釈浄空

浄空法師（じょうくう、jingkong 净空 1927年2月15日 - ）、姓は徐、名は業鴻。1927年中国の安徽省廬江県の生まれ。中国のみならず、世界でも有名な高僧で、特に浄土宗の経典には深く通じている。浄土宗の経典のみならず、各宗派の経典にも通じ、儒教や道教、イスラム教などほかの宗教にも通じ、多くの書籍の中で、啓蒙活動を行い、特に浄土宗に力を入れている。

以前にはオーストラリアのグリフィス大学やクイーンズランド大学の名誉教授、中国人民大学の客員教授、オーストラリア浄学院院長、香港仏陀教育協会董事主席などもつとめていた。

1949年に台湾に移住、1954年から李炳南教授のもとで仏教と哲学を学び、特に浄土宗を多く学んだ。1959年に台湾の円山臨済寺で剃髪、聖賢・先哲の論理道徳教育を取り戻すため、大乗仏教による慈悲の精神をもって出家した。2005年にはユネスコの在オーストラリア大使もつとめた。

浄空法師の処世の上での変わらない原則は「真誠、清浄、平等、正覚、慈悲、看破、放下、自在、随縁、念仏」である。「仁慈博愛」（慈悲と博愛）「修身為本、教学為先」（修身をもとにして、教学を先と為す）が教学の一貫した主旨である。

法師は特に儒教思想である「弟子規」や道教思想である「太上感應篇」、仏教思想である「十善業道経」「了凡四訓」(『陰隲録（いんじつろく）』)などを教学の基礎にしている。仏教のみならず人としてのあり方を教えているところが特徴的である。「弟子規」では社会での接し方や親孝行などを教え、「太上感應篇」「了凡四訓」では先人たちの行った良いことが結果としてどうなるかを教え、因果応報と業の重要性を教え、そのためには「十善業道経」に書かれたことが大切であるとしている。仏教では浄土宗の経典である『仏説無量寿経』（『大経』）『仏説観無量寿経（『観経』）『仏説阿弥陀経』（『小経』）を学ぶようにとなえている。ただし、清浄な心であることが重要であり、念仏「南無阿弥陀仏」を唱えるときも、清浄な心が重要であるとしている。また仏教のみならず、宗教間の協調をとなえており、他宗教のリーダーたちとの会談がよく行われている。

中国出身ではあるものの台湾に移住したため、活躍の場は世界にまで広がり、特に中国、台湾、香港、シンガポール、オーストラリアでの認知度は高く、各地で関連の書籍が売られている。

法師は日本との繋がりも多く有り、日本の仏教界の人々との交流がある。そのためか一部の中国のネットで日本人説が流れたが、中国安徽省の出身である。