「貯金箱」の版間の差分
Rural City (会話 | 投稿記録) →貯金箱の開封・中身の取り出し: 画像 |
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== 最古の貯金箱 == |
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[[File:CMOC Treasures of Ancient China exhibit - bronze cowrie container.jpg|thumb|石寨山古墓出土の七牛虎耳貯貝器(前漢初期)]] |
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[[中華人民共和国|中国]]・[[雲南省]]の[[滇|滇国]]の遺跡である石寨山古墓(せきさいさんこぼ)からは、青銅製で円筒形をした「七牛貯貝器」が出土している。約2,100年前のものであり、当時通貨として流通していた[[子安貝]]を入れておくものであったと考えられている。これは現存する最古の貯金箱であろう。 |
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== 豚の貯金箱 == |
== 豚の貯金箱 == |
2020年8月10日 (月) 07:05時点における版
用法
小額の決済に使われる硬貨を、帳簿記載や金額の確認などを必要としない私的な範囲で収容格納するための容器である。家庭の家計で発生するつり銭などの端額の貯蓄や、経済規模の小さい児童の教育などに利用されるほか、職場などでの友人単位での貯蓄、あるいは募金箱の一形態としての利用などがある。
構造
投入口
多くの貯金箱は、それらが使用される国において現在流通する硬貨に合わせた大きさの投入口がついている。投入口は、硬貨の直径よりやや大きめの横幅と、硬貨の厚みよりやや大きめの高さ(縦幅)になっているため、一度いれた硬貨を投入口から出しにくい構造になっている。
取出口
貯金箱の特徴として、その名のとおり「貯蓄」が主目的であり、取り出しの頻度、利便性の低さが挙げられ、これが日常的に出入金のある財布や金庫との大きな違いと言える。投入の容易さに比べて取り出しにおいては容器をひっくり返して底面の蓋を外す、あるいは取り出しの機能が無いものもある。小額硬貨のプールが目的であるので、必要があれば随時取り出すのも貯金箱の用途となる。また貯金箱自体の破壊を行わなければ硬貨を取り出せないという構造のものにおいては、機能を貯蓄のみに限定したものと言え、破壊に際してはそれに釣り合うだけの貯蓄の成果が求められる。
強度
貯金箱自体は、基本的に、硬貨が貯まった場合の重量に耐えられる程度に丈夫である。但し、金庫と異なり、外からの意図的な破壊に対してどれくらい頑丈であるかは、それぞれにおいてことなる。開封の手段として貯金箱自体の破壊を想定された貯金箱もある。多くの場合、小額の硬貨のみを収納するため、金庫に比べると防犯機能は低い。
大きさ
多くの場合、貯金箱自体の大きさはそれほど大きくない。内容物を含んで人間が一人で移動できる程度の大きさである。ただし、貯金箱自体に様々な意匠が施されている場合や特定の目的をもつ場合はその限りではない。
その他
特別な意匠が無い場合、木製や金属製、プラスチック製の貯金箱は内部が見通しにくい。ガラスや透明なプラスチックを用いるか、容器の一部に硬貨がこぼれない程度の空洞を開けることで、貯金量を把握しやすく改良された物がある。
代用品
空き瓶や、空き缶を利用した手作りの貯金箱を作成したり、丈夫な箱や瓶に収納することで代用する場合がある。多くの場合、強度や構造に、貯金箱としての機能性に欠ける部分があるが、利用者の運営方法によってカバーされることで貯金箱の代用として機能する。
例えば、内容物の取り出しが自由な器を、貯金箱として代用した場合、運用方針として、器にはいった硬貨は取り出せない、というルールを作成し、それに忠実に実行することで、機能上貯金箱と同等の効果を上げる事ができる。
歴史的には、穴あき銭が一般に流通していた時代には、丈夫な縄を通すことで、まとまった量の銭を持ち運びやすくする方法があった。ただし、これは、貯金に限って用いられる訳ではない。
貯金箱の開封・中身の取り出し
陶器製で、投入口以外の取出口のない貯金箱は、それを割ることで貯めた硬貨を取り出す。また、缶製の貯金箱は、缶切りで開ける。これらの破壊を伴う方法は、一度開けてしまうと貯金箱としての機能を失うことを意味する。
投入口程度の幅で短冊状に切った厚紙を投入口から挿入し、中の硬貨をこの厚紙に乗せて取り出す事により、貯金箱を破壊せずに中の硬貨を取り出す方法もある。ただし、透明な材質の貯金箱でなければ中の硬貨を確認できず取り出しが難しく、また中の硬貨が多量の場合は現実的な方法とはいえない(投入口の大きさや硬貨の厚さにもよるが、一度に1枚ないし2枚程度しか取り出すことができない)。
金庫との違い
金庫は、高価なものを保管するために、様々な性能が要求されるが、貯金箱はそれを必ずしも満たさない。
金庫には、持ち去りを防ぐ機能として、それ自体が重量物であったり、床に厳重に固定できるが、貯金箱の場合、意匠の結果として重量が増すことはあるが、それは貯金箱にとって必要の条件ではない。手金庫のように持ち出して中身を確認する機能も、貯金箱には必須ではない。
貯金箱の分類
硬貨をプールすることを目的とする場合
家庭、小規模商店などにおいて硬貨をプールし、不意の支出や両替の機能を果たす。帳簿管理や会計監査の対象とならない程度の小額での範囲であり、この場合に使用される貯金箱は内容物の取出しが比較的容易な構造となる。
一定の量を貯金することを目的とする場合
貯金箱の大きさに従って、一定の量の硬貨を貯金することができる。 多くの場合、硬貨の種類が異なることで、貯金できる金額が異なる。
一定の金額を貯金することを目的とする場合
硬貨の種類を限定した投入口を持つか、運用方法で一定の種類の硬貨のみを投入することで、内容量いっぱいに貯金すると、一定の金額になるような貯金箱。目的の金額を貯めるための貯金をする場合に有効である。ただし、硬貨自体の大きさの差や、詰め込み程度などが異なるため、金額は目安としてとらえたほうがよい。
硬貨の種類を限定することの利点として、重量のある硬貨の場合、貯金箱ごと重量を量ることで、ある程度の貯金金額を知る事ができる。また、透明な瓶製であったり、積み重なった硬貨の高さが分かりやすいように目盛がついているものなど、貯金箱の意匠や素材によっては、外部から硬貨の量が分かりやすくなっているものがある。
販売促進用の貯金箱
銀行などの企業が、販売促進グッズとして、貯金箱を用いる場合がある。児童の気に入る意匠を施すことで貯金をする習慣を身に付ける教育効果を期待したり、貯金箱自体に企業名やマスコットを用いる事で、身近な広告媒体として用いられる。かつては銀行の販売促進グッズには厳しい価格制限があったため、数万円程度の預金を行った顧客に対しては、プラスチックの貯金箱が粗品として多く提供された。これは高さ10cm程度のものであった。
また、郵便局の粗品の貯金箱は筒型の郵便ポストを模したものが用いられる。
コレクション対象の貯金箱
貯金箱は部屋の中などの身近な場所に置くことが多いため、さまざまな意匠をこらした貯金箱がある。それらの中には、広く一般に知られる企業の物や、キャラクターを模したもの、収納できる貯金の金額より高価なものなどがあり、本来の用途とは離れて、コレクション対象となる場合がある。
最古の貯金箱
中国・雲南省の滇国の遺跡である石寨山古墓(せきさいさんこぼ)からは、青銅製で円筒形をした「七牛貯貝器」が出土している。約2,100年前のものであり、当時通貨として流通していた子安貝を入れておくものであったと考えられている。これは現存する最古の貯金箱であろう。
豚の貯金箱
イギリスでは、余ったコインを台所などにある赤い陶土(pygg)の陶器の壷に蓄えることがあり、これをピギー銀行 (pygg bank) と呼んだが、これが「子豚」を意味するpiggy を連想させたため、陶器製の豚が貯金箱に使われることが多くなった。