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呉日慶
各種表記
漢字・チュノム：	吳日慶
北部発音：	ゴ・ニャット・カイン
日本語読み：	ごにちけい
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呉日慶（ごにちけい^[1]、ゴ・ニャット・カイン、ベトナム語：Ngô Nhật Khánh / 吳日慶、生年不詳 - 太平10年（979年））は、ベトナム十二使君の一人。呉安王（ベトナム語：Ngô An vương / 吳安王）^[1]^[2]、呉覧公（ベトナム語：Ngô Lãm Công / 吳覽公）^[3]と称された。

生涯

呉朝の王族の出身で、唐林（現在のソンタイ）を拠点とした^[3]^[4]^[5]。2003年にゴ氏の家族連絡委員会が作成した系図では南晋王呉昌文の子であると考えられている。丁部領の攻撃を受けて屈服し、母の黄氏（ベトナム語版）が丁部領の妻に^[2]、妹が丁璉の妻とそれぞれなり^[1]、自らの妻に丁部領の娘の仏金公主（ベトナム語版）を迎えた^[5]。伝承によると、黄氏は丁部領との間に丁項郎（中国語版）を儲け、丁部領は丁項郎を皇太子としたが、丁項郎は太平10年（979年）の初めに、自らを差し置いて皇太子となったことに不満を持った異母兄丁璉の手の者によって暗殺された。呉日慶は丁部領に異父弟を殺した丁璉の処罰を求めたが、丁部領は丁璉の長年の功績に免じて罰しなかったため、呉日慶は大きく不満を抱いたという。後に不満を募らせた呉日慶は妻子を捨てて南のチャンパに走った^[5]。

丁部領が暗殺されて黎桓が実権を掌握したことを聞いた^[5]呉日慶は、チャンパ王パラメーシュヴァラヴァルマン1世に反攻のための出兵を要請し、丁朝の都の華閭へ向けて出撃した^[5]。しかし大鵶を経て小康（ベトナム語版）（現在のニンビン省イエンモー県）^[2]に差し掛かったところでチャンパの船団は暴風雨に遭い、呉日慶も沈没した多くの軍船と運命を共にした^[5]。

出典

^ ^a ^b ^c 小林知著「呉日慶」、池内宏; 矢野仁一; 橋本増吉編『東洋歴史大辞典』上（縮刷復刻）、臨川書店、1986年10月1日、1232頁。ISBN 978-4653014690。
^ ^a ^b ^c 『欽定越史通鑑綱目（中国語版）』正編巻之一丁紀
^ ^a ^b 『ベトナム史略』第1巻自治の時代第3部第1章呉氏
^ 『越史略（中国語版）』巻上呉紀
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f 『大越史記全書』本紀巻之一丁紀廃帝

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[Rinsen-1] 小林知著「呉日慶」、池内宏; 矢野仁一; 橋本増吉編『東洋歴史大辞典』上（縮刷復刻）、臨川書店、1986年10月1日、1232頁。ISBN 978-4653014690。

[Thonggiam1-2] 『欽定越史通鑑綱目（中国語版）』正編巻之一丁紀

[Suluoc1-3] 『ベトナム史略』第1巻自治の時代第3部第1章呉氏

[Vietsu1-4] 『越史略（中国語版）』巻上呉紀

[Toanthu1-5] ^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f 『大越史記全書』本紀巻之一丁紀廃帝

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 == 生涯 ==
-[[呉朝]]の王族の出身で、[[ドンラム|唐林]]（現在の[[ソンタイ]]）を拠点とした<ref name="Suluoc1"/><ref name="Vietsu1">『{{仮リンク|越史略|zh|越史略}}』巻上 呉紀</ref><ref name="Toanthu1">『[[大越史記全書]]』本紀巻之一 丁紀 廃帝</ref>。2003年にゴ氏の家族連絡委員会が作成した系図では南晋王[[呉昌文]]の子であると考えられている。[[丁部領]]の攻撃を受けて屈服し、母の{{仮リンク|バーゴー寺 (ニンビン省)|label=黄氏|vi|Chùa Bà Ngô (Ninh Bình)}}が丁部領の妻に<ref name="Thonggiam1"/>、妹が[[丁リエン|丁璉]]の妻とそれぞれなり<ref name="Rinsen"/>、自らの妻に丁部領の娘の{{仮リンク|ファットキム祠|label=仏金公主|vi|Đền thờ Công chúa Phất Kim}}を迎えた<ref name="Toanthu1"/>。伝承によると、黄氏は丁部領との間に{{仮リンク|丁項郎|zh|丁項郎}}を儲け、丁部領は丁項郎を皇太子としたが、丁項郎は[[太平 (丁朝)|太平]]10年（[[979年]]）の初めに、自らを差し置いて皇太子となったことに不満を持った異母兄丁璉の手の者によって暗殺された。呉日慶は丁部領に異父弟を殺した丁璉の処罰を求めたが、丁部領は丁璉の長年の功績に免じて罰しなかったため、呉日慶は大きく不満を抱いたという。後に不満を募らせた呉日慶は妻子を捨てて南の[[チャンパ王国|チャンパ]]に走った<ref name="Toanthu1"/>。
+[[呉朝]]の王族の出身で、[[ドンラム|唐林]]（現在の[[ソンタイ]]）を拠点とした<ref name="Suluoc1"/><ref name="Vietsu1">『{{仮リンク|越史略|zh|越史略}}』巻上 呉紀</ref><ref name="Toanthu1">『[[大越史記全書]]』本紀巻之一 丁紀 廃帝</ref>。2003年にゴ氏の家族連絡委員会が作成した系図では南晋王[[呉昌文]]の子であると考えられている。[[丁部領]]の攻撃を受けて屈服し、母の{{仮リンク|バーゴー寺 (ニンビン省)|label=黄氏|vi|Chùa Bà Ngô (Ninh Bình)}}が丁部領の妻に<ref name="Thonggiam1"/>、妹が[[丁璉]]の妻とそれぞれなり<ref name="Rinsen"/>、自らの妻に丁部領の娘の{{仮リンク|ファットキム祠|label=仏金公主|vi|Đền thờ Công chúa Phất Kim}}を迎えた<ref name="Toanthu1"/>。伝承によると、黄氏は丁部領との間に{{仮リンク|丁項郎|zh|丁項郎}}を儲け、丁部領は丁項郎を皇太子としたが、丁項郎は[[太平 (丁朝)|太平]]10年（[[979年]]）の初めに、自らを差し置いて皇太子となったことに不満を持った異母兄丁璉の手の者によって暗殺された。呉日慶は丁部領に異父弟を殺した丁璉の処罰を求めたが、丁部領は丁璉の長年の功績に免じて罰しなかったため、呉日慶は大きく不満を抱いたという。後に不満を募らせた呉日慶は妻子を捨てて南の[[チャンパ王国|チャンパ]]に走った<ref name="Toanthu1"/>。
 丁部領が暗殺されて[[黎桓]]が実権を掌握したことを聞いた<ref name="Toanthu1"/>呉日慶は、チャンパ王[[パラメーシュヴァラヴァルマン1世]]に反攻のための出兵を要請し、[[丁朝]]の都の[[ホアルー|華閭]]へ向けて出撃した<ref name="Toanthu1"/>。しかし大{{Lang|ko|鵶}}を経て{{仮リンク|タンフー海港|label=小康|vi|Cửa biển Thần Phù}}（現在の[[ニンビン省]][[イエンモー県]]）<ref name="Thonggiam1"/>に差し掛かったところでチャンパの船団は暴風雨に遭い、呉日慶も沈没した多くの軍船と運命を共にした<ref name="Toanthu1"/>。