「レゾルシノール」の版間の差分
編集の要約なし タグ: 2017年版ソースエディター |
|||
34行目: | 34行目: | ||
== 医療用途 == |
== 医療用途 == |
||
{{See also|ルシノール}} |
{{See also|ルシノール}} |
||
レゾルシノールは、主に[[ケミカルピーリング|ピーリング剤]]として、伝統的に5-15%濃度で[[ニキビ]]の治療に用いられてきており、ピーリング作用は10%以上の濃度で起こる<ref name="pmid19549239">{{Cite journal |author=J. Boer, G. B. E. Jemec |title=Resorcinol peels as a possible self-treatment of painful nodules in hidradenitis suppurativa |journal=Clinical and experimental dermatology |volume=35 |issue=1 |pages=36–40 |date=2010-1 |doi=10.1111/j.1365-2230.2009.03377.x |pmid=19549239 }}</ref>。文献から20%濃度までが安全だと考えられる<ref name="pmid19549239"/>。妊婦に安全かどうかについてのデータはない<ref name="pmid19549239"/>。 |
レゾルシノールは、主に[[ケミカルピーリング|ピーリング剤]]として、伝統的に5-15%濃度で[[尋常性痤瘡|ニキビ]]の治療に用いられてきており、ピーリング作用は10%以上の濃度で起こる<ref name="pmid19549239">{{Cite journal |author=J. Boer, G. B. E. Jemec |title=Resorcinol peels as a possible self-treatment of painful nodules in hidradenitis suppurativa |journal=Clinical and experimental dermatology |volume=35 |issue=1 |pages=36–40 |date=2010-1 |doi=10.1111/j.1365-2230.2009.03377.x |pmid=19549239 }}</ref>。文献から20%濃度までが安全だと考えられる<ref name="pmid19549239"/>。妊婦に安全かどうかについてのデータはない<ref name="pmid19549239"/>。 |
||
== 製造者 == |
== 製造者 == |
2020年8月24日 (月) 23:57時点における版
レゾルシノール | |
---|---|
IUPAC名 | レゾルシノール(許容慣用名) 1,3-ベンゼンジオール 1,3-ジヒドロキシベンゼン(系統名) |
別名 | レソルシノール レゾルシン |
分子式 | C6H6O2 |
示性式 | C6H4(OH)2 |
分子量 | 110.11 |
CAS登録番号 | 108-46-3 |
形状 | 白色結晶 |
密度と相 | 1.28 g/cm3, 固体 |
融点 | 110 °C |
沸点 | 280 °C |
SMILES | Oc1cccc(c1)O |
出典 | 国際化学物質安全性カード |
レゾルシノール (resorcinol) とは、1,3-ジヒドロキシベンゼンという有機化合物の一種。ベンゼン環のメタ位に 2個のヒドロキシ基を有する構造を持つベンゼンジオールの1種で、カテコール、ヒドロキノン(ハイドロキノン)の位置異性体にあたる。水によく溶ける。
合成
樹脂や、ベンゼン-1,3-ジスルホン酸を溶融アルカリで処理することで、レゾルシノールを得ることができる。また、プロピレン、ベンゼンを原料とし、1,3-ジイソプロピルベンゼンから製造することもできる。
性質
レゾルシノールは本来、常温常圧では無色の固体である。しかし、放置しておくと、光と酸素によって徐々に酸化されてピンク色を呈する。このため、保管には注意が必要である。また、レゾルシノールは2個のヒドロキシ基を持っていることから明らかなように、水素結合を供与することも受容することも可能であるなど、比較的分子間力が強くなる構造をしており、常圧での沸点は280 ℃、融点は110 ℃前後である[1]。
これに対して、このヒドロキシ基を2つともメタノールとのエーテルの形にした、1,3-ジメトキシベンゼンの常圧での沸点は217 ℃前後、融点は-52 ℃である[2]。1,3-ジメトキシベンゼンは、レゾルシノールよりも分子量こそ大きいものの、基本的には水素結合を受容することしかできず、結果として、レゾルシノールの方が沸点も融点も高い。
用途
総需要の半分以上がタイヤの強化材であるタイヤコードの接着剤の原料である。続いて木材用接着剤原料、樹脂用難燃剤原料、樹脂用紫外線吸収剤原料が続く。レゾルシノールは還元力が強く、殺菌剤としての利用価値が高い。また、無水フタル酸との酸触媒反応によってフルオレセイン(ガレイン)を生成するので蛍光染料の原料としても重要である。
医療用途
レゾルシノールは、主にピーリング剤として、伝統的に5-15%濃度でニキビの治療に用いられてきており、ピーリング作用は10%以上の濃度で起こる[3]。文献から20%濃度までが安全だと考えられる[3]。妊婦に安全かどうかについてのデータはない[3]。
製造者
主なメーカーは上海Amino、住友化学である。
これまで主なメーカーであった三井化学は2012年12月末をもって事業撤退[4]、米国Indspecも2017年7月末をもって事業撤退[5]している。
出典
- ^ Resorcinol(CID:5054)
- ^ 化学大辞典編集委員会 編集 『化学大辞典 (縮刷版) 4』 p.541(右下部) 共立出版 1963年10月15日発行 ISBN 4-320-04018-X
- ^ a b c J. Boer, G. B. E. Jemec (2010-1). “Resorcinol peels as a possible self-treatment of painful nodules in hidradenitis suppurativa”. Clinical and experimental dermatology 35 (1): 36–40. doi:10.1111/j.1365-2230.2009.03377.x. PMID 19549239.
- ^ “岩国大竹工場でのハイドロキノンプラント稼動及びレゾルシン事業撤退について | ニュースリリース | 三井化学株式会社”. www.mitsuichem.com. 2019年6月4日閲覧。
- ^ “Resorcinol plant to close | Chemical & Engineering News”. cen.acs.org. 2019年6月4日閲覧。