-29M <small>«9.15»</small>]]
:: 初飛行は[[1987年]]。操縦装置は四重の[[フライ・バイ・ワイヤ]]方式が採用され、[[軍用機のコックピット|コックピット]]の前方には[[ブラウン管|CRT]]を使用した[[グラスコックピット]]が採用された、IRSTは大型化され、レーダーは、新たに開発されたN010[[ジューク (レーダー)|ジューク]]レーダーを装備。主翼は拡大され、その端後縁に丸みが入り、機体上部のLERX部分に装備されたルーバー型の補助空気取り入れ口は廃止され、主翼の前縁の上部に装備されているボルティクス・ジェネレーターを大きい[[迎角]]に適した形状に変更した。その他にも、翼下[[ハードポイント]]を2ヶ所追加。[[水平尾翼]]の形状も変更され、前縁に[[ドッグトゥース (航空)|ドッグトゥース]]が設けられた<ref name="軍事研究2007年8月"/>。新しく設計された新世代機であったが、[[ソ連崩壊]]後のロシアの財政難により開発中止となった。総合的に、[[1990年代]]の[[戦闘機]]としては最も優れた能力を持つ機体であったとされている。NATOでは'''フルクラムE'''(Fulcrum-E)と呼んで識別した。
:: 初飛行は[[1987年]]。操縦装置は四重の[[フライ・バイ・ワイヤ]]方式が採用され、[[軍用機のコックピット|コックピット]]の前方には[[ブラウン管|CRT]]を使用した[[グラスコックピット]]が採用された、IRSTは大型化され、レーダーは、新たに開発されたN010[[ジューク (レーダー)|ジューク]]レーダーを装備。主翼は拡大され、その端後縁に丸みが入り、機体上部のLERX部分に装備されたルーバー型の補助空気取り入れ口は廃止され、主翼の前縁の上部に装備されているボルティクス・ジェネレーターを大きい[[迎角]]に適した形状に変更した。その他にも、翼下[[ハードポイント]]を2ヶ所追加。[[水平尾翼]]の形状も変更され、前縁に[[ドッグトゥース (航空)|ドッグトゥース]]が設けられた<ref name="軍事研究2007年8月"/>。新しく設計された新世代機であったが、[[ソビエト邦の崩壊]]後のロシアの財政難により開発中止となった。総合的に、[[1990年代]]の[[戦闘機]]としては最も優れた能力を持つ機体であったとされている。NATOでは'''フルクラムE'''(Fulcrum-E)と呼んで識別した。
:; MiG-29UBM
:; MiG-29UBM
:: MiG-29Mに準ずる複座練習機型。生産されず。
:: MiG-29Mに準ずる複座練習機型。生産されず。

2020年12月25日 (金) 23:15時点における版

MiG-29/МиГ-29

現行型・MiG-29SMT

現行型・MiG-29SMT

MiG-29(ミグ29、ロシア語МиГ-29ミーグ・ドヴァーッツァヂ・ヂェーヴャチ)は、ソ連ミグ設計局で開発された戦闘機である。北大西洋条約機構(NATO)の使用するNATOコードネームは「フルクラム/ファルクラム(Fulcrum)」。日本では「ラーストチカ(Ласточка)」の愛称でも呼ばれるが、この呼称はロシアでは使われていない。[要出典]

開発

当時東側諸国の主力戦闘機であったMiG-21MiG-23の後継機として、また、1970年代アメリカ合衆国が開発したF-14F-15などの新鋭戦闘機に対抗する新機種として設計された。特にMiG-23が格闘性能第2世代ジェット戦闘機であるMiG-21におよばず、MiG-21を長期に渡って改良しながら運用し続けている状態であったことから、これに代わる格闘性能の高い戦闘機の開発は当時のソ連にとって急務であった。開発は1972年に開始され、1977年10月には「プロダクト9」という試作機がラメンスコイエ航空試験センターで初飛行した。この年の11月にはアメリカの偵察衛星がラメンスコイエ航空試験センターを撮影した際にこの試験機を確認しており、Ram-Lコードネームを与えられている。一方、当時のソ連は新型戦闘機を開発していることを明らかにしており、その後に幾つかの小改修が行われた後に、1982年から量産が開始された。実際に部隊への配備が始まったのは1983年からである。

当初、ミグ設計局では大量採用を見越してスホーイSu-27同様に海軍向けの艦上戦闘機型であるMiG-29Kの開発も完了していた。しかし、冷戦終結に伴う軍縮と財政難の兼ね合いから、一機あたりの価格は高くとも能力が高い機体のほうがコストパフォーマンスが高いと判断したソ連は、MiG-29KよりSu-33(Su-27K)を選択し、ミグ設計局が当初期待した需要を確保することは叶わなかった。また、空軍でもSu-27が主力として多く採用された。

性能と特徴

同時期にスホーイ設計局で開発されたSu-27と形状が似ているのは、ともにTsAGI(中央流体力学研究所)の研究結果を取り入れたためである。外見的に大きく異なるのはその大きさで、前線空軍での局地的使用を想定したMiG-29は簡素・小型であり、防空軍での長距離使用を想定したSu-27は複雑・大型である。武装や燃料搭載量は当然大型のSu-27の方が優れており、特に燃料搭載量の少なさはMiG-29の欠点となっている。

主翼・胴体

エアインテイクを閉じた状態のウクライナ空軍のMiG-29

操縦装置はフライ・バイ・ワイヤ方式ではなく、リンク機構による機械式を採用している。主翼は、前縁にはコンピュータ制御の前縁フラップ、後縁には外側に補助翼と内側にフラップを装備している。主翼付け根部分から前方にかけて長く伸びたLERX(前縁付け根延長)が形成されており、中央胴体とともに揚力を発生させる。主翼前縁の上部には失速防止のためヴォルテックス・ジェネレーターが装備されており、主翼上部からの気流を乱流化することで剝離を防いでいる。垂直尾翼は外側に6度の角度をつけて取り付けられており、水平尾翼は全遊動式である。補助翼と水平尾翼と垂直尾翼の方向舵を連動させてロール軸(ローリング)の操縦性を強化している他、機械式のヨー軸(ヨーイング)操縦安定増強装置が付加されている。

エンジン

エンジンは、アフターバーナー付きターボファンエンジンであるクリーモフ RD-33を2基、胴体下面のエンジンナセルに収容している。

主翼の付け根部分の下部に取付けられているエンジン空気取り入れ口には、開閉式のドアが設けられており、タキシング時にはこのドアを閉めて異物の侵入を防いでいる、ドアには小さい穴を設けて閉じた状態でも空気を取り入れられるようになっているが、それだけでは吸気流量が不足するため、機体上部のLERX部分に装備されたルーバー型の補助空気取り入れ口を開いて、そこから必要な空気を取り入れるようになっている。これは国土が極端に広いソ連の国情を反映したもので、不整地や凍土など滑走路以外から離着陸する際に異物を吸い込んでのエンジン損傷を防ぎ、より安全に運用するための工夫である。

後に開発されたMiG-29M以降の派生型(MiG-29KMiG-35)では、LERX内部を燃料タンクとする目的で、Su-27と同様にエンジン吸気口内部に格子を立てる方式へ変更されている。

コクピット

MiG-29のコックピット。正面のHUDとレーダーディスプレイ以外は、アナログ式の計器類が並んでいる。

コックピットには、前面にアナログ型の計器が並んでおり、前方中央上部にヘッドアップディスプレイ(HUD)がある。操縦桿とエンジンの出力を制御するスロットル・レバーには計10個のスイッチが装備されており、HUDに飛行に必要な情報を映し出すことで、パイロットが飛行中でも視線を逸らしたり手を離すことなく、スイッチを操作することができるHOTASを導入している。

アビオニクス

機首には、ファザトロンN019ルービン コヒーレント型パルス・ドップラー・レーダーを搭載しており、最大探知距離は100km、目標の最大追跡距離は70kmで、ルックダウン・シュートダウン能力を持ち、最大で10目標追尾が可能で、中距離空対空ミサイルにより視程外射程(BVR)攻撃が可能である。複座型は前方のスペースを潰す形で座席を追加したため、一部を除いて簡単な測距レーダーしか搭載していない。

コックピットの風防前にはIRSTレーザー測距装置の入ったセンサー収容部が装備されており、機軸中心線から右にオフセットで取付けられている。また、IRSTの最大探知距離は約15kmとなっており、このセンサーはヘルメットに装着されているShchel(:Щель)またはSura(露:Сура)といったヘッドマウントディスプレイ(HMD)とも連動するようになっており、R-73ミサイルとの併用で機軸から左右60度の範囲に対するオフボアサイト能力を有する。また、自己防御装置としてはSO-69とSPO-15"ベリョーザ"ロシア語版の2種類のレーダー警報受信機と、BVP30-26Mチャフフレア放出器が装備されている。

兵装

機関砲は、口径30mmのGSh-30-1を、左舷側LERXの付け根部分に1門装備している。

ハードポイントは、左右主翼下に3か所ずつ、胴体中心線下に1か所の計7か所であるが、胴体下ハードポイントは増槽専用となっており、兵装は全て主翼下に搭載される。

中距離空対空ミサイルは、R-27(AA-10アラモ)またはR-77(AA-12アッダー)を、短距離空対空ミサイルはR-60(AA-8エイフィド)またはR-73(AA-11アーチャー)を搭載できる。空対空ミサイルは合計6発までのミサイルを搭載できる[注 1]。また、爆弾ロケット弾ポッドなどの対地攻撃兵装も搭載が可能である。

配備

ペルー空軍のMiG-29SE

初期生産型のMiG-29 «9.12»が、1983年末にソ連空軍の前線部隊に配備が開始された[4][5]。前述の通りソ連空軍においては旧式機であるMiG-21が未だ主力として多数配備されていたが、それを急速に更新していった。生産開始当初は輸出もSu-27フランカーより遙かに順調で、ワルシャワ条約機構各国の他、アジアアフリカを中心に多くの国で採用されたが、ソビエト連邦の崩壊以降は輸出面でもSu-27系列機の後塵を拝している。

近年における新規の輸出はわずかにイエメン(MiG-29SMT)、ミャンマー(MiG-29 «9.12»)、ベネズエラ(MiG-29SMT)のみであった。2008年12月17日にはレバノンへ中古機10機の無償譲渡が発表されたものの、レバノン政府はMi-24の購入に代えて辞退した。なお、ペルー(MiG-29SE)やエクアドル(MiG-29SMT)も購入を決めたと言われていた(ペルーは現在使用中のものの追加分)。

しかしながら、2005年10月11日の情報として、ベネズエラは予定していたMiG-29M2と複座型(当初伝えられていたMiG-29SMTではない)の購入をキャンセルし、同国空軍で運用しているミラージュ5およびF-16の後継機を再考した。候補としては、Su-30MKSu-35F-7などが挙げられたが、最終的にSu-30MK2が配備された。アルジェリアMiG-23MSMiG-23BNなどの代替としてMiG-29SMTを購入したが品質の悪い部品が使われているとして受領を拒否され、Su-30MKAを振り替え購入している[6]

後継機のサーブ 39 グリペン式の塗色になったハンガリー空軍のMiG-29

また、近年では維持費用がかさむことから、冷戦時代からこれまでMiG-29を運用してきた東ヨーロッパ各国でもMiG-29は敬遠されるようになり、退役や売却が進んでいる。

このうち、ポーランドはチェコドイツからMiG-29を買い取るなど積極的な政策を採っており、今後もF-16C Block52Su-22M4とともに空軍の主戦力として維持していく方針であるが、他国は維持するだけでも非常に苦心しており、スロバキアも2005年前期にロシアで近代化改修を施すことを決定したものの、予算逼迫によりNATO規格化するための必要最低限の改修と若干の近代化改修しか施すことができずにいる。改修された機体は、MiG-29から改修されたものがMiG-29AS、MiG-29UBから改修されたものがMiG-29UBSと呼称されている。

ブルガリアも、MiG-29は一時期退役状態となり、稼動状態にある戦闘機MiG-21bis SAUのみとなっていたものが2005年までにアメリカ合衆国の支援で再び現役に復帰した、というような苦しい状況である。セルビアは、アメリカ軍をはじめとするNATO軍の攻撃により大きな損害を受けており、現在保有するMiG-29は数機のみとされている。

ドイツ空軍のMiG-29G

ドイツ連邦共和国では、東西ドイツ統一後に、東ドイツが導入していたMiG-29を24機保有するに至り、数少ない西側諸国が保有する東側戦闘機として各国との共同訓練に頻繁に参加させていた。同国のMiG-29Aは、NATO規格のMiG-29Gに改修されたものもあり、同様にいくつかのMiG-29UBはMiG-29GTに改修された。しかしながら、部品供給の問題と低い稼働率、さらにはユーロファイター タイフーンの導入により同国のMiG-29はすべて2005年に退役となった。そのほとんど(23機)は1機1ユーロという破格の値段でポーランドに売却されたが、これにはポーランドが運用する機体のNATO規格化改修をドイツに発注するという条件が付されており、ドイツにも利益のある取引となっている。

また、アメリカ合衆国は、モルドバからイランへの転売が企図されていたMiG-29各型21機を入手し、その特性を研究していたが、試験はすべて終了し、数機がアメリカ空軍ネリス空軍基地に存在している。

朝鮮人民軍空軍のMiG-29

日本においては、MiG-29は特に北朝鮮の戦闘機として知られている。同国へのMiG-29の配備は1980年代から始められたとも言われるが、その真相は長らく不明であった。その中で、2003年3月にアメリカ軍のRC-135偵察機を同国軍のMiG-29とMiG-23が迎撃、威嚇したことが大きく報じられていた。その際に撮影された映像から、同国軍は能力向上型のMiG-29 «9.13»系の機体を保有することが判明した。すなわち、ソ連国内向けの派生型であるMiG-29 «9.13»かMiG-29S «9.13A»、あるいはその輸出型のMiG-29SE «9.13SE»である。前2者はいずれもソ連時代には国内配備のみであり、後者はソビエト連邦の崩壊後に販売に入った機体であるため、いずれの機体であれ、北朝鮮への輸出時期はソ連崩壊後、恐らくは1990年代中盤であったということになる。他方、北朝鮮の朝鮮中央テレビでは、1988年にMiG-29を輸入し、金日成親子が機体を視察したとする番組を放映した。

21世紀初頭にはロシアからスーダンへMiG-29が12機輸出されたが、スーダンでは政府が支援すると見られるアラブ武装勢力によるアフリカ系住民の虐殺問題(ダルフール紛争)があるため、ロシアの行動は国際的な非難を浴びた。しかしながら、ロシアは輸出するMiG-29は対地攻撃能力がないため問題はないと主張し、予定通り輸出を行った。その結果、2003年末-翌2004年6月にかけて計10機のMiG-29EShと2機のMiG-29UBがAn-124 ルスラーン輸送機によって輸送され、スーダン空軍の第2戦闘迎撃飛行隊に配備された。

戦歴

MiG-29は、機動性には優れていると評価されていたが、実戦では十分な支援を受けた敵方との戦闘が相次いだことから、湾岸戦争では5機(イラク空軍機)、コソボ紛争では6機(ユーゴスラビア連邦共和国/セルビア所属)のMiG-29 var.B撃墜されるなど、芳しい戦果を挙げられずにいた。

MiG-29が真価を見せたのは、双方共に十分な支援を得られなかったエチオピアとエリトリア国境紛争におけるSu-27との空戦および2009年南オセチア州の帰属に関してロシアグルジア間に発生した南オセチア紛争においてである。

また、インド空軍のMiG-29は1999年のカルギル紛争において、レーザー誘導爆弾を用いての精密攻撃を行うミラージュ2000の護衛機として活動した。

2019年にはロシア空軍のMiG-29がジョージア無人偵察機をミサイルで撃墜している。

エリトリア国境紛争

エチオピアSu-27 2機/エリトリア:MiG-29 4機) 1999年2月25日に行われた戦闘は、まず、エリトリアのMiG-29が、前線を哨戒飛行中であったエチオピアのSu-27をバドメ上空で迎撃したところから始まった。エチオピアのSu-27は当時配備間もなく、エリトリア側のパイロットたちはこれを排除せねばならないと考えていた。まず、MiG-29はR-27中距離レーダー誘導空対空ミサイル数発を敵機へ発射したが命中せず、逆にSu-27は引き返して搭載するR-27全弾を発射して反撃した。しかしながら、これもすべて命中せず、接近戦に縺れ込むこととなった。その結果、R-73短距離赤外線誘導空対空ミサイルによってエリトリアのMiG-29が1機撃墜されたとされる。その後、エリトリアは、さらに2機のMiG-29を失ったとされる。なお、エチオピアのSu-27は、2機ともエチオピア人による操縦で、エリトリアのMiG-29は、ウクライナ人教官とエリトリア人による操縦であった。

1999年2月25日空中戦の24時間後、同空域においてMiG-21による攻撃部隊を護衛中のエチオピアのSu-27S 1機が、アスマラ方面から飛行してきたエリトリアのMiG-29UB練習戦闘機1機を撃墜しているが、この際のSu-27Sパイロットは女性(Capt. Aster Tolossa)であったとされる。ただし、ここでも情報は錯綜しており、撃墜したのは彼女ではなく、また、エチオピアで初の女性パイロットが誕生したのは2004年6月であり、プロパガンダに過ぎないとするものや、彼女は撃墜したのではなく強制着陸させたのであるとする情報もある。

エリトリアは、その後それ以上MiG-29の損失を増やすことを避けるため、敢えてSu-27に空中戦を挑むことはなくなったとされる。また、その後MiG-29を追加購入するとともに、Su-27をウクライナから導入している。こうした一方、近年アスマラで行われたエリトリア独立10周年記念パレードでは、数機のMiG-29がMi-8AB.412とともに上空パスを行う様子がテレビで放映され、エリトリアはMiG-29の健在をアピールしている。

情報が錯綜しているため、以下のような異説がある。

  • エチオピアのSu-27が撃墜された。
  • エチオピアのパイロットはエチオピア人ではなくロシア人である。
  • ACIGには以下のような戦闘結果が掲載されている
    1999年2月25日、エチオピア空軍第5飛行隊に所属するロシア人傭兵操縦のSu-27が、合計6発のR-27でエリトリア空軍第5飛行隊のMiG-29を2機撃墜、R-73で1機撃墜。
    同年2月26日、Su-27が、R-73若しくは30mm機関砲でMiG-29を1機撃墜(Asther Tolossa撃墜と言われているもの)。
    同年5月18日、パイロット不明のSu-27が、合計4発のR-27でMiG-29を2機撃墜。
    2000年5月16日、エチオピア人パイロット操縦のSu-27が、2発のR-27でMiG-29を1機撃墜。
    同年5月18日、エチオピア人パイロット操縦のSu-27が、2発のR-73でMiG-29を1機撃墜。

以上Su-27とMiG-29の間での交戦記録に関するもの

  • 同ソースより、これ以外の同期間におけるMiG-29関連の戦闘結果は以下のように紹介されている
    1999年2月25日、エリトリア空軍第5航空隊に所属するパイロット不明のMiG-29が、2発のR-27でエチオピア空軍MiG-23を1機撃墜。
    同年2月26日、エチオピア人義勇兵が合計2発のR-73でMIG-21を2機撃墜。
    2000年5月18日、エリトリア人パイロットが2発のR-27でMiG-21を1機撃墜、GSh-30-1 30mm機関砲でMiG-21を1機撃墜。

派生・発展型

«»は製品番号

«9»
設計局内での試作機のコードネームプロイェークト9Проект 9)とも。偵察衛星で存在を確認したアメリカは、当機をラムL(Ram-L)と呼んで識別した。
MiG-29A
搭載するN019 ルービンレーダーの開発失敗に備えるために、MiG-23MLのレーダーを改良した「ヤンターリ」を搭載した計画案。実機制作前にルービンの開発の目処が立ったため制作されず。
MiG-29 «9.11»
プロトタイプ
MiG-29 «9.12»
ソ連国内向けの基本型。初飛行は1977年NATOではフルクラムA(Fulcrum-A)と呼んで識別した。
MiG-29UB «9.51»
複座練習機型。初飛行は1981年。NATOではフルクラムB(Fulcrum-B)と呼んで識別した。
MiG-29 var.A «9.12A»
ワルシャワ条約機構向けのダウングレード輸出型。同条約機構解散後は9.12B規格に改修されたとも言われている。
MiG-29G
MiG-29 var.Aの統一ドイツでのNATO改修型。
MiG-29GT
MiG-29UBの統一ドイツでのNATO改修型。
MiG-29 «9.12M»
ウクライナにおける近代化改修型。リヴィウ航空機修理工場ウクライナ語版ロシア語版で実施された。最初の機体はウクライナ海軍に配備されたとされるが、改修対象となった機数は不明。なお、リヴィウ航空機修理工場ではこれとは別の近代化改修(MiG-29MU1ウクライナ語版ロシア語版)をMiG-29 «9.13»を対象に実施しており、改修機は2008年より部隊配備される。また、それに先駆けて同様の改修を受けた機体がアゼルバイジャンに提供されている。
MiG-29 スナイパー
ルーマニアイスラエルが共同開発した近代化改修型。新型デジタルミッションコンピュータ、通信、ナビゲーションシステム、トランスポンダ、多機能コックピットディスプレイレーダー警報受信機を導入し、NATO軍との相互運用性を向上させている。
MiG-29 var.B «9.12B»
それ以外の国向けのダウングレード輸出型。
L-18
MiG-29 var.Bユーゴスラビア(現セルビア)での呼称。
NL-18
MiG-29UBのユーゴスラビア(現セルビア)での呼称。
MiG-29ESh
MiG-29 var.Bスーダン向け輸出型。輸出された2003年頃、スーダンはダルフール紛争による国際的非難を浴びており、兵器輸出を行ったロシアは当機について対地攻撃に使用できない派生型であるため紛争とは無関係であると説明している。
MiG-29SD
輸出向けに開発された、9.13S規格に準じた9.12規格機。初飛行は1995年
MiG-29N
MiG-29SDのマレーシア向け輸出型。初飛行は1998年
MiG-29NUB
マレーシアに輸出された複座練習機型。
MiG-29AS
MiG-29SDに準ずる改修を行ったスロバキア空軍の機体。敵味方識別装置などがNATO規格に改修された。
MiG-29UBS
MiG-29ASに準ずる複座練習機型。
MiG-29 «9.13»
9.12規格の改良型であるが、背面タンク拡大による燃料搭載量以外は変化ないと言われる。初飛行は1984年。NATOではフルクラムC(Fulcrum-C)と呼んで識別した。
MiG-29S «9.13S»
9.13規格の能力向上型。電子装備・レーダーは強化され、N-019/SUV型レーダーを搭載。背面タンク拡大により搭載燃料を増加。初飛行は1989年
MiG-29SM «9.13M»
MiG-29Sの能力向上型。初飛行は1995年
MiG-29SE «9.13SE»
9.13規格の輸出型。
MiG-29BM
9.17規格の技術を応用したベラルーシ向けの9.13規格機の能力向上型。
MiG-29 «9.14»
改良型。初飛行は1985年。当機系列は第4+世代ジェット戦闘機と定義されている。
MiG-29M «9.15»
初飛行は1987年。操縦装置は四重のフライ・バイ・ワイヤ方式が採用され、コックピットの前方にはCRTを使用したグラスコックピットが採用された、IRSTは大型化され、レーダーは、新たに開発されたN010ジュークレーダーを装備。主翼は拡大され、その端後縁に丸みが入り、機体上部のLERX部分に装備されたルーバー型の補助空気取り入れ口は廃止され、主翼の前縁の上部に装備されているボルティクス・ジェネレーターを大きい迎角に適した形状に変更した。その他にも、翼下ハードポイントを2ヶ所追加。水平尾翼の形状も変更され、前縁にドッグトゥースが設けられた[4]。新しく設計された新世代機であったが、ソビエト連邦の崩壊後のロシアの財政難により開発中止となった。総合的に、1990年代戦闘機としては最も優れた能力を持つ機体であったとされている。NATOではフルクラムE(Fulcrum-E)と呼んで識別した。
MiG-29UBM
MiG-29Mに準ずる複座練習機型。生産されず。
MiG-29ME(MiG-33)
9.15規格の輸出型であったが、生産されず。
MiG-29OVT
初飛行は2005年エンジンアビオニクスを近代化、MiG-35に搭載する推力偏向ノズルを試験装備したテストベッド機で、開発中止となった9.15規格の機体を流用。航空ショーにおける展示飛行では、ダブルクルビット、ブーメランを筆頭にSu-30MK以上の高機動を見せた。
MiG-29K «9.31»
9.15規格の艦上戦闘攻撃機型。艦載化のため、脚構造の強化、着艦フックの装備、フラップの拡大、などの改造点が挙げられる。なお、空中給油用の格納型プローブを機首左側に装備し、インテークの蓋・機体上面の補助インテークは廃止されている。選定でSu-27Kに敗れ開発中止。初飛行は1988年。NATOではフルクラムD(Fulcrum-D)と呼んで識別した。
MiG-29KU «9.62»
複座艦上練習機型。教官席はレドーム位置に設けられる予定であった。生産されず。
MiG-29M2
2002年に初飛行した新世代型。当機系列は第4++世代ジェット戦闘機と定義されている。なお、当機系列は複座が基本型である。この機体はMiG-29KUB/Kのベースとなり、後にMiG-35へと発展した。
MiG-29M(MiG-29M1)
MiG-29M2の単座型。MiG-29M «9.15»とは異なる。
MiG-35D
MiG-29M2のアビオニクスを強化したもの。オプションでMiG-29OVTと同じ推力偏向ノズルを搭載可能。NATOではフルクラムF(Fulcrum-F)と呼んで識別した。
MiG-35
MiG-35Dの単座型。
MiG-29K «9.41»
MiG-29Mの艦上戦闘攻撃機型。初飛行は2007年。インド側の要求が大幅に取り入れられており、軽量化や短距離離陸能力の強化、搭載燃料の増加や低RCS塗料の採用が行われている。2008年5月からインド海軍への引渡しが始まることが決定した。
MiG-29KUB «9.47»
MiG-29M2の艦上練習機型。操縦席配置はMiG-29M2のようなオーソドックスなタンデム方式。インド海軍に採用された。
MiG-29SMT «9.17»
9.15規格の技術を用いて従来の使用機を改修する機体。初飛行は1998年。改修対象は、初期型の9.12規格や9.13規格から新しい背部構造を持った9.17規格まで広範囲におよぶ。イエメンに納入されたMiG-29SMTは9.12規格の機体フレームを使用していたが、2008年に公開されたアルジェリア向けのMiG-29SMTは大型の背部を有する完全な9.17規格のフレームを使用していた。
MiG-29UBT «9.52»
MiG-29SMTの複座戦闘攻撃機型。初飛行は1998年
MiG-29SMT2 «9.17A»
9.17規格機の能力向上型。MiG-29SMT-IIとも呼ばれる。
MiG-29SMT «9.18»
9.17A規格をベースとしてさらに改良したモデル。大型の背部構造は廃止されている。
MiG-29UBT «9.53»
複座戦闘攻撃機型。
MiG-29SMT «9.19»
9.18規格をさらに改良したモデル。9.17規格と同様の背部構造を残しつつ内部燃料タンクを削減したもの。
MiG-29SMTK «9.17K»
9.17規格の艦上戦闘攻撃機型。
MiG-29K-2002
MiG-29SMTKに西側装備品搭載能力を追加した輸出型。MiG-29K «9.41»と高い共通性を有する。MiG-29MTKとも呼ばれる。
MiG-29K-2008
MiG-29K-2002の能力向上型。MiG-35と高い共通性を有する。

運用国 (推定・今後の導入予定を含む)

ロシア空軍のMiG-29UB
ドイツ空軍のMiG-29G
ポーランド空軍のMiG-29
ハンガリー空軍のMiG-29
ルーマニア空軍のMiG-29
モルドバ空軍のMiG-29UB
セルビア空軍のL-18
ロシア連邦
空軍 - 各種
海軍航空隊 - MiG-29 «9.12»/MiG-29 «9.13»/MiG-29S/MiG-29UB
ベラルーシ
空軍及び防空軍 - MiG-29 «9.12»/MiG-29 «9.13»/MiG-29S/MiG-29BM/MiG-29UB
ウクライナ
空軍 - MiG-29 «9.12»/MiG-29 «9.12M»/MiG-29 «9.13»/MiG-29S/MiG-29UB
防空軍 - MiG-29 «9.12»/MiG-29 «9.13»/MiG-29S/MiG-29UB
海軍航空隊 - MiG-29 «9.12»/MiG-29 «9.13»/MiG-29S/MiG-29UB
モンゴル国
空軍 - MiG-29 «9.13»(MiG-29S?)/MiG-29UB
カザフスタン
防空軍 - MiG-29/MiG-29UB
ウズベキスタン
空軍 - MiG-29 «9.13»(MiG-29S?)/MiG-29UB
トルクメニスタン
空軍 - MiG-29 «9.13»(MiG-29S?)/MiG-29UB
アゼルバイジャン
空軍 - MiG-29 «9.13»(MiG-29S?)/MiG-29UB
ペルー
空軍 - MiG-29S/MiG-29SE/MiG-29UB
ベネズエラ
空軍 - MiG-29M2/MiG-29UB(キャンセル)
エクアドル
空軍 - MiG-29SMT/MiG-29UB(不明)
ポーランド
空軍 - MiG-29/MiG-29UB(NATO規格に改修)
ブルガリア
空軍 - MiG-29/MiG-29UB(アメリカ合衆国の支援で現役復帰)
スロベニア
空軍 - MiG-29/MiG-29UB(不明)
セルビア
空軍及び防空軍 - L-18/NL-18
キューバ
空軍 - MiG-29/MiG-20UB
アルジェリア
空軍 - MiG-29 «9.13»(MiG-29S?SE?)/MiG-29UB/MiG-29SMT(予定)
リビア
空軍 - MiG-29/MiG-29UB
レバノン
空軍 - MiG-29 «9.13»(MiG-29S?SE?)/MiG-29UB/MiG-29SMT(予定)
シリア
空軍 - MiG-29/MiG-29UB
イラン
空軍 - MiG-29/MiG-29UB
イエメン
空軍 - MiG-29/MiG-29SMT/MiG-29UB
インド
空軍 - MiG-29/MiG-29UB(2020年に追加購入と保有機体の改修計画が発表されている[7]
海軍 - MiG-29K/MiG-29KUB
バングラデシュ
空軍 - MiG-29/MiG-29UB
ミャンマー
空軍 - MiG-29 «9.12»/MiG-29UB[8]
マレーシア
空軍 - MiG-29N/MiG-29NUB
エリトリア
空軍 - MiG-29 «9.12»/MiG-29UB
エチオピア
空軍 -MiG-29 «9.12»/MiG-29UB
スーダン
空軍 - MiG-29ESh/MiG-29UB
スロバキア
空軍 - MiG-29/MiG-29AS/MiG-29UB/MiG-29UBS(AS/UBSはNATO規格)
朝鮮民主主義人民共和国
空軍 - MiG-29 «9.12»/MiG-29 «9.13»(MiG-29S?SE?)/MiG-29UB

退役

ソ連
空軍 - 各種
海軍航空隊 - MiG-29 «9.12»/MiG-29 «9.13»/MiG-29S/MiG-29UB
イラク
空軍 - MiG-29/MiG-29UB
モルドヴァ
空軍 - MiG-29 «9.12»/MiG-29 «9.13»/MiG-29S?/MiG-29UB
セルビア・モンテネグロ
空軍及び防空軍 - L-18/NL-18
ドイツ
空軍 - MiG-29/MiG-29G/MiG-29UB/MiG-29GT(G/GTはNATO規格)
ドイツ民主共和国
国家人民軍空軍 - MiG-29/MiG-29UB
ハンガリー
空軍 - MiG-29/MiG-29UB
チェコスロバキア
空軍 - MiG-29/MiG-29UB
チェコ
空軍 - MiG-29/MiG-29UB
ユーゴスラビア
空軍及び防空軍 - L-18/NL-18
ルーマニア
空軍 - MiG-29/MiG-29 «9.13»(MiG-29S?)/MiG-29UB/MiG-29 Sniper

展示飛行チーム

MiG-29を使用する展示飛行チームとして、以下のようなものがある。

ロシア空軍の「ストリージ」(Стрижи)では、の特別色塗装したMiG-29 «9.12»とMiG-29UBを運用してきた。機体はのちにMiG-29 «9.13»とMiG-29UBに変更され、塗色も中国訪問にあわせを基調とした白・赤・青の塗り分けに変更された。ただし、このときの中国訪問は実現しなかった。現在は、3番目のパターンを採用している。塗色は平面形で見ると、チーム名の「ストリーシュ」(стриж:「雨燕」)のシルエットとなっている。「ストリージ」は、現在も各地の航空ショーで活発な活動を続けている。英語名は「スウィフツ」(Swifts)。その他、MiG-29OVTデモンストレーターも「ストリージ」の塗色に準じた派手な塗色を施されている。

ウクライナ空軍の「ウクライィーンスィキ・ソーコルィ」(Українські соколи:「ウクライナたち」)では、MiG-29 «9.13»とMiG-29UBが運用された。チームは主として国内でのアピールを行っていたが、海外での飛行実績もある。機体は、ウクライナのナショナルカラーである明るい青とを基調に白と赤とで彩ったものであった。英語名は「ウクライニアン・ファルコンズ」(Ukrainian falcons)。

その他、スロバキア空軍でも臨時の展示飛行チームが編成されたことがあり、2機のMiG-29による実戦用戦闘機の速度を生かした迫力ある飛行を披露した。

スペック (MiG-29SM)

  • 全長:17.32m
  • 全幅:11.36m
  • 全高:4.73m
  • 重量
    • 通常離陸重量:15,300kg
    • 最大離陸重量:20,000kg
  • 最大速度
    • 低空:1,500km/h
    • 高空:2,400km/h
    • マッハ:2.25
  • 実用上昇限度:17,750m
  • 最大G:9
  • 航続距離
    • 増槽なし:1,500km
    • 増槽1基:2,100km
    • 増槽3基:2,900km
    • 増槽3基と1回の空中給油:5,000km以上
  • 発動機:クリーモフ RD-33 ターボファンエンジン×2基
  • 推力:8,300kg×2
  • 運用寿命:2,500時間。寿命延長改修により最大4,000時間にまで延長可能[9]
  • ハードポイント数:6
  • 武装

出典[1]

登場作品

脚注

注釈

  1. ^ 外側にR-73を各2発、内側にR-27を各1発搭載するのが通常装備となっている。

出典

  1. ^ "The MiG-29 fighters family". Archived 19 June 2015 at the Wayback Machine. Russian Aircraft Corporation MiG, 8 December 2014. Retrieved: 19 September 2018.
  2. ^ Md. Mamun Murtaza Sheriff. “MiG-29s to be jettisoned”. 4 March 2016時点のオリジナルよりアーカイブ14 November 2014閲覧。
  3. ^ Многоцелевой истребитель МиГ-29С - Армейский вестник”. army-news.ru. 3 February 2019時点のオリジナルよりアーカイブ2 February 2019閲覧。
  4. ^ a b 軍事研究2007年8月「ロシア空軍戦闘機&攻撃機の戦力動向」
  5. ^ Уголок неба. 2006 (Страница: "МиГ МиГ-29 (9-12)" Дата модификации: 10-10-2007) (ロシア語)
  6. ^ Russia opens criminal case over MiG fighters returned by Algeria
  7. ^ インド、ロシア製戦闘機33機購入を承認 対中関係悪化受け”. AFP (2020年7月3日). 2020年6月29日閲覧。
  8. ^ International Institute for Strategic Studies(IISS),“The Military Balance 2008”,2008
  9. ^ Attrition: The Art Of Aging Effectively

関連項目

外部リンク