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「千年狐 〜干宝「捜神記」より〜」の版間の差分

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: [[琅邪郡|琅邪]]王。後に[[呉 (三国)|呉]]の第3代目景帝として即位。第一話に登場。長く病が癒えなかった時に配下が[[道士]]を呼ぶことを勧めたが、元々道士を信用しておらず本来呼ばれた道士の代わりに参上した廣天を騙してからかおうしたところ、見抜かれ逆に脅かされることとなった。
: [[琅邪郡|琅邪]]王。後に[[呉 (三国)|呉]]の第3代目景帝として即位。第一話に登場。長く病が癒えなかった時に配下が[[道士]]を呼ぶことを勧めたが、元々道士を信用しておらず本来呼ばれた道士の代わりに参上した廣天を騙してからかおうしたところ、見抜かれ逆に脅かされることとなった。
; 周式(しゅう しき)
; 周式(しゅう しき)
: 漢の時代の人物で[[州市|下邳]]に住む舟漁師。極度の[[方向音痴]]でかなり抜けた性格をしている。第二話以降に登場。冥府の使者'''渾沌'''に出会い、自らの死期が近く魂を冥府に連れて行かれることを告げられる。3年間、家から出ないことを条件に一度は目溢しされるが、3日と我慢出来なかったために問答無用で冥府行きとなる。後に冥府の使者となり、沌の後輩となった。
: 漢の時代の人物で[[州市|下邳]]に住む舟漁師。極度の[[方向音痴]]でかなり抜けた性格をしている。第二話以降に登場。冥府の使者'''渾沌'''に出会い、自らの死期が近く魂を冥府に連れて行かれることを告げられる。3年間、家から出ないことを条件に一度は目溢しされるが、3日と我慢出来なかったために問答無用で冥府行きとなる。後に冥府の使者となり、沌の後輩となった。
; 趙真玄(ちょう しんげん)
; 趙真玄(ちょう しんげん)
: 晋代の人物。第十一話に登場。[[南陽郡|南陽]]で病死した後、迎えにきた周式と冥府に向かう途中、やり残した事を遂げるため逃亡。目的の街へと彷徨う中で宋定伯と出会い、自分を騙した詐欺師への復讐を唆され加担する。復讐が成功し、快楽を覚えて厲鬼(たたりがみ)になろうとした所を渾に抑えられ、改めて冥府へ向かうこととなる。
: 晋代の人物。第十一話に登場。[[南陽郡|南陽]]で病死した後、迎えにきた周式と冥府に向かう途中、やり残した事を遂げるため逃亡。目的の街へと彷徨う中で宋定伯と出会い、自分を騙した詐欺師への復讐を唆され加担する。復讐が成功し、快楽を覚えて厲鬼(たたりがみ)になろうとした所を渾に抑えられ、改めて冥府へ向かうこととなる。

2020年8月17日 (月) 05:02時点における版

千年狐 〜干宝「捜神記」より〜
ジャンル ファンタジー志怪
神話コメディ
漫画
作者 張六郎
出版社 KADOKAWA
掲載誌 月刊コミックフラッパー
レーベル MFコミックス フラッパーシリーズ
発表号 2018年5月号 -
発表期間 2018年4月5日 -
巻数 既刊4巻(2020年7月22日現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ

千年狐 〜干宝「捜神記」より〜』(せんねんぎつね かんぽうそうじんきより)は、張六郎による日本漫画

概要

月刊コミックフラッパー』(KADOKAWA)にて、2018年5月号から連載中。中国志怪小説捜神記を元に、古代中国で1000年を生きる狐の精怪・廣天を軸に、仲間の精怪や神、年代ごとに出会う数多の人物達との物語を干宝の捜神記の各話に擬えて描いている。単行本は「MFコミックス フラッパーシリーズ」より2020年2月の時点で既刊3巻。

登場人物

精怪

廣天(こう てん)
物語の核となる主人公の1人。王朝の時代にある国の公(君主)と妾の間に生まれた子であるが、生まれた時から狐の姿をしており、国が滅ぶ凶兆として殺害されそうになった所を紆余曲折を経て生き延びた。普段は尻尾が無数にあるの姿をしており、母親そっくりの姿に変化することも出来る。性別も女性だが、作中で出会った人々の殆どに男と間違われている。抜けてはいるが1000年生きているが故に博識で、物語は司馬氏の王朝時代に廣天が近所に住む張華と言う博学の人物と知恵比べをしようと、人間に化けて張華の元を訪問しようとするところから始まる。
華表(か ひょう)後に炭片(たんぺん)
燕国昭王墓陵入り口に建っている樹齢1000年の神木を伐って作られた高札看板の様な物。その樹齢と元神木であるが故に言葉を発して廣天と語り合い、時には身体をぶん回して人間や精怪とも戦うアグレッシブな看板。廣天とは産まれたころよりの付き合い[1]で、唯一無二の親友とも言える存在であった。人と知恵比べに行こうとする廣天を諫める。後に晋帝の指示を受けた兵に焼かれて炭片となるも生きており、そこから新芽を出した状態で廣天が肌身離さず持ち運んでいる。
鵞鳥の鬼(がちょうのれい)
第一話などに登場。道士が来ることを知った孫休に悪戯のために殺され、人間の女物の衣装を供物に埋葬された雌の鵞鳥[2]の鬼(霊魂)。廣天に連れられて冥府に逝き、後に華山で鳥の冥府の使者として働くこととなる。
渾沌(こんとん)
冥府大帝に仕える冥府の使者の1人。死期が近いまたは既に亡くなった者の魂を抜いたり幽霊となった者を捕まえ、冥府へ運ぶのが仕事。産まれた時は目も足も鼻も耳も口もない妖でも獣でも無く雌雄も無い不定形の生物だったが、阿紫に拾われ育てられ人の姿で冥府に仕えることになった。正体は人の体にの形をした顔を持ち羽の生えたような姿である。冥府の仕事をブラックと悩み、度々転職を口にしている。華表同様、廣天とは生まれた頃からの付き合いで「使者ちゃん」と呼ばれ親しくしている。
獙獙(へいへい)
廣天より長くを生きる狐の精怪。モフモフとした見た目や行動は非常に愛嬌たっぷりで見る者全てがその胸や腹に顔を埋めたくなるほどであるが、大変な怪力の持ち主。ある宿の二階の部屋に現れては夜な夜な宿泊客の命を奪っており、その手に掛かった者は皆幸せに包まれた様な不可解な顔で息絶えていた。ある日、宿泊客として現れた宋大賢に力勝負で敗れ、その悲しみのあまり自らの考えを正すため3泊4日の旅に出る。
歩く時の地響きは「ノッチ、ノッチ」とやや間の抜けた緩い擬音で表現され、丸みを帯びた字体で表現されている。
阿紫(あ し)
悠久の時を生きる伝説の妖狐。元々は人間で誰にでも優しく面倒見の良い女性だったが、人間が彼女を巡って奪い合いをした上死なせてしまい、その後に巨大な妖狐の精怪として転生した。渾沌の育ての親で、生まれたばかりの廣天の命を神木や山の生き物達と現世に繋ぎ止めた1人でもある。冥府大帝とは旧知の間柄で仲が良く、カレピの王霊孝と共に冥府に住み着いており、時折人界に出ては晋帝と接触し、意のままに操っている。
王霊孝(おう れいこう)
漢代の人物で兵士。阿紫の影響で耳と尾、口元が狐の様になった元人間。阿紫のカレピとして、冥府にも出入りしている。
俔(けん)
山の霊気で長寿となった老ネズミ。成長した廣天と再会し、1000年前の廣天の出生について語る。山の神(後の冥府大帝)の依頼で阿紫と共に小国の宮廷に赴き、そこで起きた悲劇を目の当たりにする。

冥府大帝(めいふたいてい)
元々人間に死後の世界の概念が乏しい時代はとある山の神であったが、死者の魂が自らの山に集まる場所となり始めてから、冥府を立ち上げ統括する存在へとなっていった。冥府の立ち上げ当時は痩せた人間の男性のような姿・身長であった[3]が、1000年を経た晋朝の時代には人と同身長の渾沌を片手で掴むほどの巨躯となっている。
何ごとかを阿紫と共に企んでいるのではと混沌に疑われるが、実は死後に行方不明となったある魂を捜している。
赤雀(せきじゃく)
鳥の冥府の使者。小柄なで冠を被り二頭のが加えた止まり木に立っている。
盤青(ばんせい)
犬の冥府の使者。シーズー犬の様な見た目をしており、現代では張華の家に飼い犬を装って住み着いている。
九黄(きゅうこう)
狐の冥府の使者。イタチの様な顔つきをし、複数の尻尾を持つ。冥府で魂の一斉回収を討議する会議の際は冥府大帝に対して阿紫の魂を求めている。各冥府の使者の中で1番うるさい。

人間

張華(ちょう か)
第零話、一話などに登場した廣天や華表の近所に住む晋に仕える博学な人間。とは言え、廣天の知識には全く敵わず廣天に出会って以降、その足跡を文献に追うこととなる。後に晋帝の指示で囚われた廣天を牢から逃す。
孔章(こう しょう)
豊城知事を務める張華の幼馴染み。第零話などに登場。廣天が狐であることを見抜き、張華に廣天を殺す様に進言するが、聞き入れない張華に対し、廣天の正体を暴くために神木であった華表の一部[4]である木片を華表との激闘の末、斧で削り取って持ち寄る。
孫休(そん きゅう)
琅邪王。後にの第3代目景帝として即位。第一話に登場。長く病が癒えなかった時に配下が道士を呼ぶことを勧めたが、元々道士を信用しておらず本来呼ばれた道士の代わりに参上した廣天を騙してからかおうしたところ、見抜かれ逆に脅かされることとなった。
周式(しゅう しき)
漢の時代の人物で下邳に住む舟漁師。極度の方向音痴でかなり抜けた性格をしている。第二話以降に登場。冥府の使者渾沌に出会い、自らの死期が近く魂を冥府に連れて行かれることを告げられる。3年間、家から出ないことを条件に一度は目溢しされるが、3日と我慢出来なかったために問答無用で冥府行きとなる。後に冥府の使者となり、沌の後輩となった。
趙真玄(ちょう しんげん)
晋代の人物。第十一話に登場。南陽で病死した後、迎えにきた周式と冥府に向かう途中、やり残した事を遂げるため逃亡。目的の街へと彷徨う中で宋定伯と出会い、自分を騙した詐欺師への復讐を唆され加担する。復讐が成功し、快楽を覚えて厲鬼(たたりがみ)になろうとした所を渾に抑えられ、改めて冥府へ向かうこととなる。
宋一族
饅頭屋を営む人間の一族。先祖代々、精怪に縁が深く、一族の多くが何らかの形で廣天やその周辺の人々と世代を越えて関わりを持つ。動物好きな者が多く、しばしば悶絶する場面が描かれている。
宋無忌(そう むき)
宋大賢の祖先と思われる東周時代の豪傑。阿柴が潜入した国の宮廷で公の身辺を警護する任に就いている。
見た目も言動も豪傑そのもので、いかなる状況でも泰然自若としているが、実は本物の宋無忌の正体を隠すための影武者[5]、虫も殺せない。
宋大賢(そう たいけん)
名の知れた豪傑[6]。自称、友や主君も喰らって刃を振るってきた羅刹。ある時泊まった宿で夜な夜な化け物が現れ宿泊客が亡くなると言う部屋に宿の主人から断りもなく泊めさせられる。真夜中に現れた獙獙の愛らしい姿と怪力によって二重の意味[7]で殺されそうになるが、辛くも勝利する。その後は獙獙にヒントを得て、ばけものまんじゅうの製造販売を始めて宋家を発展させる。
弓兵
晋帝の精怪狩りに動員された兵士の一人。名前は語られていないが、容姿で一族の者であることが示唆されている。廣天を仕留めるよう命じられるが「狐だけは殺してはならぬ」という祖父からの言いつけを破れず、狙いを外して取り逃がした。その言から大賢の孫である可能性がある。
宋大善(そう たいぜん)
晋代の宋家当主で無忌の影武者と賢の子孫。先祖の事業をさらに拡大し、官庁との繋がりを持つまでに至っている。息子の恩師である胡博士が行方不明になった際、捜索のために山へ入り、獙獙と邂逅する。時系列上、上記の弓兵と近い世代と思われるが具体的な関係は不明。
宋定伯(そう ていはく)
15歳。宋大善の長男。視鬼の力で鬼(幽霊)が見え、会話ができるために人ならざる存在を引き寄せてしまうため、父親に河に落ちて死んだことにしてもらい胡博士の元で過ごした後、一人立ちした。
医者
衣を深く被り顔も見せず、性別も年齢も不明な人物。鬼と接する伯に呆れつつも治療する。
胡博士
晋代の人物。宋大善、定伯との繋がりが深く、戸籍上の死者となった定伯の後見人でもあった。後に山中で行方不明とる。
陽(よう)
ある公国の宮廷に仕える女性。その姿が廣天によく似ている。山の神の命を受けて国を訪れた阿柴と親交を深める。何をやらせても失敗ばかりの所謂ポンコツだが、喋る鼠の俔にも動じず、時折何処か達観したような言動を見せるなど、掴み所の無い性格。
炎との間の子を身籠り、それが国を揺るがす大きな事変を引き起こす。
炎(えん)
春秋時代に滅んだ小国の公(君主)。長引く病によって衰弱し、側近たちに政務を任せて殆ど臥せっている。
燭衣(しょくい)
炎の身の周りの世話を受け持つ閹人
子火(し か)
宰相。炎の兄の息子。権力を握ろうとする他の側近たちを牽制するために策を巡らせている。
師父
廣天が一時期身を寄せた寺の住職。武芸を身につけ、大事なもの(炭片)を守る強さを得たいという廣天の決意を見込んで弟子入りを許可する。しかし、その常軌を逸した間抜けぶりが他の門下生たちに多大な被害をもたらしたため破門を言い渡す。別れ際に「カスカスのカスでゴミ以下」という辛辣な言葉を浴びせたものの、多少の情はあったらしく、その後すぐに号泣しながら馬車を追いかけてくると「何か他にいい所あるから」と励ました。
武帝(ぶてい)
第二十話に登場。死に別れた李夫人に会うことを望み、亡き者の魂を呼び出せることのできると言う方士を李延年に命じて呼び寄せる。
李延年(り えんねん)
第二十話に登場。武帝に仕える側近。妹に瓜二つであり、武帝の寵愛を受けている。武帝が呼び寄せた方士は元より主人である筈の武帝に対しても容赦の無い言動をする。
李夫人(り ふじん)
第二十話に登場。武帝の寵愛を受けた妃で李延年の妹。故人。

書誌情報

  • 張六郎 『千年狐 〜干宝「捜神記」より〜』KADOKAWA 〈MFコミックス フラッパーシリーズ〉、既刊4巻(2020年7月22日現在)
    1. 2018年11月21日初版発行(同日発売) ISBN 978-4-04-065268-9
    2. 2019年8月23日初版発行(同日発売) ISBN 978-4-04-065880-3
    3. 2020年2月22日初版発行(同日発売) ISBN 978-4-04-064338-0
    4. 2020年7月22日初版発行(同日発売) ISBN 978-4-04-064571-1


脚注

  1. ^ その当時はまだ神木であり、生き物たちからそう呼ばれていた
  2. ^ 廣天に墓に眠る者の正体を問い、人間の女だと言えば鵞鳥の遺骸を見せ陥れる算段であった
  3. ^ 1000年前のエピソードである13話で山の神に会いに来た阿紫にずいぶん小さくなったと言われているので元々巨躯だった可能性もある
  4. ^ 神木に火を灯して精怪にかざせばその正体を表すとの言い伝えから
  5. ^ 作中では営業と表現されている
  6. ^ 顔は先祖と瓜二つだが、武力は先祖より強い
  7. ^ 圧殺と悩殺

外部リンク