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ペレフは旧式化した[[マガフ#マガフ5|マガフ5]]([[M48パットン|M48A5]])の車体に新規設計された大型の砲塔を搭載し、砲塔内に12基の[[スパイク (ミサイル)|スパイク-NLOS]]ミサイルランチャーを搭載している<ref name="Mail" />。12基のランチャーは砲塔後部に納められ、移動時には収納されており発射時に上方に展開される方式となっている。ミサイルは砲塔後部から再装填可能である。砲塔前部には装甲および発煙弾発射機、そして本車を通常の[[戦車]]と誤認させるためのダミーの砲身が取り付けられている<ref name="Mail" />。車体前部にはブレイザー[[爆発反応装甲|ERA]]が装着され、履帯や起動輪は[[メルカバ (戦車)|メルカバ]][[主力戦車]]と共通の物になり、またマガフ7やマガフ6B GAL BATASHに見られるようなサイドスカートが装着されている。 |
ペレフは旧式化した[[マガフ#マガフ5|マガフ5]]([[M48パットン|M48A5]])の車体に新規設計された大型の砲塔を搭載し、砲塔内に12基の[[スパイク (ミサイル)|スパイク-NLOS]]ミサイルランチャーを搭載している<ref name="Mail" />。12基のランチャーは砲塔後部に納められ、移動時には収納されており発射時に上方に展開される方式となっている。ミサイルは砲塔後部から再装填可能である。砲塔前部には装甲および発煙弾発射機、そして本車を通常の[[戦車]]と誤認させるためのダミーの砲身が取り付けられている<ref name="Mail" />。車体前部にはブレイザー[[爆発反応装甲|ERA]]が装着され、履帯や起動輪は[[メルカバ (戦車)|メルカバ]][[主力戦車]]と共通の物になり、またマガフ7やマガフ6B GAL BATASHに見られるようなサイドスカートが装着されている。 |
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ペレフの装備するスパイク-NLOSは基本的には打ち放し能力を持った[[対戦車ミサイル]]であるが、NLOS型は射程16kmから25kmという、通常の対戦車ミサイルに比較し非常に長い射程距離を持つ。このため、精密射撃の可能な[[自走砲]]・自走ロケット砲のような運用方法が可能で、例えば敵の砲撃拠点に対する精密な反撃のような運用方法も可能である。<ref>[[大韓民国国軍|韓国軍]]は[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]による[[延坪島砲撃事件]]の後、[[プラサン サンドキャット|サンドキャット]][[装甲車]]にスパイク-NLOSを装備した車両を[[延坪島]]と[[白 |
ペレフの装備するスパイク-NLOSは基本的には打ち放し能力を持った[[対戦車ミサイル]]であるが、NLOS型は射程16kmから25kmという、通常の対戦車ミサイルに比較し非常に長い射程距離を持つ。このため、精密射撃の可能な[[自走砲]]・自走ロケット砲のような運用方法が可能で、例えば敵の砲撃拠点に対する精密な反撃のような運用方法も可能である。<ref>[[大韓民国国軍|韓国軍]]は[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]による[[延坪島砲撃事件]]の後、[[プラサン サンドキャット|サンドキャット]][[装甲車]]にスパイク-NLOSを装備した車両を[[延坪島]]と[[白翎島]]に配備しているが、これも対戦車ミサイルとしての用途というよりも、砲撃拠点に対する精密な反撃攻撃を目的としたものである。</ref> |
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ペレフの開発は、1973年の[[第四次中東戦争]]でイスラエル軍の戦車部隊が[[エジプト軍]]の[[9M14 (ミサイル)|AT-3"サガー"]]対戦車ミサイルによって甚大な被害を受けた戦訓、および1982年の{{仮リンク|レバノン侵攻 (1982年)|en|1982 Lebanon War|label=第一次レバノン戦争}}における[[シリア軍]]の[[T-72]]との戦闘経験に基づいている。開発自体は1980年代中頃に開始されたが、本車の存在が公表されたのは2011年になってからである<ref>{{cite news|last=Pfeffer|first=Anshil|title=IDF Reveals Tamuz Missile|url=http://www.haaretz.co.il/news/politics/1.1371145|accessdate=21 May 2013|newspaper=[[Haaretz]]|date=1 August 2011|language=Hebrew}}</ref><ref name=IDF1>{{cite press release|title=Advanced Spike Missile Unveiled|publisher=[[イスラエル国防軍]]オフィシャルサイト|date=2009-11-25|url=http://dover.idf.il/IDF/English/News/Tech/09/default/3001.htm|accessdate=2010-06-29|archiveurl=https://web.archive.org/web/20091205041934/http://dover.idf.il/IDF/English/News/Tech/09/default/3001.htm|archivedate=2009年12月5日|deadurldate=2017年9月}}</ref><ref>{{cite web |url=http://www.flightglobal.com/articles/2009/11/25/335463/rafael-unveils-new-long-range-spike-missile.html|title=Rafael unveils new long-range Spike missile|last=Trimble|first=Stephen|date=25 November 2009|language=en|publisher=Flight International|accessdate=2011-08-27}}</ref>。 |
ペレフの開発は、1973年の[[第四次中東戦争]]でイスラエル軍の戦車部隊が[[エジプト軍]]の[[9M14 (ミサイル)|AT-3"サガー"]]対戦車ミサイルによって甚大な被害を受けた戦訓、および1982年の{{仮リンク|レバノン侵攻 (1982年)|en|1982 Lebanon War|label=第一次レバノン戦争}}における[[シリア軍]]の[[T-72]]との戦闘経験に基づいている。開発自体は1980年代中頃に開始されたが、本車の存在が公表されたのは2011年になってからである<ref>{{cite news|last=Pfeffer|first=Anshil|title=IDF Reveals Tamuz Missile|url=http://www.haaretz.co.il/news/politics/1.1371145|accessdate=21 May 2013|newspaper=[[Haaretz]]|date=1 August 2011|language=Hebrew}}</ref><ref name=IDF1>{{cite press release|title=Advanced Spike Missile Unveiled|publisher=[[イスラエル国防軍]]オフィシャルサイト|date=2009-11-25|url=http://dover.idf.il/IDF/English/News/Tech/09/default/3001.htm|accessdate=2010-06-29|archiveurl=https://web.archive.org/web/20091205041934/http://dover.idf.il/IDF/English/News/Tech/09/default/3001.htm|archivedate=2009年12月5日|deadurldate=2017年9月}}</ref><ref>{{cite web |url=http://www.flightglobal.com/articles/2009/11/25/335463/rafael-unveils-new-long-range-spike-missile.html|title=Rafael unveils new long-range Spike missile|last=Trimble|first=Stephen|date=25 November 2009|language=en|publisher=Flight International|accessdate=2011-08-27}}</ref>。 |
2020年8月18日 (火) 08:35時点における版
ペレフ Pereh | |
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種類 |
自走ミサイルランチャー 自走対戦車ミサイル |
原開発国 | イスラエル |
運用史 | |
配備期間 | 1980年代~ |
配備先 | イスラエル国防軍 |
関連戦争・紛争 |
レバノン侵攻 (2006年) ガザ紛争 (2008年-2009年) ガザ侵攻 (2014年) |
開発史 | |
開発者 | ラファエル社 |
製造業者 | ラファエル社 |
諸元 | |
| |
主兵装 | スパイク-NLOSミサイルランチャー ×12基 |
副兵装 | 7.62mmFN MAG機関銃 ×2挺 |
懸架・駆動 | トーションバー式 |
ペレフ(Pereh)は、イスラエルのラファエル・アドバンスド・ディフェンス・システムズにより開発され、イスラエル国防軍によって運用されている自走式ミサイルランチャーである[1]。"ペレフ"はヘブライ語でローマ帝国時代の投石器 "オナガー" を意味する。
開発自体は1980年代頃より行われていたが[1]その存在は極秘とされ、2015年6月になり全容が公開された[2][3]。
概要
ペレフは旧式化したマガフ5(M48A5)の車体に新規設計された大型の砲塔を搭載し、砲塔内に12基のスパイク-NLOSミサイルランチャーを搭載している[1]。12基のランチャーは砲塔後部に納められ、移動時には収納されており発射時に上方に展開される方式となっている。ミサイルは砲塔後部から再装填可能である。砲塔前部には装甲および発煙弾発射機、そして本車を通常の戦車と誤認させるためのダミーの砲身が取り付けられている[1]。車体前部にはブレイザーERAが装着され、履帯や起動輪はメルカバ主力戦車と共通の物になり、またマガフ7やマガフ6B GAL BATASHに見られるようなサイドスカートが装着されている。
ペレフの装備するスパイク-NLOSは基本的には打ち放し能力を持った対戦車ミサイルであるが、NLOS型は射程16kmから25kmという、通常の対戦車ミサイルに比較し非常に長い射程距離を持つ。このため、精密射撃の可能な自走砲・自走ロケット砲のような運用方法が可能で、例えば敵の砲撃拠点に対する精密な反撃のような運用方法も可能である。[4]
ペレフの開発は、1973年の第四次中東戦争でイスラエル軍の戦車部隊がエジプト軍のAT-3"サガー"対戦車ミサイルによって甚大な被害を受けた戦訓、および1982年の第一次レバノン戦争におけるシリア軍のT-72との戦闘経験に基づいている。開発自体は1980年代中頃に開始されたが、本車の存在が公表されたのは2011年になってからである[5][6][7]。
ペレフは1990年代初期から実戦に投入されており、2006年の第二次レバノン戦争、2008年から2009年にかけてのガザ紛争でも使用された[1]。この間もイスラエル軍はペレフの写真など、存在の証拠を全く表に出していなかった。ペレフの写真が初めて公表されたのは2014年の"プロテクティブ・エッジ"作戦(境界防衛作戦)で撮影されたものであった。
運用国
画像
-
2015年9月に撮影されたペレフ。
-
ガザ地区のロケット発射点への精密砲撃を行うペレフ。2014年、プロテクティブ・エッジ作戦。
脚注・出典
- ^ a b c d e Prigg, Mark (22 July 2015). “Israeli top secret missile launcher disguised as a TANK finally declassified after 30 years of rumors and secret missions” (英語). The Daily Mail 24 July 2015閲覧。
- ^ Link to Israeli defense announcement (Israeli)
- ^ “Israel unveils officially existence of "Pereh" missile tank” (英語). ARMY RECOGNATION. (2015年7月22日)
- ^ 韓国軍は北朝鮮による延坪島砲撃事件の後、サンドキャット装甲車にスパイク-NLOSを装備した車両を延坪島と白翎島に配備しているが、これも対戦車ミサイルとしての用途というよりも、砲撃拠点に対する精密な反撃攻撃を目的としたものである。
- ^ Pfeffer, Anshil (1 August 2011). “IDF Reveals Tamuz Missile” (Hebrew). Haaretz 21 May 2013閲覧。
- ^ "Advanced Spike Missile Unveiled" (Press release). イスラエル国防軍オフィシャルサイト. 25 November 2009. 2009年12月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年6月29日閲覧。
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: 不明な引数|deadurldate=
は無視されます。 (説明) - ^ Trimble, Stephen (25 November 2009). “Rafael unveils new long-range Spike missile” (英語). Flight International. 2011年8月27日閲覧。
関連項目
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、ペレフに関するカテゴリがあります。