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「芸文志」の版間の差分

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== 漢書 ==
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{{wikisourcelang|zh|漢書/卷030|『漢書』巻三十 藝文志 第十}}
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「芸文志」の筆頭は、[[後漢]]の[[班固]]による『[[漢書]]』芸文志である。[[前漢]]の[[劉向]]・[[劉キン (学者)|劉歆]]父子による目録『[[七略]]』が土台になっている。『七略』は散逸したため、中国の[[目録学]]史上、『漢書』芸文志が現存最古の目録にあたる。
「芸文志」の筆頭は、[[後漢]]の[[班固]]による『[[漢書]]』芸文志である。[[前漢]]の[[劉向]]・[[劉歆]]父子による目録『[[七略]]』が土台になっている。『七略』は散逸したため、中国の[[目録学]]史上、『漢書』芸文志が現存最古の目録にあたる。


[[図書分類法]]としては、『七略』をもとにした六部分類法(六略)が用いられている。六略それぞれの下に細かい区分(門類)がある。表記方法としては、当時現存していた書名・篇数・巻数を記し、作者・時代・その他を注記している。図書の総計は、596家の著録(13,269巻)に及ぶ。
[[図書分類法]]としては、『七略』をもとにした六部分類法(六略)が用いられている。六略それぞれの下に細かい区分(門類)がある。表記方法としては、当時現存していた書名・篇数・巻数を記し、作者・時代・その他を注記している。図書の総計は、596家の著録(13,269巻)に及ぶ。

2020年8月11日 (火) 23:56時点における版

芸文志(げいもんし、藝文志)とは、『漢書』などの中国歴史書二十四史)のなかの篇の名前。紀伝体における「」の一種。歴史書が扱う時代の図書目録が記されている。『隋書』などでは「経籍志」と言い換えられる。

漢書

「芸文志」の筆頭は、後漢班固による『漢書』芸文志である。前漢劉向劉歆父子による目録『七略』が土台になっている。『七略』は散逸したため、中国の目録学史上、『漢書』芸文志が現存最古の目録にあたる。

図書分類法としては、『七略』をもとにした六部分類法(六略)が用いられている。六略それぞれの下に細かい区分(門類)がある。表記方法としては、当時現存していた書名・篇数・巻数を記し、作者・時代・その他を注記している。図書の総計は、596家の著録(13,269巻)に及ぶ。

諸子百家の「~家」の区分は、この『漢書』芸文志の諸子略のなかの区分(zh:九流十家)に由来する。

  1. 六芸
  2. 諸子
  3. 兵書
  4. 術数
  5. 方技

現代日本語訳は、『漢書3』(小竹武夫訳、ちくま学芸文庫、1998年、復刊2010年)
また原文入りで、『漢書藝文志』(鈴木由次郎訳注、明徳出版社[中国古典新書]、初版1968年 ISBN 4896192176

新唐書

新唐書』は、北宋欧陽脩等が、勅命により『旧唐書』の失を補うべく編纂した正史である。『旧唐書』では篇名が「経籍志」だったが、『漢書』に倣い「芸文志」に改めた。一方で、分類法は当時の四部分類法が用いられている。

  1. 甲部
  2. 乙部
  3. 丙部
  4. 丁部

本志は、玄宗朝の書物たる『古今書録』(別名『開元四庫書目』)に基づき、そこに記載されたか否かにより、「著録」か「不著録」と注記している。加えて中国仏教関連で、丙部子録道家類の附篇として「釈氏類」が設けられている。

関連文献

脚注