「国立国父紀念館」の版間の差分
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1866年生まれの孫文の生誕100年を記念して建設されたもの<ref name="chiq_2010" />。1968年に着工し<ref name="fukuro2010">{{Citation |和書 |last=王 |first=恵君 |last2=二村 |first2=悟 |last3=後藤 |first3=治 監修 |title=図説台湾都市物語 : 台北・台中・台南・高雄 |series=ふくろうの本 |publisher=河出書房新社 |year=2010 |url=http://ci.nii.ac.jp/ncid/BB01154634 }} 82頁。</ref>、1972年5月に竣工した<ref name="rau1999" />。設計は大洪建築師事務所の王大閎 ([[:zh:王大閎|zh]])、施工は毅成建設であった<ref name="fukuro2010" />。 |
1866年生まれの孫文の生誕100年を記念して建設されたもの<ref name="chiq_2010" />。1968年に着工し<ref name="fukuro2010">{{Citation |和書 |last=王 |first=恵君 |last2=二村 |first2=悟 |last3=後藤 |first3=治 監修 |title=図説台湾都市物語 : 台北・台中・台南・高雄 |series=ふくろうの本 |publisher=河出書房新社 |year=2010 |url=http://ci.nii.ac.jp/ncid/BB01154634 }} 82頁。</ref>、1972年5月に竣工した<ref name="rau1999" />。設計は大洪建築師事務所の王大閎 ([[:zh:王大閎|zh]])、施工は毅成建設であった<ref name="fukuro2010" />。 |
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30.4[[メートル]]の高さ<ref name="chiq_2010" />をもつこの記念館は中国の寺院風の外観を持ち<ref name="fukuro2010" />、南に構えられた正面入口の[[庇]]は大きく反っている。「カブトムシの角のよう<ref>前掲 {{harv|王|二村|後藤|2010|p=81}} 。</ref>」と例えられるこの庇の反りは、内部の高さおよび採光確保のためと考えられている<ref name="fukuro2010" />。屋根は黄色であるが、この色は[[陰陽|陰陽説]]を応用した物で、黄色は「地」すなわち「陰」を意味しているとされる<ref>{{Citation |和書 |last=水原 |first=寿里 |last2=武 |first2=衛平 |title=中国文化における中国語の特質に関する一考察 |journal=アジア文化研究 |issn=0917771X |publisher=美術科教育学会 |number=6 |year=1999 |pages=212-224 |url=https://ci.nii.ac.jp/naid/130004242970}} 216-218頁。</ref>。入口は公園のレベルより高く、少し階段を上る必要がある。正面入口の扁額『国父紀念館』の字は[[蔣介石]]によるもの<!--https://commons.wikimedia.org/wiki/File:%E5%9C%8B%E7%88%B6%E7%B4%80%E5%BF%B5%E9%A4%A897-08-27_-_panoramio_-_Tianmu_peter_(3).jpg参照-->。階段を上ったあとは記念館の外周に沿って回廊状となっており、正面以外(東西北)の各辺からも内部へ至る入口が設けられている<ref name="fukuro2010" />。 |
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正面入口から入ると吹き抜けになっている空間が開け、正面には孫文の8.9メートル座像が置かれている<ref>{{Citation |和書 |author=JTBパブリッシング |title=ソロタビ 台北 |year=2016 |page=20 |url=https://books.google.co.jp/books?id=N3vYCwAAQBAJ}}</ref>。その像を守備するための衛兵が手前左右に立っており、衛兵交代式は毎時0分に行われている<ref name="nav">{{Cite web |url=http://www.taipeinavi.com/miru/12/ |title=国父紀念館 |website=台北ナビ |publisher=株式会社台湾ナビ |accessdate=2016-11-20}}</ref>。この広間の左右には展覧室への入口があり、左手(西側)の部屋では孫文の生涯が、右手(東側)の部屋では史蹟が展示されている<ref>以下は特記ない限り案内図(座像の東側、奥への通路に掲示されているもの)より。2016年11月11日閲覧。</ref>。孫文座像の裏手は大会堂で、こちらも3階までの吹き抜けになっており、2600人ほど収容できる規模を持っている<ref name="xydo" />。各所に階段があり、地下1階地上3階までアクセスできる。地下は資料室や自習室があり、カルチャースクールなども開催されている。2、3階は個室になったギャラリーが複数あり、それぞれ書画などの展示に利用されている。2階東側には'''孫逸仙博士図書館'''があり<ref>{{Cite web |url=http://sun.yatsen.gov.tw/lib/library/eng/01_about/02_list.php |archiveurl=http://archive.is/y9yqu |archivedate=2016-11-20 |title=Floor Plan |publisher=Dr. Sun Yat-sen Library. |accessdate=2016-11-20}}{{en icon}}</ref>、蔵書は30万冊以上という<ref name="chiq_2010" />。 |
正面入口から入ると吹き抜けになっている空間が開け、正面には孫文の8.9メートル座像が置かれている<ref>{{Citation |和書 |author=JTBパブリッシング |title=ソロタビ 台北 |year=2016 |page=20 |url=https://books.google.co.jp/books?id=N3vYCwAAQBAJ}}</ref>。その像を守備するための衛兵が手前左右に立っており、衛兵交代式は毎時0分に行われている<ref name="nav">{{Cite web |url=http://www.taipeinavi.com/miru/12/ |title=国父紀念館 |website=台北ナビ |publisher=株式会社台湾ナビ |accessdate=2016-11-20}}</ref>。この広間の左右には展覧室への入口があり、左手(西側)の部屋では孫文の生涯が、右手(東側)の部屋では史蹟が展示されている<ref>以下は特記ない限り案内図(座像の東側、奥への通路に掲示されているもの)より。2016年11月11日閲覧。</ref>。孫文座像の裏手は大会堂で、こちらも3階までの吹き抜けになっており、2600人ほど収容できる規模を持っている<ref name="xydo" />。各所に階段があり、地下1階地上3階までアクセスできる。地下は資料室や自習室があり、カルチャースクールなども開催されている。2、3階は個室になったギャラリーが複数あり、それぞれ書画などの展示に利用されている。2階東側には'''孫逸仙博士図書館'''があり<ref>{{Cite web |url=http://sun.yatsen.gov.tw/lib/library/eng/01_about/02_list.php |archiveurl=http://archive.is/y9yqu |archivedate=2016-11-20 |title=Floor Plan |publisher=Dr. Sun Yat-sen Library. |accessdate=2016-11-20}}{{en icon}}</ref>、蔵書は30万冊以上という<ref name="chiq_2010" />。 |
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== 主な用途 == |
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[[蔣経国]](1978年)や[[李登輝]](1990年)の[[中華民国総統]]就任時の宣誓がここで行われた<ref>{{Zh-tw icon}}[http://www.soundofhope.org/b5/2018/10/13/n2266098.html 組圖:台北孫中山國父紀念館游] 2018年10月13日 希望之聲</ref>。 |
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また例年[[金曲奨]]<ref>[http://japan.cna.com.tw/topic/column/201711230001.aspx 第54回金馬奨ノミネート紹介:長編フィクション作品賞] 2017年11月23日 [[フォーカス台湾]]</ref>、[[金鐘奨]]<ref>[http://japan.cna.com.tw/topic/column/201810190001.aspx 第53回金鐘奨授賞式 クラウド・ルーが2冠/台湾] 2018年10月19日 フォーカス台湾</ref>、[[金馬奨]]<ref>[http://japan.cna.com.tw/topic/column/201901020001.aspx 第55回金馬奨授賞式 台湾映画「誰先愛上他的」が3部門受賞] 2019年1月2日 フォーカス台湾</ref>の授賞式会場となっている。 |
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2020年9月15日 (火) 14:44時点における版
国立国父紀念館 | |
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國立國父紀念館 | |
台湾(中華民国) | |
概要 | |
所在地 | 中華民国(台湾)台北市信義区 |
座標 | 北緯25度2分24秒 東経121度33分36秒 / 北緯25.04000度 東経121.56000度座標: 北緯25度2分24秒 東経121度33分36秒 / 北緯25.04000度 東経121.56000度 |
国父紀念館 Sun Yat-Sen Memorial Hall | |
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中華民国 文化資産 | |
登録名称 | 國父紀念館 |
種類 | 紀念館 |
等級 | 台北市市定古蹟 |
文化資産登録 公告時期 | 2019年5月3日[1] |
位置 | 中華民国(台湾) 台北市信義区 |
建設年代 | 1972年 |
国立国父紀念館(こくりつこくふきねんかん、英語: Sun Yat-Sen Memorial Hall)は台北市信義区にある記念館[2]。博物館としても分類される[3]。名称の国父とは孫文のこと。11ヘクタール[4]の敷地をもつ中山公園の中に建っている[5]。なお、英語表記は孫文が欧米では別号「逸仙」の広東語ローマ字表記である"Sun Yat-sen"で知られていることによる。
概要
1866年生まれの孫文の生誕100年を記念して建設されたもの[2]。1968年に着工し[6]、1972年5月に竣工した[3]。設計は大洪建築師事務所の王大閎 (zh)、施工は毅成建設であった[6]。
30.4メートルの高さ[2]をもつこの記念館は中国の寺院風の外観を持ち[6]、南に構えられた正面入口の庇は大きく反っている。「カブトムシの角のよう[7]」と例えられるこの庇の反りは、内部の高さおよび採光確保のためと考えられている[6]。屋根は黄色であるが、この色は陰陽説を応用した物で、黄色は「地」すなわち「陰」を意味しているとされる[8]。入口は公園のレベルより高く、少し階段を上る必要がある。正面入口の扁額『国父紀念館』の字は蔣介石によるもの。階段を上ったあとは記念館の外周に沿って回廊状となっており、正面以外(東西北)の各辺からも内部へ至る入口が設けられている[6]。
正面入口から入ると吹き抜けになっている空間が開け、正面には孫文の8.9メートル座像が置かれている[9]。その像を守備するための衛兵が手前左右に立っており、衛兵交代式は毎時0分に行われている[10]。この広間の左右には展覧室への入口があり、左手(西側)の部屋では孫文の生涯が、右手(東側)の部屋では史蹟が展示されている[11]。孫文座像の裏手は大会堂で、こちらも3階までの吹き抜けになっており、2600人ほど収容できる規模を持っている[5]。各所に階段があり、地下1階地上3階までアクセスできる。地下は資料室や自習室があり、カルチャースクールなども開催されている。2、3階は個室になったギャラリーが複数あり、それぞれ書画などの展示に利用されている。2階東側には孫逸仙博士図書館があり[12]、蔵書は30万冊以上という[2]。
2018年、台北市政府文化局の審議を通過し[13]、2019年5月に直轄市定古蹟に登録された。
主な用途
蔣経国(1978年)や李登輝(1990年)の中華民国総統就任時の宣誓がここで行われた[14]。
また例年金曲奨[15]、金鐘奨[16]、金馬奨[17]の授賞式会場となっている。
その他
台北101から見た当地の池の形がiPhone6に似ているとインターネット上で話題になり、訪れた中国人観光客も「孫中山専用iPhone」として記念撮影するようになった[18]。
入口の扁額 | 台北101からの国父紀念館と池 |
アクセス
捷運は板南線(南港線)国父紀念館駅より徒歩3分[10]。バス停は捷運國父紀念館站、捷運國父紀念館站(仁愛)、捷運國父紀念館站(光復)があり、それぞれ複数系統が停車する[5]。
脚注
- ^ 國父紀念館 文化部文化資産局 国家文化資産網
- ^ a b c d 地球の歩き方編集室『地球の歩き方 D10 (台湾)』(21版)ダイヤモンド社、2010年、91頁。ISBN 9784478058299。
- ^ a b 劉素真「歴史的視座から見る台湾の博物館の役割」『美術教育学 : 美術科教育学会誌』、美術科教育学会、433-443頁、1999年。ISSN 0917771X 。 435頁。
- ^ 楊蓓涵; 金子忠一; 蓑茂寿太郎「施策公園の展開に関する台日比較」『ランドスケープ研究』第5号、日本造園学会、813-818頁、2005年 。 814頁。
- ^ a b c “國父紀念館”. 臺北市信義區公所. 2016年11月20日閲覧。
- ^ a b c d e 王恵君; 二村悟; 後藤治 監修『図説台湾都市物語 : 台北・台中・台南・高雄』河出書房新社〈ふくろうの本〉、2010年 。 82頁。
- ^ 前掲 (王, 二村 & 後藤 2010, p. 81) 。
- ^ 水原寿里; 武衛平「中国文化における中国語の特質に関する一考察」『アジア文化研究』第6号、美術科教育学会、212-224頁、1999年。ISSN 0917771X 。 216-218頁。
- ^ JTBパブリッシング『ソロタビ 台北』2016年、20頁 。
- ^ 以下は特記ない限り案内図(座像の東側、奥への通路に掲示されているもの)より。2016年11月11日閲覧。
- ^ “Floor Plan”. Dr. Sun Yat-sen Library.. 2016年11月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年11月20日閲覧。
- ^ 國父紀念館獲指定古蹟 大巨蛋連通出口將須送審 2018年12月28日 中央通訊社
- ^ 組圖:台北孫中山國父紀念館游 2018年10月13日 希望之聲
- ^ 第54回金馬奨ノミネート紹介:長編フィクション作品賞 2017年11月23日 フォーカス台湾
- ^ 第53回金鐘奨授賞式 クラウド・ルーが2冠/台湾 2018年10月19日 フォーカス台湾
- ^ 第55回金馬奨授賞式 台湾映画「誰先愛上他的」が3部門受賞 2019年1月2日 フォーカス台湾
- ^ 國父紀念館水池 俯瞰超像哀鳳6 2015年1月18日 自由時報