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佐藤は[[津田静枝]]、[[須賀彦次郎]]らと同様、日本海軍が養成した中国問題の専門家であった。海軍における中国専門家は傍流であった<ref>『海軍と日本』90頁</ref>が、佐藤は海大甲種出身という珍しい存在である。少佐時代から中華民国関連の職務にあり、中華民国要人の知己も多かったが、対馬艦長時代には海賊の頭目と称された人物を訪問するなど、様々な階層とつながりがあった。佐藤は[[蔣介石]]の信頼を得ており、予備役編入の際は日本海軍の軍人としてただ一人、中華民国最高勲章を授与された<ref>『海軍くろしお物語』18頁</ref>。 |
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2020年9月15日 (火) 14:30時点における版
佐藤 脩 | |
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生誕 | 1886年12月5日 |
死没 | 1974年2月4日(87歳没) |
所属組織 | 大日本帝国海軍 |
軍歴 |
1907年 - 1937年 1943年 - 1946年 |
最終階級 | 海軍少将 |
除隊後 | 日本屑鉄統制株式会社常務取締役 |
佐藤 脩(さとう おさむ、1886年(明治19年)12月5日 - 1974年(昭和49年)2月4日)は、日本の海軍軍人。最終階級は海軍少将。日本海軍の中華民国専門家である。旧姓古川。
人物・来歴
- 略歴
横浜市出身。本籍は青森県にあった[1]。横浜一中を経て、海軍兵学校に首席[1][2]入校。1907年(明治40年)卒業。席次は172人中26番。佐藤は海兵35期の一人である。1913年(大正2年)12月大尉へ進級し、「薩摩」分隊長。翌年海軍大学校(以下「海大」)専修学生を修了し、航海科専攻士官となる。佐藤は6艦で航海長を務めた。
1919年(大正8年)、海大甲種学生に入校(19期)。海大同期に草鹿任一、小沢治三郎がいる。1922年(大正12年)砲艦・「伏見」艦長となる(階級は少佐)。その後は第一遣外艦隊参謀、軍令部参謀(三班六課)、軍令部参謀兼第一遣外艦隊司令部附、軍令部参謀と参謀勤務が多く、「長門」副長を経て、1928年(昭和3年)12月大佐へ進級。第二遣外艦隊所属の「対馬」艦長に補され、北支警備に従事した。翌年には軍令部に戻り、三班六課長として中華民国情報の責任者となる。なお満州事変勃発に伴い、六課は中華民国専門となり、七課・八課が分離したため一時3つの課長職を兼務している。事変後に軍令部次長の百武源吾が満州視察を行った際は同行した[3]。1932年(昭和7年)12月、中華民国公使館(のち大使館)附武官となり、緊張状態にある日中間の調整にあたる。在任中に少将へ昇進し、同職を4年務めた。1937年(昭和12年)12月、予備役編入。
日本屑鉄統制株式会社の常務を務めていた[4]が、1943年(昭和18年)10月に充員召集を受け、北京在勤武官として再び中国での活動に従事。召集解除は1946年(昭和21年)12月であった。稚松会会員。
- 中国通
佐藤は津田静枝、須賀彦次郎らと同様、日本海軍が養成した中国問題の専門家であった。海軍における中国専門家は傍流であった[5]が、佐藤は海大甲種出身という珍しい存在である。少佐時代から中華民国関連の職務にあり、中華民国要人の知己も多かったが、対馬艦長時代には海賊の頭目と称された人物を訪問するなど、様々な階層とつながりがあった。佐藤は蔣介石の信頼を得ており、予備役編入の際は日本海軍の軍人としてただ一人、中華民国最高勲章を授与された[6]。
- 航海長を務めた艦
- 親族
栄典
脚注
- ^ a b 『海軍兵学校沿革』「明治三十七年 十一月十八日」
- ^ 『日本陸海軍総合事典』262頁
- ^ 石井稔編著『異色の提督 百武源吾』異色の提督百武源吾刊行会、1979年。257頁
- ^ 『大衆人事録 東京篇』「佐藤脩」
- ^ 『海軍と日本』90頁
- ^ 『海軍くろしお物語』18頁
- ^ 『日本陸海軍総合事典』634頁
- ^ 『日本陸海軍総合事典』「主要陸海軍人の履歴」栗田健男・佐藤脩
- ^ 『官報』第451号「叙任及辞令」1914年1月31日。
参考文献
- アジア歴史資料センター 『海軍少将佐藤脩外十一名外国勲章受領及佩用ノ件』(A10113230100)
- 池田清『海軍と日本』中公新書、2010年。ISBN 4-12-100632-1。
- 海軍歴史保存会編 『日本海軍史』(第10巻) 第一法規出版
- 『財団法人稚松会名簿』
- 帝国秘密探偵社編纂部『大衆人事録 東京篇』 (第13版 1939年10月)
- 外山操編『陸海軍将官人事総覧 海軍篇』芙蓉書房出版、1981年。ISBN 4-8295-0003-4。
- 秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』東京大学出版会
- 福地周夫『海軍くろしお物語』光人社、1983年。ISBN 4-7698-0166-1。
- 明治百年史叢書第74巻『海軍兵学校沿革』原書房