「天台小止観」の版間の差分
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'''天台小止観'''(てんだい しょうしかん)は、[[智顗|天台智顗]]が説き、弟子の[[浄辨 (中国)]](慧辨)が記録した、[[止観]](坐禅の1種)についての説明書である。 |
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「童蒙止観」とも呼ばれる。 |
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2020年8月16日 (日) 12:46時点における版
天台小止観(てんだい しょうしかん)は、天台智顗が説き、弟子の浄辨 (中国)(慧辨)が記録した、止観(坐禅の1種)についての説明書である。
「童蒙止観」とも呼ばれる。
概要
三種止観のうちの「漸次の止観」を説明した『禅門修証』10巻の要略書で、特に巻6の「禅のための前方便」を中心に、1巻10章編成で坐禅の作法を解説している。
章立て
- 具縁 - 準備を整える
- 呵欲 - 欲望を喚起する物を遠ざける
- 棄蓋 - 5種の悪しき心(五蓋)を捨てる
- 調和 - 5種(飲食・睡眠・身体・呼吸・心)を調整する
- 方便行 - 5つの修行を行う
- 正修行 - 坐禅、随縁・随境修行
- 善根発 - 修行の結果として善い結果が現れる
- 覚知魔事 - 心の悪を知る
- 治病患 - 病を治す
- 証果 - 坐禅を実践して得られる成果
注釈書
- 『小止観要鈔』
- 『小止観鈔』
- 『小止観講録』
- 『小止観帳中記』
- 『小止観科文』
- 『止観坐禅記』 - 源信著
刊行
『修習止観坐禅法要』『略明開蒙初学坐禅止観要門』の2つのエディションがあり、関口眞大は後者が元で、前者は後者の省略本の1つと推測している。
日本語訳
- 訓読・書き下し
- 現代語訳
- 関口眞大訳著『現代語訳 天台小止観』(大東出版社、1978年)、新装版1994年ほか
- 大野栄人・伊藤光寿・武藤明範共著『天台小止観の訳註研究』(山喜房佛書林、2004年)
英語訳
- On the Method of Practising Concentration and Contemplation (岡倉覚三訳)
- Samatha - Vipasyana for Beginners(Charles Luk訳)
フランス語訳
- Dhyana pour les Debutants(G.Constant Lounsbery訳)
関連文献
- 鎌田茂雄『体と心の調節法 - 「天台小止観」に学ぶ』(大法輪閣、1994年、新版2001年)
- 新田雅章『天台小止観 仏教の瞑想法』(春秋社、1999年)
- 村中祐生『仏教の瞑想法 - 天台小止観をよむ』(上・下、日本放送出版協会、2001年)
論文
参考文献
- 関口眞大著『天台小止観の研究』(山喜房佛書林、1974年)