「新序 (劉向)」の版間の差分
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2020年8月14日 (金) 11:28時点における版
『新序』(しんじょ)は、前漢の劉向(りゅうきょう)による故事・説話を集めた書物であり、おなじ劉向による『説苑』(ぜいえん)とよく似た内容を持っている。唐以前の書はみな二〇巻とあるが、宋以後、伝えるところはみな十巻とある。
歴史
『漢書』楚元王伝の劉向の条によると、劉向は『新序』『説苑』あわせて50篇を著して、成帝に進上した。『漢書』芸文志には「劉向所序六十七篇」とあり、これは『新序』『説苑』『世説』(佚書か)『列女伝』『頌図』をあわせた篇数である。劉向の著作ではなく、既存の書籍を劉向が校訂しただけであるという説もある[1]。
もとは30巻であったらしく、『隋書』経籍志に30巻(録1巻)、『旧唐書』経籍志にも30巻とする。宋代にはすでに10巻しか残っておらず、それを曾鞏が編集し直した[2]。曾鞏は『説苑』を20巻まで復元したが、『新序』は10巻のままである。現行本は曾鞏の編集を経たものである。
構成
現行本は10巻で構成され、全部で181章からなる[3]。ある程度内容によって分類されている。最初の5巻は「雑事」と題がついている。6巻以降は「刺奢」「節士」「義勇」「善謀」「善謀下」となっている。多くは先秦の話であるが、最後の巻10は漢代の逸話を述べる。
邦訳
- 広常人世『新序』明徳出版社〈中国古典新書〉、1973年。
- 公田連太郎『譯註劉向新序』東明書院、1932年。
- 塚本哲三『晏氏春秋・新序』有朋堂書店〈漢文叢書〉、1928年 。 (読み下し)
脚注
- ^ 野間 (1976) pp.33-35
- ^ 『元豊類藁』巻11・新序目録序「劉向所集次『新序』三十篇、目録一篇。隋唐之世尚為全書。今可見者十篇而已。臣既考正其文字。」
- ^ 野間 (1976) p.35
参考文献
- 『中国学芸大事典』(近藤春雄 大修館書店 昭和五十三年発行)
- 野間文史「新序・説苑攷:説話による思想表現の形式」『広島大学文学部紀要』第35巻、1976年、30-51頁。